

スマホ版「超解説 区分所有法」は、こちら新版 更新 中 (徐々にUp してます。随時、過去の出題、イラスト、判例、マンション標準管理規約、マンション管理標準指針などを追加・修正・加筆しています。)
マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のため、またマンションの管理に興味がある方々のために、無料で区分所有法を条文ごとに解説しました。
| この「超解説 区分所有法」のホームページの構成は以下のようになっています。 | ||
| 区分所有法 目次 (赤字は、令和8年4月1日施行箇所) | ||
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第一章 建物の区分所有 |
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| 第一節 | 総則 | (第一条 ~ 第十条) |
| 第二節 | 共用部分等 | (第十一条 ~ 第二十一条) |
| 第三節 | 敷地利用権 | (第二十二条 ~ 第二十四条) |
| 第四節 | 管理者 | (第二十五条 ~ 第二十九条) |
| 第五節 | 規約及び集会 | (第三十条 ~ 第三十九条) |
| (第四十条 ~ 第四十六条) | ||
| 第六節 | 所有者不明専有部分管理命令 | (第四十六条の二~第四十六条の七) |
| 第七節 | 管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令 | (第四十六条の八~第四十六条の十四) |
| 第八 |
管理組合法人 | (第四十七条 ~ 第五十六条の七) |
| 第九 |
義務違反者に対する措置 | (第五十七条 ~ 第六十条) |
| 第十 |
復旧及び建替え | (第六十一条 ~ 第六十四条の八) |
| 第二章 団地 | ||
| (第六十五条 ~ 第七十一条) | ||
| 第三章 建物が滅失した場合における措置 | ||
| 第一節 | 専有部分のある建物が滅失した場合における措置 | (第七十二条~第七十七条) |
| 第二節 | 団地内の建物が滅失した場合における措置 | (第七十八条~第八十五条) |
| 第四章 所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続 | ||
| (第八十六条~第九十条) | ||
| 第五 |
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| (第九十一条・第九十二条) |
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| 附則 | ||
| ・区分所有法を取り巻くもの | ||
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| ★民法 瑕疵担保責任 → 契約不適合責任 | ||
| ◎当区分所有法の中で詳細説明のあるもの | ||
| ◎駐車場の専用使用権をめぐる平成10年の最高裁の判例について | ||
| ◎高圧一括受電方式についての平成31年の最高裁の判例について | ||
◎大きな更新:文章の見直しなどは適時実施
2026年 3月 8日
・令和7年(2025年)の改正。施行::令和8年(2026年)4月1日に合わせた。
・標準管理規約も令和7年10月17日版に合わせた。
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・民法(所有者不明・管理不全の土地・建物)の改正:令和5年(2023年)4月1日施行に合わせた。区分所有法第6条4項の追加など。
・令和4年(2022年) 2月 3日:全部を見直して、標準管理規約も令和3年6月22日版にした。
・令和 3年 8月 6日:「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(第24条)の施行:令和3年9月1日に合わせて、区分所有法第42条の議事録の署名押印の「押印」が削除され、また第61条(復旧)、第63条(建替えでの売渡請求)の「電子的方法の採用」も改正されたので、変更した。
・令和 2年 3月 6日:委任など民法改正に合わせた。
・平成29年 9月30日:「駐車場の専用使用権をめぐる平成10年の最高裁の判例について」を入れた。
・平成28年 9月 9日:都市再開発法による、団地内の建物の一括建替え手法を、区分所有法第70条に追加した。
・平成28年 4月14日:平成28年3月のマンション標準管理規約の改正に伴い、解説内で引用した マンション標準管理規約 の条文を変更した(平成29年 9月:民泊関係の改正:12条 を追加した。 +令和3年版にした。)
・平成23年 6月24日法律第74号(情報処理関係の改正)
これに合わせて、条文と解説は平成25年2月20日、更新済。
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| ★区分所有法設定までの概要と改定の経過 |
*民法では対応できない住宅がでてきた ⇒ 民法の共有の概念の変更が必要
昭和20年(1945年)に終わった第二次世界大戦後約10年を経た、昭和30年代に入り、戦後日本経済の復興は著しく、それに伴い地方から都市部への人口の集中化が始まりました。
そこで、土地の有効活用を図る策として都市部を中心に中高層の住居を目的とした建物(今日では、通常マンションと呼ばれる建物)が多数建設され、1つの建物の中にある室を所有する人が多く生まれ、彼らの関係は、所有する室を中心に上下(縦)と隣(横)という複雑な関係となりました。
この状況は、それまでの「民法」(現在は削除されている第208条)での、共有の関係を中心にした
| 民法 旧第208条 『数人ニテー棟ノ建物ヲ区分シ各其一部ヲ所有スルトキハ建物及ヒ其附属物ノ共用部分ハ其共有二属スルモノト推定ス』、 『共用部分ノ修繕其他ノ負担ハ各自ノ所有部分ノ価格二応シテ之ヲ分ツ』 |
の規定、「建物を区分してその一部を所有する」といっても、この規定が想定しているのは、第二次世界大戦前には多く存在していた住居形式である、建築の構造としては、土地の上に1階建ての住居が壁を隔てて横に繋がったものや、せいぜい2階建て程度のいわゆる「棟割長屋」やその状態が楽器のハーモニカに似ていて「ハモニカ長屋」と呼ばれていた隣(左右)の部屋と区分されたあまり大きくない1棟の建物です。
しかし、戦後の建築技術の発展により、1つの建物であっても複数の階と多くの室数を有する大規模な高層建築物を造ることが可能となり、今までの壁を隔てた左右・隣との関係から、天井と床下・階の上下との関係も発生し、さらに今までの横に繋がった5、6戸程度からなる長屋形式の建物と異なり、もっと多くの人々が1つの建物内に住むことから、過去にはなかった騒音・管理などの共同生活がもたらす多様で複雑な法律関係も発生し、これまでの民法の「其共有二属スルモノト推定ス」の条文だけでは、新しく発生する様々な問題の解決ができなくなってきました。
また、明治時代から日本の民法が基本としている、1つの敷地(土地)の上に一戸の家がある、いわゆる戸建を中心に構成されている「土地と建物」の権利関係の規定では、1つの敷地上にある1つの建物内にある複数の室への対応が出来なくなり、そこでこれらの問題の解決策として民法の特別法(民法に優先して適用される法律)として、37ヶ条からなる「建物の区分所有等に関する法律(以下略称:区分所有法という)」が昭和37年(1962年)に新しく制定されました。

★ 区分所有法の制定 ~昭和37年(1962年)~
昭和37年(1962年)に新しく制定された37ヶ条の区分所有法が規定する主な点は、
1.建物の一部を区分して所有するという法律上の概念「区分所有権・区分所有者」をはっきりとさせた
2.区分所有建物(マンション)の内部を2つに分け、
1つ目は個人が所有し、その所有者が自由に使用でき区分所有権の対象となる「専有部分」と、
2つ目は、その建物に住む他の人も使うために自由な処分が制限される「共用部分」とし、
その内の「共用部分」を、個人の単独所有からはずし他の区分所有者達との「共有」とした
3.建物の共有部分である「共用部分」を管理・使用する権利と義務を定め、各マンションで設定する居住者が守るべき約束事「管理規約」と、共有物でありながら「共有者全員の合意」から「多数決による集会での決議」による区分所有者(マンション・オーナー)達の自治運営を広く認めた
4.複数の区分所有建物(棟)からなる団地における管理に関する規定を定めた
です。
昭和37年に新しく制定された区分所有法により、マンションにおいては今までの民法で規定されていた”建物”に対する「所有権」が制限を受けた新しい概念の「区分所有権」として創設され、また建物の「共用部分」の「共有」が民法とは異なった扱いとなりました。
しかし、新しく制定された区分所有法も、その名のとおり建物を中心としており、依然として民法が基本としている建物と土地の権利が別々に処分できることを受けており、建物の「専有部分(室)」の権利と「土地の権利」は別々の扱いのままであったため、別々の登記が必要とされていました。
この「建物」と「土地」の権利を譲渡などで権利が移動するたびに新しく登記を必要とするのは不動産取引において面倒さを産み、そのため登記簿上で所有者が分かり難いなどのトラブルや、また、1棟内に多くの人が暮らすマンションの共同生活での管理の不十分が指摘されました。
これらの指摘を受け、昭和37年に区分所有法が制定されてから約20年後の昭和58年(1983年)に、区分所有法は大幅に改正されました。
★昭和58年(1983年)の改正
昭和58年(1983年)の改正により、区分所有法は条文数が今までの37ヶ条から倍近くの70ヶ条に増え、また、構成も変更され、章・節構成となり、
新たに
・土地の権利として「敷地利用権」の創造、
・区分所有者の団体(法人格のない管理組合)の存在を規定、
・管理組合の法人化ができる、
・義務違反者などに対する措置、
・区分所有建物の建替え
などの規定が設けられました。
昭和58年の改正の主な内容は、次のとおりです。
1.マンションの建物の専有部分(各室)とそのマンションが建っている土地の権利(敷地利用権といいます)との関係を一緒(一体化)にし、室(建物)と土地がバラバラに処分できなくした~分離処分の禁止~
2.建物の室(専有部分)の権利と土地の権利(敷地利用権)を別々に処分できなくしたことに伴い、不動産登記法も変更し、土地の権利=敷地利用権(不動産登記法では「敷地権」といいます)は、建物の専有部分に登記し、土地を処分しても建物(専有部分)の登記変動だけにした
3.マンションの管理を充実させるため、区分所有者の団体や管理組合法人制度、規約の扱い方、問題を起すマンション住人に対する訴訟制度、また建替えでの規定の改正をした
などです。


| ★平成14年(2002年)の改正の主なポイントは; |
昭和37年(1962年)に民法の特別法として制定された区分所有法は、昭和58年(1983年)に大幅に改正されましたが、高度成長を続ける日本では、都市部への人口の集中は加速しており、土地の有効活用策として、高層マンションの建築が促進されました。
そこで、分譲マンション数も増加し、多くの人がマンション生活をおくるようになりました。
しかし、マンションでは戸建と異なった、1つの建物内で多くの人々が共同生活をおくるため管理面でのトラブルが多発しており、また平成7年(1995年)1月に起きた「阪神・淡路大震災」での阪神地区におけるマンションの倒壊において、倒壊したマンションをどう建替えていくかにおいて今までの民法の共有での重大な変更に必要とされる”共有者全員の合意”では、被害を受けた区分所有者の所在が分からないなどで解決に時間がかかりすぎるため建替制度の不備が明確になりました。
倒壊などの被害を受けたマンションの建替に対しては、緊急に対応が必要であったため、大規模災害による全壊マンションの再建に関する特別法として同年(平成7年)3月に「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」が制定・施行されるにいたりました。
この法律は、区分所有法の特別法で、通常、「再建特別措置法」などと呼ばれています。
この対応を受け、区分所有法自体も、不備な建替え規定を考慮し、また不明確な条文の解釈での問題点や、さらに世間の情報化の進歩(IT化)を反映して、平成14年(2002年)の改正がありました。
平成14年の改正では、各条文において項目数も追加され、条文数も70条から、72条になりました。
◎ 平成14年(2002年)の変更や追加の主な点は、 以下のとおりです。
Ⅰ.マンション管理の適正化のための措置として
1.特別決議を要する建物の共用部分の変更の範囲を限定(第17条関係)
・共用部分の変更行為のうち「形状又は効用の著しい変更を伴なわないもの=軽微な変更」は、普通決議で実施可能(いわゆる大規模修繕も過半数決議で実施可能)になりました。
2.管理者(管理組合の理事長等)の権限の拡充・明確化(第26条関係)
・管理者に共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領について区分所有者を代理する権限を付与することになりました。
・これらの事項につき第三者である管理者でも当事者として訴訟追行することも可能となりました。
3.規約の適正化に関する規定の新設(第30条関係)
・規約は区分所有者間の衡平が図られるように定めるべきことが規定されました。(当然ですが)
4.規約及び集会に関する規定の整備・IT化等による新規規定(第30条、第33条、第39条、第42条、第45条関係)
・規約・議事録の電磁的記録(フロッピー・ディスク、CDやUSBメモリーなど)による作成・保管もできることになりました。
・電磁的方法(コンピューター利用)による議決権行使も管理組合の規約によっては可能になりました。
・集会を開催せずに書面または電磁的方法によって決議を行うことを許容するような方法も可能となりました。
5.管理組合法人成立の人数要件(30人以上)を撤廃した(第47条関係)
・従前の管理組合での法人としての成立要件の区分所有者の数が30人未満の管理組合についても、法人格を取得することが可能となりました。
6.建物の復旧決議の反対者が買取請求をする場合の手続きの整備(第61条関係)
・賛成者の全員の合意で、区分所有者以外の買取人(ディベロッパーなど)の指定が可能になりました。
・4か月以上の催告期間経過後は買取請求不可(権利行使の期間を制限)となりました。
Ⅱ.建替え円滑化のための措置として
1..建替え決議の要件の見直しと手続きの整備
(1)建替え決議の要件の見直し(第62条1項関係)
・区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数決のみで建替えが可能(費用の過分性の要件は撤廃)となりました。
(2)建替え後の敷地の範囲・建物の使用目的の同一性の要件の緩和・撤廃(第62条第1項関係)
・従前の敷地と一部でも重なり合った土地であれば、新建物の敷地とすることが可能となりました。
・新旧建物で主たる使用目的を変更(居住用限定から居住用と事務所も可など)することが可能となりました。
(3)建替え決議をする場合の手続の整備(第62条第4項から第6項までの関係)
・集会の招集時期を2か月以上前に前倒しにして行うことになりました。
・事前に通知すべき事項が拡充(情報提供の充実)されました。
・集会の1か月以上前に説明会の開催が義務付けられました。
2..団地内にある建物の建替え手続等の整備
(1)団地内の建物の建替え承認決議の制度を導入(第69条関係)
・団地管理組合の集会の議決権の4分の3以上の承認決議で建替えが可能となりました。
(要件)新旧建物の所在土地が団地建物所有者の共有、団地内建物の一部が区分所有建物
・他の棟の将来の建替えに特別な影響が及ぶ場合についても、団地建物所有者間の適切な利害調整が図られるよう考慮されています。
(2)団地内の建物の一括建替え決議の制度の導入(第70条関係)
・団地管理組合の集会の区分所有者及び議決権5分の4以上(各棟の3分の2以上)の決議で団地内のすべての建物の一括建替えが可能となりました。
(要件)①敷地が団地建物所有者の共有、
②団地内建物の全部が区分所有建物、
③規約で建物が団地管理組合の管理対象とされていることです。
この平成14年(2002年)の区分所有法改正の前に、区分所有法で規定する「建替え」の決議後を受けて、マンションの建替えに関する法律「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」も制定されて、区分所有法の規定では明確でなかった「建替え決議のその後はどうするか」を規定しています。(平成14年12月施行)
なお、平成26年(2014年)12月24日施行で、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」は、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」と改め、
①マンション敷地売却制度の創設 と
②容積率の緩和の特例を認める
の大幅な改正がありました。
| ★民法改正を受けた、平成20年(2008年)12月施行による改正のポイントは; |
*平成20年(2008年)12月に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の制定・施行により、民法で規定していた「法人」の規定が大幅に変更・削除されました。
「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」制定の概要は以下のとおりです。
◎ 中間法人法の廃止
杜撰な管理にあり、問題となっていた公益法人が、行政改革のやり玉にあがり、公益法人制度改革関連法の一つとして成立した「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が、平成18年(2006年)6月2日に公布され,平成20年(2008年)12月1日から施行されました。
この法律の施行に伴い,中間法人法は廃止され、既存の中間法人は、「一般社団・財団法人法に基づく一般社団法人」に移行しました。
この「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の制定により、これまであった民法第3章 法人の規定(第33条~第84条の2)が大幅に変更になりました。変更といっても実体は、民法の法人の規定がほとんど削除されています。

この民法の改正をうけ、区分所有法でも、管理組合法人の規定で準用していた民法の条文が無くなったために、準用先を「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」としたり、民法で削除された条文を区分所有法の条文として新規に明文規定しています。
たとえば、区分所有法の旧第47条10項(法人の権利・行為能力、事務所など)や、理事及び監事に関する区分所有法旧第49条7項、同第50条3項などの規定です。
特に、管理組合法人の解散及び清算については、区分所有法内で準用していた民法の条文が削除されたために、区分所有法に新しく第55条の2~第55条の9 及び、第56条の2~第56条の7 が追加されました。
| ★押印の廃止へ。脱書面・脱対面へ ~令和3年(2021年)9月1日施行による改正のポイントは; |
また、書面の交付等を求める手続については、電磁的方法により行うことを可能とすることで、区分所有法第61条の「復旧」や第63条の「売渡請求手続」において、書面での催告が電磁的方法でも可能となっています。
「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の条文は、
| (建物の区分所有等に関する法律の一部改正) 第二十四条 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。 ①第四十二条第三項中「署名押印しなければ」を「署名しなければ」に改め、同条第四項中「署名押印」を「署名」に改める。 |

②第六十一条第十三項中「第九項本文」を「第十項本文」に改め、同項を同条第十五項とし、同条第十二項を同条第十四項とし、同条第十一項中「前項に」を「第十一項に」に、「前項の」を「同項の」に改め、同項を同条第十三項とし、同条第十項中「当該買取指定者」の下に「。次項において同じ。」を加え、同項を同条第十一項とし、同項の次に次の一項を加える。
12 第五項の集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により第七項前段に規定する請求をするか否かを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該第五項の集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。
第六十一条第九項中「第十三項」を「第十五項」に改め、同項を同条第十項とし、同条第八項の次に次の一項を加える。
9 買取指定者は、前項の規定による書面による通知に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の規定による通知を受けるべき区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により買取指定者の指定がされた旨を通知することができる。この場合において、当該買取指定者は、当該書面による通知をしたものとみなす。
③第六十三条第七項を同条第八項とし、同条第六項中「第四項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「第二項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。
これらにより、区分所有法だけでなく、マンション関係では、
・「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」
・「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行令」
・「マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令」
も改正されましたので、注意してください。共に施行は、令和3年(2021年)9月1日からです。
さらに、標準管理規約も変更になっています。
| ★民法改正:所有者不明、管理不全の土地・建物と区分所有法(第6条4項) ~令和5年(2023年)4月1日施行~ |
| <参照> 区分所有法 第6条4項 4項 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない。 |
| <参照> 改正民法 第264条の8 及び 第264条14 (所有者不明建物管理命令) 第二百六十四条の八 裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物(建物が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る建物又は共有持分を対象として、所有者不明建物管理人(第四項に規定する所有者不明建物管理人をいう。以下この条において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「所有者不明建物管理命令」という。)をすることができる。 2 所有者不明建物管理命令の効力は、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物(共有持分を対象として所有者不明建物管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である建物)にある動産(当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有し、又は当該建物の共有持分を有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。 3 所有者不明建物管理命令は、所有者不明建物管理命令が発せられた後に当該所有者不明建物管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物又は共有持分並びに当該所有者不明建物管理命令の効力が及ぶ動産及び建物の敷地に関する権利の管理、処分その他の事由により所有者不明建物管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。 4 裁判所は、所有者不明建物管理命令をする場合には、当該所有者不明建物管理命令において、所有者不明建物管理人を選任しなければならない。 5 第二百六十四条の三から前条までの規定は、所有者不明建物管理命令及び所有者不明建物管理人について準用する。 --------------------------------------------------------------------------- (管理不全建物管理命令) 第二百六十四条の十四 裁判所は、所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該建物を対象として、管理不全建物管理人(第三項に規定する管理不全建物管理人をいう。第四項において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「管理不全建物管理命令」という。)をすることができる。 2 管理不全建物管理命令は、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物にある動産(当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。 3 裁判所は、管理不全建物管理命令をする場合には、当該管理不全建物管理命令において、管理不全建物管理人を選任しなければならない。 4 第二百六十四条の十から前条までの規定は、管理不全建物管理命令及び管理不全建物管理人について準用する。 |
なお、民法の改正において、令和5年4月1日施行では、上の所有者不明土地・建物管理制度の創設以外にも
①相隣関係の見直し
②ライフラインの設備の設置・使用権
③共有関係の規定の見直し
もありますから、注意してください。

| ★令和7年(2025年)の大改正 ~令和8年(2026年)4月1日施行の内容は~ |
上の民法での「所有者不明」「管理不全」の「土地・建物」の問題に並行して、政府は、かねてからマンションを取り巻く2つの老い
①マンション(建物)の老朽化 と
②居住者の高齢化 が
急速に進む状況を憂慮し、区分所有法などの見直しを図り、「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」を提出し、令和7年(2025年)5月に国会で可決されました。
これに関係する法律の施行は、令和8年(2026年)4月1日の予定です。
「マンションの管理・再生の円滑化に向けて」とするその区分所有法改正の内容は、
・区分所有建物の再生等の実施の円滑化、
・集会の決議要件の合理化、
・所有者不明専有部分管理命令の制度の創設、
・敷地共有者等集会制度の対象範囲の拡大、
・マンション管理適正化支援法人の登録制度の創設等の措置を講ずる
もので、関係の法律は、区分所有法だけでなく、
・被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災区分所有法)
・マンションの建替えの円滑化等に関する法律(マンション建替円滑化法)
・マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)
の他にも、地方自治法や地方税法なども絡めた大幅な改正です。
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◎令和8年4月1日施行の内容
令和8年4月1日施行の改正区分所有法の主な点は以下のとおりです。
◎集会の決議と要件の緩和
1.集会では、全区分所有者でなく”出席した”区分所有者及びその議決権の多数で決議ができるようにする

改正前の集会における決議は、例えば、規約の設定・変更・廃止の区分所有法 第31条1項では
「(規約の設定、変更及び廃止)
第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。
(以下、略) 」
とあり、集会の決議要件として常に、
①全区分所有者の3/4以上 と
②全議決権の3/4以上
という全区分所有者と全議決権を母数とする方式を採用していました。
しかし、これでは、区分所有者の団体(管理組合)の管理に無関心な区分所有者や、集会での決議で棄権する区分所有者は、最初から議案に「反対」として扱われるため、区分所有者の団体(管理組合)が行おうとする必要な管理行為(修繕・管理方法の見直し等)が何一つ決議できない という事態が頻発していました。
2.所在の不明な区分所有者は、最初から、集会の母数から外す
上で説明した、区分所有者の団体(管理組合)の管理に無関心な区分所有者のほかに、相続関係で誰が最終の区分所有者なのか分からないとか、外国に住む区分所有者でその住所が分からない状態のマンションも最近は増加してきています。
これらを住民票などでの調査をしても、連絡のつかない、また、連絡のとれない区分所有者(所在等不明区分所有者といいます)も集会においては、議案に最初から「反対」となり、彼らの存在も区分所有者の団体(管理組合)が行おうとする必要な管理行為(修繕・管理方法の見直し等)の決議を妨げる一因です。
そこで、令和8年4月1日施行の改正区分所有法では、上の区分所有者の団体(管理組合)の運営に無関心な区分所有者と所在が不明な2つの問題点を解決する方法として、
今まで集会における決議に必要とされている全区分所有者や全議決権から変更し、
まず、
①集会の成立条件として(所在等不明な区分所有者は、最初から母数から除いて)、
ア.区分所有者の過半数 と
イ.議決権の過半数
が出席すれば、集会は成立し、
そして、成立した集会の
②区分所有者と議決権の各3/4以上 (特別決議)や、過半数 の決議(普通決議)で議案は成立するとしました。
なお、集会の成立要件の
ア.区分所有者の過半数 と
イ.議決権の過半数
については、規約でそれぞれに、過半数以上の割合が定められていれば、そちらを採用します。
令和8年4月1日施行のこの集会での決議方法は、従来よりも少ない出席者でも、物事を決定できるようになります。

具体的に、上で例としてあげた、区分所有法第31条1項は、以下のように改正されます。
「(規約の設定、変更及び廃止)
第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。
(以下、略)」
この、集会の決議と要件の緩和に該当する関係の条文は、
・共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)の決議(第17条1項)
・規約の設定・変更・廃止の決議(第31条)
・普通決議(第39条1項)
・管理組合法人の設立・解散の決議(第47条1項、第55条2項)
・管理組合法人による区分所有権等の取得の決議(第52条の2)(新設)
・義務違反者に対する専有部分の使用禁止請求・区分所有権等の競売請求の決議及び専有部分の引渡し等の請求の決議(第58条2項等)
・大規模一部滅失の場合の復旧決議(第61条5項)(多数決割合も「4分の3以上」から「3分の2以上」に緩和)
また、所在の不明な区分所有者については、
・新設:第38条の2
があります。
なお、所在の不明な区分所有者に対しては、該当の区分所有者の保護も必要なので、所在等不明とされる区分所有者を集会の決議の母数から除外するには、第三者である裁判所の決定を必要とします。
注意しなければならないのは、この新設された集会における決議要件の緩和の制度は、区分所有権/敷地利用権など「権利の処分」を伴う「建替え決議」(第62条)などにおいては、採用されていません。
あくまでも、権利の処分を伴わない規約の改正などにおいての採用です。
★管理ができていないマンションがある → 管理人制度の新設

繰り返しになりますが、基本的な問題は、マンションを取り巻く2つの老い ①建物の老朽化 と ②居住者の高齢化による役員不足 にあり、また、空き家の増大やマンションのオーナーが外国人で連絡がとれないという状況が、マンションの管理を不十分にさせ、ゴミが放置されたまま、外壁の剥落があるなどで、これは、そのマンション内部の問題でなく、近隣にも影響を及ぼす「社会問題」になってきています。
現実に、滋賀県野洲市では、廃墟化した分譲マンションに対し、2020年に全国初の行政代執行による解体が行われました。
熊本市内でも、築51年のマンションが修繕問題を抱え、天井からコンクリートの破片が落ちるなどの危険な状態になっています。
これらの状況に対応して、改正民法(2023年4月1日施行)では、管理不全の不動産に関する新たな制度
・所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度
・管理不全土地管理制度及び管理不全建物管理制度
が制定されています。
けれども、区分所有法では、たいした意味づけもなくこの改正民法の制度を適用しないとしました。(区分所有法 第6条4項。)
しかし、管理不全の不動産に関する新たな制度は、マンションでも必要だと、法の担当者の認識が変わり、令和8年4月1日施行の改正区分所有法でも、民法に習って、
①所在の不明な区分所有者については、
・新設:第38条の2
②管理が出来ていない「専有部分」や「共用部分」については、それらの区分所有者に代わって、マンション管理士などが裁判所から選任されて管理する
・新設:第6節 所有者不明専有部分管理命令
第46条の2、第46条の3,第46条の4,第46条の5,第46条の6,第46条の7
・新設:第7節 管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令
第46条の8、第46条の9,第46条の10,第46条の11,第46条の12,第46条の14
が規定され、
それらに伴う、
第4章 所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続
第86条~第90条
も区分所有法内に規定しました。
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◎建替え以外の再生手法の創設

現行の区分所有法では、建替えは、区分所有者及び議決権の各4/5(80%)以上の決議で
①建物を取壊し かつ
②その敷地上に新たに建物を建築しなければならない。(第62条)
しかできないため、経済面での負担が大きい、区分所有者の合意が得にくいなどの問題がありました。
そこで、令和8年4月1日施行の改正区分所有法では、建替えの選択肢(オプション)を増やしました。
その内容は、
ア.建物の更新(一棟リノベーション)として、
共用部分だけでなく全ての専有部分(一棟全体)を新しくできる ~新設~
既存の躯体はそのままで、区分所有者及び議決権の各4/5以上で、共用部分だけでなく専有部分を含んだ建物の更新(リノベーション)ができるようにした。
・新設:第64条の5
これに加えて、
イ.建替えでなく、単純に建物と敷地を売却する決議ができる ~新設~
区分所有者及び議決権の各4/5以上で、現存の区分所有建物と敷地利用権を一括して売却できる。
・新設:第64条の6
ウ.建物を取壊して敷地を売却できる ~新設~
区分所有者及び議決権の各4/5以上で、現存の区分所有建物を取り壊し、敷地を売却できる。
・新設:第64条の7
エ.建物だけを取壊す ~新設~
区分所有者及び議決権の各4/5以上で、現存の区分所有建物を取り壊すことができる。
・新設:第64条の8

*また区分所有法では、建物の一部滅失の場合には「復旧」と「建替え」が選べる規定(第61条、及び第62条以下)はありますが、建物が全部滅失した場合には、区分所有法では規定がなく、民法や被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)の適用となっていたのを、
オ.建物が全部滅失した場合 → 再建ができる ~新設~
敷地共有者等の議決権の4/5以上で、その敷地で区分所有建物を再建ができるようにした。
・新設:第75条
カ.建物が全部滅失した場合 → その敷地を売却できる ~新設~
敷地共有者等の議決権の4/5以上で、その敷地を売却できるようにした。
・新設:第76条
★さらに、建替え決議において、当該建物が地震や火災、外壁の剥離などで居住者や近隣住民等の生命・身体に危険を及ぼすおそれがある場合などの「5つの客観的事由」がある場合に限って多数決割合を4/5(80%)以上を、3/4(75%)以上に緩和しています。
これは、危険な建物と認定されると社会的な影響が大きいと、法の創案者が考えたものです。
・新設:第62条2項

◎建替え時における借家人(賃借人)への賃貸借権等の終了請求 ~新設~
建替え決議があっても専有部分の賃貸借権などは消滅しないため、建替え工事が円滑に行われない。
そこで、賃貸借の終了を請求し、6カ月後に終了できるようにした。
・新設:第64条の2
◎建替え時における使用貸借/配偶者居住権も請求から、6ヶ月で終了する ~新設~
使用貸借/配偶者居住権も建替え時においては、請求後6ヶ月で終了する。
・新設:第64条の3,第64条の4
★裁判手続きも新設した
新しく
・所在等不明区分所有者の除外(第38条の2)(第86条)
・所有者不明”専有部分”管理命令(第87条)
・管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令(第88条)
など非訟事件として、管轄裁判所や公告、登記なども規定した。
これに伴い、罰則の章も前は「第3章」が「第5章」へ変更になった。
と、令和8年4月1日施行の改正区分所有法は、大幅な変更と追加を行っていますので、注意が必要です。
| ★現在の区分所有法の構成: |
区分所有法は、一棟の建物を室を単位に「区分」し、その各部分を所有権の目的とする場合の所有関係を定めるとともに、廊下・階段を含めた建物や、集会室・管理人室などの附属施設そして敷地などの共同管理について定めた法律です。
たとえば居住用のマンションでは、各住戸部分(室)を各々の所有者が単独所有しても、住居として使用するには、住戸部分のほかに、建物の躯体、外壁、エントランス、開放廊下、エレベーター等のように、所有者が単独所有できない(ある人が単独所有し、利用を制限すると他の人が困る)部分があるため、その所有関係をどのようにするかを定める必要があります。
◎建物を「専有部分」と「共用部分」に分けた
そこで、区分所有法では、権利関係の調整を図る必要性から、各々が単独所有し今までの民法で規定した建物の「所有権」を制限した内容として新しく「区分所有権」を創設し、その権利が及ぶ建物の単独所有部分を「専有部分」と名づけました。
また、建物の躯体、外壁、エントランス、開放廊下、エレベーター等のように、ある人が単独所有し、他の人の利用を禁止すると他の人が困る建物の部分を「共用部分」と名づけ、民法の「共有関係」を制限し、この「共用部分」の権利は、「専有部分」と共に移動し、単独には処分(分割、抵当権の設定など)ができなくしました。

また、建物の各室は、構造上・物理的に壁や天井・床を介して隣室や上下の室と繋がっています。
この状態では、民法で定める所有権に基づいて、自分の室の壁や天井・床だけを取り外ずすと、穴があいたりして当然に他の人の室に影響を及ぼします。
そこで、一棟の建物の一部を分けて(区分といいます)所有する以上、必然的に建物を、他の区分所有者と共同して管理する必要がありますので、管理のための組織や運営方法等について規定する必要があります。
これは、建物だけでなく、そのマンションが建築されている下の土地(敷地)や、集会所などの附属施設にもいえますので、敷地と附属建物についても規定しました。
◎「建物の権利(区分所有権)」と「土地の権利(敷地利用権)」が共に移動するようにした
マンションのように、建物の権利が室によって区分されて所有されている場合、今までの民法の理論では、建物を譲渡して土地(敷地)の権利が建物の権利とは別になると、土地の権利者から、その建物所有の基本となる土地の利用権が無いことで、マンションの1室を壊せという事態も想定されます。
しかし、1棟の建物の中で1室だけを取り壊せということは、集合住宅であるため隣室や上・下の室に与える影響上からも不可能な要求ですから、この状況が発生する事態を回避する手立てが必要です。
そこで、区分所有法では、建物だけでなく、マンションが建っている土地を「建物の敷地」と規定し、建物の室(専有部分)を所有する権利と土地の権利を連動させ、新しく「敷地利用権」を創設しました。

そして、区分所有法で規定する敷地利用権に該当すれば、建物の室(専有部分)の権利が動けば、土地の権利も一緒に動くよう分離して処分ができないと規定しました。(区分所有法 第22条)
これは、不動産取引にも反映させる必要性から、不動産登記法も改正されています。
このように、民法で定める所有権と共有関係を大幅に制限した内容を定めているのが、区分所有法です。
その、概念は、建物内において自分で原則、自由に処分(譲渡や担保にできる)できる建物の部分「専有部分」の権利を中心に、次のようになっています。

◎プラス、共同生活では、ルール(規約)が必要
さらに、区分所有法では、この所有権の制限の他に、1つの建物の中で多くの人が暮らし生活するいわゆる共同生活であるために、戸建のような自由な使用ができないことを想定し、居住者間で守るべき約束事の「ルール」を「規約」として定めることができるようにしています。

★その他の規定 ~団地関係~
区分所有法は、もともと、一棟における建物と土地の権利関係・管理関係を定めた法律でしたが、それが発展して、複数のマンションなどの建物が存在する、いわゆる団地関係における管理等の方法についても定めています。
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◎区分所有法の構成
令和8年4月1日施行で、
第1章に所有者不明専有部分管理命令や管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令が追加され、また、建替えのオプションとして、第3章に敷地の売却、建物の取壊しなどを追加して、
改正前は、72条だったのが92条に増加されました。
条文としては、1条から92条までですが、詳細レベルでは、xx条の2とか、xx条の3 などの追加規定があり、実態は、92条構成ではありません。
現在の区分所有法は、以下のように、5つの章から構成されています。
1)第1章「建物の区分所有」 (第1条から第64条の8まで)
1棟の建物の区分所有の関係について定めたもので、この法律の中核をなしています。
第1章は以下の10節から成り立っています。
第1節 総則、・・・・・・・・ 第1条から第10条までは、区分所有法関係の基本的な用語の定義など
第2節 共用部分等・・・ 第11条から第21条までは、廊下・階段など建物の共用部分の共有関係など
第3節 敷地利用権・・・ 第22条から第24条までは、マンションの土地(敷地利用権)と専有部分との関係
第4節 管理者・・・・・ ・・ 第25条から第29条までは、団体生活をまとめる管理者の立場
第5節 規約及び集会・・・第30条から第46条までは、団体での生活規範となる規約及び集会のありかた
第6節 所有者不明専有部分管理命令・・・第46条の2から第46条の7 (新設)
所有者が不明な場合管理人を選任して、管理人に管理させる
第7節 管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令・・・第46条の8から第46条の14 (新設)
所有者はいるが、専有部分(室)や、共用部分の管理ができない場合には、管理人を選任して管理人に管理させる
第8節 管理組合法人・・・第47条から第56条の7までは、管理組合を法人とした場合
第9節 義務違反者に対する措置・・・第57条から第60条までは、マンションに住む人が義務違反をした場合にとれる措置
第10節 復旧及び建替え等・・・ 第61条から第64条の8 までは、建物が壊れたとき、老朽化した場合における所有者の選択
2)第2章「団地」 (第65条から第71条まで)
1団地内に数棟の建物があって、それらの建物の所有者が団地内の土地等を共有している場合、すなわち団地関係が構成されている場合における管理の方法、建替え等について規定。
多くの規定は、1棟の規定を準用している。
3)第3章 建物が滅失(全部滅失)した場合における措置 (新設)
今までは、建物の一部滅失の規定はあったが、全部滅失(全壊)した場合の規定が無かったので新設
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置・・・第72条から第77条
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置・・・第78条から第85条
4)第4章 所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続・・・第86条から第90条 (新設)
新しく創設した所在者不明、各種管理命令の裁判手続を規定
5)第五章 罰則(第91条・第92条)
管理者、管理組合が法人化した場合の理事、規約を保管する人、議長又は清算人が義務等を怠った時には、20万円以下の過料、または 10万円以下の過料が課せられます。
以上。
| ページ終わり |
謝辞:Kzさん(現在、ホーム・ページは閉鎖されました)の了解により一部転用・編集をしています。
主な更新記録
2026年 9月25日:裁判手続き等イラスト入。見直し終わった。
2026年 7月19日~:見直し中。一部文言、トップの表の構成変更した。
2026年 7月17日:刑法の改正で、懲役刑と禁錮刑を、拘禁刑に変更した。
2026年 3月 9日:令和7年の出題年(マン管、業務共に)を入れた。
2026年 3月 8日:
一応、第91条まで校正が終わったので、Upする。
2026年 1月 1日:改正の図を入れた。
2025年12月31日:令和8年4月1日施行にした。
2025年 5月31日~:令和8年4月1日施行版に移行中
2025年2月21日~2月24日:標準管理規約を令和6年6月7日版にした。
2025年 2月11日:令和6年(2024年)の出題年を入れた。
2024年 7月24日:見直している。
標準管理規約の改正が2024年6月にあったが、2024年の受験生の出題範囲で無い為、引用している標準管理規約は、変更していない。引用している標準管理規約の変更は、2025年から行うことにした。
2024年 4月16日:配偶者居住権を、第38条「タワー・マンション」の下に加えた。
2024年 4月15日:改正民法;令和5年4月1日施行を加えた。
2024年 4月 2日:不動産登記法を加筆した。
2024年 2月 5日:全体を見直し。
また、民法改正(令和5年4月1日施行)に合わせた。
区分所有法第6条4項の追加。
令和5年のマンション管理士・管理業務主任者試験の出題条文を入れた。
2024年 1月 8日:見直し中。第7条(先取特権)大幅に加筆した。
2023年12月15日:第38条1項の議決権で、タワー・マンションの節税に関して「マンション購入からの税について」を入れた。
2023年 2月23日:令和4年(2022年)の出題年を入れた。
2022年12月28日:「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」と「建築物の耐震改修の促進に関する法律」へのリンク入。
2022年 8月10日:一部説明の図、更新した。
2022年 3月19日:Windows 11 へ
2022年 2月 3日:1条から附則までの見直しと、最新標準管理規約、法律も更新した。
2022年 1月31日:「復旧」第61条に「地震保険」を入れた。
2022年 1月20日:法人税、消費税(区分所有法第47条13項、14項)を詳細に加筆した。
2021年12月24日~2022年 2月 3日:標準管理規約や同コメントを最新(令和3年6月22日版)にした。
他の民法や文章も見直した。
2021年12月16日~12月20日:令和3年(2021年)のマンション管理士試験・管理業務主任者試験の出題年を入れた。
2021年 8月 6日:「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(第24条)の施行:令和3年9月1日に合わせて、
区分所有法第42条の議事録の署名押印の「押印」の削除、
第61条復旧、第63条売渡請求などが改正されたので、それに合わせた。
2021年3月27日:民法の改正や引用している法律など、全条文を見直した。
2021年 3月 6日:令和2年(2020年)の出題年を入れた。
解説で、民法の改正(委任等)に合わせた。区分所有法第28条。
2020年 3月29日:令和元年(2019年)の出題年を入れた。
2019年11月 1日:第17条1項、第30条1項に、最高裁の「高圧一括受電を決議しても、区分所有者を拘束しない」を、入れた。
2019年 9月23日:第61条5項に「地震保険」を入れた。
2019年 7月15日:第3条に管理費・修繕積立金と自治会費(町会費)の違いを入れた。
2019年 4月27日:第19条に、平成30年の「平成30年度マンション総合調査」の管理費と修繕積立金を入れた。
2019年 4月17日:平成30年の出題年を入れた。
2018年10月15日:第34条3項に「どの様にして、1/5以上の賛同者を集めるか」を入れた。
2018年 8月 3日:文、見直して、変更した。
2018年 3月13日:平成29年の出題を入れた。
2018年 3月 10日:第25条1項に最高裁判例として「理事長職の解任は理事会でできる」を入れた。
2017年11月 3日:第33条2項の「閲覧」にカメラによる写真撮影ができるを入れた(平成28年12月9日の大阪高等裁判所の判決もあり)
2017年 9月30日:平成10年の駐車場の専用使用権をめぐる最高裁判所の判決の解説をいれた。
また、標準管理規約で「民泊関係(12条)」も改正した。
2017年 3月11日~4月 7日:平成28年の出題を入れた。
2016年11月23日:第17条2項及び第31条1項後段の「特別の影響」で判例:平成10年10月30日:最高裁を入れた。
2016年10月10日:判例として、第30条に修繕積立金の返金を入れた。
2016年 7月 8日:最高裁の判例;平成27年 9月18日;不当利得請求は、集会の決議や規約があれば、各区分所有者は行使できない を第19条に追加した。
2016年 4月 8日~14日:平成28年3月14日付の標準管理規約(単棟型)、同3月31日付の団地型の改正に対応した。
2016年 3月19日:WINDOWS 10 を入れた。
2016年 2月24日;平成27年の出題を入れた。
2015年 6月20日:第63条に建替え条件付賛成、売渡の時価を入れた。
2015年 4月11日:平成26年の出題をいれ、文章全体を見直した。
2014年 9月28日:第19条に「弁護士費用は、滞納者に請求できる判例:平成26年4月16日:東京高裁」を入れた。
2013年 9月 5日:「第29条」に、「共有」、「合有」そして「総有」を入れた。
また、「第26条4項」に、法人格なき管理組合についての原告適格を認めた、最高裁の判例を入れた。
2013年 8月25日:水道料金の一括検針・一括徴収制度と規約の無効の最高裁の判例を第30条1項に入れた。
2013年 8月15日:全体を再再度見直しして、図を入れたり追記した。
2013年 5月24日:ちょろちょろと。
2013年 4月 3日:平成24年のマンション管理士・管理業務主任者試験の出題年を入れた。
区分所有法第33条2項に「謄写(コピー)」を追記した。
2013年 3月:平成24年のマンション管理士・管理業務主任者試験からの「不動産登記法」、「民事訴訟法」、「税」など追記した。
2013年 2月20日:第56条の6 削除に伴い、、第56条の7 等変更した。
2012年 8月19日:第22条に追記。(古いマンションと敷地)
2012年 2月20日:平成23年の出題年、標準管理規約の改正を入。
2011年 8月11日:ちょろちょろと
2010年5月28日;ちょろちょろと
2009年6月17日:開始
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