ページ1(問1より問25まで)
※主な法改正など。
・令和2年(2020年)4月1日施行で、民法が大幅に改正されるので、留意のこと。
・マンション標準管理委託契約書は、平成30年3月9日付で24条に「反社会勢力の排除」などの改正があり、平成30年度の試験から出題適用となるので注意のこと。
・マンション標準管理規約は、平成29年8月29日付で「民泊」で12条に改正があり、平成30年度の試験から出題適用となるので注意のこと。
・マンションの管理の適正化に関する指針(国土交通省告示第490号)及びマンション標準管理規約は、平成28年3月14日付で大幅な改正があった。
・マンション標準管理委託契約書は、平成28年7月に改正があり、平成29年度の試験から出題適用となるので注意のこと。
・マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
・マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
問1 |
【問1】 相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。 民法第919条1項で引用されています第915条は、 どうして、共同相続人全員でなければ、限定承認は出来ないのでしょうか。考えてください。 また、廃除の規定は、民法第892条及び第893条にあります。 よって、民法第887条2項により、設問の「被相続人Aの子Bが”相続の放棄”をした場合」は、代襲相続は出来ないため、「Bの子CがAの直系卑属であるときは、CがBを代襲する」は、誤りです。 これは、相続放棄をした者は、民法第939条、 *2020年 1月31日:バラバラと解説をしてきたが、「問1」 に戻って来た。 |
問2 |
【問2】 Aは、自己の所有するマンション(マンション管理適正化法第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の一住戸甲(以下、本問において「甲」という。)をBに贈与する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 無償契約...当事者のなすべき給付が対価的意義を有しない契約。契約によって一方の当事者だけが債務を負担するもの。例えば、贈与契約。 それが、民法第554条 書面による死因贈与については、遺贈の規定を準用するといっても、単独行為の、@能力、 A方式、 B承諾・放棄 などは準用がありません。 では、遺贈での撤回は、民法第1022条 しかし、最高裁判所 判決:昭和57年4月30日、 そこで、設問に戻り、設問の前半「AB間の贈与契約が書面でなされた場合において、その贈与契約の効力がAの死亡によって生じるものとされていたときは、遺贈の規定が準用される」は、適切です。 しかし、設問の後半「Aはいつでもこの贈与契約を書面で撤回することができる」は、判例でも争いがあるので、正しいには、疑問符がつく、不適切な出題です。 マンション管理士 香川の判断としては、最近の判例の流れのように、書面による死因贈与では、撤回ができないを支持して、この選択肢2は、「誤っている」にします。 設問の贈与契約の内容に、「BがAを扶養する旨の負担が付いていたとき」なら、これは、負担付き贈与と呼ばれます。 準用されている”双務契約”で主要なのは、”同時履行の抗弁権(民法第533条)”と”危険負担(民法第534条〜536条)”です。 そこで、同時履行の規定、民法第533条、 |
問3 |
【問3】 不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 なお、民法第509条は、上の判例などを取り入れて、2020年4月1日施行で、改正されます。 設問のように内容が面倒な文章では、答えは判例にあります。で、この設問に一致するのは、 最高裁判所 判決:平成4年6月25日 です。 設問は、最高裁判所の平成4年6月25日の判決によれば、正しいとしますが、その後の判例も”しんしゃく”すると、かなり議論のある出題です。 |
問4 |
【問4】 留置権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 留置権の特徴は、先取特権と同じ法定担保物権に属しますが、先取特権に認められる”物上代位性”や制度上の優先弁済の効力は留置権にはありません。それは、留置権はその目的物を自分の手元に留置しているということに由来します。 また、留置権は、債権関係の双務契約での”同時履行の抗弁権”(民法第533条)と似たような機能をもちますが、物権(一定の物を直接に支配して利益をうける排他的な権利)として、目的物を占有していることで、登記がなくても(留置権は登記できない)第三者に対抗できます。 そこで、設問に戻ると、留置権は、民法第295条、 追記:なお、判例を探したら、最高裁判所 判決:昭和47年11月16日 があった。 しかし、留置権は、選択肢1で説明しましたように、弁済を受けるまでその物を占有(留置)できる権利で、留置物の価値を代える金銭等には、及びません。 そこで、設問の「まだ、建物の代金を支払っていない人が、どうして、火災保険に入っているのか」とか、危険負担のことは、追及をおいといて、留置権では、この「物上代位性」は、認められていませんから、設問の「AB間で甲につき売買契約が締結され、売主Aが買主Bへの登記を済ませたが、代金の支払いがなされていなかった場合において、Bへの引渡し前に甲が火災により焼失したときは、Aは、売買代金を確保するため、Bが取得する火災保険金請求権に対し、留置権に基づく物上代位をすることが”できる”」は、誤りです。
これも、最高裁判所 判決:昭和29年1月14日、 |
問5 |
【問5】 Aが、Bに対するCの債務を保証するためBとの間で保証契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 出題文の、「抵当権の設定を”受けていた”」が分かり難い。ここは、「抵当権者になった」と解する。 保証契約は、保証人と債権者との契約であり、主たる債務者との契約ではありません。 また、保証契約では、 これらを元に、設問に戻ると、保証人が弁済した場合に、法定代位の規定、民法第500条、 そこで、法定代位となると、債権者の意思に関係なく代位するため、設問の「AがCの委託を受けて保証人となり、保証債務を弁済した場合において、BがC所有の不動産に抵当権の設定を受けていたときは、Aは、Bの同意を得なければ、Bに代位して当該抵当権を実行することができない」は、「できるため」、誤りです。 保証は、債権者と保証人間での契約ですから、債務者が知らなくても、保証契約が成立します。 委託を受けた保証人が弁済したときは、民法第459条、 しかし、主たる債務者から委託を受けない保証人が、また、債務者の意思に反して、弁済すると、民法第462条、 そこで設問の「AがCの委託を受けずに保証人となったが、それがCの意思に反する場合において、AがCに代わり弁済をしたときは、Aは、”弁済の当時にCが利益を受けた限度”で求償することができる」は、「現に利益を受けている限度」ですから、誤りです。
そこで、設問については、 最高裁判所 判決:昭和40年6月30日 |
問6 |
【問6】 同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 また、同時履行の関係は、民法第533条、 「賃借家屋明渡債務と敷金返還債務との間の同時履行関係の有無 家屋の賃貸借終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは、特別の約定のないかぎり、同時履行の関係に立たない。 賃貸借における敷金は、賃貸借の終了後家屋明渡義務の履行までに生ずる賃料相当額の損害金債権その他賃貸借契約により賃貸人が賃借人に対して取得することのある一切の債権を担保するものであり、賃貸人は、賃貸借の終了後家屋の明渡がされた時においてそれまでに生じた右被担保債権を控除してなお残額がある場合に、その残額につき返還義務を負担するものと解すべきものである。 そして、敷金契約は、このようにして賃貸人が賃借人に対して取得することのある債権を担保するために締結されるものであつて、賃貸借契約に附随するものではあるが、賃貸借契約そのものではないから、賃貸借の終了に伴う賃借人の家屋明渡債務と賃貸人の敷金返還債務とは、一個の双務契約によつて生じた対価的債務の関係にあるものとすることはできず、また、両債務の間には著しい価値の差が存しうることからしても、両債務を相対立させてその間に同時履行の関係を認めることは、必ずしも公平の原則に合致するものとはいいがたいのである。 一般に家屋の賃貸借関係において、賃借人の保護が要請されるのは本来その利用関係についてであるが、当面の問題は賃貸借終了後の敷金関係に関することであるから、賃借人保護の要請を強調することは相当でなく、また、両債務間に同時履行の関係を肯定することは、右のように家屋の明渡までに賃貸人が取得することのある一切の債権を担保することを目的とする敷金の性質にも適合するとはいえないのである。 このような観点からすると、賃貸人は、特別の約定のないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、したがつて、家屋明渡債務と敷金返還債務とは同時履行の関係にたつものではないと解するのが相当であり、このことは、賃貸借の終了原因が解除(解約)による場合であつても異なるところはないと解すべきである。 そして、このように賃借人の家屋明渡債務が賃貸人の敷金返還債務に対し先履行の関係に立つと解すべき場合にあつては、賃借人は賃貸人に対し敷金返還請求権をもつて家屋につき留置権を取得する余地はないというべきである。」 ということで、 この判例によると、この場合には、「賃借人の家屋明渡債務が賃貸人の敷金返還債務に対し先履行の関係に立つと解すべき」とのことで、同時履行の関係には立たないため、設問の「AB間の建物の賃貸借契約が期間の満了により終了する場合において、それに伴う賃貸人Aの敷金返還債務と賃借人Bの建物明渡債務とは、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立たない」は、正しい。 3 AB間の借地契約の終了に伴い、賃貸人Aに対して賃借人Bの建物買取請求権が行使された場合においては、その土地の賃貸人Aの建物代金債務と賃借人Bの建物土地明渡債務とは、同時履行の関係に立つ。 〇 正しい。 借地契約の終了なら、賃借人の建物代金債務と賃貸人の建物土地明渡債務とは、同時履行の関係に立つ。 まず、建物買取請求権は、借地借家法13条、 「(建物買取請求権) 第十三条 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。 2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。 3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。」 とあり、 借地借家法13条1項によれば、 借地権の存続期間が満了したときに、契約更新をしない場合、借地人から地主に対して建物の買取を請求できる権利(建物買取請求権)があります。 この建物買取請求権が認められる背景には、本来、借地人は、借地契約が満了したとき、土地を”更地”にして返還する必要があります。 しかし、これは、「まだ使える建物を取り壊さなければならない」ことを意味し、借地人にとっても、社会経済的にとっても大きな損失となります。このことを考慮して、地主が借地人が建てた建物を買い取る”建物買取請求権”の仕組みが整えられました。 建物買取請求権は、買取請求がなされた時点で、地主の意思にかかわらず、売買契約が成立したとみなされます。このような権利者の一方だけの意思表示で成立する権利を”形成権”と呼びます。なお、買取価格は、時価(建物が現存するままの状態)です。 そこで、これは、古いので、判例検索には、該当がないのですが、大審院 判決:昭和7年1月26日、 「借地借家法によって認められる「建物買取請求権」「造作買取請求権」が行使された場合には、厳密には双務契約とはいえないが、効果としては、売買契約とまったく同じといってよい。目的物移転と代金支払いの両債務が成立するので、この間に同時履行の関係を認めてよいことは自明の理であろう」 とのことで、 設問の「 AB間の借地契約の終了に伴い、賃貸人Aに対して賃借人Bの建物買取請求権が行使された場合においては、その土地の賃貸人Aの建物代金債務(代金支払い債務)と賃借人Bの建物土地明渡債務(目的物移転債務)とは、同時履行の関係に立つ」は、正しい。 4 AB間の金銭消費貸借契約にかかる担保のために、債権者Aに対して債務者Bが、自己所有の土地に抵当権を設定した場合においては、Aの抵当権設定登記の抹消義務とBの債務の弁済とは、同時履行の関係に立たない。 〇 正しい。 一般的な判例では、被担保債務の弁済が抵当権設定登記の抹消義務より先に履行される。 実務を知っていると、難しい設問です。 これは、最高裁判所 判決:昭和57年1月19日、 「抵当債務の弁済と抵当権設定登記の抹消登記手続との同時履行関係の有無 抵当債務は、抵当権設定登記の抹消登記手続より先に履行すべきもので、後者とは同時履行の関係に立たない。 債務の弁済と該債務担保のために経由された抵当権設定登記の抹消登記手続とは、前者が後者に対し先履行の関係にあるものであつて、同時履行の関係に立つものではないと解すべきである」 とあり、 まず、債務の弁済の方が、抵当権設定登記の抹消登記手続に先履行すると判決では、言っていますから、設問の「AB間の金銭消費貸借契約にかかる担保のために、債権者Aに対して債務者Bが、自己所有の土地に抵当権を設定した場合においては、Aの抵当権設定登記の抹消義務とBの債務の弁済とは、同時履行の関係に立たない」は、正しい。 しかし、実務では、この両債務は、同時履行されています。 答え: 1 同時履行については、判例が絡んで、難しい。解説に、半日(5時間)以上かかった。 また、同時履行は、 「問4」 の「留置権の行使」にも絡むので、併せて、勉強のこと。 なお、民法第533条も2020年4月1日施行により、以下のように改正されます。 *「【改正後民法】 (同時履行の抗弁) 第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。」 《タグ》 民法 同時履行の抗弁権 詐欺での取り消し 敷金返還債務と建物明渡債務 建物代金債務と建物土地明渡債務 抵当権設定登記の抹消義務と債務の弁済 *2020年 2月 5日:どうやら、民法の解説が終わったので、次は、区分所有法の 「問10」へ、行きます。 |
問7 |
【問7】 次のア〜エの記述のうち、標準管理委託契約書によれば、適切なものはいくつあるか。 *この解説においては、「マンション標準管理委託契約書」は、「標準管理委託契約書」といい、同契約書内において、「甲」は、「管理組合」を指し、「乙」は、「マンション管理業者」を指します。 ア マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)が行う管理事務(マンション管理適正化法第2条第6号に規定するものをいう。以下同じ。)の対象となる部分は、管理規約により管理組合が管理すべき部分のうち、マンション管理業者が受託して管理する部分であり、オートロック設備や宅配ボックスも管理事務の対象に含まれる。 *2020年 1月 5日:マンション管理士試験の「問33」から、気分転換で、この管理業務主任者試験の「問7」に移動してきた。 |
問8 |
【問8】 次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。 |
問9 |
【問9】 次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も不適切なものはどれか。 *2020年 1月 7日:次は、「問13」が、標準管理委託契約なので、「問13」 を先に、解説します。 |
問10 |
【問 10】 マンションの管理費又はその滞納に関する次の記述のうち、民法、民事訴訟法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。 設問は、マンションの管理費や修繕積立金は、当然に、区分所有者は支払う義務がありますが、管理費等を滞納したまま、専有部分(室)を他の人に譲渡したり、融資が払えず競売になったときに、それら譲受人や競売の落札者(特定承継人といいます)にも前の区分所有者が行った滞納を支払う義務があるかということです。 まず、承継人には、@包括承継人 と A特定承継人 の2つの場合があります。 そこで、特定人の責任は、区分所有法第8条、 通常の民法の解釈では、合意による取決めは、その合意の当事者及び相続人等の”包括承継人”のみを拘束するのが原則であり、売買による譲受人(買主)のような”特定承継人”を拘束しません。 ただし、区分所有建物の賃借人などの占有者は、区分所有法での特定承継人には該当しませんから、占有者に対して、滞納管理費等の支払い請求はできませんので注意してください。 そこで、設問に戻り「競売によって区分所有権を買い受けた者は、通常の売買の場合と異なり、前区分所有者の滞納管理費の支払債務を承継しない」は、区分所有法第8条により、「競売によって区分所有権を買い受けた者」は、特定承継人ですから、「前区分所有者の滞納管理費の支払債務を承継」しますから、誤りです。 マンションを賃貸に出していても、管理費や修繕積立金の支払い義務は、区分所有者にあります。 賃借人などの占有者は、区分所有者ではないので、管理費などの請求は当然できません。 まず、”時効”とは、ある出来事から一定の期間が経過したことにより、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わず、その事実状態に適合する権利を取得し、または、権利を失う制度です。 また、時効には、 そこで、設問の「管理者が病気で長期入院した場合においては、その期間の滞納管理費の消滅時効は、完成しない」ですが、「管理者が病気で長期入院した場合」では、消滅時効の成立を阻止する、 また、時効は、下の 「問11」 でも、出題されていますので、しっかり理解してください。 今度は、裁判か。 この「問10」の出題では、範囲が広い。 |
問11 |
【問 11】 マンションの管理費の支払債務の時効の中断に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 平成30年 管理業務主任者試験 「問11」 、 平成29年 管理業務主任者試験 「問11」 、平成29年 マンション管理士試験 「問12」 、 平成25年 管理業務主任者試験 「問10」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問13」 、 平成18年 管理業務主任者試験 「問10」 、、平成24年 マンション管理士試験 「問13」 、 平成22年 マンション管理士試験 「問7」 、 平成21年 マンション管理士試験 「問13」 、 平成21年 管理業務主任者試験 「問11」 、 平成20年 管理業務主任者試験 「問11」 時効については、上の 「問10」 でも、解説しましたが、重要なので、再度説明します。 また、時効には、 そして、出題の「時効の中断」とは、民法第147条にあり、 そこで、設問の「管理費の滞納者(債務者)が死亡した場合」ですが、民法第147条によれば、これは時効の中断事由には該当しないため、設問は誤りです。 催告は、債務者に対して履行を請求しますが、これだけでは、時効は中断しません。それが、民法第153条 設問の「管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合」は、選択肢アで説明しました時効の中断事由の1つである「B承認」に該当します。 この「承認」では、形式は特に規定されていませんから、口頭でも、その承認書が公正証書以外の文章でも構わず、また一部を弁済しても全部の承認となり、時効は中断しますから、設問は、正しい。 *2020年 2月 6日:解説済。 次は、「問17」 へ。 |
問12 |
【問 12】 区分所有者が負担する管理費及び修繕積立金に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、最も不適切なものはどれか。 |
問13 |
【問 13】 マンション管理業者が行う管理組合への管理事務の報告等に関する次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、適切なものの組み合わせはどれか。 *2020年 1月 7日:これで、標準管理委託契約書関係の出題の解説は、終わったので、次は、標準管理規約の解説で、 「問12」 へ行きます。 |
問14 |
【問 14】 管理組合の監事が行う業務に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)の定めによれば、最も不適切なものはどれか。 *2020年 1月 7日:次の解説は、標準管理規約繋がりで、 「問26」 を先に解説します。 |
問16 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【問 16】 管理組合の活動における以下のア〜エの入金状況に関し、平成31年3月分のア〜エを合わせた仕訳として、最も適切なものは、次の1〜4のうちのどれか。なお、この管理組合の会計は、企業会計の原則に基づき、毎月厳格な発生主義によって経理しているものとする。
これが、3月度には、前受金を取り崩して、下の様になります。 (対象-1)
これを、さらに纏めると、以下の様になります。
よって、適正なのは、4 です。
*2020年 1月10日:これで、管理業務主任者試験での、会計がおわったので、また、マンション管理士試験の解説 「37」 へ戻ります。 |
問17 | ||||||||
【問 17】 直上階の居室の床面積の合計が200uを超える地上階における共同住宅の共用階段に関する次の記述のうち、( a )〜( d )に入る数値の組み合わせとして、建築基準法によれば、正しいものはどれか。ただし、この階段は、屋外階段ではないものとする。 蹴上げ(けあげ)とは、階段の1段の高さです。 階段や踊場の幅、蹴上げ、踏みづらなどの寸法は、建物の用途、床面積によって、建築基準法施行令で細かく決められています。 次に設問の「階段の踊場は、高さ( a )m以内ごとに設けなければならない」は、建築基準法施行令第24条、
答え: 1 こんな複雑で、細かな数字が、管理業務主任者に求められてはいない。 実に、不適切な出題。 難問だ。 解説にも、時間がかかる。 《タグ》建築基準法施行令 踊場を設ける=4m以内 階段踊り場の幅=120cm以上 蹴上げ=20cm以下 踏みづら=24cm以上 |
問18 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【問 18】 用途地域内の建築制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。 こんな設問は、宅地建物取引主任士試験から、流れてきた人は、得意かも。 用途地域は、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的として、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など13種類があります。 具体的には、建築基準法第48条、
そこで、設問に戻り、「共同住宅は、工業地域に建築することができる」は、建築基準法第48条12項、 「12 工業地域内においては、別表第二(を)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が工業の利便上又は公益上必要と認めて許可した場合においては、この限りでない。」 とあり、 別表第ニ (を)項 は、 「
引用されています、 「一 (る)項第三号に揚げるもの...三 個室付浴場業に係る公衆浴場その他これに類する政令で定めるもの」にも、共同住宅は該当しないため、共同住宅は、工業地域内にできますから、設問は、正しい。 2 倉庫業を営む倉庫は、第一種中高層住居専用地域に建築することができる。 X 誤っている。 倉庫業を営む倉庫は、第一種中高層住居専用地域に建築することができない。 住居系の用途地域で、倉庫業を営む倉庫は、準住居地域だけ。 設問の「第一種中高層住居専用地域に建築することができる」のは、選択肢1で引用しました、建築基準法第48条3項、 「3 第一種中高層住居専用地域内においては、別表第二(は)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第一種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」 とあり、 別表第二 (は)項は、
引用されています「一(い)項第一号から第9号」は、
これらによれば、設問の「倉庫業を営む倉庫」は、第一種中高層住居専用地域内に建築することができる」に入っていないため、設問は、誤りです。 3 旅館は、第二種中高層住居専用地域に建築することができる。 X 誤っている。 旅館は、第二種中高層住居専用地域に建築することができない。 設問の「第二種中高層住居専用地域に建築することができる」は、選択肢1で引用しました、建築基準法第48条4項、 「4 第二種中高層住居専用地域内においては、別表第二(に)項に掲げる建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が第二種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」 とあり、 別表第二(に)項は、
・(ほ)項第二号及び第三号 二 マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの 三 カラオケボックスその他これに類するもの ・(へ)項第三号から第五号まで 三 劇場、映画館、演芸場又は観覧場 四 自動車車庫で床面積の合計が三百平方メートルを超えるもの又は三階以上の部分にあるもの(建築物に附属するもので政令で定めるもの又は都市計画として決定されたものを除く。) 五 倉庫業を営む倉庫 ・(と)項第四号 四 (る)項第一号(一)から(三)まで、(十一)又は(十二)の物品((ぬ)項第四号及び(ぬ)項第二号において「危険物」という。)の貯蔵又は処理に供するもので政令で定めるもの で、(る)項第一号(一)から(三)までは、 一 次に掲げる事業(特殊の機械の使用その他の特殊の方法による事業であつて環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を害するおそれがないものとして政令で定めるものを除く。)を営む工場 (一) 火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)の火薬類(玩具煙火を除く。)の製造 (二) 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第七項に規定する危険物の製造(政令で定めるものを除く。) (三) マツチの製造 で、(ぬ)などは、旅館とは、関係がないもですから、省略です。 ・(り)項第二号及び第三号に掲げるもの 二 キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの 」三 個室付浴場業に係る公衆浴場その他これに類する政令で定めるもの」 ですから、 別表第二(に)項4号によれば、設問の「旅館は、第二種中高層住居専用地域に建築することができる」は、「できない」ため、誤りです。 4 病院は、田園住居地域に建築することができる。 X 誤っている。 病院は、田園住居地域に建築することができない。 設問の、「田園住居地域に建築することができる」のは、選択肢1で引用しました、建築基準法第48条8項、 「8 田園住居地域内においては、別表第二(ち)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない。ただし、特定行政庁が農業の利便及び田園住居地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」 とあり、 別表第二(ち)項は、
「一 住宅 二 住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの 三 共同住宅、寄宿舎又は下宿 四 学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの 五 神社、寺院、教会その他これらに類するもの 六 老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの 七 公衆浴場(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第六項第一号に該当する営業(以下この表において「個室付浴場業」という。)に係るものを除く。) 八 診療所 九 巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物」 です。 これらにより、設問の「病院は、田園住居地域に建築することができる」に入っておらず、「できない」ため、誤りです。 なお、病院と診療所は違います。 ・病院...病床数20床以上の入院施設のある医療機関 ・診療所...無床もしくは病床数19床以下の入院施設のある医療機関 病院は、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、田園住居地域、工業地域、工業専用地域には、建築できない。 答え: 1 まったく、細かな出題で、管理業務主任者試験として、不適切な出題だ。出題官として、問題がある。 表を入れたので、解説も時間がかかる。 なお、別途、「建築基準法の解説」 もありますので、ご利用ください。 また、建築基準法からは、過去出題が多い為、「過去問題の解説においても、 「建築基準法の出題」 を取りだしていますから、こちらも、ご利用ください。 《タグ》 建築基準法 用途地域内 共同住宅 倉庫業の倉庫 旅館 病院 |
問19 |
【問 19】 建築物の容積率に関する次の記述のうち、建築基準法によれば、最も適切なものはどれか。 どうして、法律からの出題なのに、「最も適切なものはどれか」と聞くのだろうか。他の出題のように、「誤っているのはどれか」でいいだろう。 まず、基本の容積率とは、1階、2階など各階の床面積を合計した”建築物の延べ面積”の”敷地面積”に対する割合です。 具体的には、建築基準法第52条2項 設問の「容積率の限度が前面道路の幅員によって定まる場合において、当該前面道路が2 以上あるときは、それらの幅員のうち”最小のもの”が、容積率の算定の基礎となる数値として採用される」 ・宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができ ないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。 法的根拠は、建築基準法施行令第2条1項4号 ヘ また、建築基準法施行令第137条の8 もあります。 なお、エレベーターの昇降路の部分の床面積については、上の宅配ボックスの設置のような限度はありません。 具体的には、1つの敷地が、近隣商業地域と第2種住居地域などにわたっている場合には、それぞれの地域の容積率に、その地域に属する敷地部分の敷地全体に対する面積の割合を乗じた数値を合計 (加重平均)したものが、敷地全体に適用される容積率の最高限度になります。 答え: 2 出題者は、管理業務主任者の職務を、多大に勘違いしている。 もっと、管理業務主任者とは、何をする人か、を考えた出題が、望まれる。 |
問20 |
【問 20】 「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 背景:新築住宅については、平成12年4月に施行された「住宅の品質確保の推進等に関する法律(住宅品質確保法)」に基づき、「売り主」及び「請負人」に対し そこで、住宅品質確保法で定められた「10年間の瑕疵担保責任の履行」を裏付ける資力を確保するため、「特定住宅瑕疵担保責任の履行確保に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)」が新しく制定され、平成21年10月1日から施行されました。 これにより、売主や請負人が倒産しても、買主や発注者は、補修などに必要な金額を確保できるようになります。 ここでの、新築住宅とは...新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう、です。 また、「新築住宅」には、戸建てやマンションの他、賃貸住宅も入りますが、事務所、倉庫、物置、車庫は「住宅」でないため、対象となりません。また、一時使用目的の住宅(仮設住宅等)も対象外です。 1.構造耐力上主要な部分とは...住宅の基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、当該住宅の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものとする。(住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令第5条1項) 2.雨水の侵入を防止する部分とは... 一 住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具 二 雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分(住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令第5条2項) これらを踏まえ、設問に戻りますと、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法)第1条 選択肢1でも説明しましたように、新築住宅の請負人である建築業者及び売主の宅建業者には、 なお、建設業者がする供託金は「住宅”建設”瑕疵担保保証金」で、販売の売主がする供託金は「住宅”販売”瑕疵担保保証金」のように区別されています。 そこで、建設業者には、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第3条1項、2項、同2条5項 設問の後半、建設業者は、注文住宅について、「住宅”建設”瑕疵担保責任保険契約を締結しなければならない」は、選択肢2で引用しました、住宅瑕疵担保履行法第2条5項1号、 今度は、宅地建物取引業者が、自ら売主となると、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律第11条、 また、設問の後半「住宅”販売”瑕疵担保責任保険契約を締結しなければならない」は、選択肢1で引用しました、住宅瑕疵担保履行法第2条6項、 |
問21 |
【問 21】 マンションの構造・部材に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 「問19」、「問20」そして、この「問21」といい、この一連の出題を受け持った出題官は、出題文に自信がないようで、法律を根拠としているにも関わらず、他の出題では「正しいものはどれか」と聞くのが、通常だが、「最も適切なものはどれか」と聞くのが、特徴だ。 で、建築基準法での「主要構造部」とは、建築基準法第2条5号 主要構造部からは、最下階の床などは、除かれています。 なるほど、ここは、法律からの出題ではないので、設問の文章を「最も適切なものはどれか」にしたのか。 まず、鉄骨(S=Steel)造は、柱と梁等の骨組みを、形鋼、鋼管、鋼板などの鋼材を用いて造ります。軽量で高層建築や大スパン(柱と柱の間、梁と梁の距離)構造が可能ですが、火に弱い欠点があります。そして、鉄筋コンクリート(RC=Reinforced Concrete 補強されたコンクリート)造は、鉄筋とコンクリートを組み合せることにより、 ・鉄筋...引張力(引っ張る力)には強いが、熱に弱く錆びやすい ・コンクリート...熱に強いが、引張力(引っ張る力)に弱い の互いの長所を活かし、短所を補う構造です。 熱に弱い鉄筋をコンクリートで覆い、熱から鉄筋を守って酸化(錆び)を防ぎます。 コンクリートは上から押さえつける「圧縮」に対する抵抗力はあるものの、「引張力の弱さ」があります。 そのため、コンクリートを引張力に優れた鉄筋で補強します。 そこで、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC=Steel Reinforced Concrete)造は、力学的には、鉄骨造と鉄筋コンクリート(RC=Reinforced Concrete)造のそれぞれの長所を生かした構造です。 その構造は、あらかじめ鉄骨で骨組みを作りその周りに鉄筋を配置してコンクリ―トを打ち込んでいきます。 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のメリットとしては鉄筋コンクリート(RC)造と比べて鉄骨を多く配置するので柱の断面を細くする事が可能な一方で二つを組み合わせる事で変形に強くなり耐震性は高くなります。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災(マグニチュード9.0)では、首都圏などの高層建物が長周期地震動により大きく長く揺れました。 これらを受け、今後発生が予測される巨大地震(東海地震、南海地震、東南海地震、関東地震)などで、超高層建築物等への長周期地震動が与える影響を懸念しています。 そこで、設問の「全ての地域において、平成29年4月1日以降に申請する性能評価に基づく大臣認定によって新築される地上4階建て以上の免震建築物については、長周期地震動による影響を検討する必要はない」ですが、この根拠となるものは、内閣府の災害関係の資料や 国土交通省告示第1461号 平成28年6月1日 でもピッタリ・フィットするものがなかったのですが、過去の動きから、「全ての地域において」は、疑問がありますが、多分、適切でしょう。 高さ60 mを超える建築物では、動的計算にあたる「時刻歴応答解析」を行うべきことが定められている。 |
問22 |
【問 22】 次の記述のうち、建築士法の規定によれば、正しいものはどれか。 まったく、管理業務主任者試験とは、無関係の「建築士法」からの出題だ。 設問は、建築士法第2条、 以前は、建築士に定期講習を受ける規定はありませんでした。 |
問23 |
【問 23】 雨水排水設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 雨水たて管については、以下の計算式もある。 雨水マスは、雨水管の会合点、中間点又は屈曲する箇所に取り付けるマスで、下水道施設へ土砂が流入することを防止するため、マス底部に泥溜めを設けたマスをいいます。 そこで、設問の「雨水排水ますは、敷地雨水管の起点や合流箇所、方向を変える箇所、配管距離が長い箇所などの継手の代わりに設置し、敷地雨水管の掃除口の役目を果たすものである」は、適切です。 また、以下の記述もあります。 |
問24 |
【問 24】 次の消防用設備等のうち、消防法によれば、「消火活動上必要な施設」に該当するものはどれか。 防火対象物に設置及び維持すべき”消防用設備等”には、 根拠としては、消防法第17条、 消防法第17条1項を受けた政令は、消防法施行令第7条、 そこで、設問の「消火活動上必要な施設」は、消防法施行令第7条6項「6 法第十七条第一項の政令で定める消火活動上必要な施設は、 |
問25 | ||||||||||||||||||||||||
【問 25】 LEDランプ(エル・イー・ディー・ランプ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 そこで、設問に戻り「LEDランプは、同じ光束の場合において、白熱灯や蛍光灯よりも発熱量が少ない」ですが、フィラメントを加熱して発光させる白熱電球や、放電によって発光を実現する蛍光ランプに比べ、原理的に電気を直接光に変換するLEDは、エネルギー効率が格段に高く、より低い電力で発光させることができますので、適切です。 また、誘導灯の点灯時間を1日平均12時間とした場合、蛍光灯はおよそ1年で取り替えが必要ですが、LED電球などのLED照明は9年以上も取り替える必要がありません、との記述もあった。 そこで、電気用品の製造、輸入、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止する、「電気用品安全法」(平成13年改正施行)で、 具体的には、電気用品安全法施行令 別表2九(10)で、 映画館などでおなじみの火災時などで使われる、消防法での「誘導灯」及び「誘導標識」は、 上の 「問24」 での、「避難設備」に入り、 似たような、「非常用照明装置」については、建築基準法が定め「誘導灯」については、消防法が定めていることに、注意が必要です。 で、設問にもどりますと、法的な根拠は、消防法施行規則第28条の3
とあり、 消防法施行規則第28条の3 では、カンデラ(光源そのものの明るさを測る単位)だけが規定されていますから、光源の種類としては白熱灯と蛍光灯に限られておらず、LEDランプでも可能ですから、設問の「LEDランプは、消防法により設置が義務付けられる避難口誘導灯の光源に用いることができる」は、適切です。 また、参考:平成22年4月9日付:消防予第177号 を見ても、 「光源となる照明器具の種類:蛍光灯・白熱電球・LED・その他 」 とあり、光源となる照明器具から、特にLEDランプを除外していません。 また、消防法施行令第26条2項、 「誘導灯及び誘導標識に関する基準) 第二十六条 2 前項に規定するもののほか、誘導灯及び誘導標識の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとおりとする。 一 避難口誘導灯は、避難口である旨を表示した緑色の灯火とし、防火対象物又はその部分の避難口に、避難上有効なものとなるように設けること。 二 通路誘導灯は、避難の方向を明示した緑色の灯火とし、防火対象物又はその部分の廊下、階段、通路その他避難上の設備がある場所に、避難上有効なものとなるように設けること。ただし、階段に設けるものにあつては、避難の方向を明示したものとすることを要しない。 三 客席誘導灯は、客席に、総務省令で定めるところにより計つた客席の照度が〇・二ルクス以上となるように設けること。 四 誘導灯には、非常電源を附置すること。 五 誘導標識は、避難口である旨又は避難の方向を明示した緑色の標識とし、多数の者の目に触れやすい箇所に、避難上有効なものとなるように設けること」 もあります。 4 LEDランプを、建築基準法により設置が義務付けられる非常用の照明装置の光源に用いる場合は、常温下で床面において水平面照度で2ルクス以上を確保することができるものとしなければならない。 〇 適切である。 蛍光灯やLEDランプを非常用の照明装置の光源に用いる場合は、常温下で床面において水平面照度で2ルクス以上を確保すること。 平成29年 管理業務主任者試験 「問27」 、 こんどは、消防法ではなく、建築基準法が定める「非常用の照明装置」です。 非常用の照明装置は、不特定多数の人々が利用する特殊建築物および一定規模以上の建築物の居室、採光上の無窓の居室などとその”避難経路に設ける”もので、劇場、映画館、病院、ホテル、共同住宅、学校、百貨店などに設置することが義務づけられています。(建築基準法施行令、第126条の4参照)
そこで、LEDランプが、非常用の照明装置に使用できるかの根拠は、「非常用の照明装置の構造方法を定める件 昭和45年12月28日 建設省告示1830号 改正(平成29年6月2日)」 *2020年 2月11日:やっと、「問25」まで、解説が終わった。 |
ここまで、問25 (問26からは、次へ) |
2020年 2月26日:再度、見直した。
解説再開始:2020年 1月31日〜2月11日
条文の記載開始:2020年 1月 4日 〜
解説開始:2019年12月13日
問題 Up 開始:2019年12月 8日
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