平成21年 管理業務主任者 試験問題 及び 解説
ページ2(問26より問50まで)
謝辞:問題文の作成には、相川さまの協力を得ています。
ご質問は、 「マンション管理士 香川事務所」へ。
*注: マンション標準管理規約(単棟型、団地型、複合用途型)は、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
また、マンションの管理の適正化に関する指針も、平成28年3月に改正があり、当解説においては、未対応ですから、注意してください。
※ 出題当時以後の法令等の改正には、一部は対応していません。
※ マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 長期修繕計画の計画期間は、25年程度以上であることが最低限必要である。 ○ 適切である。 ここの出題は、マンション標準管理規約のコメントから出ている。 2 計画修繕の対象となる工事には、玄関扉等の開口部の改良は含めない。 X 適切でない。 計画修繕の対象となる工事も選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約 コメント32条関係② 3 長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費は、修繕積立金から充当しなければならない。 X 適切でない。 長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費についても、マンション標準管理規約 コメント32条関係④ 4 設備の保守点検や法律に定められた定期検査報告の情報は、修繕等の履歴情報には含まれない。 X 適切でない。 設備の保守点検や法律に定められた定期検査報告の情報は、マンションの建物の履歴を確認する上で重要な情報です。これも、マンション標準管理規約 コメント32条関係⑥ 答え:1 (全部、マンション標準管理規約 コメントからの出題とは、適切ではない。) |
問27 |
【問 27】 窓サッシの改修方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1 カバー工法とは、既存のサッシの枠を残し、当該サッシ枠の外側に新規建具を設置する工法であり、既存サッシより開口寸法を大きくできることがある。 X 適切でない。 窓サッシの改修方法に関しては、平成20年マンション管理士試験 「問40」 や、 平成19年マンション管理士試験 「問39」 もある。 2 サッシの改修は、一般的に共用部分の工事となるが、既存サッシの内側に新規サッシを設置して二重サッシとする場合には、専有部分の工事となることがある。 ○ 適切である。 バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、専用庭や屋上テラスは、区分所有者が専用使用できますが、共用部分として管理組合が管理します。(マンション標準管理規約8条、14条及び22条参照)。そこで、窓枠であるサッシを防音や断熱等で改修することは、一般的に共用部分の工事となります。そして、既存サッシの内側に新規サッシを設置して二重サッシとする場合には、当然に室の内側である専有部分に影響を及ぼしますから、専有部分の工事となることもあります。 3 引抜き工法とは、油圧工具又はジャッキ等で既存のサッシを枠ごと撤去して新しいサッシと交換する工法である。 ○ 適切である。 引抜き工法とは、油圧工具又はジャッキ等の工具を使い、既存のサッシを枠ごと撤去して新しいサッシと交換する撤去工法です。既存枠が残らないためカバー工法に比べ広い開口が得られます。ただし、工事の期間は長くかかります。 4 ノンシール工法は、主に便所や浴室などの比較的小型のサッシに採用される。 ○ 適切である。 ノンシール工法は、古い窓枠の上に新しい窓枠を取付ける工法です。室内から工事が可能で、外部からのシール(防水)工事を必要としないのでノンシール工法という名称がつけられました。内部から止水シール処理を行います。風呂場や台所などの小窓(すべり出し窓、内倒し窓)の改修に用いられます。等圧原理を応用した、省メンテナンスの工法です。具体的には、補助部材と既存スチール枠とが、タイル材によって気密壁をつくり、漏水を防ぎます。また、万一の場合、水の浸入やスチール枠の漏水も、たて枠か、たて枠補助部材をつたって外部に排水しますので、躯体を傷めず安心です。 答え:1 (選択肢1 が不適切とは分かるが、引抜き工法やノンシール工法まで知っておく必要があるのだろうか?) |
問28 |
【問 28】 マンションの断熱改修に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 断熱改修は、夏の暑さに対しては効果を期待できないが、冬の寒さに対しては効果がある。 X 適切でない。 断熱については、平成20年マンション管理士試験 「問40」 や、 今年の平成21年マンション管理士試験 「問40」 結露も参考にしてください。 2 外断熱改修工事を行った場合、結露の防止に対しては効果が期待できない。 X 適切でない。 結露は、室内と外部との温度差によって起こります。窓やサッシ付近だけでなく、壁でも起きます。外断熱改修をすれば、断熱の効果として、結露の防止も期待できます。 3 壁体の内断熱改修工事を行うと居室の面積が減少する。 ○ 適切である。 壁の内側での内断熱改修工事をすれば、室内の壁が厚くなりますから、部屋を居室に使用している場合にはその部分だけ面積は減ります。 4 壁体の断熱改修を行えば、窓の断熱改修は必要なくなる。 X 適切でない。 壁の断熱改修と窓(開口部)の断熱は別です。 答え:3 (まったく易しい問題。 常識でも分かる?) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 本管の取替工事は、多額の費用を要するが、総会の普通決議で行うことができる。 ○ 適切である。 この辺りの出題もよくある。 平成22年 管理業務主任者試験 「問33」 。 2 枝管の取替工事も総会決議があればできるが、専有部分における工事だから、できれば特別決議を経たほうが望ましい。 ○ 適切である。 枝管は専有部分に属しますが、本管と一体となっているので、同時に取り替え工事は可能です。マンション標準管理規約21条(敷地及び共用部分等の管理) 3 本管取替工事と一体として枝管取替工事をすることについて特別決議がされても、修繕積立金を取り崩して専有部分に係る枝管取替工事に要する費用に充てることには疑問がある。 ○ 適切である? 3/4以上という多くの組合員が賛成した特別決議を経たのであれば、管理組合の自治権を尊重して一応「専有部分に係る枝管取替工事に要する費用」であっても修繕積立金から出してもいいと思うが、マンション標準管理規約21条2項関係のコメント⑤ 4 枝管取替工事をすることについて特別決議をすれば、専有部分内に強制立入りできるので全戸工事を行うことができ、効果的である。 X 適切でない。 専有部分である枝管の取替工事を共用部分と一体として行うことは必要個所への立入りとして、マンション標準管理規約23条(必要箇所への立入り) 答え:4 (選択肢3 は納得できません。大体、標準管理規約そのものも法的拘束性で疑問がある個所もあるのに、そのコメントを適切とする出題方法は不適切です。) 高層住宅管理業協会の発表:4 |
【問 32】 管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。 ア 理事は、管理組合法人との利益が相反する事項については、管理組合法人を代表することができない。 ○ 正しい。 今年の出題傾向として、「いくつ」という個数を選ぶ問題が多い。 イ 管理組合法人は、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成し、常にこれを主たる事務所に備え置かなければならない。 ○ 正しい。 ここからが、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の実施に伴い、区分所有法で準用されていました民法の規定が削除などされたため、区分所有法の管理組合法人関係で改正された部分からの出題です。 ウ 理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。 ○ 正しい。 再委任は、区分所有法第49条の3(理事の代理行為の委任) エ 管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。 ○ 正しい。 ここは、選択肢イで引用しました、区分所有法第48条の2 2項 1 一つ 答え:4 (アからエまで、4つとも正しい。 ここは、管理組合法人の規定が変わったので、出題されやすいと、「超解説 区分所有法」でも指摘した箇所です。) |
【問 33】 あるマンションで、管理組合を法人化するための総会が開催された場合における次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。 1 総会開催日を平成20年12月13日とする場合、規約に特別の定めがないときには、招集通知は同年12月6日に発送すれば足りる。 X 誤っている。 総会(=集会)の招集通知は、区分所有法第35条1項(招集の通知) 2 招集通知に、議題として「管理組合法人化の件」と明記した場合、法人化の理由その他議案の要領は記載する必要がない。 ○ 正しい。 招集通知に示さなければならないのは、選択肢1で引用した区分所有法第35条1項 3 総戸数が200戸で1住戸1議決権の定めがあり、単独名義で1住戸を所有している者が193名、単独名義で2住戸を所有している者が2名、2名の共有名義の住戸が3戸(区分所有者6名は各々異なる者とする。)となっている場合、議決権数150以上、区分所有者数149以上の賛成により可決することができる。 ○ 正しい。 管理組合が法人化されるには、区分所有法第47条1項(成立等) 4 法人化するなら規約もそれに応じて改正すべきであるとの意見が出たが、「後日検討する。」として総会を終了させることができる。 X 誤っている? 厳密に間違いとは言い切れませんが。 今まで管理組合として使用していた管理規約や集会の決議などは、法人化しても有効です(区分所有法第47条5項参照)が、法人化すると、 ①管理組合法人という名称を使うこと、②事務所を定める ことが必要です。そこで、法人化に際しては、管理規約での「xxマンション管理組合」を「xxマンション管理組合法人と読み替える」などの改正も同時にするのがいいでしょう。しかし、この場合には、招集通知に「議題」としてあらかじめ通知する必要もあります。出題は、この部分が曖昧ですが。 ○ 正しい? ここを、正しいとするなら、区分所有法第37条(決議事項の制限) 答え:1 高層住宅管理業協会の発表:1 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 ア 窓枠、玄関扉等の一斉交換工事をするには、総会で普通決議を経ればよい。 ○ 適切である。 また、「いくつあるか」と個数をきいている。 ここらは、平成22年 管理業務主任者試験 「問32」 、や 平成20年管理業務主任者試験 「問32」、 平成20年 マンション管理士試験 「問26」 にもある。 イ 規約違反の区分所有者に対し、その差止め訴訟を提起するには、理事会の決議で足り、総会決議を経なくてもよい。 X 適切でない。 ここは、平成22年 管理業務主任者試験 「問36」 選択肢2 でもまた出た。 ウ 区分所有者のうち理事のみが記名押印した規約を規約原本とするには、総会の特別決議による規約改正が必要である。 ○ 適切である。 マンション標準管理規約のうしろの方にある規約原本からの設問は、新しい。 エ 団地管理組合で計画的な修繕工事を実施するため、各棟修繕積立金を取り崩すには、団地総会での普通決議のほかに各棟の総会の普通決議も必要である。 X 適切でない。 ここは、マンション標準管理規約(団地型)の規定です。 1 一つ 答え:2 (2つ。適切なものは、ア と ウ。 ここは、かなりの難問でした。) 高層住宅管理業協会の発表:3 (多分、適切は、ア、イ、ウ) (一体、どこを適切としているのか、高層住宅管理業協会に問合せをしようとしても、「根拠の問合せには、応じない」という高層住宅管理業協会態度は問題がありすぎです。根拠の分かる方は、http://tk4982.at.webry.info/ まで連絡ください。) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 「マンション内の店舗での営業制限について」が議題になっている総会に、あらかじめ理事長への通知なく出席しようとしている店舗の賃借人 拒否の可能性は低い。 設問の、「可能性が高い」とは、曖昧なことばですが。この設問については、平成21年マンション管理士試験 「問25」 も参照。また、似たようなのは、平成22年 マンション管理士試験 「問28」 。平成22年 管理業務主任者試験 「問30」 。 2 「修繕積立金の値上げについて」が議題になっている総会に、その議題に反対している組合員と共に出席しようとしている近隣に住む当該組合員の友人である代理人弁護士 拒否の可能性は高い。 この文章も分かりにくい。形容詞が多すぎる。総会に出席できるのは、そのマンションの組合員(区分所有者)または、その代理人です。原則として代理人が総会に出席することが出来るのは、本人が出席しない場合を想定していますから、本人である組合員が出席するなら、他の代理人は不要なわけで、共に出席しようとする代理人が弁護士であっても出席は拒否できます。 3 「ペット飼育の制限について」が議題になっている総会に、盲導犬を連れて会場に入ろうとしている目の不自由な組合員 ほとんど拒否できない。 ここは、簡単。盲導犬は、身体障害者補助犬法によって、国等が管理する施設や公共交通機関、また不特定かつ多数の者が利用する施設などでは、身体障害者が身体障害者補助犬を同伴することを拒めないし、住宅を管理する者も、身体障害者補助犬を使用することを拒まないよう努めなければなりません。(身体障害者補助犬法第7条~第11条参照)。ここも、議題のペットとは関係がない。 4 「室内での楽器演奏時間の制限について」が議題になっている総会に、委任状持参で出席しようとしているピアノを教えている組合員と同居する配偶者 拒否できない。 設問が分かりにくい。出席しようとするのは、組合員かそれとも配偶者なのか迷う文章だ。組合員の委任状をもっていれば、代理人として有効であり、組合員と同居していれば、議題に関係なくマンション標準管理規約46条5項 答え:2 (出題としては、面白いけど、文章が良くない。) 高層住宅管理業協会の発表:2 |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 収支決算の結果、管理費に余剰が生じたので、翌年度の修繕積立金に充当した。 X 違反する。 設問で「違反」を使うとは。今までの出題では、「適切でない」を使用しているのに比べてかなり高圧的な出題ではある。ここは、選択肢4の「支弁」など用語が過去と異なる。出題担当者が代わったのか。 2 理事会決議により、修繕積立金の運用のため、国債を購入した。 X 違反する。 多くの事項は基本的に、総会で決します。修繕積立金の運用は、マンション標準管理規約48条(議決事項) 3 理事会決議により、修繕積立金を預金していたA銀行の口座から預金を引出し、B銀行に口座を開設して預け替えた。 X 違反する。 口座を変更することは、修繕積立金の保管方法の変更ですから、選択肢2で引用した、マンション標準管理規約48条8号(議決事項) 4 総会の普通決議により、役員に対する必要経費と報酬の額を決定し、管理費から支弁した。 ○ 違反しない。 何度も云っていますが、マンションの役員のなり手がいなくて困っています。そこで、役員報酬を払うのも一考です。これは、選択肢1で引用したマンション標準管理規約48条13号 答え:4 (早まって 1 としないように。) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 1 ペットの飼育に関する使用細則の変更は、理事会の決議で行うことができない。 ○ 適切である。 理事会だけでできることと、総会の決議を必要とする出題は、多い。 平成20年管理業務主任者試験 「問37」 平成18年管理業務主任者試験 「問29」 もある。 2 専有部分の修繕を行おうとする区分所有者からの申請に対する承認又は不承認は、理事会の決議を経て、理事長が行うことができる。 ○ 適切である。 専有部分の修繕についての申請に対する「承認又は不承認」は理事会に任されています。 3 長期修繕計画の作成又は変更は、理事会の決議で行うことができない。 ○ 適切である。 長期修繕計画の作成又は変更は重要な事項です。これも、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約48条5号 4 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧工事は、理事会の決議で行うことができる。 X 適切でない。 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧工事も、選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約48条11号 答え:4 (ここは、易しい。 でも、前問と同じ条文からの出題とは、能がない。) |
*注:標準管理規約は平成28年3月に改正があったので注意の事。 (注)マンション標準管理規約は、平成23年7月に役員資格や議決権など小幅な改正があったので、注意のこと。ここは、旧のまま。 ア 理事会を開催せずに、理事全員が決議事項につき賛成の署名をすれば、理事会の決議があったことにすること。 X 適切でない。 また、個数問題だ。ここの出題は、単純に「マンション標準管理規約の定め」だけを考えること。区分所有法での書面決議とは関係がない。似たような出題が、平成21年マンション管理士試験 「問31」 でもあった。 イ 議決権行使書面が提出されれば、これをもって理事会に出席したものとみなし、決議事項につき決議すること。 X 適切でない。 このような規定も、マンション標準管理規約にはありません。 ウ 理事会開催日の1週間前に会議の日時と場所を通知するが、会議の目的は当日示すものとすること。 X 適切でない。 参考:平成25年 マンション管理士 試験 「問25」 選択肢3 。 エ 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決するものとすること。 ○ 適切である。 選択肢1で引用しました、マンション標準管理規約53条1項(理事会の会議及び議事) 1 一つ 答え:1 (適切は エ 1つだけ。 イ も適切とした人は多いようだ。しかし、標準管理規約に従うと現実の理事会が適正に開かれるのは非常に厳しいと感じてください。) 高層住宅管理業協会の発表:1 |
【問 39】 次の文章は、マンションの管理費及び特別修繕費(以下「管理費等」という。)の消滅時効に関する最高裁判所の判決に基づくものであるが、文中の(ア)から(エ)に入る用語の組合せとして、最も適切なものはどれか。 本件管理費等の債権は、(ア)に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は(イ)によって確定し、月ごとに所定の方法で支払われるものである。このような本件の管理費等の債権は、(ウ)としての性格を有するものというべきである。その具体的な額が共用部分等の管理に要する費用の増減に伴い、(イ)により増減することがあるとしても、そのことは上記の結論を左右するものではない。そうすると、本件管理費等については、その支払期限からすでに(エ)を経過したものについては、消滅時効が完成していることになる。 *ここは、管理費等の消滅時効が10年か、5年かでもめて、最高裁の判決で、5年となったことを知っていると、楽。平成18年管理業務主任者試験 「問39」 がある。また、平成22年 マンション管理士試験 「問7」選択肢2 もある。 この判決は、平成16年4月23日にあったものです。 答え:1 (ここは、易しい。) |
注:宅地建物取引業法第35条の重要事項説明について、これまでは相手方等が宅地建物取引業者であっても「宅地建物取引士による説明」が必要とされていましたが、平成29年4月1日施行の改正により、宅地建物取引業者が宅地又は建物の取得者又は借主となる場合における重要事項説明については、説明は不要で書面交付のみで足りるものとされました(第35条第6項・第7項の新設)。ここの設問は、改正前のままです。 【問 40】 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2集第3号に規定する者をいう。)が自ら売主として、買主Aに対しマシションの一室の分譲を行うに当たり、宅地建物取引主任者Bをして宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明をさせた場合に関する次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。 1 区分所有法第2条第3項に規定する専有部分の用途について、管理規約で「楽器演奏禁止」の制限があったが、Bは、そのことに関してAに説明を行わなかった。 X 違反する。 宅地建物取引業法からも、管理業務主任者試験では、1問は出る。多くは、重要事項の説明に関してです。ここは、平成19年管理業務主任者試験 「問40」 や 平成16年管理業務主任者試験 「問41」 あたりが近い。宅地建物取引主任者試験を目指している人には易しい?でも、初めて、マンション管理士・管理業務主任者試験だけを受ける人用に詳細に説明します。 宅地建物取引業者(不動産屋)がマンションを売ったり、賃貸物件を仲介する場合には、相手方が素人であると、国土交通省の役人が判断して、その契約の前に、宅地建物取引のエキスパートである国家資格を有する宅地建物取引主任者が素人である相手方に、親切にまた分かりやすく、契約の対象物件の説明をしなさいと云っています。それが、 2 区分所有法第2条第4項に規定する共用部分に関する規約はまだ案の段階であったが、Bは、Aに対し、案の段階である旨を伝えた上で、その内容について説明を行った。 ○ 違反しない。 選択肢1で引用しました、宅地建物取引業法施行規則第16条の2 2号 3 Bは、説明に先立ち、宅地建物取引主任者証をAに提示したことから、重要事項を記載した書面の交付に当たり、当該書面における記名押印を省略した。 X 違反する。 宅地建物取引業法第35条4項および5項 4 Bは、売買契約の成立に先立ち、重要事項の一部を抜粋した書面をAに示して説明を行ったほか、当該契約の成立後に、その他の重要事項を記載した書面をAに交付した。 X 違反する。 宅地建物取引業法第35条では「重要事項を記載した書面=重要事項説明書」から一部を抜粋して説明できるの規定はありませんし、重要事項説明は同35条 答え:2 (ここも過去問題をやっていると易しい?) |
【問 41】 マンションの分譲業者である売主が買主に対して負う瑕疵担保責任と買主に対して行うアフターサービスに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1 瑕疵担保責任は、売主に故意又は過失がない場合には生じない。 X 適切でない。 民法で定める瑕疵(かし)担保責任は下の「問42」も参考のこと。瑕疵担保責任と前問「40」の宅地建物取引業法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、そして、アフターサービスについても、毎年出題がある。 2 不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」により、アフターサービスに関する特約をしても、売主は民法上の瑕疵担保責任を免れるものではない。 ○ 適切である。 不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」については、平成19年管理業務主任者試験 「問41」 に詳細を載せていますから、参考にしてください。 3 瑕疵担保責任の内容として、宅地建物取引業法により、買主からの瑕疵修補請求も認められている。 X 適切でない。 選択肢1で引用しました、民法第570条(準用第566条)では、売主の瑕疵担保責任の内容として、①損害賠償請求 、 ②目的を達せられない時は、契約の解除 ができると定めていますが、瑕疵の「修補請求」は入っていません。 4 アフターサービスの対象部位は、マンションの専有部分に限られ、共用部分は含まれないことが多い。 X 適切でない。 アフターサービスは任意のサービスですから、売主によってアフターサービスの対象部位は異なりますが、不動産業者の団体が制定している「アフターサービス規準」では、アフターサービスの対象部位を、専有部分(室内)の床、畳、天井、洗面器具、厨房設備、浴室設備等のほか、共用部分である外壁、階段、エレベーター設備、給排水設備なども含めています。 答え:2 (ここは、易しい。) |
【問 42】 マンションの売主の瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。 1 売主が、瑕疵担保責任を負う期間は、マンションの引渡しの日から2年間である。 X 誤っている。 民法の瑕疵担保責任についての解説は、前問「問41」のまとめなども参考にしてください。ここの設問は、よくあるバターンですが民法だけをきいています。宅地建物取引業法は入っていません。 2 民法上、瑕疵担保責任の内容として、瑕疵の修補請求は認められていないので、修補請求もできる旨の特約は無効である。 X 誤っている。 選択肢1で引用しましたように、民法第566条による瑕疵担保責任の内容は、①損害賠償の請求 と、②目的を達することが出来ない時には契約の解除 で修補請求は入っていませんが、契約で「修補請求もできる旨」を定めれば、それは有効です。契約は公序良俗等の縛りはありますが、原則自由に締結でき、当事者は守らなければなりません。 3 瑕疵担保に基づく損害賠償請求権は、目的物の引渡しの日から10年の経過により時効により消滅する。 ○ 適切である。 ここは、平成18年管理業務主任者試験 「問42」 選択肢3 でも出た。 4 瑕疵担保責任を負うべき「瑕疵」とは、客観的にみて契約の目的物が通常有すべき品質・性能を有しないことをいい、売主が特に保証した品質・性能を有しない場合には「瑕疵」に当たらない。 X 誤っている。 瑕疵担保責任での「瑕疵」の解釈ですが、一般には、客観的にみて契約の目的物が通常有すべき品質・性能を有しないことをいいますが、売主が、目的物につき見本その他の物によって特殊の品質・性能を有することを保証した時には、その特殊の標準によってこれを定めるという判例(大判:大正15年5月24日)があります。売主が特に保証した品質・性能を有しない場合も「瑕疵」に当たります。 答え:3 (瑕疵担保責任のまとめも参考のこと。) (平成21年は、住宅の品質確保の促進等に関する法律での瑕疵担保からは出題がなかった。音環境 「問23」 はありましたけど。) |
【問 43】 不動産登記法(平成16年法律第123号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 1 区分建物の所有権の保存登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も申請することができる。 ○ 正しい。 管理業務主任者試験では、不動産登記法からも、時々出題がある。平成18年管理業務主任者試験 「問45」 が少し内容が違うが出題されている。参考:「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 「過去の出題分野の分析」 2 登記記録の表題部には、表示に関する事項が記録され、土地建物いずれにおいても、当該不動産の評価額も記録される。 X 誤っている。 登記記録の表題部に記録されるのは、土地・建物共に不動産登記法第27条(表示に関する登記の登記事項) 3 仮登記がなされた場合、その後に仮登記権利者以外の者に対する所有権移転の本登記をすることはできない。 X 誤っている。 仮登記とは、本登記をするのに必要な手続き上の要件または実体法上の要件が完備しない場合に、将来その要件が備わったときになすべき本登記の、登記簿上の順位を確保しておくために、あらかじめなされる予備的な登記のことです。仮登記には、対抗力はありません。この仮登記をしても、後から本登記のできる要件を具備した人が現れれば、その人に所有権移転の本登記がなされます。 4 所有権に関するものであっても、所有権の仮登記、所有権の買戻権の登記は、登記記録の乙区欄に記録される。 X 誤っている。 不動産登記では、権利に関する登記として、所有権に関する登記(所有権の移転・仮登記・買戻し特約など)は、権利部の甲区に記録され、所有権以外の権利に関する登記(抵当権・賃借権・地上権など)は、権利部の乙区に記録されます(不動産登記規則4条4項参照)。所有権の仮登記、所有権の買戻権の登記は、登記記録の乙区欄ではなく、甲区欄に記録されます。 答え:1 (ここは、選択肢1 を知っていれば、あとは知らなくてもできる。) |
【問 44】 各種の法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 1 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)によれば、高齢者、障害者等の円滑な利用を確保するための基準を満たす特定建築物の建築主は、所管行政庁の認定を受けることにより、建築物の容積率の特例の適用を受けることができる。 ○ 正しい。 各種の法令からとは、一応、試験範囲が国土交通省で決められているから、出したという程度の扱い。こんな、出題まで、正解を出さなければいけないとは、解説者泣かせです。 2 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)によれば、都道府県、指定都市、中核市等は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。 ○ 正しい。 こんな規定は知るわけないって世界です。動物の愛護及び管理に関する法律も 平成20年管理業務主任者試験 「問45」 選択肢4 でも、ありました。 3 自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和37年法律第145号)によれば、自動車の保有者が確保しなければならない当該自動車の保管場所は、自動車の使用の本拠の位置との間の距離が、1kmを超えないものでなければならない。 X 誤っている。 ここは、自動車を持っていて、駐車場を借りている人は、知っていたかも。自動車の保管場所の確保等に関する法律からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問45」 選択肢3 もある。また、自動車の保管場所と使用の本拠との距離、2kmを超えないは、平成13年マンション管理士試験 「問23」 でも出た。 4 消防法によれば、一定の防火対象物の管理権原者が選任する防火管理者は、防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある者で一定の資格を有したものでなければならない。 ○ 正しい。 消防法での防火管理者については、出題が多いので、ここも知っていた人は多い? 消防法からの出題の詳細は、私の別ホームーページ 法律別過去問題 傾向と対策 を利用ください。 答え:3 (動物の愛護及び管理に関する法律か。管理業務主任者になるのも大変だ。) |
【問 45】 区分所有者が、自己所有の専有部分を賃貸しようとする場合に関する次の記述のうち、借地借家法(平成3年法律第90号)の規定によれば、正しいものはどれか。 1 株式会社その他の法人に賃貸する場合は、借地借家法の適用はない。 X 誤っている。 借地借家法からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問43」 などあるが、 ここの出題は、平成18年管理業務主任者試験 「問44」 が近い。また、平成22年 管理業務主任者試験 「問44」。 2 契約の更新がない定期建物賃貸借契約を締結する場合は、必ず公正証書によってしなければならない。 X 誤っている。 ここは、宅地建物取引主任者試験などではお馴染みの出題。 3 賃貸人にとって居住の必要性が生じたときは、契約期間内であっても、解約申入れができるという特約は、たとえ予告期間を設けても無効である。 ○ 正しい。 契約期間内での解約申入れは、借地借家法 第3章 借家 、第一節 建物賃貸借契約の更新等 の第27条(解約による建物賃貸借の終了) 4 契約期間を定めなかったときは、期間1年の賃貸借契約とみなされる。 X 誤っている。 契約期間を定めなかったときは、契約期間を定めなかったものとなります。推定の規定はありません。ただし、期間が1年未満とした時は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます。 答え:3 |
【問 46】 マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)に関する次のアからエまでの記述のうち、適切なものはいくつあるか。 毎年、「問46」から「問50」は、マンション管理士試験か管理業務主任者試験に合格した場合には免除される「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」及び本問の「マンションの管理の適正化に関する指針」から出題される。ここは、ほとんど過去にも、同じ問題がでているので、過去の年の「問46」から「問50」はやっておくと楽。 ア マンションが団地を構成する場合には、棟ごとに管理組合が組織されるため、各棟固有の事情を最優先に管理組合の運営をすることが重要であるが、必要に応じて、他棟との連携をとることが望ましい。 X 適切でない。 また、また個数問題。指針からの出題は、平成20年管理業務主任者試験 「問46」 や、 平成16年マンション管理士 「問46」 もある。 イ 管理組合がその機能を発揮するためには、その経済的基盤が確立されていることが重要である。このため、管理費及び特別修繕費等について必要な費用を徴収するとともに、これらの費目を明確に区分して経理を行い、適正に管理する必要がある。 ○ 適切である。マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 4 ウ 専有部分と共用部分の区分、専用使用部分と共用部分の管理及び駐車場の使用等に関してトラブルが生じることが多いことから、共用部分の範囲を明確にする一方で、トラブル解決のため管理費用の支出は柔軟に行うことが重要である。 X 適切でない。 設問に近いのは、 マンションの管理の適正化に関する指針 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 3 エ 集会は、管理組合の最高意思決定機関であるが、マンションの管理は、専門的な知識を必要とすることが多いため、マンション管理業者は、管理の主体者として、事前に必要な資料を整備するなど、常に管理組合をリードし、集会において適切な判断が行われるよう配慮する必要がある。 X 適切でない。 誤解させるよくあるパターンの出題。 一つ 答え:1 (適正なのは、イ 1つだけ。) 高層住宅管理業協会の発表:1 |
【問 47】 管理業務主任者(マンション管理適正化法第2条第9号に規定する者をいう。以下本問において同じ。)に関する次のアからエまでの記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。 ア 管理業務主任者が、管理業務主任者証の有効期間が過ぎたにもかかわらず、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなかったときは、10万円以下の過料に処せられる。 ○ 正しい。 またまた、個数問題だ。平成21年の管理業務主任者試験では、個数問題が多い。正確な知識がないと、正解にならない。 イ マンション管理業者が管理組合の管理者等に選任されていない場合であって、管理業務主任者が管理者等に対して管理事務の報告を行うに際し、当該管理者等からの請求がなかった場合には、管理業務主任者証の提示を行わなくても、マンション管理適正化法に違反しない。 X 誤っている。 マンション管理適正化法第77条(管理事務の報告) ウ 管理業務主任者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。 X 誤っている。 マンション管理適正化法第75条(帳簿の作成等) エ 管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約の締結に先立ち、マンション管理業者がマンションの区分所有者等及び管理組合の管理者等に交付する重要事項を記載した書面への押印は、管理業務主任者でない者が管理業務主任者に代わって行うことができる。 X 誤っている。 マンション管理適正化法第72条5項 1 一つ 答え:3 (誤っているのは、3つ。 イ ウ エ) 高層住宅管理業協会の発表:3 |
【問 48】 マンション管理業者が行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も不適切なものはどれか。 1 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、当該マンション管理業者が商号を変更したが、重要事項の説明会は開催しなかった。 ○ 適切である。 ここは、マンション管理適正化法と国土交通省から出された通達「従前の管理委託契約と同一の条件」も知らないと解答できない。 2 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約に比して管理事務の内容及び実施方法の範囲を縮小し、それに伴い管理事務に要する費用の額を減額したが、重要事項の説明会は開催しなかった。 X 適切でない。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示②では、「② 従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。以下同じ。)を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額しようとする場合」ですが、設問は、「従前の管理受託契約に比して管理事務の内容及び実施方法の範囲を縮小」ですから、重要事項の説明会は開催は必要です。 3 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額したが、重要事項の説明会は開催しなかった。 ○ 適切である。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示「② 従前の管理受託契約と管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む。以下同じ。)を同一とし、管理事務に要する費用の額を減額しようとする場合」に該当します。 4 マンション管理業者が管理受託契約を更新しようとするときに、従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮したが、重要事項の説明会は開催しなかった。 ○ 適切である。 選択肢1で説明しました、「従前の管理受託契約と同一の条件」の例示⑤「 ⑤ 従前の管理受託契約に比して更新後の契約期間を短縮しようとする場合」に該当します。 答え:2 (国総動第51号や国総動第309号は、過去にも出題があったかと思い調べたが、ない? 管理業務主任者の講習会で聞いたのか、覚えていた。しかし、出題として適切でない個所から出ている。) |
【問 49】 マンション管理業者に課せられている義務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定に違反するものはどれか。 1 マンション管理業者は、国土交通大臣に登録している事務所の所在地を変更したので、変更のあった日の21日後に、その旨を国土交通大臣に届け出た。 ○ 違反しない。 登録している事務所の所在地を変更すると、マンション管理適正化法第48条1項(登録事項の変更の届出) 2 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務のうち、当該管理組合の会計の収入及び支出の調停に関する事務を、当該マンション管理業者とは別のマンション管理業者に再委託をした。 ○ 違反しない。 これは、よく出題される。平成19年マンション管理士試験 「問48」 選択肢1 や 平成19年管理業務主任者試験 「問48」 選択肢2 なども。 3 マンション管理業者は、裁判において証人尋問を受けた際、その業務に関して知り得た秘密について証言した。 ○ 違反しない。 マンション管理適正化法第87条(使用人等の秘密保持義務) 4 マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結したときに、マンション管理適正化法第73条に定める事項を記載した書面を作成し、自らが当該管理組合の管理者等であったので、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に代わって管理者等として当該書面の交付を受けた。 X 違反する。 マンション管理適正化法第73条1項(契約の成立時の書面の交付) 答え:4 |
【問 50】 財産の分別管理に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反しないものはどれか。ただし、マンション管理業者は、当該管理組合の管理者等でないものとする。 (注:マンション管理業者が管理組合の金銭を横領する事件により、大幅に改正された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条」が平成22年5月1日から施行となった。 財産の分別管理業務主任者の方式は変更があった。ここは、もうやらない方がいいかも。 1 保証契約(マンション管理適正化法施行規則第53条第1項第11号に規定する保証契約をいう。以下本問において同じ。)を締結したマンション管理業者が、収納代行方式により管理組合の修繕積立金等金銭を管理するときに、修繕積立金等金銭をマンション管理業者を名義人とする口座に預入し、当該修繕積立金等を徴収してから1月以内に、このうち修繕積立金のみを、当該管理組合又はその管理者等(以下本問において「管理組合等」という。)を名義人とする口座に移し換えた。 X 違反する。 まず、マンション管理適正化法第76条(財産の分別管理) 2 管理組合に管理者等が置かれている場合において、マンション管理業者が保証契約を締結せずに、修繕積立金等金銭を、管理組合等を名義人とする口座において預貯金として管理し、その預貯金通帳と印鑑を同時に管理している。 X 違反する。 修繕積立金等が金銭で、各区分所有者からの振込み口座の名義が、管理組合なら、これは、原則方式と呼ばれます。その場合、保証契約を締結しなくてもいいですが、管理組合に管理者等が置かれている場合には、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則87条4項 3 保証契約を締結したマンション管理業者が、支払一任代行方式により管理組合の修繕積立金等金銭を管理するときに、修繕積立金等金銭を管理組合等を名義人とする口座に預入し、当該修繕積立金等を徴収してから1月以内に、このうち修繕積立金のみを、当該管理組合等を名義人とする修繕積立金を管理するための別の口座に移し換えた。 ○ 違反しない。 支払一任代行方式の概要は、各区分所有者からの振込み口座の名義は、管理組合です。そこから、諸費用を支払い、管理会社が1ヶ月以内に、修繕積立金を管理組合の積立金の口座に移しかえます。この場合には、収納代行方式と同様に保証契約が必要です。 4 管理組合の修繕積立金等が有価証券であったため、マンション管理業者は、金融機関において、当該有価証券を他の管理組合の有価証券と同一の保管場所で管理している。 X 違反する? 有価証券(小切手、国債、商品券、積立型マンション保険証券など)の保管は、金融機関や証券会社であれば、保管場所として許されますが、その場合には、自社関係の有価証券と区別することは当然ながら、委託されている他の管理組合の有価証券と区別できる状態が求められています。この設問では、保管の方法が明確ではないのですが、他の管理組合の有価証券と同一の保管場所は適切でないのでしょう。 答え:3 |
ここまで、問50 |
最終更新日:
2012年 6月22日:正解肢をピンク・太字で統一。
「問26」、「問29」、「問31」、「問34」、「問35」、「問36」、「問37」、「問38」に平成23年7月の標準管理規約の改正入。
2011年 2月 5日:再確認済。
2011年 1月23日:「問34」 選択肢3 を改訂
2010年11月 1日:「問34」に見直し検討会の動きを追記。
2010年 3月20日:「問38」に追記。
2010年 3月17日:「問39」の支分権を補記
2010年 2月16日:再チェックで補足。
2010年 1月26日:「問34」の解説追記。
2010年 1月22日:高層住宅管理業協会の発表を受けて、「問33」 追記など。
2010年 1月14日