

*マンション管理士/管理業務主任者を目指す人のために、「マンションの再生 建替え 等の円滑化に関する法律」の概要を纏めました。
| ◎「マンションの再生等の円滑化に関する法律 (マンション 再生 |
| 過去出題 | マンション管理士 | R07年、R06年、R05年、R04年、R03年、R02年、R01年、H30年、H29年、H28年、H27年、H26年、H25年、H24年、H23年、H22年、H19年、H18年、H17年、H16年、H15年、 |
| 管理業務主任者 | R06年、R04年、H29年、H27年、H24年、H19年、H17年、H16年、H15年、 |
★マンションの 再生 建替え 等の円滑化に関する法律(マンション再生 建替え 法)制定の背景と改正の記録
*旧 マンション建替え円滑化法法制定の背景
建物の区分所有等に関する法律(以下、本解説では「区分所有法」といいます)で、区分所有者及び議決権の各4/5以上の賛成で「建替え決議(区分所有法第62条参照)」が成立しても、区分所有法ではその後、どうするのかの規定がありません。

そこで、区分所有法での「建替え決議」をうけて、区分所有法でいう「区分所有者の団体(区分所有法第3条)」が、建替えにおいては、「建替え事業を推進する団体」となりますが、その団体は、法人なのか組合なのか、その団体ではどのようなルールによって新しく建物を建てていくのかなどの法的な規定の不備、そして建物の専有部分の権利=区分所有権や、土地が借地権の場合地主との関係、さらに抵当権が設定されていた場合などの権利関係が、建替え事業でどうなるのかなどが明確でないために、建替え事業はスムーズに行えていませんでした。
特に、平成7年(1995年)1月17日に起きた「阪神・淡路大震災」で倒壊したマンションの建替えで、これら多くの不備が明らかになり、法の制定が要望されました。
これを受け、旧名:「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」(以下、途中まで「マンション建替え法」といいます)が平成14年(2002年)6月19日に成立し、平成14年12月18日から施行されました。
また、一部の改正が、平成15年6月に施行されています。
平成14年に制定されたマンション建替え法ですが、その後の災害等を教訓にして、制定後も度々改正が行われてきています。

マンション建替え法の基本は、
①建替え参加者全体をマンション建替組合(法人)として、民法の共有での、重大な変更は、「全員の合意が必要」から、外して、多数決で物事を進める
②専有部分(室)にある抵当権や賃借権は、市街地再開発事業で行われている、「権利変換の手続き」を採用する
です。
なお、「マンションの建替えの円滑化等」の「等」とあるのは、建替えを促進する意味から入れたとのことです。
*平成23年(2011年)の改正 ~マンション建替組合の許可権が、都道府県知事から市長へも~
平成23年(2011年)には、地域の自主性及び自立性を高める目的で、都道府県の権限を市町村に委譲する法律(「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号。第2次一括法)」)の制定により、マンション建替組合の認可権等が、従来の都道府県知事から市の区域内にあっては、その市の長に委譲するなどの一部改正も行われています。
*平成26年(2014年)の改正 (施行:平成26年12月24日):名称の変更、多数決による 敷地売却制度の導入 ~耐震性不足のマンション~
しかし、平成25年(2013年)4月での国土交通省の推計では、マンション総数 590万戸の内、昭和56年(1981年)に改正された建築基準法施行令の「耐震基準(旧耐震基準)」で建設されたものが約106万戸も存在していますが、マンションの建替えは累計で196件、約15,500戸(平成26年4月時点)と進んでいません。
そこで、、今後発生が想定されている南海トラフ沖の巨大地震や首都直下型地震に備えた対策として、耐震性が不足している老朽化したマンションの建替えなどを早急に行うために、平成26年(2014年)12月24日施行で、
法律名を、今までの「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」から、区分所有法で定める「建替え」に加えて、マンションの建替え法独自の規定として、耐震性不足と認定されると
①マンション(建物) と
②その敷地 を
多数決で売れるという民法での共有物の変更には全員の合意が必要という「共有関係」から外れた画期的な規定を盛り込み法律の名称を「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」と改め、
①マンション敷地売却制度の創設 と
②容積率の緩和の特例を認める
の大幅な改正がありました。

平成26年(2014年)の2つの改正の、
①マンション敷地売却制度とは、
”耐震性不足の認定を受けたマンション”については、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各4/5(80%)以上の多数での賛成(この4/5以上は、区分所有法での建替え要件とほぼ同じです。)で、マンション(区分所有建物)およびその敷地(敷地利用権、借地権も)の売却を行う旨を決議できるというものです。
改正前は、共有の敷地(土地)を売ることは、共有物の変更行為として民法で定める共有関係の適用となり「全員の合意(一致)」が重視されていたため、多数決で敷地を売却することは、できませんでした。
この改正は、民法の共有関係を大幅に改め、マンションという共同生活をおくる建物では、「共有者全員の合意」を得ることは不可能との判断で、区分所有法では、共有物である建物の「建替え」を、「区分所有者及び議決権の各4/5以上の多数」でできるようにしたものを、区分所有法で規定する「建物」だけでなく、「土地(敷地)」にもできるようにしたという、マンション建替え法独自の画期的な内容です。
②もう一つの容積率の緩和は、
耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについては、特定行政庁(建築確認や完了検査などを自ら行う都道府県・市・特別区)の許可により、建築基準法で定める容積率制限が緩和されるというものです。
詳細は、マンション建替え法第105条(旧)にあります。

*なお、”耐震性不足の認定”は、
「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(耐震改修促進法)の場合と同様に耐震診断を受け、[耐震性能(Is値)が0.6未満(鉄筋コンクリート造の場合)]
と危険なため除却(取り壊し)が必要といったように、特定行政庁から耐震性不足が客観的に認定される必要があります。
注:Is値:「EO×SD×T」の計算式で算出できます。 値が大きいほど安全。
EOは強度の指標であるCと粘り強さの指標であるFをかけ合わせたものです。 SDは、建物の形状や耐震壁のバランスを示します。 そしてTは、建物の経年劣化度合いを示す指標です。
| Is値 | |
| Is値<0.3 | 震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が高い |
| 0.3≦Is値<0.6 | 震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性がある |
| 0.6≦Is値 | 震度6強の地震に対して倒壊、または崩壊する可能性が低い |
この「マンションの敷地売却制度」は、耐震性が不足していれば、単棟型のマンションだけでなく、全棟が耐震性不足の複数棟型(団地)マンション(ただし、全棟が区分所有建物であること)であれば、一括してその敷地の売却を行うこともできます。(マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行規則第53条2項2号)
しかし、団地内にテラス・ハウスや戸建てが含まれていては、一括して、その敷地は売却できません。
これは、区分所有法でも団地内に戸建てがあれば、「団地内建物の一括建替え決議」(区分所有法第70条)ができなかったのと、同様です。
戸建てまでは、区分所有法は面倒をみませんからね。
<参照> 旧:マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行規則 第53条
(買受計画の認定の申請)
第五十三条 法第百九条第一項の認定を申請しようとする者は、別記様式第十八の買受計画書を認定申請書とともに提出しなければならない。
2 法第百九条第二項第六号の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 要除却認定マンションについてのマンション敷地売却決議の予定時期
二 一団地内にある数棟の建物(当該買受計画に係る要除却認定マンションを含むものに限る。)の全部が要除却認定マンションであり、かつ、これらの建物(以下「団地内マンション」という。)の敷地(団地内マンションが所在する土地及び区分所有法第五条第一項の規定により団地内マンションの敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下同じ。)の全部又は一部が当該団地内マンションの区分所有者の共有に属する場合において、当該買受計画の認定を申請しようとする者が、当該団地内マンション及びその敷地につき一括して、その全部を買い受けようとする場合には、当該団地内マンション(当該買受計画に係る要除却認定マンション及びすでに買受計画の認定の申請がなされた要除却認定マンションを除く。)の買受計画の認定を申請する予定時期
*令和2年(2020年)の改正:令和2年6月16日成立、6月24日公布
令和2年(2020年)にも、マンション建替え法は改正されています。
その理由は、
・築40年超のマンションは令和元年末現在の92万戸から10年後には約2.3倍の214万戸、20年後には約4.2倍の385万戸となるなど、今後、老朽化や管理組合の担い手不足が顕著な高経年マンションが急増する見込み
・老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取組の強化が喫緊の課題
で、相変わらず、マンションの建物の老朽化と管理組合の運営の難しさをあげています。
それなら、問題解決手段として早急にマンション管理士をマンションの顧問にする方策を採用すべきですが。
それで、法的な解決策として、
ア.マンションの再生の円滑化の推進
●除却の必要性に係る認定対象の拡充 【公布後1年6か月以内施行:令和3年12月20日施行】
除却の必要性に係る認定対象に、現行の耐震性不足のものに加え、以下を追加する。
①外壁の剥落、火災の安全性の不足などにより危害を生ずるおそれがあるマンション等にも建物と敷地の売却制度を広げる。
注:除却・・・倒壊や老朽化した建物(マンション)を完全に取壊して無くすこと。

・たびたびでますが、民法の「共有での全員の合意」から、「多数決の採用」により、外壁の剥落など単なる危害が発生する「おそれ」があるだけで、4/5以上の同意によりマンション敷地売却を可能にする。(建物だけでなく、土地までに多数決理論を取り入れるとは、画期的です。)

・建替時の容積率特例(外壁の剥落、火災に対する安全性不適合、給排水設備が衛生上有害なとき)
②バリアフリー性能(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律参照)が確保されていないマンション等
・建替時の容積率特例

イ.団地における敷地分割制度の創設 【公布後2年以内施行:令和4年4月1日施行】
上記①等の要除却認定を受けた老朽化マンションを含む団地において、一部棟が耐震性不足や外壁等の剥落により危害が生ずるおそれのあるマンションなどの場合、
敷地共有者の4/5以上の同意により、団地関係にある特定のマンションの敷地の分割を可能とする制度を創設する。
これも民法での共有なら全員の合意が必要なのに、ここでも、マンション生活を優先して、地震への耐久性不足など社会的な要請から多数決制を採用する。

この「マンション建替え法」の改正と同時に、「マンションの管理の適正化に関する法律」も、大幅に改正されていますので、注意してください。

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* 以下の解説は、令和8年4月1日施行で、条文の構成が大幅に変わっている。 第102条や103条は削除になっている。
◎「要除却認定」制度は、移動している。
*除却認定制度の導入 ~建替え決議から発展~
当初、旧「マンション建替え法」が制定された訳は、区分所有法で定められた「建替え決議」(区分所有法第62条参照)には、その後どうするかの規定が無かったため、「建替え決議」の後を受け継ぐ形で作られたのですが、そこから発展して、区分所有法での「建替え決議」がなくても、管理者や管理組合法人の理事名で、特定行政庁に対して、そのマンションの除却(建物を取り壊す)の認定申請ができます。
注:特定行政庁とは...建築確認などを行う建築主事を置く市町村および特別区にあってはそれぞれの長、その他の市町村および特別区では、都道府県知事です。
法の度重なる改正により、現在の除却の必要性の認定には、
1.地震に対して安全性を欠く(耐震診断を受けて耐震性が不足)
2.火災に対する安全性を欠く
3.外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある
4.給排水配管設備の損傷などが衛生上有害な基準に該当する
5.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準に適合していない(バリアフリー不適合)
の5つの認定があり、これらで認定を受けると「要除却認定マンション」となり、区分所有者は、そのマンションの除却を行うよう努力義務が課せられます。(旧マンション建替え法 第102条及び第103条))
上の5つの認定の内の3つ
1.地震に対して安全性を欠く
2.火災に対する安全性を欠く
3.外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある
に該当するマンションは、対応に緊急性を要するため「”特定”要除却認定マンション」となり、この「特定要除却認定マンション」では、区分所有者は集会を開いて、
・団地においてそのマンション(建物)とその敷地を売却する決議(マンション敷地売却決議)ができます。
そして、
4.給排水配管設備の損傷などが衛生上有害な基準に該当する
5.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準に適合していない(バリアフリー不適合)
に認定された場合は、建替えで新たに建築されるマンションは容積率緩和の特例があります。
なお、容積率緩和の特例は、特定要除却認定マンションにも適用されます。(旧マンション建替え法 第105条)
*団地関係でも、該当のマンションだけの多数決でマンション敷地売却決議ができる ~”特定”要除却認定マンションなら~
団地関係にあるマンションが以下の要件を満たし、
1.地震に対して安全性を欠く
2.火災に対する安全性を欠く
3.外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある
に該当する「”特定”要除却認定マンション」となると、区分所有者集会を開いて、民法なら共有財産は「共有者全員の合意が必要」から、民法の特別法である、「マンション建替え法」の適用に変更となり、「区分所有者、議決権及びその敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数」が賛成なら、マンション(建物)とその敷地を売却できるという、区分所有法の「建物の建替え制度」を更に発展させた多数決制が採用されます。
*マンション敷地売却集会の開催など
マンション敷地売却集会では、
・説明会の開催
会日(集会日)よりも、少なくても1ヵ月前まで(伸ばすのは可)に、説明会を開くこと
・集会の通知
会日よりも少なくとも2ヵ月前にだすこと
・議案の要領と以下の3つの状況に応じて、必要な事項も通知すること
イ 特定要除却認定マンションが、地震に対して安全性を欠く場合
(1) 建築物の耐震改修の促進に関する法律の耐震改修又はマンションの建替えをしない理由
(2) 耐震改修に要する費用の概算額
ロ 特定要除却認定マンションが火災に対する安全性を欠く場合
(1) 火災に対する安全性の向上を目的とした改修又はマンションの建替えをしない理由
(2) (1)の改修に要する費用の概算額
ハ 特定要除却認定マンションが外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある場合
(1) 外壁等の?離及び落下の防止を目的とした改修又はマンションの建替えをしない理由
(2) (1)の改修に要する費用の概算額
(旧マンション建替え法 第108条7項及び6項など)
要は、改修(修繕)ができるのに、どうして、改修(修繕)をしないのか、また、建物だけの「建替え」をしないで、敷地まで売却する必要があるかの説明です。
判断の基準としては、
・「安全性(構造と防火・避難関係)」と
・「居住性(設備、不満・ニーズなど)」を
中心に検討し、これにかかる費用(費用対効果)とのバランスをどうとらえるかです。
建替えをしても、間取りが狭い、採算がとれないなどで各区分所有者の負担が大きい時には、マンションと敷地も売ってしまう判断もあります。
*マンション敷地売却決議の要件
1.そのマンションは、団地内にあり「”特定”要除却認定」を受けていること(建物の要件)
2.敷地利用権は、数人で有する所有権又は借地権であること(土地=敷地の要件)
そして、集会で、
3.区分所有者、議決権及びその敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数が賛成すること
(旧マンション建替え法 第108条1項)
*マンション敷地売却決議で決めること
マンション敷地売却決議では、以下のことを決めます。
一 買受人が設立された場合にあっては、組合から特定要除却認定マンションを買い受ける者)となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
三 売却によって各区分所有者が取得することができる金銭(以下「分配金」という。)の額の算定方法に関する事項

*平成23年の改正で、認可権者が都道府県知事から市長にも拡大された
また、令和2年(2020年)の改正:令和2年6月16日成立、6月24日公布で、今までは、耐震に問題があったマンションに、建替えとは別途、マンション(建物)と敷地の売却の特例があったが、
①耐震に加えて
②火災 と
③外壁等の不備でも、マンション敷地売却制度が適用されるようになった。

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◎*令和8年(2026年)4月1日施行 → 区分所有法の大改正をうけて名称の変更など
旧:マンションの建替え等の円滑化に関する法律 → 新 マンションの再生等の円滑化に関する法律
令和8年4月1日施行の改正区分所有法において、今までの建物を取壊して新しく建築するという「建替え」(区分所有法第62条~)以外に建替えの選択肢(オプション)として、建物の躯体は残す「建物更新」など以下の4つが新しく追加されました。
①区分所有法 第64条の5・・・建物更新決議といって、建替えの代わりに、建物を壊さずに新しくする(一棟リノベーション)
②区分所有法 第64条の6・・・建物敷地売却決議(建物と敷地を売ることができる)
③区分所有法 第64条の7・・・建物取壊し敷地売却決議(建物を壊して、その敷地を売ることができる)
④区分所有法 第64条の8・・・取壊し決議(建替えでなく、建物を単に取り壊すことができる)
また、建物が”全部滅失”なら
⑤区分所有法 第75条・・・・・・再建決議
⑥区分所有法 第76条・・・・・・敷地売却決議
ただし、全部滅失”では集会を開けるのは、滅失の日から5年まで
そして、団地関係なら
区分所有法 第70条・・・・・・・・・団地内の建物の一括建替え決議(注:ここは、もともと規定あり)
⑦区分所有法 第71条・・・・・・・団地内建物敷地売却決議
⑧区分所有法 第84条・・・・・・・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議
⑨区分所有法 第85条・・・・・・・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議
この令和8年4月1日施行の区分所有法の大改正は、単なる「建替え」から、「建物更新」や「敷地の売却」「建物取壊し」など今まで区分所有法にはなかった様々な手法を採用して老朽化したマンションの「再生」を図ることにしています。
★民法の共有関係における重要な変更は「全員の合意」から → 「多数決」へ、組合=法人格が必要
この令和8年4月1日施行の改正は、度々説明していますが、民法における共有での重大な変更には「共有者全員の合意が必要(民法第251条)」であった理論を、「区分所有法」という民法の特別法で、マンションという多数の共有者が存在する状況を優先し、また老朽化したマンションが与える社会的な悪影響を排除する為に「多数決の理論」を、建物の取壊しや敷地の売却など多くの場面において採用した流れを「マンションの再生等の円滑化に関する法律=マンション再生法」にも引き継いだものと言えます。
そこで、区分所有法では、その存在が曖昧であった「区分所有者の団体」(区分所有法第3条参照)を、
1.マンション再生組合・・・・・・建物を建替えたり、建物の更新(リノベーション)を行う(建物がある)
2.マンション等売却組合・・・建物と敷地を売ってしまう(完全に区分所有関係からの離脱)=買い手がいる
3.マンション除却組合・・・・・建物を取壊してしまう(敷地は残っている)=買い手がいない
4.敷地分割組合・・・・・・・・・・団地関係で、地震への対応が必要(5つの事由)など、があれば、そのマンションの敷地を分割して、建替え等に備える
など各種「組合」の範疇にいれて、これら「組合」を明確に「法人(マンション再生法第6条など)」として、多数決で物事を決めるやり方を採用し、不動産取引だけでなく、各種契約においても責任を明確にして取引の安全性を図るものです。
勿論、多数決で個人の財産である「専有部分の権利(区分所有権)」や「敷地の権利(敷地利用権)」など個人が有する憲法第29条で認められた「財産権」が奪われてしまうという問題はありますが、「公共の福祉」と「正当な補償」によりマンションの世界では、個人の権利は大幅に制限を受けるということです。
<参照> 憲法 第29条
第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。
② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
<参照> 民法 第251条
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
マンションという共有物においては、多数決で物事を決めるやり方が、憲法違反でないというのは、平成21年4月23日の最高裁判所の「区分所有法第70条は憲法第29条に違反しない」という以下の判決があります。
最高裁判所 平成21年4月23日の判決
*違反である主張:
区分所有法第70条によれば,団地内全建物一括建替えにおいては,各建物について,当該建物の区分所有者ではない他の建物の区分所有者の意思が反映されて当該建物の建替え決議がされることになり,建替えに参加しない少数者の権利が侵害され,更にその保護のための措置も採られていないなどとして,同条が憲法第29条に違反する。
*これに対する最高裁の判断:
◎まず、区分所有権の性質と行使について、次のように判断していますので、もう一度、区分所有権を理解する参考になります。
・区分所有権は,一棟の建物の1部分を構成する専有部分を目的とする所有権であり,共用部分についての共有持分や敷地利用権を伴うものでもある。
・区分所有権の行使(区分所有権の行使に伴う共有持分や敷地利用権の行使を含む。以下同じ。)は,必然的に他の区分所有者の区分所有権の行使に影響を与えるものであるから,区分所有権の行使については,他の区分所有権の行使との調整が不可欠であり,区分所有者の集会の決議等による他の区分所有者の意思を反映した行使の制限は,区分所有権自体に内在するものであって,これらは,区分所有権の性質というべきものである。
◎そして、マンション(区分所有建物)の建替えを次のように捉えています。
これによると、まず区分所有法第62条1項で定める一棟の建替えの規定は合理性があると述べています。
・区分所有建物について,老朽化等によって建替えの必要が生じたような場合に,大多数の区分所有者が建替えの意思を有していても一部の区分所有者が反対すれば建替えができないということになると,良好かつ安全な住環境の確保や敷地の有効活用の支障となるばかりか,一部の区分所有者の区分所有権の行使によって,大多数の区分所有者の区分所有権の合理的な行使が妨げられることになるから,一棟建替えの場合に区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができる旨定めた区分所有法第62条1項は,区分所有権の上記性質にかんがみて,十分な合理性を有するものというべきである。
◎そして、主点の団地内全建物の一括建替えについても合理性はあると、次のように述べています。
・区分所有法第70条1項は,団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば,団地内区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で団地内全建物一括建替えの決議ができるものとしているが,団地内全建物一括建替えは,団地全体として計画的に良好かつ安全な住環境を確保し,その敷地全体の効率的かつ一体的な利用を図ろうとするものであるところ,区分所有権の上記性質にかんがみると,団地全体では同法第62条1項の議決要件と同一の議決要件を定め,各建物単位では区分所有者の数及び議決権数の過半数を相当超える議決要件を定めているのであり,同法第70条1項の定めは,なお合理性を失うものではないというべきである。
◎少数者(建替え反対者=建替えに参加しない人)の保護としては、売渡請求権が時価であることで相応の手当てがなされていると述べています。
・団地内全建物一括建替えの場合,一棟建替えの場合と同じく,上記のとおり,建替えに参加しない区分所有者は,売渡請求権の行使を受けることにより,区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すこととされているのであり(区分所有法第70条4項,第63条4項),その経済的損失については相応の手当がされているというべきである。
◎そして、結論として、区分所有法第70条は、憲法第29条に違反しないとのことです。
・規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば,区分所有法第70条 は,憲法第29条に違反するものではない。
この判例に力を得て、区分所有法でも「多数決による建物や敷地の売却」まで幅を広げていますが、実務の面では、民法との兼ね合いからも今後トラブルの発生も懸念される改正ではあります。
行政が主張するマンションの「再生」に重きを置いて、今までの「マンションの”建替え”等の円滑化に関する法律」は、「建替え」を中心に敷地売却などを対象としていましたが、名称が変わった「マンションの”再生”等の円滑化に関する法律」では、「建替え」だけでなく、建物更新(リノベーション)、建物や敷地を売却する、また団地全体での再生などにおいて、決議要件を明確にし、合理的に、幅広い「マンション再生」手法をトータルで支える枠組みに拡大し、区分所有法の改正と連動して、「管理」と「再生」を総合的に扱う仕組みに再整理されているとのことです。
しかし、社会的に耐震性不足などの面からマンションを壊したり売り払ってしまうということは、もう区分所有関係からの完全な離脱で、これを居住者サイドから見た場合、「マンションの再生」方法と呼ぶには、かなり投げ出した感じがしていますが。
それはともかく、令和8年4月1日施行の改正に合わせて、この解説で、これ以降は、「マンションの再生等の円滑化に関する法律」は略称、「マンション再生法」と呼び名を変えます。
まったく、内容も変わってしまい解説者泣かせの変更です。

令和8年4月1日施行の区分所有法の改正に伴う主な「マンション再生法」の主な改正点は以下のとおりです。
①再生手法の拡充
今までは、維持か(改修)/建替えかしか無かったのを、老朽化したマンションに対して、建物更新=リノベーションなどを加えた、区分所有法の後の権利を多数決による清算・再構築を用意
・建替え/大規模改修(リノベーション)
・建物/敷地売却・解体・更地化
また、以前からあった
・団地での敷地の分割制度
② 決議要件の合理化(区分所有法改正と連動) ~合意形成のハードルを現実的に引き下げ~
・再生手法ごとに決議要件を整理・柔軟化
・従来よりも実行しやすくする方向
★決議との関係
・建替え、敷地の売却など権利の移動を伴うもの・・・組合員の4/5以上
・他・・・3/4等になる
③ 区分所有者以外の関係者の関与整理 → 再生実務で止まりやすい箇所を制度的に整理
・抵当権者・賃借人・配偶者居住権者などの扱いを整備
・再生手続の中での権利調整ルールを明確化
④ 行政関与の強化(試験とは関係ありませんが) ~管理不全マンションへの対応を強化~
*国及び地方公共団体の関与を強化
・助言・指導
・計画認定
・支援措置
⑤ 管理不全マンション対策との連携 ~ 「放置させない」仕組み~
・放置マンションへの対応を意識した制度設計
・再生・解消(解体等)・売却への誘導
⑥ 事業手続の円滑化 → 再生の実行段階で止まらない設計
・再生事業の手続を簡素化・明確化
・事業主体(再生組合・事業者)の使いやすさを向上
⑦ 権利変換・分配金取得・補償金支払・処分手法の整備 → 再配分の制度化
・建替え以外の再生でも権利調整ができるように整理
★全体を纏めると、「建替え偏重」からの脱却で、法の目的が旧法より実質的に転換
→ 再生=建替え・改修・解消(売却)まで含む概念に拡大した。
簡単に言い換えると、マンション再生法は、
・マンションの再生手段をできるだけ増やし
・決議は、通りやすくし
・地方自治体などの行政も関与して
・管理不完全のマンションの放置を防ぐ
法律です。
区分所有法は、「建替え」や「敷地の売却」等を行うかどうかを決める為の意思決定の 内部ルールで、マンション再生法は、区分所有法の外で、その後の区分所有権や敷地利用権をどう変換するのか、また無くすのかなどの処分を助ける手続や実際の事業として実行するとも捉えられます。
具体的には、
| 各種再生組合の設立 | 手法に応じた組合を設立し、事業を進めるための主体を作る |
| 売渡請求 | 区分所有権・敷地利用権の売渡請求 |
| 賃貸借等の終了請求 | 賃借人・配偶者居住権者への補償や契約終了の手続きを法的に整備 |
| 権利変換計画 | 区分所有権を再生後の権利に置き換える計画を策定し、認可を受ける |
| 分配金取得計画 | 敷地売却などで得られる分配金の取り扱いを明確にする計画 |
| 補償金支払計画 | 建物除却で失われる区分所有権の金銭的な補償計画 |
この改正により、条文の構成も大幅に変更されています。


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★マンションの再生等の円滑化に関する法律
「マンションの再生等の円滑化に関する法律(以下、「マンション再生法」という)」の全体の構成は、以下のようになっています。
| マンションの再生等の円滑化に関する法律の構成 | ||||
| 章 | 節 | 款 | 目 | 条文 |
| 第一章 総則 | (第一条~第四条の二) | |||
| 第二章 マンション再生事業 | ||||
| 第一節 施行者 | ||||
| 第一款 マンション再生事業の施行 | (第五条) | |||
| 第二款 マンション再生組合 | ||||
| 第一目 通則 | (第六条―第八条) | |||
| 第二目 設立等 | (第九条―第十五条の四) | |||
| 第三目 管理 | (第十六条―第三十七条) | |||
| 第四目 解散 | (第三十八条―第四十三条) | |||
| 第五目 税法上の特例 | (第四十四条) | |||
| 第三款 個人施行者 | (第四十五条―第五十四条) | |||
| 第二節 権利変換手続等 | ||||
| 第一款 権利変換手続 | ||||
| 第一目 手続の開始 | (第五十五条・第五十六条) | |||
| 第二目 権利変換計画 | (第五十七条―第六十七条) | |||
| 第三目 権利の変換 | (第六十八条―第七十八条) | |||
| 第四目 再生前マンション等の明渡し | (第七十九条・第八十条) | |||
| 第五目 工事完了等に伴う措置 | (第八十一条―第八十九条) | |||
| 第二款 借家権者等の居住の安定の確保に関する施行者等の責務 | (第九十条) | |||
| 第三款 雑則 | (第九十一条―第九十六条) | |||
| 第三節 マンション再生事業の監督等 | (第九十七条―第百三条) | |||
| 第三章 マンション等売却事業 | ||||
| 第一節 除却等計画 | (第百四条―第百八条) | |||
| 第二節 マンション等売却組合 | 第一款 通則 | (第百九条―第百十二条) | ||
| 第二款 設立等 | (第百十三条―第百二十四条) | |||
| 第三款 管理 | (第百二十五条―第百三十六条) | |||
| 第四款 解散 | (第百三十七条・第百三十八条) | |||
| 第五款 税法上の特例 | (第百三十九条) | |||
| 第三節 分配金取得手続等 | ||||
| 第一款 分配金取得手続 | ||||
| 第一目 分配金取得手続開始の登記 | (第百四十条) | |||
| 第二目 分配金取得計画 | (第百四十一条―第百四十六条) | |||
| 第三目 分配金の取得等 | (第百四十七条―第百五十四条) | |||
| 第四目 売却等マンション等の明渡し | (第百五十五条) | |||
| 第二款 区分所有者等の居住の安定の確保に関する組合等の責務 | (第百五十五条の二) | |||
| 第三款 雑則 | (第百五十六条―第百五十九条) | |||
| 第四節 マンション等売却事業の監督等 | (第百六十条―第百六十三条) | |||
| 第四章 マンション除却事業 | ||||
| 第一節 マンション除却組合 | ||||
| 第一款 通則 | (第百六十三条の二―第百六十三条の五) | |||
| 第二款 設立等 | (第百六十三条の六―第百六十三条の十七) | |||
| 第三款 管理 | (第百六十三条の十八―第百六十三条の二十九) | |||
| 第四款 解散 | (第百六十三条の三十・第百六十三条の三十一) | |||
| 第五款 税法上の特例 | (第百六十三条の三十二) | |||
| 第二節 補償金支払手続等 | 第一款 補償金支払手続 | |||
| 第一目 補償金支払手続開始の登記 | (第百六十三条の三十三) | |||
| 第二目 補償金支払計画 | (第百六十三条の三十四―第百六十三条の三十九) | |||
| 第三目 補償金の支払等 | (第百六十三条の四十―第百六十三条の四十五) | |||
| 第四目 除却マンション等の明渡し | (第百六十三条の四十六) | |||
| 第二款 区分所有者等の居住の安定の確保に関する組合等の責務 | (第百六十三条の四十七) | |||
| 第三款 雑則 | (第百六十三条の四十八―第百六十三条の五十一) | |||
| 第三節 マンション除却事業の監督等 | (第百六十三条の五十二―第百六十三条の五十五) | |||
| 第四章の二 除却等をする必要のあるマンションに係る特別の措置 | ||||
| 第一節 除却等の必要性に係る認定等 | (第百六十三条の五十六―第百六十三条の六十一) | |||
| 第二節 敷地分割決議等 | (第百六十三条の六十二・第百六十三条の六十三) | |||
| 第五章 敷地分割事業 | ||||
| 第一節 敷地分割組合 | ||||
| 第一款 通則 | (第百六十四条―第百六十七条) | |||
| 第二款 設立等) | (第百六十八条―第百七十三条 | |||
| 第三款 管理 | (第百七十四条―第百八十五条) | |||
| 四款 解散 | (第百八十六条・第百八十七条) | |||
| 第五款 税法上の特例 | (第百八十八条) | |||
| 第二節 敷地権利変換手続等 | ||||
| 第一款 敷地権利変換手続 | ||||
| 第一目 手続の開始 | (第百八十九条) | |||
| 第二目 敷地権利変換計画 | (第百九十条―第百九十八条) | |||
| 第三目 敷地権利変換 | (第百九十九条―第二百七条) | |||
| 第二款 雑則 | (第二百八条―第二百十二条) | |||
| 第三節 敷地分割事業の監督等 | (第二百十三条―第二百十六条) | |||
| 第六章 雑則 | (第二百十七条―第二百二十二条) | |||
| 第七章 罰則 | (第二百二十三条―第二百三十二条) | |||
| 附則 | ||||
*主な用語の説明
・マンション・・・二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるもの
・マンション”等”売却事業・・・マンションまたは敷地を売り払う事業
・マンションの除却・・・建物だけを取壊す。敷地は残す
詳細は、マンション再生法第2条(定義)参照のこと。
●上の長い表に作成してあるように、基本的に、マンション再生法の構成は、
① 総論 → ② 各種再生手法 → ③ 事業手続 → ④ 行政支援 → ⑤ 雑則・罰則 で、
②各種再生手続において、
③ 事業手続 → ④ 行政支援 → ⑤ 雑則・罰則 を繰り返し規定していますので、同じような条文(不動産登記、組合員、役員、解散や税の扱い、行政の支援など)が採用されています。
大きな違いは、権利や金銭に関する
・「権利変換手続」・・・・・マンション再生事業で採用。建物が建替え等になるので、区分所有権などを変換する
・「分配金取得手続」・・・マンション等売却事業で採用。建物や敷地がなくなるので、分配金を受け取る
・「補償金支払手続」・・・マンション除却事業で採用。建物がなくなるので、補償金(分配金と同じ性格になるが)を受け取る
です。
内容は
① 総論
・目的・・・老朽マンションの再生・円滑化
・定義・・・マンション、再生等の意味
・基本方針・・・ この法律が何をやるかの宣言
②各再生手法 には、
ア.再生(旧建替えを含む)関係 (マンション再生事業)・・・建物が建築される
・再生決議(建替え/再建)
・マンション再生組合
・権利変換手続
イ.マンション(建物)敷地売却・区分所有関係解消 (マンション等売却事業)=買い手がいる場合
・売却決議
・マンション等売却組合
・分配金受取
ウ.マンション(建物)を無くして敷地は残す(マンション除却事業)=買い手がいないけど、とにかく危険な建物を壊す
・取壊し決議
・マンション除却組合
・補償金支払
エ.団地内で敷地分割事業(団地関係で、耐震性不足など5つの事由に該当する場合
③ 各種の事業手続とは
再生を「現実に動かす」ための部分です。
・組合の設立・運営
・事業計画の作成
・権利変換(権利の整理・再配分)
・補償・清算
この事業手続は、 区分所有法では足りない“実務実行”の部分です。
④ 行政支援には
管理不全マンションを 「放置させない」ための公的関与です。
ここも今回改正の重要ポイントです。
* 地方公共団体の関与
・助言・指導
・計画認定 支援措置(補助・誘導)
・管理不全マンション対策との連携 ?
⑤ 雑則・罰則
・手続の細かい補完
・罰則など
となっています。
このマンション再生法の目的は、同法第1条によると、
<参照> マンションの再生等の円滑化に関する法律
(以下、「マンション再生法」という)
(注:○印は、香川が記入)
(目的)
第一条 この法律は、
①マンション再生事業、
②マンション等売却事業、
③マンション除却事業、
④除却等をする必要のあるマンションに係る特別の措置及び
⑤敷地分割事業
について定めることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保並びに
地震によるマンションの倒壊、
老朽化したマンションの損壊
その他の被害からの国民の生命、身体及び財産の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
---------------------------------------------------
注:以下は改正前の規定
マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下、「マンション建替え法」という)
(令和4年6月17日施行に合わせた。「敷地分割事業」が入った)
(目的)
第一条 この法律は、
①マンション建替事業、
②除却する必要のあるマンションに係る特別の措置、
③マンション敷地売却事業及び
④敷地分割事業
について定めることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保並びに地震によるマンションの倒壊、老朽化したマンションの損壊その他の被害からの国民の生命、身体及び財産の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
---------------------------------------------------------------------
旧
(目的)
第一条 この法律は、
①マンション建替事業、
②除却する必要のあるマンションに係る特別の措置及び
③マンション敷地売却事業
について定めることにより、マンションにおける良好な居住環境の確保並びに地震によるマンションの倒壊、老朽化したマンションの損壊その他の被害からの国民の生命、身体及び財産の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
とあり、単に区分所有法第62条1項の建物の「建替え決議」の後を行うだけでなく、令和8年4月1日施行の改正区分所有法の流れを受けて、全部滅したマンションや、危険・有害な状況にあるマンションであれば、この法律の適用ができるようになっています。
建替えだけでなくや再生を促進するのも、改正されたマンション再生法の目的です。
*マンション再生法の構成
★マンション再生法では、区分所有法の後を受けて、建替え/売却など、それらのパターンによって以下の「4つの事業」ごとに分けています。
①マンション再生事業・・・・・敷地を残し建物を新しく建築する
②マンション等売却事業・・・もう、建物や敷地を売り払って、区分所有関係から離脱する
③マンション除却事業・・・・・建物だけは壊すが、敷地は残す
④団地内の敷地分割事業・・・団地内で、耐震性の不足など5つの事由に該当すれば、団地内の敷地を分割して、今後に備える
①各事業の詳細と、他の事項は以下のようになっています。
Ⅰ.マンション再生事業(旧の建替えを含む)・・・第2章(第5条~第103条)
*建物を建て替える事業
・建替え・・・区分所有法 第64条、
・建物更新・・・区分所有法 第64条の5、
・団地の一括建替え・・・区分所有法 第70条、
・専有部分の全部滅失での再建・・・区分所有法 第75条、
・団地内の全部滅失での一括建替え・・・区分所有法 第84条
ここは、区分所有法での建物を取壊し、新しく建築する建替えまたは再建の各決議の後を受け継ぎます。
Ⅱ.マンション等売却事業・・・第3章(第104条~第163条)
*建物/敷地を売ってしまって、区分所有関係をなくす
・建物と敷地を売ってしまう・・・区分所有法 第64条の6、
・建物を取壊し(除却)敷地を売ってしまう・・・区分所有法 第64条の7、
・団地内での建物と敷地売却・・・区分所有法 第71条、
・専有部分の全部滅失での敷地売却・・・区分所有法 第76条、
・団地での全部滅失での一括敷地売却・・・区分所有法 第85条
ここは、区分所有法での建物と敷地を売ってしまう各決議の後処理です。
Ⅲ.マンション除却事業・・・第4章(第163条の2~第163条の55)
*建物は取壊す。敷地はそのまま=除却
・区分所有法 第64条の8
ここも、区分所有法での建物を取壊す(除却)する規定の後処理・清算です。
どうして、建物を取壊すのに、Ⅱの「マンション等売却事業」に入っていないかというと、「買い手が見つからない」危険な建物であるとの判断のようです。
とにかく危険な建物は、壊せと行政からの圧力です。
上の3つの事業の他に、旧:マンション建替え円滑化法でもあった、
Ⅳ.除却等をする必要のあるマンションに係る特別の措置 ~改正区分所有法の5つの「客観的事由」と同じ~
「”特定”要除却認定マンション」なら~第4章の2 (第163条の56~第163条の63)
・国土交通省令で定める工事(以下「除却等」という。)をする必要がある5つの場合(要除却等認定)
1.地震
2.火災
3.外壁等の剥離
4.給排水
5.バリアーフリー
ここは、区分所有法でも、耐震性不足など5つの「客観的事由」があれば、建替え等で決議要件が、4/5(80%)以上が 3/4(75%)以上に緩和された(区分所有法 第62条2項)のと同じように、「危険な状況にある建物」や、バリアフリーなどで問題があるマンションは、社会的な観点から、もうマンションを取壊してしまう(除却)する規定です。
特に区分所有法の再生とは結びついてはいません。マンション再生法独自の規定です。
要除却等の認定を受けたマンションでは、除却などを行うように努力しなければなりません。
団地内に「要除却等認定」のマンションがあれば、次の敷地の分割決議ができます。
Ⅴ.敷地分割事業~ 第5章(第164条~第216条)
・要除却等の認定を受けた団地内で敷地(借地権)を分割できる
ここは、上のⅣの「要除却認定」マンションが団地内にある場合に、「敷地分割決議」をした後の処理規定です。
つまり、各事業の主体はだれか、その運営ルールおよび意思決定の手続きの明確化、(管理組合の法人化)を規定し、次に
②建物の専有部分にある区分所有権および抵当権、賃借権及び敷地利用権などの権利関係が再建マンションに円滑に移行されるための手続き(権利変換手続)
が定められています。
不動産登記法でも特例があり、また別途、行政の監督、補助、融資、税制等の支援制度も整備されており、これらを活用することにより、マンションの再生をより円滑に進めることが可能となります。
| ★マンション再生法の適用がある「マンション」 とは、 |
それでは、マンション再生法の詳細に入って行きましょう。
まず、マンション再生法でのマンションとは、
<参照> マンション再生法 第2条 1号
(定義等)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 マンション 二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。
とあり、マンション再生法の適用があるマンションには、要件として以下の2つが挙げられています。
①2人以上の区分所有者がいる建物 で、
②かつ人の居住に用いられる専有部分(平たくいうと室)があるマンション です。

ここマンション再生法でいう「マンション」の定義で注意しなければいけないのは 区分所有法の規定では、店舗や事務所だけの区分所有建物も該当していますが、マンション再生法の適用があるマンションとは、居住用(住戸)のあることが対象ですから注意してください。
なお、1棟で下が店舗、上が居住用のいわゆる「下駄ばきマンション」は、この法の対象です。
建物が一人の所有者に属する賃貸マンションは該当しません。区分所有法の規定と異なり、居住用と限定されていますので注意してください。
この定義は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」で規定する「マンション」とは、同じです。
<参考> 区分所有法 第1条:(建物の区分所有)
一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。
(注意:区分所有法では、マンションという言葉は使用されていません。
また、区分所有法では、
①構造上の独立性と
②利用上の独立性
があれば、住居以外の店舗、事務所があってもかまいません。)
<参考> マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第2条 :
一 マンション 次に掲げるものをいう。
イ 二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項 に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(区分所有法第二条第三項 に規定する専有部分をいう。以下同じ。)のあるもの並びにその敷地及び附属施設
ロ 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内にあるイに掲げる建物を含む数棟の建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に 属する場合における当該土地及び附属施設
★さらに、団地内に住戸マンション以外の商業棟やオフイス棟などの建物が混在する場合も、区分所有法第70条1項の規定による「団地の一括建替え決議」があれば、このマンション再生法が適用されます。
加えて、令和8年4月1日施行で改正区分所有法に新設された、団地関係の
・区分所有法第71条・・・団地内建物敷地売却決議
・区分所有法第84条・・・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議
・区分所有法第85条・・・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議
においても、団地内建物を”マンションとみなし”て、マンション再生法の適用があります。(法第2条2項)
(注:もともと、1棟の居住用マンションは、マンションの定義に該当しますから”みなす”必要はありません。)
<参照> マンション再生法 第2条2項
2 次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める建物については、マンションとみなして、この法律を適用する。
一 区分所有法第七十条第一項に規定する一括建替え決議(以下単に「一括建替え決議」という。)の内容により、団地内建物の全部を除却するとともに、同項に規定する再建団地内敷地に同条第四項第二号に規定する再建団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下この号において「再建団地内建物」という。)を新たに建築する場合 現に存する団地内建物(マンションを除く。)及び新たに建築された再建団地内建物(マンションを除く。)
二 区分所有法第七十一条第一項に規定する団地内建物敷地売却決議(以下単に「団地内建物敷地売却決議」という。)の内容により、団地内建物及びその敷地(当該団地内建物が所在する土地及び区分所有法第五条第一項の規定により当該団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。)につき一括して、その全部を売却する場合 現に存する団地内建物(マンションを除く。)
三 区分所有法第八十四条第一項に規定する一括建替え等決議(以下単に「一括建替え等決議」という。)の内容により、団地内建物の全部を除却するとともに、同項に規定する再建団地内敷地に同条第三項第二号に規定する再建団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下この号において「再建団地内建物」という。)を新たに建築する場合 滅失した団地内建物(マンションを除く。)及び現に存する団地内建物(マンションを除く。)並びに新たに建築された再建団地内建物(マンションを除く。)
四 区分所有法第八十五条第一項に規定する一括敷地売却決議(以下単に「一括敷地売却決議」という。)の内容により、滅失した団地内建物の敷地等(当該団地内建物が所在していた土地及び当該団地内建物が滅失した当時において区分所有法第五条第一項の規定により当該団地内建物の敷地とされていた土地をいう。)又はこれに関する権利につき一括して、その全部を売却する場合 滅失した団地内建物(マンションを除く。)
---------------------------------------------------
旧法
2 区分所有法第七十条第一項に規定する一括建替え決議(以下単に「一括建替え決議」という。)の内容により、団地内建物の全部を除却するとともに、同項に規定する再建団地内敷地に同条第三項第二号に規定する再建団地内建物(その全部又は一部がマンションであるものに限る。以下この項において「再建団地内建物」という。)を新たに建築する場合には、現に存する団地内建物(マンションを除く。)及び新たに建築された再建団地内建物(マンションを除く。)については、マンションとみなして、この法律を適用する。
★「再生マンション」の定義用語が新設された
令和8年4月1日施行で改正された「マンション再生法」は、マンションの建替えだけでなく、「更新」や再建」など新しい各種再生手法を新設して、「定義」にも
<参照> マンション再生法 第2条 (定義等)
五 再生マンション・・・マンションの建替え若しくはマンションの再建により新たに建築されたマンション又はマンションの更新がされた後のマンションをいう。
<参照> マンション再生法 第2条 (定義等)
四 マンションの再建・・・ 一又は二以上のマンションが滅失した場合において、当該マンションの敷地であった土地(これに隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築することをいう。
とあり、この規定は、区分所有法 第62条1項の規定
<参照> 区分所有法 第62条 1項だけ
(建替え決議)
第六十二条 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
を前提にしています。
*大まかな再生事業の流れ
令和8年4月1日施行により、
・マンション建替事業・・・建替えに関する事業(元々の区分所有法 第62条)
・マンション更新事業・・・更新に関する事業(新設:区分所有法 第64条の5)
・マンション再建事業・・・全部滅失での新規建築(新設:区分所有法 第75条)
・マンション一括建替等事業・・・団地内の一部滅失/全部滅失での再建(新設:区分所有法 第81条)
は、纏められ、新しく建物を建築するので「マンション再生事業」と総称されます。(マンション再生法 第2条 10号)
詳細は、これから解説しますが、マンションの再生事業の大まかな流れは、次のようになります。
①マンションを再生(建て替える)する合意
②マンション再生組合法人の認可・・・・・法人として、不動産取引等の円滑化
③マンション再生事業の計画を認可・・・権利関係を、行政が監督する
④行政処分で関係の権利を一括変換・・・権利関係をスムーズに移行する
⑤マンション再生事業の終了(清算)・・・法人として、金銭・権利関係を清算して、解散する
行政の管理がなかった区分所有法から離れ、再生事業は、その影響が社会的にも大きいこと考慮してマンション再生組合やマンション敷地売却組合も行政の監督下で活動するということです。
役員は、みなし公務員ともいえます。
| ★第2章 マンション再生事業の主体 -その1- |
|
1.マンション再生組合 |
区分所有法で定める「建物を建築すること」が前提にある
1.第62条の「建替え決議」、
2.第64条の5の「建物更新決議」
3.第70条の「団地内の建物の一括建替え決議」
4.第75条の「専有部分がある建物の全部滅失での再建決議」
5.第84条の「団地内建物が全部滅失した場合の一括建替え決議」
等がなされた場合には、マンション再生法では、「マンション再生事業」のグループに纏めて、
・再生合意者(上の決議に賛成した者)は、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で定めるように
・過半数が出席した集会で、出席した
・再生合意者 及び
・議決権 の
各3/4(75%)以上の賛成があれば、マンション再生組合の設立を決議できます(法第9条2項)
ただし、規定の数の反対者がいれば、マンション再生組合の設立の決議はできません。(法第9条3項)
そのマンション再生組合設立の決議をもって、5人以上が共同して、
・定款 及び
・事業計画
を定め(法第9条1項)、該当のマンションが町村にあれば、その町村長を経由して(法第9条6項)、
・都道府県知事等に申請し、都道府県知事等の認可があれば、(法第9条1項)
・「マンション再生組合」(第8条1項)という法人格が得られ、(法第6条1項)、
これにより、区分所有法ではその存在が曖昧であった「区分所有者の団体」(区分所有法 第3条)が、明確に法人となります。
(注:認可=にんか です。許可=きょか ではありません。)
例えば、この組合は法人税では「公益財団法人等」とみなされます(法第44条)
★マンション再生組合として必要な定款(ていかん)の内容は(法第7条)
一 組合の名称
二 建替前マンション若しくは更新前マンション(以下「再生前マンション」と総称する。)の名称及びその所在地又は再建敷地の所在地
三 マンション再生事業の範囲
四 事務所の所在地
五 参加組合員に関する事項
六 事業に要する経費の分担に関する事項
七 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
八 総会に関する事項
九 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
十 事業年度
十一 公告の方法
十二 その他国土交通省令で定める事項
とあり、通常の法人と同様に、その組織が
・何を目的にしているのか
・どんな名前で、どこに本拠地を置くのか
・どんな事業をするのか
・役員をどう決めるのか
・必要なお金をどう扱うのか
といったことを、あらかじめ決めた「定款」を作成します。
---------------------------------------------------
★ついでに
*許可(きょか)とは...法令により一般的に禁止されている行為を、行政機関(お役所)が特定の場合に解除し、適法に行えるようにすることを言います。
基準条件を満たしていれば禁止が解除されます。
<これに当てはまる業種>飲食店、建設業、運送業、個人タクシー、リサイクルショップ、一般廃棄物の収集運搬業、喫茶店、菓子製造業など
*認可(にんか)とは...行政機関(お役所)が第3者の行為を補充し、法的効力を完全にすることを言います。
そのままでは法的に弱い立場を、お役所に認めてもらう事で、他よりも良い立場に立てるということを言います。
<これに当てはまる業種>社会福祉法人、学校法人
上記の許可と合わせて、許認可なんて言うことが多いですね。
「許可」と「認可」の大きな違いは、「許可(きょか)」は、申請を受けた行政官庁の判断により「許可」がされたり、「不許可」だったりしますが、「認可(にんか)」は、必要な要件(書類)を満たしてさえいれば、必ず認可がされる点です。
*届出とは...これは、字の通り、届け出ればそれで営業を認められるようなものを言います。
<これに当てはまる業種>クリーニング業など
*免許とは...一般的に禁止されている行為を、行政が特定の場合に特定の人だけに許すことで、許可とほぼ同じと考えても良いでしょう。
一定の資格条件を備えた者のみに与えられます。
これは、多くの方がお持ちの自動車運転免許が当てはまりますね。試験に合格し運転する資格を与えられた者だけ、自動車を運転できますね。
<これに当てはまる業種>酒類販売業、宅地建物取引業など
認可(にんか)するのは、原則:都道府県知事ですが、市の区域内であれば、その市長に認可権があります。
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マンション再生組合の設立を認可(にんか)するのは、都道府県知事等ですが、申請は、該当の町村長を経由して行います(法第9条6項)
。
これは、地元の町村が、建替等の動きを把握し、また都道府県知事又は市町村長は組合に対して円滑な施行などを図るために必要な勧告、助言などができるためです。(法第97条、第98条)
マンション再生事業は、社会に対する影響があることを考慮して、行政も関与します。
<参照> マンション再生法 第9条
(設立の認可)
第九条 次に掲げる者(以下「再生合意者」という。)は、再生決議マンション等(次項各号に掲げるマンション又は土地をいう。第五項において同じ。)ごとに、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
一 区分所有法第六十四条の規定により区分所有法第六十二条第一項に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。)
二 区分所有法第六十四条の五第三項において準用する区分所有法第六十四条の規定により区分所有法第六十四条の五第一項に規定する建物更新決議(以下単に「建物更新決議」という。)の内容によりマンションの更新を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建物更新決議の内容により当該マンションの更新を行う旨の同意をしたものを含む。)
三 区分所有法第七十条第五項において準用する区分所有法第六十四条の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。第三十条第一項第一号ロにおいて「一括建替え合意者」という。)
四 区分所有法第七十五条第九項において準用する区分所有法第六十四条の規定により区分所有法第七十五条第一項に規定する再建決議(以下単に「再建決議」という。)の内容によりマンションの再建を行う旨の合意をしたものとみなされた者(敷地共有持分等を有する者であってその後に当該再建決議の内容により当該マンションの再建を行う旨の同意をしたものを含む。)
五 区分所有法第八十四条第四項において準用する区分所有法第六十四条の規定により一括建替え等決議の内容によりマンションの建替え又はマンションの再建を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権若しくは敷地利用権又は敷地共有持分等を有する者であってその後に当該一括建替え等決議の内容により当該マンションの建替え又はマンションの再建を行う旨の同意をしたものを含む。)
2 前項の規定による認可を申請しようとする再生合意者は、次の各号に掲げるマンション又は土地の区分ごとに、次条から第九条の五までの規定により、集会を開き、当該集会において、再生合意者の過半数の者であって当該各号に定めるものが出席し、出席した再生合意者及びその議決権の各四分の三以上の多数で、組合を設立する旨の決議をしなければならない。
一 建替え決議に係るマンション 区分所有法第三十八条の議決権の過半数を有する者
二 建物更新決議に係るマンション 区分所有法第三十八条の議決権の過半数を有する者
三 一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンション 区分所有法第七十条第三項において準用する区分所有法第六十九条第二項の議決権の過半数を有する者
四 再建決議に係る滅失したマンションに係るマンションの敷地であった土地 区分所有法第七十三条において準用する区分所有法第三十八条の議決権の過半数を有する者
五 一括建替え等決議に係る団地内の二以上のマンション(滅失したマンションを含む。) 区分所有法第八十四条第二項の議決権の過半数を有する者
3 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める場合には、前項の規定による集会の決議をすることができない。
一 前項第三号に掲げるマンションに係る再生合意者 同項の集会において、当該二以上のマンションを構成するいずれか一以上のマンションにつき、その区分所有権を有する再生合意者の三分の一を超える者又は区分所有法第三十八条の議決権の合計の三分の一を超える議決権を有する者が同項の決議に反対した場合
二 前項第五号に掲げるマンションに係る再生合意者 同項の集会において、当該二以上のマンションを構成するいずれか一以上のマンションにつき、その区分所有権若しくは敷地共有持分等を有する再生合意者の三分の一を超える者又は区分所有法第三十八条(区分所有法第七十三条において準用する場合を含む。)の議決権の合計の三分の一を超える議決権を有する者が同項の決議に反対した場合
4 前三項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するとき、又は敷地共有持分等を数人で有するときは、その数人を一人の再生合意者とみなす。
5 二以上の再生決議マンション等に係る再生合意者は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、同項中「次に掲げる者(以下「再生合意者」という。)は、」とあるのは「二以上の」と、「ごとに」とあるのは「に係る次に掲げる者(以下「再生合意者」という。)は」とする。
6 第一項の規定による認可の申請は、再生前マンションとなるべきマンション又は再建敷地となるべき土地の所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
<参照> マンション再生法: 第97条:
第三節 マンション再生事業の監督等
(報告、勧告等)
第九十七条 都道府県知事又は市町村長は、組合又は個人施行者に対し、その施行するマンション再生事業に関し、この法律の施行のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又はその施行するマンション再生事業の円滑な施行を図るため必要な勧告、助言若しくは援助をすることができる。
2 都道府県知事等は、組合又は個人施行者に対し、マンション再生事業の施行の促進を図るため必要な措置を命ずることができる。
3 都道府県知事又は市町村長は、第一項の規定による援助をするため必要があると認めるときは、マンションの管理の適正化の推進に関する法律第五条の四第一項に規定するマンション管理適正化支援法人(以下「支援法人」という。)に必要な協力を要請することができる。
★法人の重要性 ~多数決の採用~
民法上、各種契約の主体が、個人の集団(共有関係)となると、全員の合意を必要としているため(民法第251条)、一人でも反対すると、先に進むことができませんが、このマンション再生法により、法人格を持ったマンション再生組合ができます(法第6条)ので、多くの事項が組合員の多数決で決定ができるようになり、また組合として組織の整備も必要とされますから、不動産の登記関係だけでなく、金融機関からの融資や工事請負契約などの締結がスムーズにできます。
<参考> 民法 第251条:(共有物の変更) (改正あり)
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
---------------------------------------------------------------------
(旧)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
そこで、組合としての組織の規定として、
・組合員(ディベロッパー等もなれる)名簿の作成(法第18条)、
・役員(理事3名以上、監事2名以上、理事長の選任の設置(法第20条))や、
・総会(法第26条~)、
・経費の賦課徴収(法第35条~)、
・解散(法第38条~)
などの規定が適用されます。
★マンション再生組合には法人としての登記は不要 ~認可により組合は成立する~
マンション再生組合の設立が、都道府県知事等により認可されれば、その認可書の到着をもって、法人格を取得します(法第13条)。
そして、都道府県知事等により、公告がなされ、公告で外部(第三者)への通知がなされたことにより「登記」がなくても、「登記」と同様な第三者に対する対抗の機能を持ちます(法第14条2項)。マンション再生組合は別に法人としての登記はいりません。
注:法人としての登記には、登録免許税や、司法書士を使うと、費用が発生しますので、登記不要は助かります。
★組合員以外が参加できる ~参加組合員~
区分所有者個人の権利だけでなく、近隣にも影響を及ぼすマンションの再生事業は、大変に難しい事業で、実施にあたっては、法律上の権利関係の調整や資金の調達など、複雑で専門知識を必要としています。
そこで、外部の民間業者(金融機関、建設業者、ディベロッバーなど)も、マンション再生事業に参加する組合員となれます。
これらは、参加組合員と呼ばれます(法第17条)。
<参照> マンション再生法:第17条:参加組合員;
(参加組合員)
第十七条 前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション再生事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。
★<参考>東京都におけるマンション建替組合の認可例:諏訪2丁目住宅マンション建替組合
| ★マンション再生事業の主体 -その2- |
|
2.組合を設立しなくても個人施行者もできる |
しかし、マンション再生事業を行うについて「マンション再生組合」の設立は、必ずしも義務付けられたものではありません。
マンションの区分所有者またはその同意を得た人、そして、全部滅失した土地の共有持分を持っている者又はその同意を得た人も、一人または数人が共同で、マンションの再生事業を施行できます。
マンション再生組合を設立するなら、建替え等に合意した5人以上が必要(法第9条1項)ですが、一人でもまた数人でもでも、組合を作らずにマンション再生事業ができるということです。
柔軟性があります。(法第5条2項)。
このマンション再生組合を設立しない方法は、マンションの区分所有者や抵当権者、借家人などの権利関係が少ない場合など、わざわざ面倒な手続を必要とする組合を設立するまでもない場合である時には便利な制度です。
また、区分所有者の同意を得れば、ディベロッパーが委任を受けて、マンション再生事業を行うことができますので、1つのディベロッパーが資金の調達から最終の権利関係の調整(分譲後の所有権など)までをおこなうことも可能です。
<参照> マンション再生法:第5条2項;
第二章 マンション再生事業
第一節 施行者
第一款 マンション再生事業の施行
第五条 マンション再生組合(以下この章において「組合」という。)は、マンション再生事業を施行することができる。
2 次の各号に掲げる者は、一人で、又は数人共同して、当該各号に定めるマンション又は土地についてマンション再生事業を施行することができる。
一 マンションの区分所有者又はその同意を得た者 当該マンション
二 滅失したマンションに係るマンションの敷地であった土地の敷地共有持分等(区分所有法第七十二条に規定する敷地共有持分等をいい、マンションの一の専有部分を所有するための敷地利用権に係るものに限る。以下同じ。)を有する者又はその同意を得た者 当該マンションの敷地であった土地
個人施工者になる場合でも、再生前のマンションの名称やマンション再生事業の範囲などを記載した規準(共同の場合は規約と事業計画)を作成して、都道府県知事等の認可が必要です(法第46条)。
<参照> マンション再生法:第46条;
(規準又は規約)
第四十六条 前条第一項の規準又は規約には、次の各号(規準にあっては、第四号から第六号までを除く。)に掲げる事項を記載しなければならない。
一 再生前マンションの名称及びその所在地又は再建敷地の所在地
二 マンション再生事業の範囲
三 事務所の所在地
四 事業に要する経費の分担に関する事項
五 業務を代表して行う者を定めるときは、その職名、定数、任期、職務の分担及び選任の方法に関する事項
六 会議に関する事項
七 事業年度
八 公告の方法
九 その他国土交通省令で定める事項
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★マンション再生組合ができること
マンション再生組合は、区分所有法と同じように
・区分所有権及び敷地利用権の売渡請求(法第15条)
・賃貸借の終了請求・・・・・・・・・専有部分が賃貸借の対象になっているなら(法第15条の2)
・使用貸借の終了請求・・・・・・・専有部分が使用貸借の対象になっているなら(法第15条の3)
・配偶者居住権の消滅請求・・・専有部分が配偶者居住権の対象になっているなら(法第15条の4)
もできますから、区分所有法でこれらの請求をしていない場合には、マンション再生法を適用してこれらを請求できます。
★マンション再生組合の総会での決議
区分所有法でマンションを建築するという関係の
1.第62条の「建替え決議」、
2.第64条の「建物更新決議」
3.第70条の「団地内の建物の一括建替え決議」
4.第75条の「専有部分がある建物の全部滅失での再建決議」
5.第84条の「団地内建物が全部滅失した場合の一括建替え決議」
等がなされた場合には、
再生合意者(上の決議に賛成した者)やあとから、マンション再生事業に参加することになった「参加組合員」からなる総会では、以下の事項は、必ず総会の決議を必要としています。(法第27条)
<参照> マンション再生法 第27条
(総会の決議事項)
第二十七条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 事業計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 権利変換計画及びその変更
八 第九十四条第一項又は第三項の管理規約
九 組合の解散
十 その他定款で定める事項
---------------------------------------------------
注:8号の第94条1項又は3項は
(施行者による管理規約の設定)
第九十四条 施行者は、政令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受け、再生後マンション、その敷地及びその附属の建物(マンション再生事業の施行により建築されるものに限る。)の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。
2 前項の管理規約は、区分所有法第三十条第一項の規約とみなす。
3 施行者は、政令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受け、再生後マンションに係る区分所有法第六十六条に規定する土地等又は区分所有法第六十八条第一項各号に掲げる物(附属施設にあっては、マンション再生事業の施行により建設されたものに限る。)の管理又は使用に関する団地建物所有者相互間の事項につき、管理規約を定めることができる。 4 前項の管理規約は、区分所有法第六十六条において準用する区分所有法第三十条第一項の規約とみなす。
よく出題され注意しなければいけないのは、本第27条に規定される事項の多くは、「普通決議」と呼ばれ、
・総会成立の要件として
総会は、総組合員の半数以上の出席が必要で
・議事は、
出席した議決権(通常 各1個 法第33条1項) の過半数 で決し、
可否同数なら決議に加わらない議長が決めることになっています。(法第29条1項)
(注:区分所有法では、集会の議長も最初から1つの議決権を行使しますが、組合の議長は、決議に加わりません。)
★特別な事項がある
1.3/4(75%)を要求する事項 ~①定款の変更、 ②事業計画の変更、 ③管理規約の変更~
しかし、普通決議でない例外の1として、第27条の内、重大な事項である
1号・・・定款の変更
2号・・・事業計画の変更
8号・・・第九十四条第一項又は第三項の管理規約の変更
については、
*総会の成立要件は
ア.議決権(組合員)の過半数 と
イ.その者たちが有する「持分割合」の過半数 の出席を必要とし、
*有効に成立した総会で、出席した
①組合員の議決権 及び
②その持分割合いの
各 3/4(75%)以上の賛成が必要とされます。
そこで、その「持分割合」はどうやって決めるのかというと、区分所有法での第何条の決議を経たのかを基準としていなくて、マンション再生法で定める「組合の性質」によって、次の3つ(1-イ、1-ロ、および 2)のパターンに分けています。
1-イ.一括建替え合意者のみにより設立された組合以外の組合なら・・・専有部分の割合
つまり、まだ建物はある状態なら
区分所有法
・第62条の「建替え決議」、
・第64条の「建物更新決議」
等の組合なら
もとのマンション(再生前マンション)の区分所有法の第14条の「専有部分」の割合
これは、建物がある時の「公平」と捉えることができます。
1-ロ.一括建替え合意者のみにより設立された組合・・・敷地の持分価格の割合
つまり、壊すことが前提の状態なら、
・第70条の「団地内の建物の一括建替え決議」
・第84条の「団地内建物が全部滅失した場合の一括建替え決議」
等の組合なら 部屋は壊すので専有部分の面積で決めるのは採用せず、
もとのマンション(再生前マンション)の「敷地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」
となります。
これは、壊す時の「公平」と捉えられます。
また、
2.マンションの再建に関する事業を含むマンション再生事業を施行する組合・・・敷地の持分価格の割合
つまり、
区分所有法
・第75条の「専有部分がある建物の全部滅失での再建決議」
等の組合なら、もはや建物は存在しないので、
もとのマンション(再生前マンション)の「敷地又は再建敷地(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」
これは、再建する時の「公平」です。(法第30条1項)
<参照> マンション再生法 第30条1項だけ
(特別の議決)
第三十条 第二十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号及び第九号に掲げる事項は、総会において、組合員の議決権の過半数を有する者であって次の各号に掲げる組合の区分に応じ当該各号に定める割合(以下この条において「持分割合」という。)の過半数を有するものが出席し、出席した組合員の議決権及びその持分割合の各四分の三以上で決しなければならない。
一 次号に掲げる組合以外の組合
次のイ及びロに掲げる組合の区分に応じ、当該イ及びロに定める割合
イ ロに掲げる組合以外の組合
組合の専有部分が存しないものとして算定した再生前マンションについての区分所有法第十四条に定める割合
ロ 一括建替え合意者のみにより設立された組合
組合の持分が存しないものとして算定した再生前マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合
二 マンションの再建に関する事業を含むマンション再生事業を施行する組合
組合の持分が存しないものとして算定した再生前マンションの敷地又は再建敷地(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合
第30条1項での規定「”組合の専有部分が存しないもの”として算定した再生前マンションについての区分所有法第十四条に定める割合 」とか「”組合の持分が存しないもの”として算定した再生前マンションの敷地又は再建敷地(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」とかの意味は、面倒な言い方ですが、ここは、組合が存在しない場合で単純に「割合」の基準を求めるのは、「専有部分」とか「敷地の持分の価格の割合」ということです。
2. 4/5(80%)を要求する事項 ~権利変換計画及びその変更~
第27条の総会での決議事項において、普通決議ではできない、2番目は、第27条7号の
七 権利変換計画及びその変更
です。(法第30条3項)
<参照> マンション再生法 第30条 3項だけ
(特別の議決)
第三十条
3 第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決しなければならない。
第27条7号に規定される「権利変換計画及びその変更」については、組合員の権利が大きく関係するその重要性から、総会の成立要件もなく
ア.組合員の議決権(組合員数) と
イ.組合員の持分割合の
各4/5(80%)以上の賛成を必要としています。
★ただし、この 4/5(80%)以上を緩和できる → 5つの「客観的事由」に該当するなら 3/4(75%)以上へ
以前から、耐震性に不適合とか、外壁が落ちるとか、給排水の設備が悪いなどマンションの老朽化が問題となり、これらのマンションを建替える際に、集会(総会)での決議の要件が4/5(80%)以上を要求しているのが、建替えを実行する妨げになっているとの指摘があり、令和8年4月1日施行の改正区分所有法でも建替えの規定(第62条)の2項に、決議要件を、4/5(80%)以上から 3/4(75%)以上に緩和する規定を新設しています。
<参照> 区分所有法 第62条
(建替え決議)
第六十二条 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
3 法務大臣は、前項各号の基準を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、国土交通大臣と協議するものとする。
(以下、略)

この社会的な5つの「客観的事由」がある場合には、決議要件を緩和する方法は、旧の「マンションの建替え円滑化法」でも、令和2年(2020年)の改正時に「要除却認定制度」として取り入れていましたが、今回令和8年4月1日施行の改正区分所有法でも、第62条2項に新規に採用されたことを受けたものです。
この区分所有法の規定により、
①建替え決議・・・区分所有法第62条
②建物更新決議・・・区分所有法第64条の5
③団地内の建物の一括建替え決議・・・区分所有法第70条
において、区分所有法第62条2項で規定される「5つの「客観的事由」の適用がある「決議」に基づくなら、マンション再生法における第27条7号の
七 権利変換計画及びその変更
での決議の要件を、総会の成立要件はなく
ア.組合員の議決権(組合員数) と
イ.組合員の持分割合の
各4/5(80%)以上の賛成から3/4(75%)以上に緩和できます。
★さらに、被災したマンションの再生なら、 4/5(80%)以上が、2/3(66.6%)以上に緩和される
大規模な火災や、震災その他の災害でマンションが全部滅失また大規模一部滅失した場合に適用される法律に「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(略称「被災区分所有法」)があります。
この法律は、マンションの再建・建替えや敷地売却を、通常より少ない多数決要件などの特例により容易にし、被災地の円滑な復興を図るための特別法です。
そこで、被災したマンションでは早期に復旧をするために、第30条5項の5つに該当するなら、
マンション再生法における第27条7号の
七 権利変換計画及びその変更
での決議の要件を、総会の成立要件はなく
ア.組合員の議決権(組合員数) と
イ.組合員の持分割合の
各4/5(80%)以上の賛成から 2/3(66.6%)以上に緩和できます。(法第30条5項)
<参照> マンション再生法 第30条 5項だけ
5 再生前マンション又は再建敷地(組合が施行するマンション再生事業に係る再生前マンションが二以上ある場合、組合が施行するマンション再生事業に係る再生前マンションが一以上及び再建敷地が一以上ある場合又は組合が施行するマンション再生事業に係る再建敷地が二以上ある場合にあっては、その全ての再生前マンション又は再建敷地)について、次の各号に掲げるいずれかの決議があった場合における第三項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「三分の二」とする。
一 被災区分所有法第二条の規定により読み替えて適用される区分所有法第七十五条第一項の規定によりされた再建決議
二 被災区分所有法第五条第二項の規定により読み替えて適用される区分所有法第六十二条第一項の規定によりされた建替え決議
三 被災区分所有法第五条第二項の規定により読み替えて適用される区分所有法第六十四条の五第一項の規定によりされた建物更新決議
四 被災区分所有法第八条の規定により読み替えて適用される区分所有法第七十条第一項の規定によりされた一括建替え決議
五 被災区分所有法第十条第一項の規定により読み替えて適用される区分所有法第八十四条第一項の規定によりされた一括建替え等決議
★総代会(組合員全員参加の総会に代わる)を設けることもある(法第31条)
組合員の数が50人を超えるような大きな組合なら、組合員全員が毎回集まるのも面倒でしょうから、組合員の中から選ばれた「代表者=総代」による「総代会」という会議体を「定款」で定めることができ、総会を開かずに「総代会」に任せることもできます。
ただし、多くの事項は、代表たち(総代)による「総代会」でも決議できますが、総代会でも決議出来ないのは、
①理事及び監事の選挙、または選任
②特別の決議を必要とする事項(法第30条に該当する事項)
・再生組合の設立そのものや、建替え・敷地売却など再生手法の最終決定
・定款や事業計画、重要な規約の制定・変更・廃止
・組合の解散、合併など「組合の存続」に関わる決定
・法律上「特別決議」など重い要件が課されている事項全般
です。
★マンション再生組合の解散(法第38条)
ある組織・団体が目的を達したり、構成員である組合員がもうその組織は不要と思えば、その組織・団体は解散できます。
そこで、マンション再生組合の解散事由として以下の3つが挙げられています。
一 設立についての認可の取消し
二 総会の議決 ・・・権利変換期日前であること。債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
三 事業の完成又はその完成の不能・・・債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
しかし、注意しなければいけないのは、管理組合が法人化した時と同様に、「解散」しても、この後の「清算」が終るまで、まだマンション再生組合は存続しているとみなされます。(法第38条の2)
★税法上の特例(法第44条)
マンション再生組合は、
・法人税法・・・公益法人等とみなす
・消費税法・・・別表第三に掲げる法人とみなす(一般財団法人/一般社団法人などが列記)
| ★権利変換手続きの必要性 |
再生前のマンションの専有部分(区分所有権の対象部分=部屋)には、購入時に金融機関による抵当権が設定されていたり、また賃貸にだしていて、賃借人が入居していたり、また、民法改正で新しく設けられた「配偶者居住権者」がいるのは一般的なことです。
マンションの再生事業を行う場合、いままでは、これら抵当権や賃借権等の権利の解除については、元の区分所有者各人が抵当権者の金融機関や賃借人と個別に交渉し、また契約上の権利を行使するなどで、清算をしていましたが、例えば、どこかの部屋(専有部分)においてある金融機関が抵当権の抹消を拒否すると、そのマンションは全体として取り壊し/再建ができませんでした。
また、賃借人の立ち退きを求めることも、借地借家法もからみ大変なことです。
そこで、マンション再生法では、マンションの再生前に存在しているこれらの抵当権や賃貸借の権利関係を再建建物に一気に移し変えるやり方を採用しました。
これが、「権利変換手続き」と呼ばれる手続きです。この手法は、行政が利用している市街地再開発事業で採用されていた方式を真似たものです。
| ★権利変換手続きの方法 |
① 権利変換開始の登記 ~第三者にも知らせる。これは、必要~
再生事業施工者は、まず再生前のマンションの部屋の権利、すなわち区分所有権・敷地利用権などについて、登記所へ「権利変換手続きの開始の登記」をします(法第55条1項)。
登記をしなさいというのは、登記することにより、このマンションでは建替え/再生等が行われてることを外部の第三者にも知らしめ公正さを高め、取引の安全性を図るためです。
この登記がなされた後に、該当のマンションの区分所有権などを変更する人は、再生事業施行者の承認が必要となり勝手に変更ができなくなります。(法第55条2項)

また、施行者の承認を得ないで、権利を処分(第三者に譲渡、担保権の設定、借地権の使用など)しても、施行者に対抗できません(法第55条4項)。
<参照> マンション再生法:第55条;
(権利変換手続開始の登記)
第五十五条 施行者は、第十四条第一項の公告又は新たな再生前マンション若しくは再建敷地の追加に係る事業計画の変更の認可の公告(個人施行者が施行するマンション再生事業にあっては、その施行についての認可の公告又は新たな再生前マンション若しくは再建敷地の追加に係る事業計画の変更の認可の公告)があったときは、遅滞なく、登記所に、次に掲げる権利について、権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。
一 再生前マンションの区分所有権及び敷地利用権(既登記のものに限る。)又は再建敷地の敷地共有持分等(既登記のものに限る。)
二 隣接施行敷地の所有権及び借地権(既登記のものに限る。)(以下「隣接施行敷地権」という。)
三 再生前マンションの敷地又は再建敷地の所有権(当該再生前マンションの敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等を除く。)を権利変換計画の対象としようとする場合にあっては、当該所有権(以下「施行底地権」という。)
2 前項の登記があった後においては、当該登記に係る再生前マンションの区分所有権若しくは敷地利用権若しくは再建敷地の敷地共有持分等を有する者(組合が施行するマンション再生事業にあっては、組合員に限る。)、当該登記に係る隣接施行敷地権を有する者又は当該登記に係る施行底地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。
3 施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。
4 第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。
5 権利変換期日前において第三十八条第六項、前条第三項において準用する第四十九条第一項又は第九十九条第三項の公告があったときは、施行者(組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。
★ 権利変換を希望しない権利者は?
再生事業に一度は賛成しても、事情により、新しいマンションに住みたくないと考える人は、権利を放棄して、金銭での支払を希望できます(法第56条1項)。
<参照> マンション再生法:第56条1項;
(権利変換を希望しない旨の申出等)
第五十六条 第十四条第一項の公告又は個人施行者の施行の認可の公告があったときは、再生前マンションの区分所有権若しくは敷地利用権若しくは再建敷地の敷地共有持分等を有する者、隣接施行敷地権を有する者又は施行底地権を有する者は、その公告があった日から起算して三十日以内に、施行者に対し、第七十条第一項及び第二項並びに第七十一条第二項の規定による権利の変換を希望せず、自己の有する区分所有権若しくは敷地利用権若しくは敷地共有持分等、隣接施行敷地権又は施行底地権に代えて金銭の給付を希望する旨を申し出ることができる。
(以下、略)
補償金(従前の権利に相当する金額)は、権利変換期日までに、物価変動の修正と利息を反映させて給付されます。(法第75条)
<参照> マンション再生法 第75条
(補償金)
第七十五条 施行者は、次に掲げる者に対し、その補償として、権利変換期日までに、第六十二条の規定により算定した相当の価額に同条に規定する三十日の期間を経過した日から第六十八条第一項の規定による権利変換計画又はその変更に係る公告(以下この条において「権利変換計画公告」という。)の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画公告の日から補償金を支払う日までの期間につき権利変換計画で定めるところによる利息を付したものを支払わなければならない。この場合において、その修正率は、国土交通省令で定める方法によって算定するものとする。
一 再生前マンションに関する権利若しくはその敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、再生後マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないもの
二 隣接施行敷地権を有する者のうち、次に掲げるもの
イ この法律の規定により、権利変換期日において当該隣接施行敷地権を失い、かつ、当該隣接施行敷地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられない者
ロ この法律の規定により、権利変換期日において当該隣接施行敷地権の上に敷地利用権が設定され、かつ、当該隣接施行敷地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられない者
三 施行底地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該施行底地権を失い、かつ、当該施行底地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられないもの
② 施行者による「権利変換計画」の策定
必要な期間が経過して、従前の建物についての区分所有権や土地の敷地利用権等の権利関係が整理されると、次に、施行者は、施行再建マンションの
・配置や
・区分所有権者の氏名、
・再建後のマンションで与えられる新区分所有権や敷地利用権の明細や価格、
・登記されている抵当権の権利者や特約などの明細、
・再建後における抵当権や賃借権・配偶者居住権の行方、そして
・権利変換期日
・工事完了予定時期などを、
「権利変換計画」として定めます(法第58条1項)。
なお、その前に、マンション再生組合は総会での議決を経た、または総会での議決を受ける予定の原案について、施行マンションまたはその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)および隣接施行敷地について権利を有する者の個別の同意を得なければなりません(法第57条2項)。
事業により大きな影響を受ける借家権者、底地権者、隣接施行敷地の所有権者等については必ず同意を要します。
そして、施行者は都道府県知事の認可を受けて、はじめて「権利変換計画」は発行します。(法第57条1項)
<参照> マンション再生法 第58条
(権利変換計画の内容)
第五十八条 権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 再生後マンションの配置設計
二 再生前マンションの区分所有権若しくは敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等を有する者で、当該権利に対応して、再生後マンションの区分所有権又は敷地利用権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
三 前号に掲げる者が有する区分所有権若しくは敷地利用権又は敷地共有持分等及びその価額
四 第二号に掲げる者に前号に掲げる区分所有権若しくは敷地利用権又は敷地共有持分等に対応して与えられることとなる再生後マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細及びその価額の概算額
五 隣接施行敷地権を有する者で、当該隣接施行敷地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
六 前号に掲げる者が有する隣接施行敷地権及びその価額
七 第五号に掲げる者に前号に掲げる隣接施行敷地権に対応して与えられることとなる再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権の明細並びにその価額の概算額
八 施行底地権を有する者で、当該施行底地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
九 前号に掲げる者が有する施行底地権及びその価額
十 第八号に掲げる者に前号に掲げる施行底地権に対応して与えられることとなる再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権の明細並びにその価額の概算額
十一 第三号、第六号及び第九号に掲げる権利について先取特権、質権若しくは抵当権の登記、仮登記、買戻しの特約その他権利の消滅に関する事項の定めの登記又は処分の制限の登記(以下「担保権等の登記」と総称する。)に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
十二 前号に掲げる者が再生後マンションの区分所有権又は敷地利用権の上に有することとなる権利
十三 再生前マンションについて賃借権を有する者(被請求借家権者を除く。)(その賃借権を有する者が更に賃借権を設定しているときは、その賃借権の設定を受けた者)又は再生前マンションについて配偶者居住権を有する者(被請求借家権者を除く。)から賃借権の設定を受けた者で、当該賃借権に対応して、再生後マンションについて賃借権を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
十四 前号に掲げる者に賃借権が与えられることとなる再生後マンションの部分
十五 再生前マンションについて配偶者居住権を有する者(被請求借家権者を除く。)(その配偶者居住権を有する者が賃借権を設定している場合を除く。)で、当該配偶者居住権に対応して、再生後マンションについて配偶者居住権を与えられることとなるものの氏名及び住所並びにその配偶者居住権の存続期間
十六 前号に掲げる者に配偶者居住権が与えられることとなる再生後マンションの部分
十七 施行者が再生後マンションの部分を賃貸する場合における標準家賃の概算額及び家賃以外の借家条件の概要
十八 再生前マンションに関する権利若しくはその敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、再生後マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる再生前マンションに関する権利若しくはその敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等並びにその価額
十九 隣接施行敷地権を有する者のうち、次に掲げる者の氏名又は名称及び住所、その隣接施行敷地権並びにその価額又は減価額
イ この法律の規定により、権利変換期日において当該隣接施行敷地権を失い、かつ、当該隣接施行敷地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられない者
ロ この法律の規定により、権利変換期日において当該隣接施行敷地権の上に敷地利用権が設定され、かつ、当該隣接施行敷地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられない者
二十 施行底地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該施行底地権を失い、かつ、当該施行底地権に対応して、再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権を与えられないものの氏名又は名称及び住所、その施行底地権並びにその価額
二十一 組合の参加組合員に与えられることとなる再生後マンションの区分所有権及び敷地利用権の明細並びにその参加組合員の氏名又は名称及び住所
二十二 第四号、第七号、第十号及び前号に掲げるもののほか、再生後マンションの区分所有権又は敷地利用権の明細、その帰属及びその処分の方法
二十三 再生前マンションの敷地又は再建敷地であった土地で再生後マンションの敷地とならない土地(以下「保留敷地」という。)の所有権又は借地権の明細、その帰属及びその処分の方法
二十四 補償金の支払又は清算金の徴収に係る利子又はその決定方法
二十五 権利変換期日、再生前マンション又は再建敷地の明渡しの予定時期及び工事完了の予定時期
二十六 その他国土交通省令で定める事項
(以下、略)
注:配偶者居住権も追加されている。
*権利変換計画とその変更は重要 ~組合員と持分価格の割合の 4/5(80%)以上要~
上でも解説しましたが、権利変換計画の原案が作成されると総会が開催され(法第27条)ますが、権利変換計画は、その重要性から、通常の決議と異なり、組合員の議決権及び持分割合の各4/5(80%)以上の特別の賛成が必要とされます(法第30条3項)。
また、権利変換計画を定める(変更の場合も)ときは、3人以上で構成される特別な知識を経験を持ち公正な判断ができる「審査委員」(法第53条)の過半数の同意も必要です。(法第67条)
総会での決議がなされても、まだ権利変換計画に賛成しない人(組合員)に対しては、組合からは賛成しなかった組合員に対して区分所有権及び敷地利用権、または敷地共有持分等を時価での「売渡請求」ができ、また賛成しなかった組合員の方からも、「買取請求」ができます。
★注:ここが区分所有法と違う点です。(法第64条)
区分所有法(第63条4項 参照)の建替えでは、「建替えの賛成者」だけから、売り渡しの請求ができたが、マンション再生法では、「再生事業に賛成しない者」からも、買取の請求を認めています(同法第64条3項)。

<参照> マンション再生法 第64条
(権利変換計画に関する総会の議決に賛成しなかった組合員に対する売渡し請求等)
第六十四条 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権又は敷地共有持分等を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
2 区分所有法第六十三条第七項及び第八項(これらの規定を区分所有法第六十四条の五第三項、第七十条第五項、第七十五条第九項又は第八十四条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、前項の規定による請求について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第七項中「第五項」とあるのは、「マンションの再生等の円滑化に関する法律第六十四条第一項」と読み替えるものとする。
3 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、当該議決に賛成しなかった組合員は、当該議決があった日から二月以内に、組合に対し、区分所有権及び敷地利用権又は敷地共有持分等を時価で買い取るべきことを請求することができる。
★権利変換計画は重要なものです
そこで、施行者として権利変換計画を確定した後、権利変換計画は、監督している都道府県知事等の認可を受けて、マンションの再生事業は進みます。
③ 計画に定められた期日(権利変換期日)をもって、すべての従前の建物に対する権利関係が再建建物に移行する。
権利変換計画が都道府県知事等により認可を受けると「権利変換期日」をもって、古いマンションにあった諸権利(区分所有権、敷地利用権、抵当権など)は、一度全部なくなり、同時に権利変換計画に記載された、新しい建物(再生後マンション)の上に存在することになります(同法第70条、第71条、同法第73条)。
古いマンションに住んでいる人は、決められた期限までに引越し(明渡し)を行い、もし引越しをしないときは施工者から追い出しを受け(同法第80条1項)、建物が取り壊され、新しい建物の工事が始まります。
<参照> マンション再生法:第70条;
(敷地に関する権利の変換等)
第七十条 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、再生前マンションの敷地利用権、再建敷地の敷地共有持分等及び施行底地権は失われ、再生後マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
2 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、隣接施行敷地権は、失われ、又はその上に再生後マンションの敷地利用権が設定される。
3 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、保留敷地に関しては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める権利を施行者が取得する。
一 当該保留敷地についての従前の再生前マンションの敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等が所有権である場合 当該保留敷地の所有権
二 当該保留敷地についての従前の再生前マンションの敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等が借地権である場合 次のイ及びロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ及びロに定める権利
イ 再生前マンションの敷地又は再建敷地の所有権(当該再生前マンションの敷地利用権又は再建敷地の敷地共有持分等を除く。)を権利変換計画の対象としている場合 当該保留敷地の所有権
ロ イに掲げる場合以外の場合 当該保留敷地の借地権
4 再生前マンションの敷地又は再建敷地及び隣接施行敷地に関する権利で前三項及び第七十三条の規定により権利が変換されることのないものは、権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。
この場合において、権利変換期日前において、これらの権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた敷地利用権若しくは敷地共有持分等、隣接施行敷地権又は施行底地権が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。
<参照> マンション再生法:第71条
(再生前マンションに関する権利の変換)
第七十一条 権利変換期日において、再生前マンションは、施行者に帰属し、再生前マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。
2 再生後マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事又は更新工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに再生後マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。
3 被請求借家権者以外の再生前マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事又は更新工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、再生後マンションの部分について借家権を取得する。
<参照> マンション再生法 第73条
(担保権等の移行)
第七十三条 再生前マンションの区分所有権若しくは敷地利用権若しくは再建敷地の敷地共有持分等、隣接施行敷地権又は施行底地権について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、再生後マンションの区分所有権若しくは敷地利用権又はその敷地の所有権(敷地利用権を除く。)の上に存するものとする。
<参照> マンション再生法:第80条:
(再生前マンション等の明渡し)
第八十条 施行者は、権利変換期日後マンション再生事業に係る工事のため必要があるときは、再生前マンション若しくはその敷地(隣接施行敷地を含む。)又は再建敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる。
2 前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。
3 第五十八条第四項の規定は、同項の相当の期限を許与された区分所有者に対する第一項の規定による明渡しの期限について準用する。
4 第一項の規定による明渡しの請求があった者は、明渡しの期限までに、施行者に明け渡さなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 第七十五条の補償金の支払を受けるべき者について同条の規定による支払又は第七十六条の規定による供託がない場合
二 第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)又は区分所有法第六十三条第五項(区分所有法第六十四条の五第三項、第七十条第五項又は第八十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは区分所有法第七十五条第九項において準用する区分所有法第六十三条第五項前段の規定による請求を受けた者について当該請求を行った者による代金の支払又は提供がない場合
三 第六十四条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による請求を行 った者について当該請求を受けた者による代金の支払又は提供がない場合
四 次に掲げる規定に規定する補償金の提供を受けるべき者について当該規定による提供がない場合
イ 第十五条の二第三項又は第十五条の四第二項(これらの規定を第三十四条第四項において準用する場合を含む。)において準用する区分所有法第六十四条の二第三項
ロ 区分所有法第六十四条の二第三項(区分所有法第六十四条の四において準用する場合を含む。)(これらの規定を区分所有法第六十四条の五第三項、第七十条第五項又は第八十四条第四項において準用する場合を含む。)
| ★ 旧マンションの取り壊し。 新築工事。 新しいマンションの完成。 |
建物の区分所有権や土地の敷地利用権などが、マンション再生賛成者に全部移行し、居住者の引っ越しが終わると、既存のマンションは取り壊され、新しいマンションが建築され、新しいマンションの建築工事が完了すると、再生の施行者は公告をし、再生後マンションに権利をもっている人に通知し、また必要な登記を行います(同法第81条、第82条)。
この時点で、新しく賃借関係も、新区分所有者と賃貸人の間で協議されます(同法第83条)。
<参照> マンション再生法:第81条:
(建築工事等の完了の公告等) 第八十一条 施行者は、再生後マンションの建築工事又は更新工事(マンションの更新をするための工事をいう。次条第一項において同じ。)が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第七十一条第二項又は第三項の規定により再生後マンションに関し権利を取得する者に通知しなければならない。
<参照> マンション再生法:第82条
(再生後マンションに関する登記)
第八十二条 施行者は、再生後マンションの建築工事又は更新工事が完了したときは、遅滞なく、再生後マンション及び再生後マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
2 再生後マンションに関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。
<参照> マンション再生法::第83条1項だけ:
(借家条件の協議及び裁定)
第八十三条 権利変換計画において再生後マンションの区分所有権が与えられるように定められた者と当該再生後マンションについて第六十条第四項本文の規定により賃借権が与えられるように定められた者は、家賃その他の借家条件について協議しなければならない。
(以下、略)
◎借家人の保護や行政からのマンション再生事業の監督の仕組みの規定もあります。(法第90条~第103条)
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| ★第3章 マンション等売却事業 |
令和8年4月1日施行の改正区分所有法で、以下の規定が新設され、建替えや再生以外にもマンションの建物や敷地の売却が可能となりました。
その区分所有法は、建物/敷地を売却することにより、既存の区分所有法から離れる規定
①第64条の6・・・・建物敷地売却決議・・・建物と敷地を売り払ってしまう
②第64条の7・・・・建物取壊し敷地売却決議・・・建物を取壊して敷地を売り払ってしまう
③第71条・・・・・・・団地内建物敷地売却決議・・・団地の建物と敷地を一括して売り払ってしまう
④第76条・・・・・・・敷地売却決議・・・マンションが全部滅失した時に敷地を売り払ってしまう
⑤第85条・・・・・・・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議
です。
区分所有関係から離れるのを、「マンションの再生事業」と呼ぶことには、かなり抵抗がありますが、老朽化マンションなどを危険な状況にしたままでは、社会に与える影響が大きいと、行政が判断したのでしょう。
しかし、これらは、「売却=買い手があること」が、条件ですが、買い手が見つかりますか、どうでしょうか。

この令和8年4月1日施行の改正区分所有法を受け、マンション再生法も令和8年4月1日施行で、改正がなされています。
旧の「マンション建替え法」では、建替えと敷地の売却しかなかったのが、建物と敷地を一体化して「マンション等売却」という形で、老朽マンションからの“撤退・整理”も正式な再生メニューとして整理されたことです。
区分所有法での、建物/敷地を売却する規定の
①第64条の6・・・建物敷地売却決議・・・建物と敷地を売り払ってしまう
②第64条の7・・・建物取壊し敷地売却決議・・・建物を取壊して敷地を売り払ってしまう
③第71条・・・・・・・団地内建物敷地売却決議・・・団地の建物と敷地を一括して売り払ってしまう
④第76条・・・・・・・敷地売却決議・・・マンションが全部滅失した時に敷地を売り払ってしまう
⑤第85条・・・・・・・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議
で、「建物/敷地の売却決議」が、有効に成立(売却合意者)していれば、これから説明します、これらを「マンション等売却事業」というグループに纏めて、マンション再生法の第3章 マンション等売却事業(第104条~) に従って、処理がなされますが、該当の区分所有法の決議がなされたマンション(団地もあるので売却決議マンション群ともなる)を、買受しようとする者は、
・売却決議マンション等の除却等に関する計画
を作成して、都道府県知事等の認定を申請することができます。(法第104条~第108条)
★「マンション等売却組合(法人)」を成立させて、一本化して売却を進める
区分所有法の各種売却決議があり、買受人がある場合でも、区分所有者個人ごとの売買では、マンション全体の処分はできませんから該当のマンション全体として、権利関係を纏め、マンション全体が契約の本人になって不動産取引等を行う必要があります。
そのためには、「マンション等売却組合」という多数決が可能な法人格の成立が必要です。
マンション等売却組合の設立手順は、以下のようになります。
・定款・・・組合の名称、所在地、事業計画、役員の規定、総会の規定、事業の年度などと(法第111条)
・+資金計画 を定めて
・売却合意者が5人以上共同で
・都道府県知事等に対して「マンション等売却組合設立認可申請」を行う
・都道府県知事等が、定款や事業遂行の見通しや権利者保護の観点から審査し(法第118条)、認可(法第119条)・公告(法第120条)した時点で
マンション等売却組合(法人)が成立する。
マンション等売却組合もマンション再生組合と同様に、都道府県知事等の認可により成立し、都道府県知事等の公告をもって第三者に対抗力を持ちます。認可だけでは第三者に対して対抗できないのは、注意しておいてください。
こちらも、「公告」の効果により、登記は不要です。
行政が関与しているのは、反対する少数者の権利の保護が、補償等で充分なされているかを判断するためです。
*「マンション等売却組合」とは・・・マンション等売却事業を実施することができる(法第109条)で、法人格があります。(法第110条1項)。
*注意しなければいけないのが、「マンション再生組合」の方の「設立認可の申請は、「町村」を経由してして行うことになっていましたが(法第9条6項)、「マンション等売却組合」の設立認可の申請では、直接、都道府県知事等となっていることです。
この違いは、「マンション再生組合」は、依然として多くの区分所有者の権利を扱い、地域との調整や公共性が高いとの判断ですが、もう売却(除却)が決定している「マンション等売却組合」ては、今後の個別な売却事業を行う集団との認識のようです。
設立されたマンション等売却組合は、マンション再生組合と同様に、まだ以下の整理が出来ていなければ、
・区分所有権及び敷地利用権等の売渡し請求等(法第121条)
・賃貸借の終了請求(法第122条)
・使用貸借の終了請求(法第123条)
そして、
・配偶者居住権の消滅請求(法第124条)
もできます。
マンション等売却組合では、
*役員は、
・理事3人以上、
・監事2人以上が必要で、
理事長を定め、
*任期は、
・1年以内と、マンション再生組合の3年以内より短い(法第126条)
マンション等売却組合の総会の決議事項は、第128条にあります。
<参照> マンション再生法 第128条
(総会の決議事項)
第百二十八条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 資金計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 分配金取得計画及びその変更
八 組合の解散
九 その他定款で定める事項
---------------------------------------------------
参考 マンション再生組合の総会決議事項 第27条
(総会の決議事項)
第二十七条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 事業計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 権利変換計画及びその変更
八 第九十四条第一項又は第三項の管理規約
九 組合の解散
十 その他定款で定める事項
注:マンション等売却組合では、マンション再生組合で必要な「権利変換計画」がない。その代わりに「分配金取得計画」があることに注意。
★普通決議できない事項もある
総会の決議事項は、普通決議と呼ばれる
・総会の成立要件として
組合員の半数以上の出席が必要で、
・出席者の議決権の過半数で決し、 可否同数のときは、議長の決するところによる(法第129条準用第29条)
ただし、第128条の
1号:定款の内重要な事項 と
8号:組合の解散
は、
議決権(各組合員 1個 法第133条)の過半数を有する者であって
・敷地利用権の持分 又は 敷地共有持分等の価格の過半数を有するものが出席し、
・出席した組合員の議決権及び
・その敷地利用権の持分 又は 敷地共有持分等の価格の
各3/4(75%)以上で決しなければならない となっています。(法第130条)。
区分所有法のように、人数(頭数)の要件と財産(価格)の要件をクリヤーすることが必要です。
なお、第128条1号の「定款の内重要な事項」とは、マンションの再生等の円滑化に関する法律施行令 第30条です。
<参照> マンションの再生等の円滑化に関する法律施行令 第30条
(定款の変更に関する特別議決事項)
第三十条 法第百三十条の政令で定める重要な事項は、次に掲げるものとする。
一 売却等マンション又は売却敷地の追加又は数の縮減
二 事業に要する経費の分担に関する事項の変更
三 総代会の新設又は廃止
★「総代会」を設けることもできる
マンション等売却組合においても、組合員の数が50人を超えるような大きな組合では、毎回組合員全員が出席する総会を開いて決議するのも面倒ですから、「定款」を定めて、組合員の中から代表者=総代を選挙して、彼ら総代で総会に代わって決議できる組織=総代会を、マンション再生組合と同様に可能です。(法第131条、参照第31条)
だだし、総代会でも決議できないのは、
①理事及び監事の選挙/選任
②特別の事項に該当するもの(法第131条3項)
もあります。
★マンション等売却組合の解散(法第137条)
マンション等売却組合の解散事由は、マンション再生組合と同じです。
マンション等売却組合は、次に掲げる理由により解散します。
一 設立についての認可の取消し
二 総会の議決・・・ 債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
三 事業の完了又はその完了の不能・・・債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
また、解散しても、法人での共有な「清算」がすむまで、その組合は存続するものとみなされます。
★税法上の特例(法第139条)
マンション等売却組合も、マンション再生組合と同様に、、
・法人税法・・・公益法人等とみなす
・消費税法・・・別表第三に掲げる法人とみなす(一般財団法人/一般社団法人などが列記)
| ★分配金取得手続き |
マンションやその敷地が売却されれば、元の区分所有者(マンション等売却組合員)の最大の関心事は、自分がマンションの売却においていくら金額を受け取れるのかです。
この金額は「分配金」と呼ばれます。
マンション等の売却における大まかな流れは、
・マンション等売却組合が売却代金を受け取る
・その売却代金から、費用や債務を除く
・残金を、各権利者に分配する
ということです。
そこで、マンション等売却組合は、「分配金取得計画」を定めて、これには、「審査委員(3名以上)」過半数の同意を必要とし(法第146条)、その上で「分配金取得計画」を、都道府県知事等に提出し、都道府県知事等の認可を必要としています。(法第141条)
分配金取得計画の内容は、法第142条1項にあります。
<参照> マンション再生法 第142条1項だけ、
(分配金取得計画の内容)
第百四十二条 分配金取得計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組合員の氏名又は名称及び住所
二 組合員が売却等マンションについて有する区分所有権若しくは敷地利用権又は売却敷地について有する敷地共有持分等
三 組合員が取得することとなる分配金の価額
四 売却等マンション若しくはその敷地に関する権利(組合員の有する区分所有権及び敷地利用権を除く。)又は売却敷地に関する権利(組合員の有する敷地共有持分等を除く。)を有する者で、この法律の規定により、権利消滅期日において当該権利を失うものの氏名又は名称及び住所、失われる売却等マンション若しくはその敷地又は売却敷地について有する権利並びにその価額
五 第百五十五条の規定による売却等マンション若しくはその敷地又は売却敷地の明渡しにより前号に掲げる者(売却等マンション若しくはその敷地又は売却敷地を占有している者に限る。)が受ける損失の額
六 補償金の支払に係る利子又はその決定方法
七 権利消滅期日
八 その他国土交通省令で定める事項
(以下、略)
---------------------------------------------------
引用されている 第155条は 「売却等マンション等の明渡し」 です。
分配金取得計画としては、
・どこの誰に(区分所有者、抵当権者、借家人など権利が不明な場合も含めて)
・いくら (分配金/補償金)
・何の権利(根拠)で
・いつまでに(権利消滅期日)
分配するかを決めます。
★分配金等の価格の算定基準
そこで、問題となるのが、分配金の額をどうやって決めるかですが、
◎組合員が受け取る敷地の分配金の算定基準
ア.1棟の場合なら(区分所有法 第64条の6(建物敷地売却決議) 2項3号による)
・売却によつて各区分所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項として算定された金額
イ.団地なら(区分所有法 第71条(団地内建物敷地売却決議) 4項3号による)
・売却によつて各団地内建物所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項として算定された金額
ウ.1棟が全部滅失の場合なら、第64条の7((建物取壊し敷地売却決議) 2項5号による)
・建物の敷地の売却によつて各区分所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項として算定された金額
とあり、どちらも、具体的には、
・専有部分や敷地利用権の持分の割合 が基本になります。
この 持分割合 x 売却代金 = 分配金 になります。(法第143条1項)
組合員に対する分配金は「権利消滅期日」までに支払われます。(法第151条)
権利消滅期日において権利を失うものや、明渡で損失を受けるものの金額もあります。(法第143条2項、3項)
なお、不動産取引の安全性から該当の区分所有権(専有部分)については、分配金取得手続が開始されたとか(法第140条1項)、売却された後の権利は、マンション等売却組合によって、遅滞なく、登記されます。(法第150条)
{不動産登記簿における 「分配金取得手続開始の登記」 記載例}
乙区の記載例
1番 抵当権設定
原因 令和3年6月1日金銭消費貸借
抵当権者 B銀行
債権額 金〇〇円
2番 分配金取得手続開始
原因 令和8年4月5日分配金取得手続開始
事項 マンション等売却事業に係る分配金取得手続開始
施行者 〇〇マンション等売却組合
★売却等マンションの明渡し
権利消滅期日の規定によって、売却等マンションやその売却敷地を占有している者は、マンション等売却組合にそのマンションや敷地を明渡します。(法第155条)
権利関係もすっきりし、これにより、後は、マンション等売却組合と買受人との関係になります。
◎この他にも、条文としては、出て行く区分所有者・借家人等の居住の安定の確保(法第155条の2)や、行政によるマンション等売却事業の監督等もあります(法第160条~第163条)
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| ★第4章 マンション除却事業 |
マンションの除却というのは、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設された
・第64条の8・・・取壊し決議(建物は取壊す=除却 が敷地は残す)
を対象にした規定です。

上の、「マンション等売却事業」では、「売却=買い手」がいましたが、ここ「マンション除却事業」では、買い手がいなくても、とにかく社会的に危険なマンションは取壊しておけという行政からの判断です。

◎除却とは・・・既に存在する物や権利・法律関係などを、法的効果として「取り除いて無かったものとする」ことを意味する法律用語です。
物理的な撤去だけでなく、登記や処分の効力を消す場合などにも用いられます。
★「マンション除却組合」の設立
今まで説明した、ほかの、建物は残す「マンション再生組合」や、建物や敷地を売り払ってしまう「マンション等売却組合」と同様に、、区分所有法第64条の8 で規定される土地は残すが建物を取壊す(除却)「取壊し決議」があったマンションでは、
・集会を開き
その議決権(規約がなければ、専有部分の割合、区分所有法第38条)の過半数が出席した集会で
ア.取壊し合意者 と
イ.議決権の
各3/4(75%)以上の賛成決議をして、
次に、
・取壊し合意者は、5人以上共同で、
・定款 及び
・資金計画 を定めて、
・都道府県知事等の認可を受けて
「マンション除却組合」という「法人」となり(法第163条の6,及び第163条の3)
マンション再生法で規定する「マンション除却事業」をすることができるようになります。
★定款の内容と都道府県知事等の認可
団体には、必ずその団体が何のために設立されているのかという、その団体の「憲法」を定めることが義務付けられそれは「定款」と呼ばれています。
そこで、「マンション除却組合」が、マンション再生法によって決めることを強制されている定款の内容は、
一 組合の名称
二 除却マンションの名称及びその所在地
三 事務所の所在地
四 事業に要する経費の分担に関する事項
五 役員の定数、任期、職務の分担並びに選挙及び選任の方法に関する事項
六 総会に関する事項
七 総代会を設けるときは、総代及び総代会に関する事項
八 事業年度
九 公告の方法
十 その他国土交通省令で定める事項
です。(法第163条の4)
この「定款」に プラスして、「資金計画」も決めて、取壊し合意者が5人以上の連名で
・都道府県知事等に申請し
・都道府県知事等は
・手続が正しいか
・取壊し決議は要件を満たしているか
・定款や資金計画は問題ないか
・マンションの除却が居住者にとって居住環境の改善になるのか
・除却事業を遂行できるのか
などを検討し、問題が無ければ、
認可します。(法第163条の11)
この都道府県知事等の認可によって、「マンション除却組合」は成立し、都道府県知事等が行う「認可の公告」をもって、第三者に対抗できます。(法第163条の12,第163条の13)
この「公告」があれば、今後の不動産取引を考慮して、区分所有権を動かせないようにするために、マンション除却組合は、登記所に遅滞なく、除却マンションの区分所有権について、あとで説明します「補償金支払手続開始の登記」を申請しなければなりません。(法第163条の33)
また、権利が消滅したら、マンション除却組合は、これも、遅滞なく、除却マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければなりません。(法第163条の43)
成立した「マンション除却組合」は、まだ処理がすんでいなければ、区分所有法の建替え(区分所有法第62条~)と同様に、
・借家人に対する賃貸借の終了請求(法第163条の15)
・使用貸借があれば、使用貸借の終了請求(法第163条の16)
・配偶者居住権者がいれば、配偶者居住権の消滅請求(邦題163条の17)
もできます。
マンション除却組合には、役員は、理事が3名以上、監事は2名以上が必要で、任期は、1年です。(法第163条の19)
★総会
総会の決議が必要なのは、(法第163条の21)
一 定款の変更
二 資金計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 補償金支払計画及びその変更
八 組合の解散
九 その他定款で定める事項
で、
多くの事項は普通決議と呼ばれる、
・総会は、総組合員の半数以上の出席を必要とし、
出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによります(法第163条の22,準用第29条)が、ここでも特別の議決を要する事項があります。
それが、
一 定款の変更 と
八 組合の解散
です。
この2つについては、その重要性から
総会は、
・組合員の議決権の過半数を有する者であって持分割合(規約が無ければ専有部分の割合)の過半数を有するものが出席し、
・出席した組合員の議決権
・及びその持分割合の
各3/4(75%)以上で決することになっています。(法第163条の23)
★総代会もある
他の「マンション再生組合」や「マンション等売却組合」と同様に、「マンション除却組合」でも、組合員の数が50人以上なら、毎回全組合員が集まる総会を開催する代わりに、組合員の中から代表者=総代を選挙し、総代だけで、総会の決議が可能です。
しかし、
①理事及び監事の選挙又は選任
②定款の変更 と
③組合の解散
は、総代会では決議できず、総会の決議事項となります。
★マンション除却組合の解散(法第163条の30)
これも、他の「マンション再生組合」や「マンション等売却組合」と同様に、
マンション除却組合組合は、次に掲げる理由により解散する。
一 設立についての認可の取消し
二 総会の議決・・・ 債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
三 事業の完了又はその完了の不能・・・債権者の同意が必要。都道府県知事等の認可が必要。
また、他の法人と同様に、マンション除却組合は解散しても、「清算」がすむまで、存続するものとみなされます。
★税は、(法第163条の32)
これも、他の「マンション再生組合」や「マンション等売却組合」と同様に、
・法人税・・・公益法人等とみなし
・消費税・・・別表第三に掲げる法人とみなす(一般財団法人/一般社団法人などが列記)
| ★補償金支払計画 |
名称は、「補償金支払」となっていて、これだけだと、マンション除却事業に不参加の人だけに対する「補償金」のようですが、基本的に「マンション除却事業」により、建物がなくなり、つまり区分所有権や抵当権、借家権などの権利がなくなることへの「対価」を支払うことから、土地区画整理や都市再開発などでも見られる「権利の整理・換価」に伴う補償金と同じ系統の概念で、いわゆる損害賠償というより「権利調整の対価」に近い意味合いで権利者全員を対象にしていても「補償金支払」の名称を使っているようです。
マンション等売却組合での「分配金取得計画」(法第141条、第142条など)と同じような規定です。
◎補償金支払計画の内容
補償金支払計画の内容は(法第163条の35)
一 組合員の氏名又は名称及び住所(権利が確定しない場合も含めて)
二 組合員が除却マンションについて有する区分所有権
三 除却マンションに関する権利(組合員の有する区分所有権を除く。)を有する者で、この法律の規定により、権利消滅期日において当該権利を失うものの氏名又は名称及び住所、失われる除却マンションについて有する権利並びにその価額
四 第百六十三条の四十六第一項の規定による除却マンションの明渡しにより前号に掲げる者(除却マンションを占有している者に限る。)が受ける損失の額
五 補償金の支払に係る利子又はその決定方法
六 権利消滅期日
七 その他国土交通省令で定める事項
です。
そして、重大な関心事の、補償金の価額の算定基準は、
1.組合員に対して・・・公告の日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格その他の当該価額の算定の基礎となる事項を考慮して定める相当の価額
2.占有者・・・除却マンションの明渡しにより同号に掲げる者が通常受ける損失として政令で定める額
です。(法第163条の36)
この「補償金支払計画」は、審査委員の過半数の同意を得て、都道府県知事等の審査を受け、問題が無ければ認可されます。(法第163条の39,第163条の37)
認可された「補償金支払計画」により、マンション除却組合は、除却マンションの区分所有権について、「補償金支払手続開始の登記」を登記所へ申請します。
★補償金の支払
「補償金支払計画」に基づいて、補償金が該当者に支払われ、「権利消滅期日」において、除却マンションは、マンション除却組合のものとなり、これで、区分所有法第1条で定める区分所有建物ではなくなります。
しかし、建物であるので、個々の区分所有権に代わって、マンション除却組合が持つ民法での1つの棟の「所有権」と、まだ後日の借家人保護の問題もあるため、「借家権」と「使用貸借」はこの時点では残ります。(法第163条の42)
これらについては、今後、補償を前提にマンション除却組合と借家人や使用貸借人との交渉になります。
どうして高齢者や店舗などが考えられる「借家権」と「使用貸借」を未解決にしたのかについては、「権利消滅期日」において、一応「マンション除却事業」を先に進める手順と考えられます。
◎この他にも、区分所有者や借家人の居住の安定も確保(法第163条の47)は、他の組合と同様にありますが、行政の監督は有りません。
行政の監督がない理由は、
*マンション再生事業・マンション等売却事業は
→ 事業の公益性が高く、再生後のまちづくりや近隣への影響も大きい
→ 認可制や権利変換など「強い権限」を与える代わりに、行政の監督規定を置いている
*一方、マンション除却事業は、
→ 「建物の取壊し=除却だけ」で、新しいマンション建設や敷地売却を伴わない
→ 公益性や権限付与の程度が相対的に小さい
→ そのため、同じレベルの「監督規定」は置いていない
という「事業の性質と付与される権限の違い」が大きな理由です。
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| ★第4章の2 第1節 除却等をする必要のあるマンションに係る特別の措置 |
ここ、「第四章の二 除却等をする必要のあるマンションに係る特別の措置」 は、上で説明した区分所有法の建替え(区分所有法第62条)や、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設された
①第64条の6・・・建物敷地売却決議・・・建物と敷地を売り払ってしまう
②第64条の7・・・建物取壊し敷地売却決議・・・建物を取壊して敷地を売り払ってしまう
③第71条・・・・・・・団地内建物敷地売却決議・・・団地の建物と敷地を一括して売り払ってしまう
④第76条・・・・・・・敷地売却決議・・・マンションが全部滅失した時に敷地を売り払ってしまう
⑤第85条・・・・・・・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議
や、
⑥第64条の8・・・取壊し決議(建物は取壊す=除却 が敷地は残す)
等とは異なり、
令和2年(2020年)6月24日に公布された旧「マンション建替え法」で新設された5つの要件
1.地震に対して安全性を欠く(耐震診断を受けて耐震性が不足)
2.火災に対する安全性を欠く
3.外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある
4.給排水配管設備の損傷などが衛生上有害な基準に該当する
5.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準に適合していない(バリアフリー不適合)
に適合して、そのマンションの除却や工事など(除却等)が必要である場合、管理者や管理組合法人の理事が特定行政庁に申請して、「要除却等認定」を受けると、そのマンションを建替える際には、「容積率等の特例」があるという制度です。
*特定行政庁とは...建築確認などを行う建築主事を置く市町村および特別区にあってはそれぞれの長、その他の市町村および特別区では、都道府県知事です。
この5つの要件は、令和8年4月1日施行の改正区分所有法でも採用されています、「客観的事由」です。

旧の「マンション建替え法」では、「第3章 除却する必要のあるマンションに係る特別の措置」として、第102条以下の規定が、移動して、新しい「マンション再生法」では、第163条の56~第163条の61 になっています。

<参照> マンション再生法 第163条の56
(除却等の必要性に係る認定)
第百六十三条の五十六 マンションの管理者等(区分所有法第二十五条第一項の規定により選任された管理者(管理者がないときは、区分所有法第三十四条の規定による集会において指定された区分所有者)又は区分所有法第四十九条第一項の規定により置かれた理事をいう。第百六十三条の六十において同じ。)は、国土交通省令で定めるところにより、特定行政庁に対し、当該マンションの除却又は当該マンションの構造上主要な部分の効用の維持若しくは回復(通常有すべき効用の確保を含む。)をするものとして国土交通省令で定める工事(以下「除却等」という。)をする必要がある旨の認定(以下「要除却等認定」という。)を申請することができる。
2 特定行政庁は、前項の規定による申請があった場合において、当該申請に係るマンションが次の各号のいずれかに該当するときは、その旨の認定をするものとする。
一 当該申請に係るマンションが地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。
二 当該申請に係るマンションが火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。
三 当該申請に係るマンションが外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。
四 当該申請に係るマンションが給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして国土交通省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める基準に該当すると認められるとき。
五 当該申請に係るマンションが高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認められるとき。
3 要除却等認定をした特定行政庁は、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等(当該特定行政庁である都道府県知事等を除く。)にその旨を通知しなければならない。
なお、地震での認定の基準は、
建築士(一級建築士、二級建築士又は木造建築士)であって、耐震診断を行う者として必要な知識及び技能を修得させるための講習として国土交通大臣の登録を受けたものを修了した者(耐震診断資格者)等が、耐震改修促進法第4条第2項第三号に掲げる建築物の耐震診断及び耐震改修の実施について技術上の指針となるべき事項に定めるところにより耐震診断を行った結果、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性があるものとして判定されたもの(構造耐震指標(Is 値)が0.6未満など)となります。(耐震改修促進法第25条)
<参照> マンション再生法 第163条の59
(容積率等の特例)
第百六十三条の五十九 その敷地面積が政令で定める規模以上であるマンションのうち、要除却等認定マンションに係るマンションの建替えにより新たに建築されるマンション又は要除却等認定マンションに係るマンションの更新がされるマンションで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。)、容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下この項において同じ。)及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、建築基準法第五十二条第一項から第九項まで、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。
2 建築基準法第四十四条第二項、第九十二条の二、第九十三条第一項及び第二項、第九十四条並びに第九十五条の規定は、前項の規定による許可について準用する。
★除却は努力目標
耐震性の不足など、5つの客観的事由に該当する(要除却等認定)と、そのマンションの区分所有者は、そのマンションを「除却=取壊す」ことに努力しなければなりません。(法第163条の57)
もしも、取壊しとなるなら、今度は区分所有法に令和8年4月1日施行で新設された第64条の8(取壊し決議) に従い
・集会を開く、議決権を有しないものは除いて、
ア.区分所有者 と
イ.議決権 の
各、4/5(80%) 以上の賛成が必要だったのが
→ 3/4(75%) 以上に緩和されます。
<参照> マンション再生法 第163条の57
要除却等認定マンションの区分所有者の除却等の努力) 第百六十三条の五十七 要除却等認定を受けたマンション(以下「要除却等認定マンション」という。)の区分所有者は、当該要除却等認定マンションについて除却等を行うよう努めなければならない。
<参照> 区分所有法 第64条の8
(取壊し決議)
第六十四条の八 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊す旨の決議(以下この条及び第七十七条において「取壊し決議」という。)をすることができる。
2 取壊し決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 建物の取壊しに要する費用の概算額
二 前号に規定する費用の分担に関する事項
3 第六十二条(第一項及び第四項を除く。)及び第六十三条から第六十四条の四までの規定は、取壊し決議について準用する。
この場合において、第六十二条第二項中「前項」とあるのは「第六十四条の八第一項」と、同条第五項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第六十四条の八第二項第二号」と、同条第七項第一号及び第二号中「建替え」とあるのは「取壊し」と、第六十三条第一項、第二項及び第四項から第六項まで、第六十四条並びに第六十四条の二第一項中「建替えに」とあるのは「取壊しに」と、第六十四条中「建替えを」とあるのは「取壊しを」と読み替えるものとする。
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注:区分所有法 第62条(建替え決議)2項 だけ
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
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| ★第4章の2 第2節 敷地分割決議等 |
★団地内の他のマンションより早く危険性への対応をする ~ここは、団地の場合です~


マンション再生法第163条の56((除却等の必要性に係る認定)により、社会的に対応が必要な5つの「客観的事由」、つまり、
1.地震に対して安全性を欠く(耐震診断を受けて耐震性が不足)
2.火災に対する安全性を欠く
3.外壁などが剥離、落下の恐れがあり、周辺に危害を生じるおそれがある
4.給排水配管設備の損傷などが衛生上有害な基準に該当する
5.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準に適合していない(バリアフリー不適合)
に該当して、特定行政庁から「要除却等認定」を受けたのが、区分所有法第65条で定める「団地」関係にあるマンション(敷地が共有/準共有)なら、「要除却等認定をうけた団地内の棟(特定団地建物所有者)」は、団地全体の集会ではなく、
該当する棟だけの「特定団地建物所有者集会」を開いて、議決権を有しないものは除いて、
ア.特定団地建物所有者 と
イ.議決権・・・敷地(借地権)の共有持分の割合 の
各3/4(75%) 以上の賛成があれば、敷地(借地権も)を分割すること(敷地分割決議)ができます。(法第163条の62,第163条の63 1項)
なお、団地内にあるマンションが「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災区分所有法)」の適用をうける「大規模一部滅失」となり、かつ「要除却等認定」を受けるという、危険な場合には、さらに社会的な要請から、
ア.特定団地建物所有者 と
イ.議決権・・・敷地(借地権)の共有持分の割合 の
各3/4(75%) 以上は 2/3(66.6%) まで緩和されます。(法第163条の63 2項)
この特例を認めるのは、社会的に危険性が高いなどの理由により「要除却等認定」を受けた棟については、
・団地全体では、物事を進めるのが遅くなるので、その棟の区分所有者(=特定団地建物所有者)だけの集会を開けるようにする
・その集会で敷地の分割など、当該マンション棟の再生に必要な決議をしやすくする
という「団地の中の一部だけを切り出し」て、今後の再生の意思決定をスムーズに進めるためのです。
敷地が分割された団地内の他のマンションの区分所有者は、
・自分の棟とそれに対応する敷地については、従来どおり区分所有者として権利を持つ
・共有している施設や、残りの敷地部分についても、引き続き共有者としての権利義務を持つ
つまり、「危険な棟の敷地として切り出された部分」からは一定程度切り離される一方で、それ以外の団地部分については、これまで通りの関係が続きます。
★敷地分割決議
敷地分割決議においては、(法第163条の63 4項)
一 除却マンション敷地(敷地分割後の要除却等認定マンション(敷地分割決議に係るものに限る。)の存する敷地をいう。以下同じ。)となるべき土地の区域及び非除却マンション敷地(敷地分割後の除却マンション敷地以外の敷地をいう。以下同じ。)となるべき土地の区域
二 敷地分割後の土地又はその借地権の帰属に関する事項
三 敷地分割後の団地共用部分の共有持分の帰属に関する事項
四 敷地分割に要する費用の概算額
五 前号に規定する費用の分担に関する事項
六 団地内の駐車場、集会所その他の生活に必要な共同利用施設の敷地分割後の管理及び使用に関する事項
を定め、権利関係を明確にし、
集会の招集手続として、会議の目的たる事項 + 議案の要領 にさらに プラスして
一 要除却等認定マンションの除却の実施のために敷地分割を必要とする理由
二 敷地分割後の当該要除却等認定マンションの除却の実施方法
三 マンションの再生等その他の団地内建物における良好な居住環境を確保するための措置に関する中長期的な計画が定められているときは、当該計画の概要
も通知して、
なぜ、「要除却等認定」を受けたのか、どうして、団地内での「敷地を分割」する必要性があるのかなどを説明します。(法第163条の63 7項)
★団地での「敷地分割決議」がなされると、「敷地分割事業」(法第164条~)ができる
この敷地分割決議がなされると、敷地分割に賛成の団体は、今後「敷地分割組合」という法人格をもって、これから説明します「敷地分割事業」を実地できます。(法第164条~)
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| ★第5章 敷地分割事業 第1節 敷地分割組合 |
上の団地内で「要除却等認定」をうけたマンションは、「敷地分割決議」を行って、団地内で、敷地を分割できます。(法第163条の63)

★敷地分割組合 設立決議 → 認可申請 → 認可(法人)
団地内で「敷地分割決議」をした敷地分割合意者(あとからの合意者も含めて)は、集会を開いて
・敷地分割合意者の過半数 と 議決権(当該団地内建物の敷地又はその借地権の共有持分の割合)の過半数が出席し、
・出席した、
ア.敷地分割合意者 と
イ.その議決権 の
各 3/4(75%)以上の賛成で敷地分割組合を設立する決議をして、(法第168条2項)
その敷地分割合意者が5人以上共同して、
・定款 と
・事業計画 を定めて
都道府県知事等に申請し、(法第168条1項)、申請を受けた市長や都道府県知事は、2週間公衆に閲覧させ、特に意見が無ければ、都道府県知事等は
・法令違反
・敷地分割決議が要件をみたしてるか
・敷地分割が要除却等認定マンションの除却のために必要であること
・経済的に能力があるか
などを審査して、問題が無ければ、認可となります。
敷地分割組合は、都道府県知事等の認可により法人として成立し、都道府県知事等が公告をして始めて第三者への対抗力をもちます。法第164条~第173条)
★敷地分割組合の役員
敷地分割組合には、役員として、理事は、3人以上、監事は2人以上をおき、理事の互選で理事長を定めます。
組合役員の任期は、3年以内です(法第175条3項 → 準用第22条)
★敷地分割組合の総会の決議事項
総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。(法第172条、準用第29条)で、総会の決議事項は、
一 定款の変更
二 事業計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 敷地権利変換計画及びその変更
八 組合の解散
九 その他定款で定める事項
で、(法第177条)
他のマンション再生組合等と同様に、組合にとって重要な
一 定款の変更
二 事業計画の変更
八 組合の解散
については、普通決議ではなく、特別決議として、総会は
・組合員の議決権の過半数を有する者であって分割実施敷地持分の割合の過半数を有するものが出席し、
・出席した
ア.組合員の議決権 及び
イ.その分割実施敷地持分の割合 の
各 3/4(75%) 以上の賛成が必要とされます。(法第179条)
注:議決権・・・定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する(法第182条1項)
分割実施敷地持分・・・分割実施敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該分割実施敷地の所有権又は借地権の共有持分(法第179条)
★総代会もある(法第180条~)
他のマンション再生組合等と同様に(法第31条など)、敷地分割組合でも、組合員が50人を超えると「総代会」の規定もあります。
★解散、税法上の措置
敷地分割組合の解散理由は、
一 設立についての認可の取消し
二 総会の議決
三 事業の完了又はその完了の不能
で、(法第186条)
清算業務が終わるまで存続とみなされるのも、他のマンション再生組合等と同様です。(法第187条、参照:第38条の2~)
税法についても、敷地分割組合も他のマンション再生組合等と同様に
法人税・・・公益法人等とみなし
・消費税・・・別表第三に掲げる法人とみなす(一般財団法人/一般社団法人などが列記)
です。(法第188条)
| ★第5章 敷地分割事業 第2節 敷地権利変換手続等 |
団地の敷地分割事業においても、権利関係や金額は重要な事項です
そこで、敷地分割組合は、都道府県知事等から「認可の公告」を得たら、遅滞なく。登記所に
・分割実施敷地に現に存する団地内建物の所有権 (専有部分のある建物にあっては、区分所有権)
・分割実施敷地持分 (既登記のものに限る)
について、
・敷地権利変換手続開始の登記を申請します。(法第189条1項)
この登記により、これ以降、組合員は、敷地分割組合の承認なくしては、勝手に専有部分(室)の売買などの処分ができなくなるのも、他のマンション再生組合等と同様です。
| ★敷地権利変換計画 |
★敷地権利変換計画の内容
認可された敷地分割組合は、遅滞なく以下の内容の「敷地権利変換計画」を定めて、審査委員の過半数の同意を得て、都道府県知事等に申請し、審査をうけて問題が無ければ、これも「認可」されます。(法第199条、第196条)
<参照> マンション再生法 第191条
(敷地権利変換計画の内容)
第百九十一条 敷地権利変換計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 除却マンション敷地及び非除却マンション敷地の区域
二 分割実施敷地持分を有する者で、当該分割実施敷地持分に対応して、除却敷地持分(除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該除却マンション敷地の所有権又は借地権の共有持分をいう。以下同じ。)を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
三 前号に掲げる者が有する分割実施敷地持分及びその価額
四 第二号に掲げる者に前号に掲げる分割実施敷地持分に対応して与えられることとなる除却敷地持分の明細及びその価額
五 分割実施敷地持分を有する者で、当該分割実施敷地持分に対応して、次に掲げるいずれかの権利(以下「非除却敷地持分等」という。)を与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所
イ 非除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物にあっては、専有部分)を所有するための当該非除却マンション敷地の所有権又は借地権の共有持分
ロ 非除却マンション敷地に存する建物(専有部分のある建物を除く。)の敷地又はその借地権
六 前号に掲げる者が有する分割実施敷地持分及びその価額
七 第五号に掲げる者に前号に掲げる分割実施敷地持分に対応して与えられることとなる非除却敷地持分等の明細及びその価額
八 第二号及び第五号に掲げる者で、その有する団地共用部分の共有持分に対応して、敷地分割後の団地共用部分の共有持分が与えられることとなるものの氏名又は名称及び住所、与えられることとなる団地共用部分の共有持分並びにその価額
九 第二号及び第五号に掲げる者で、この法律の規定により、敷地権利変換期日においてその有する団地共用部分の共有持分を失い、かつ、当該共有持分に対応して、敷地分割後の団地共用部分の共有持分を与えられないものの氏名又は名称及び住所、失われる団地共用部分の共有持分並びにその価額
十 第三号及び第六号に掲げる分割実施敷地持分について担保権等の登記に係る権利を有する者の氏名又は名称及び住所並びにその権利
十一 前号に掲げる者が除却敷地持分又は非除却敷地持分等の上に有することとなる権利
十二 清算金の徴収に係る利子又はその決定方法
十三 敷地権利変換期日
十四 その他国土交通省令で定める事項
2 分割実施敷地持分に関して争いがある場合において、当該分割実施敷地持分の存否又は帰属が確定しないときは、当該分割実施敷地持分が存するものとして、又は当該分割実施敷地持分が現在の名義人に属するものとして敷地権利変換計画を定めなければならない。
基本は、
・敷地分割の対象になっている区域を定め(これが、実務においては最も難しい)
・どこのだれに
・いくら
・いつ=敷地権利変換期日
支払うかということです。
支払の金額の算定基準は、
・公告の日における近傍類似の土地又は近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額
です。(法第195条)
敷地権利変換期日をもって、もともとあった分割実施敷地持分は失われ、除却敷地持分又は非除却敷地持分等は新たにこれらの権利を与えられるべき者が取得します。(法第201条1項)
敷地分割組合は、敷地権利変換期日後遅滞なく、分割実施敷地につき、敷地権利変換後の土地及びその権利について必要な登記を申請します。(法第204条1項)
★敷地分割組合は、都道府県知事等の監督を受ける(法第213条~)
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注:マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、令和8年4月1日施行で大幅に改正され、法の名称も「マンションの再生等の円滑化に関する法律」となっているので、注意。
*令和7年 マンション管理士試験 「問19」
【問 19】 マンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 マンション建替組合の総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律に特別の定めがある場合を除くほか、総組合員の議決権の過半数で決する。
2 マンション建替組合は、都道府県知事等による組合の設立認可の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。
3 施行マンションについて借家権を有していた者は、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。
4 マンション建替事業の事業計画においては、施行マンションの状況、その敷地の区域及びその住戸の状況、その区分所有権及び敷地利用権の価額、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域、事業施行期間、資金計画等を記載しなければならない。
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「答」 2
1 X 誤り。「出席者」がかけている。
設問のマンション建替組合の総会は、建替え円滑化法第29条1項
「 (総会の議事等)
第二十九条 総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、「出席者」の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。」
とあり、
「出席者」の議決権の過半数であるため、設問の「総組合員の議決権の過半数で決する」は、誤り。
2 ○ 正しい。
設問は、建替え円滑化法第14条
「(認可の公告等)
第十四条 都道府県知事等は、第九条第一項の規定による認可をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、組合の名称、施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの敷地の区域、事業施行期間その他国土交通省令で定める事項を公告し、かつ、関係市町村長に施行マンションの名称及びその敷地の区域、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域その他国土交通省令で定める事項を表示する図書を送付しなければならない。
2 組合は、前項の公告があるまでは、組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって、組合員その他の第三者に対抗することができない。
3 市町村長は、第三十八条第六項又は第八十一条の公告の日まで、政令で定めるところにより、第一項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。」
とあり、
建替え円滑化法第14条2項により、正しい。
3 X 誤り。 「権利変換期日」ではなく、「建築工事完了の公告の日」
設問は、建替え円滑化法第71条
「(施行マンションに関する権利の変換)
第七十一条 権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。
2 施行再建マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。
3 施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。」
とあり、建替え円滑化法第71条3項によれば、施行マンションについて借家権を有していた者が、施行再建マンションの部分について借家権を取得するのは、「建築工事の完了の公告の日」であり、設問の「権利変換期日」は誤りである。
4 X 誤り。 事業計画には、「区分所有権及び敷地利用権の価額」は入っていない。
設問の「マンション建替事業の事業計画」は、建替え円滑化法第10条
「(事業計画)
第十条 事業計画においては、国土交通省令で定めるところにより、施行マンションの状況、その敷地の区域及びその住戸(人の居住の用に供するマンションの部分をいう。以下同じ。)の状況、施行再建マンションの設計の概要及びその敷地の区域、事業施行期間、資金計画その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。」
2 事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。」
とあり、
建替え円滑化法第10条1項によれば、設問の「区分所有権及び敷地利用権の価額」というのは、事業計画の内容には含まれない。
*令和6年 マンション管理士試験 「問19」
【問 19】 マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 分配金取得計画の決定及び変更にあっては、総会の議決で決することができる。
2 定款の変更のうち参加組合員に関する事項の変更にあっては、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上で決する必要がある。
3 組合員が会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して総会の招集を請求する場合には、総組合員の過半数の同意を得る必要がある。
4 マンション建替組合の設立の認可の申請をしようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の5分の4以上の同意を得なければならない。
答:1
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第141条2項、及び同第145条
分配金取得計画は、マンション敷地売却決議によって決められます。
その決定と変更は、マンション敷地売却組合の総会決議の議決を受けなければなりません。これは特別決議であることは求められておらず、通常決議でよいとされています。
選択肢:2 ⇒ X マンション建替え法第30条1項、施行令第13条1項2号
参加組合員に関する事項の変更は、特別議決事項に該当して、組合員の議決権および「区分所有法第14 条に定める専有部分の床面積の割合=共用部分の割合」の4分の3以上であり、「敷地利用権」の4分の3以上が間違い。
なお、4分の3以上の特別議決をする必要がある事項は、
①定款の変更で重要な事項(施行マンションの変更、参加組合員に関する事項の変更、事業に要する経費の分担に関する事項の変更、総代会の新設または廃止)
②事業計画の変更で重要な事項(施行再建マンションの敷地の区域の変更)
③円滑化法第 94 条1項の管理規約
④建替組合の解散
選択肢:3 ⇒ X マンション建替え法第28条3項
「3 組合員が総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を組合に提出して総会の招集を請求したときは、理事長は、その請求のあった日から起算して二十日以内に臨時総会を招集しなければならない。」
とあり、「総組合員の過半数の同意を得る必要」はない。
選択肢:4 ⇒ X マンション建替え法第9条2項
「2 前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計が、建替え合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。」
とあり、建替え合意者の4分の3の同意でいい。5分の4はいらない。これは、区分所有法の区分所有者の団体の法人化と同じ数字。
★令和6年 管理業務主任者試験 「問41」
【問 41】 マンション建替円滑化法第2条第1項第1号のマンションの建替事業に関する次の記述のうち、マンション建替円滑化法によれば、最も不適切なものはどれか。
1 「マンションの建替え」とは、現に存する1又は2以上のマンションを除却するとともに、当該マンションの敷地(これに隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築することをいう。
2 マンション建替事業を行う団体は、その名称中に「マンション建替組合」という文字を用いなければならない。
3 マンション建替事業を行う団体を法人とするか否かは、当該団体の任意で決めることができる。
4 マンション建替事業を行う団体を構成することができる者は、その施行マンションの建替え合意者又はその包括承継人に限られない。
答:3
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第2条1項2号
「二 マンションの建替え 現に存する一又は二以上のマンションを除却するとともに、当該マンションの敷地(これに隣接する土地を含む。)にマンションを新たに建築することをいう。
選択肢:2 ⇒ 〇 マンション建替え法第8条1項
「組合は、その名称中にマンション建替組合という文字を用いなければならない。」
選択肢:3 ⇒ × マンション建替え法第6条1項。
マンションの建替事業を行う団体は、必ず法人と定められている。
団体を法人としないと取り扱い方が面倒になるからです。
「組合は、法人とする。」
選択肢:4 ⇒ 〇 マンション建替え法第16条1項、及び第17条
第16条1項
「施行マンションの建替え合意者等(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、すべて組合の組合員とする。」
第17条
「前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる」
*令和5年 マンション管理士試験 「問19」
【問 19】 マンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建替え合意者は、5人以上共同して、定款及び事業計画を定め、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。)の認可を受けてマンション建替組合を設立することができる。
2 マンション建替組合において、施行マンション(マンション建替事業を施行する現に存するマンションをいう。以下同じ。)の建替え合意者はすべて組合員となり、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。
3 権利変換計画の変更は、組合員の議決権及び持分割合の各過半数で決することができる。
4 組合設立に係る認可の公告があったときは、施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者は、その公告があった日から30日以内に、施行者に対し、権利の変換を希望せず、自己の有する区分所有権又は敷地利用権に代えて金銭の給付を希望する旨を申し出ることができる。
答:3
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第9条1項
選択肢:2 ⇒ 〇 マンション建替え法第16条1項2項
選択肢:3 ⇒ × マンション建替え法第30条3項。
よく出る問題。権利変換計画の変更は、重要なので、過半数でなく、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上
「3 第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する。」
第27条7号
「七 権利変換計画及びその変更」
選択肢:4 ⇒ 〇 マンション建替え法第56条1項
*令和4年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕 敷地分割組合(この問いにおいて「組合」という。)が実施する敷地分割事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成
14 年法律第 78 号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 特定要除却認定を受けた場合においては、団地内建物を構成する特定要除却認定を受けたマンションの敷地(当該特定要除却認定マンションの敷地利用権
が借地権であるときは、その借地権)の共有者である当該団地内建物の団地建 物所有者(この問いにおいて「特定団地建物所有者」という。)及び議決権の各5分の4以上の多数で、敷地分割決議をすることができる。
2 敷地権利変換計画においては、除却マンション敷地となるべき土地に現に存する団地内建物の特定団地建物所有者に対しては、除却敷地持分が与えられる
ように定めなければならない。
3 敷地権利変換手続開始の登記があった後においては、組合員は、当該登記に係る団地内建物の所有権及び分割実施敷地持分を処分するときは、都道府県知事の承認を得なければならない。
4 総会の決議により組合を解散する場合は、組合員の議決権及び分割実施敷地持分の割合の各4分の3以上で決する。
答:3
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第115条の4 1項
選択肢:2 ⇒ 〇 マンション建替え法第193条1項
選択肢:3 ⇒ × マンション建替え法第189条2項。都道府県知事の承認ではなく、組合の承認を得ること。
選択肢:4 ⇒ 〇 マンション建替え法第179条
★令和4年 管理業務主任者試験 「問41」
【問 41】 次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律によれば、最も不適切なものはどれか。ただし、本問において「マンション」とは、同法第
2条第 1 項第 1 号に規定するものとする。
1 非法人の管理組合において、マンションの管理者又は区分所有者集会で指定された区分所有者は、特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
2 特定行政庁が行う除却の必要性に係る認定は、外壁等が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれに対する安全性に係る基準に該当するのみでは行われない。
3 特定要除却認定を受けた場合において、特定要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各
5 分の 4 以上の多数で、当該特定要除却認定マンション及びその敷地(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議をすることができる。
4 その敷地面積が政令で定める規模以上であるマンションのうち、要除却認定マンションに係るマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建ぺい率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率には、特例が認められる。
答:2
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第102条1項
選択肢:2 ⇒ X マンション建替え法第102条2項3号。該当すればそれだけで認定される。
選択肢:3 ⇒ 〇 マンション建替え法第108条1項。
選択肢:4 ⇒ 〇 マンション建替え法第105条
*令和3年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマ ンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14
年法律第78 号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、 当該議決があった日から2月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対
し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することがで きる。
2 組合は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
3 組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画につ いて、あらかじめ、総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
4 組合は、権利変換計画に基づき補償金を支払う必要がある者に対して、権利変換期日後遅滞なく当該補償金を支払わなければならない。
答:4
選択肢:1 ⇒ 〇 マンション建替え法第64条1項
選択肢:2 ⇒ 〇 マンション建替え法第74条1項。
選択肢:3 ⇒ 〇 マンション建替え法第57条2項。
選択肢:4 ⇒ X マンション建替え法第75条。権利変換期日までに補償金は払うこと。権利変換期日後ではない。
{設問-1} マンション建替組合(以下「建替組合」という。)が行うマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
1 2以上の建替え決議マンションがある場合、それらの建替え合意者(区分所有法に基づく建替え決議の内容によりマンションの建替えに合意をしたとみなされた者をいう。)は、一つの建替組合を設立して、マンション建替事業を行うことができる。
答え:正しい。マンション建替え円滑化法第9条6項によれば、
「二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。」とあり、
二以上の建替え決議マンションに係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による(設立の)認可を申請することができる。
2 建替組合がマンション建替事業を行う場合、施行マンション及び施行再建マンションは、5戸以上の住戸を有し、かつ、地上3階以上の区分所有された建物でなくてはならない。
答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第12条4・5・6・7号
「四 施行マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
五 施行マンションの住戸の規模、構造及び設備の状況にかんがみ、その建替えを行うことが、マンションにおける良好な居住環境の確保のために必要であること。
六 施行再建マンションの住戸の数が、国土交通省令で定める数以上であること。
七 施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備が、当該住戸に居住すべき者の世帯構成等を勘案して国土交通省令で定める基準に適合するものであること。」とあり、
認可の基準において同施行規則13条から15条では、
(法第十二条第四号 の国土交通省令で定める施行マンションの住戸の数)
第十三条 法第十二条第四号 の国土交通省令で定める施行マンションの住戸の数は、五とする。
(法第十二条第六号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の数)
第十四条 法第十二条第六号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の数は、五とする。
(法第十二条第七号 の国土交通省令で定める住戸の規模、構造及び設備の基準)
第十五条 法第十二条第七号 の国土交通省令で定める施行再建マンションの住戸の規模、構造及び設備の基準は次のとおりとする。
一 各戸が床面積(施行再建マンションの共用部分の床面積を除く。以下この号において同じ。)五十平方メートル(現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。以下この号において同じ。)がない者の居住の用に供する住戸にあっては、二十五平方メートル)以上であり、かつ、二以上の居住室を有するものであること。ただし、居住すべき者の年齢、所得その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる住戸(現に同居し、又は同居しようとする親族がない者の居住の用に供するものを除く。)にあっては、当該住戸の床面積を三十平方メートル以上とすることができる。
二 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二 イに掲げる基準に適合する建築物又は独立行政法人住宅金融支援機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令
(平成十九年財務省・国土交通省令第一号)第三十九条第三項 に規定する準耐火構造の建築物であること。
三 各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること。」とあり、
定めているのは両マンションとも5戸以上且つ施行再建マンションでは50㎡以上・耐火準耐火構造・各戸が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであること、であり地上3階以上の階数の規制はない。
3 建替組合が隣接地を取り込んでマンション建替事業を行う場合、その設立の認可を申請するに当たっては、あらかじめ、隣接施行敷地となる土地の所有者の同意を得なければならない。
答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第12条3号「施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であること。」とあり、
また、同法施行規則3条1項4号「施行再建マンションの敷地とする隣接施行敷地がある場合においては、当該隣接施行敷地に建築物その他の工作物が存しないこと又はこれに存する建築物その他の工作物を除却し、若しくは移転することができることが確実であることを証する書類
」とあり 同意を得るの規定はない。
4 都道府県知事は、建替組合の設立の認可申請があった場合、当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
答え:間違いである。マンション建替え円滑化法第11条1項によれば、「都道府県知事は、第九条第一項の規定による認可の申請があったときは、施行マンションとなるべきマンションの敷地(これに隣接する土地を合わせて施行再建マンションの敷地とする場合における当該土地(以下「隣接施行敷地」という。)を含む。)の所在地の市町村長に、当該事業計画を二週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。」とあり、
縦覧を行うのは市町村長。
正解: 1 (選択肢2の施行規則については、細かいけど、注意のこと。)
{設問-2}マンションの建替えの円滑化に関する法律(以下建替え円滑化法という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 建替え円滑化法における「マンション」とは、2以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。
答え:正しい。(建替え円滑化法第2条第1項)
「第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 マンション 二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものをいう。 」とあり、
設問のとおりに定義されている。なお、これは、マンションの管理の適正化に関する法律でのマンションの定義と同様である。
2 マンションの建替組合を法人とするか否かは、組合の任意である。
答え:間違いである。(建替え円滑化法第6条第1項)
「第六条 1項 組合は、法人とする。 」とあり、マンション建替組合は、すべて法人とする旨の規定がある。
設問は、「組合の任意」としており間違いである。
3 マンション建替組合には、役員として理事3人以上及び監事2人以上を置かなければならず、理事の互選により理事長1人を置く。
答え:正しい。(建替え円滑化法第20条)
「(役員)
第二十条1項 組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。
2 項 組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。 」とあり、
設問のとおりに規定されている。
4 マンション建替組合の組合員の数が50人を超える場合には、総会に代ってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
答え:正しい。(建替え円滑化法第31条第1項)
「(総代会)
第三十一条 組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。 」とあり、
設問のとりに規定されている。
正解: 2
{設問-3} マンション建替組合に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下建替え円滑化法という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 マンション建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、組合の設立について建替え合意者の4/5以上の同意を得なければならない。
答え:間違いである。建替え円滑化法第9条2項によれば、「2 前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
」とあり、
合意者の3/4以上の同意でいい。4/5以上はいらない。
2 マンション建替組合の組合員には、建替え合意者でなければなることはできない。
答え:間違いである。建替え円滑化法第16条「(組合員)
第十六条 施行マンションの建替え合意者等(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、すべて組合の組合員とする。
2 マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。 」とある。また、17条によれば「(参加組合員)
第十七条 前条に規定する者のほか、組合が施行するマンション建替事業に参加することを希望し、かつ、それに必要な資力及び信用を有する者であって、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる。
」とあり、 マンション建替組合の組合員には、建替え合意者の承継人のほか、参加を希望する資力のあるディベロッパーなどの外部の参加組合員も含まれる。
3 区分所有法に基づく一括建替え決議に係る一括建替え合意者は、都道府県知事の認可を受けなけば、マンション建替組合を設立することができない。
答え:正しい。建替え円滑化法第9条4項によれば、「第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項
において準用する区分所有法第六十九条第二項 の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条
の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条 の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。」とあり、
建替組合は都道府県知事の認可で設立され、区分所有法に基づく一括建替え決議に係る一括建替え合意者の場合も同様。
4 マンション建替組合の設立の際に定める事業計画は、特別の事情があるときは必ずしも建替え決議の内容に適合したものでなくてもよい。
答え:間違いである。建替え円滑化法第10条2項によれば、「事業計画は、建替え決議又は一括建替え決議(以下「建替え決議等」という。)の内容に適合したものでなければならない。」とあり、
建替え決議の内容に適合したものでなければならない。
正解: 3
{設問-4} 平成23年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業における権利変換計画に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに組合員以外の施行マンション又はその敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
○ 正しい。
マンション建替え法の中でも、権利変換手続きは重要な箇所です。
設問はマンション建替え円滑化法第57条2項
「(権利変換計画の決定及び認可)
第五十七条 施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
一 区分所有法第六十九条 の規定により同条第一項 に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の区分所有法第六十五条
に規定する団地建物所有者(以下単に「団地建物所有者」という。)
二 その権利をもって施行者に対抗することができない者
3 前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
4 第二項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
2項に該当しています。
2 建替組合は、権利変換計画について施行マンションの借家権を有する者から同意を得られないときは、同意を得られない理由及びその権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる。
○ 正しい? 設問は、選択肢1で引用しました、マンション建替え円滑化法第57条3項
「3 前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」です。
ここでの、借家権とは、建物の賃借権です(同法2条15号)。また、区分所有権とは区分所有法第2条1項
「1項 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。」とあり、
「区分所有権」とは、建物の専有部分(単独所有できる部分)を目的とした「所有権」のことで、賃借を目的とした借家権ではありませんから、設問の箇所「区分所有権等以外の権利を有する者」に「借家権を有する者」は該当しますから、正しい。
X 誤っている。 マンション建替え円滑化法第57条3項
「3 前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
ここでの、「区分所有権等以外の権利」の定義として、同法第45条
「(施行の認可)
第四十五条
第五条第二項の規定によりマンション建替事業を施行しようとする者は、一人で施行しようとする者にあっては規準及び事業計画を定め、数人共同して施行し
ようとする者にあっては規約及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、そのマンション建替事業について都道府県知事の認可を受けなければな
らない。
2 前項の規定による認可を申請しようとする者は、その者以外に施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を
有する者があるときは、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。ただし、その権利をもって認可を申請しようとする者に対抗することができ
ない者については、この限りでない。
3 前項の場合において、施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。以下この項において同じ。)について権利を有する者のうち、区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利(以下「区分所有権等以外の権利」という。)を有する者から同意を得られないとき、又はその者を確知することができないときは、その同意を得られない理由又は確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項の規定による認可を申請することができる。
4 第九条第七項の規定は、第一項の規定による認可について準用する。」とあり、
3項によれば、「区分所有権等以外の権利」とは、「区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利」で、設問の「借家権を有する者」は除外されていますから、間違いです。(2012年 1月24日、松本様のサゼッションにより、追記。松本様、有難うございました。)(しかし、個人施行者の条文(第45条)の途中にある定義条項から、建替組合の正誤を出題するとは、まったく、不適切な出題と言わざるを得ない!)
3 建替組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、建替組合は、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、当該議決があった日から2月以内に、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
○ 正しい。 ここは、マンション建替え円滑化法第64条1項
「(権利変換計画に関する総会の議決に賛成しなかった組合員に対する売渡し請求等)
第六十四条 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から二月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
」とあり、該当しています。
4 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
○ 正しい。 ここは、マンション建替え円滑化法第70条1項
「(敷地に関する権利の変換等)
第七十条 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施行マンションの敷地利用権は失われ、施行再建マンションの敷地利用権は新たに当該敷地利用権を与えられるべき者が取得する。
2 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、隣接施行敷地の所有権又は借地権は、失われ、又はその上に施行再建マンションの敷地利用権が設定される。
3 権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、保留敷地に関しては、当該保留敷地についての従前の施行マンションの敷地利用権が所有権であるときはその所有権を、借地権であるときはその借地権を、施行者が取得する。
4 施行マンションの敷地及び隣接施行敷地に関する権利で前三項及び第七十三条の規定により権利が変換されることのないものは、権利変換期日以後においても、なお従前の土地に存する。この場合において、権利変換期日前において、これらの権利のうち地役権又は地上権の登記に係る権利が存していた敷地利用権が担保権等の登記に係る権利の目的となっていたときは、権利変換期日以後においても、当該地役権又は地上権の登記に係る権利と当該担保権等の登記に係る権利との順位は、変わらないものとする。」とあり、
1項に該当しています。
答え:ない。 (選択肢2や、他の箇所を何度も読み返したが、誤っている選択肢がない! 2012年 1月24日: 2 に変更。根拠がやっと分かった。)
{設問-5} 平成25年 マンション管理士試験 「問19」
〔問19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
1 建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、組合の設立について、建替え合意者の3/4以上の同意を得るほか、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)の同意を得なければならない。
X 誤りである。 設立の認可の申請なら、建替え合意者の3/4以上の同意だけでいい。
建替組合の設立の認可の申請は、マンション建替え円滑化法第9条
「(設立の認可)
第九条 区分所有法第六十四条 の規定により区分所有法第六十二条第一項 に規定する建替え決議(以下単に「建替え決議」という。)の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の認可を受けて組合を設立することができる。
2 前項の規定による認可を申請しようとする建替え合意者は、組合の設立について、建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条 の議決権の合計が、建替え合意者の同条 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3 区分所有法第七十条第四項 において準用する区分所有法第六十四条 の規定により一括建替え決議の内容によりマンションの建替えを行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該一括建替え決議の内容により当該マンションの建替えを行う旨の同意をしたものを含む。以下「一括建替え合意者」という。)は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を受けて組合を設立することができる。
4 第一項の規定による認可を申請しようとする一括建替え合意者は、組合の設立について、一括建替え合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第七十条第二項
において準用する区分所有法第六十九条第二項 の議決権の合計が、一括建替え合意者の同項 の議決権の合計の四分の三以上となる場合に限る。)及び一括建替え決議マンション群(一括建替え決議に係る団地内の二以上のマンションをいう。以下同じ。)を構成する各マンションごとのその区分所有権を有する一括建替え合意者の三分の二以上の同意(各マンションごとに、同意した者の区分所有法第三十八条
の議決権の合計が、それぞれその区分所有権を有する一括建替え合意者の同条 の議決権の合計の三分の二以上となる場合に限る。)を得なければならない。
5 前各項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の建替え合意者又は一括建替え合意者(以下「建替え合意者等」という。)とみなす。
6 二以上の建替え決議マンション(建替え決議に係るマンションであって一括建替え決議マンション群に属さないものをいう。以下同じ。)若しくは一括建替え決議マンション群又は一以上の建替え決議マンション及び一括建替え決議マンション群に係る建替え合意者等は、五人以上共同して、第一項の規定による認可を申請することができる。この場合において、第二項の規定は建替え決議マンションごとに、第四項の規定は一括建替え決議マンション群ごとに、適用する。
7 第一項の規定による認可の申請は、施行マンションとなるべきマンションの所在地が町村の区域内にあるときは、当該町村の長を経由して行わなければならない。
」とあり、
第9条2項により、建替え合意者の四分の三以上の同意を得れば設立の認可申請ができますから、誤りです。なお、権利変換計画の決定に当たっては、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)の同意も必要です(マンション建替え円滑化法第57条)。
2 建替組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合員全員の同意を得なければならない。
X 誤りである。 全員の同意まではいらない。総会の多数決議(ただし、4/5以上)でいい。
まず、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、マンション建替え円滑化法第57条
「(権利変換計画の決定及び認可)
第五十七条 施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2 施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
一 区分所有法第六十九条 の規定により同条第一項 に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の区分所有法第六十五条
に規定する団地建物所有者(以下単に「団地建物所有者」という。)
二 その権利をもって施行者に対抗することができない者
3 前項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。
4 第二項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第一項後段の規定による認可を申請することができる。」とあり、
第57条2項により、総会の決議が必要です。
そこで、総会の決議は、マンション建替え円滑化法第27条
「(総会の決議事項)
第二十七条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 事業計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 権利変換計画及びその変更
八 第九十四条第一項又は第三項の管理規約
九 組合の解散
十 その他定款で定める事項」とあり、
第27条7号により、確かに、総会の決議事項です。
では、どの程度の議決権が必要かというと、マンション建替え円滑化法第30条
「(特別の議決)
第三十条 第二十七条第一号及び第二号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第八号及び第九号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合(組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第十四条
に定める割合(一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の割合)をいう。第三項において同じ。)の各四分の三以上で決する。
2 権利変換期日以後における前項の規定の適用については、同項中「組合の」とあるのは「組合及び参加組合員の」と、「施行マンション」とあるのは「施行再建マンション」とする。
3 第二十七条第七号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決する。」とあり、
第30条3項により、権利変換計画については、他の議決要件よりも厳しい、組合員の議決権及び持分割合の各五分の四以上で決することができます。しかし、組合員全員の同意までは不要で、誤りです。
3 施行マンションを占有していた者は、定められた権利変換期日においてその権限を失い、直ちに建替組合に明け渡さなければならない。
X 誤りである。 明け渡しは直ちにではない。
設問の前半、「施行マンションを占有していた者は、定められた権利変換期日においてその権限を失い」は、マンション建替え円滑化法第71条
「(施行マンションに関する権利の変換)
第七十一条 権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。
2 施行再建マンションの区分所有権は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。
3 施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第八十一条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。」とあり、
第71条1項により、正しい。
設問の後半、 「直ちに建替組合に明け渡さなければならない」は、マンション建替え円滑化法第80条
「(施行マンション等の明渡し)
第八十条 施行者は、権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる。
2 前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。
3 第五十八条第三項の規定は、同項の相当の期限を許与された区分所有者に対する第一項の規定による明渡しの期限について準用する。
4 第一項の規定による明渡しの請求があった者は、明渡しの期限までに、施行者に明け渡さなければならない。ただし、第七十五条の補償金の支払を受けるべき者について同条の規定による支払若しくは第七十六条の規定による供託がないとき、第十五条第一項(第三十四条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第六十四条第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)若しくは区分所有法第六十三条第四項
(区分所有法第七十条第四項 において準用する場合を含む。)の規定による請求を受けた者について当該請求を行った者による代金の支払若しくは提供がないとき、又は第六十四条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定による請求を行った者について当該請求を受けた者による代金の支払若しくは提供がないときは、この限りでない。
」とあり、
第80条1項によれば、「マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、期限を定めて、その明渡しを求めることができる」とあり、全ての占有者が直ちに、明け渡すものではないため、誤りです。
また同条2項の「明渡しの期限は、請求をした日の翌日から起算して30日を経過した後の日でなければならない」も参考にしてください。
4 権利変換手続開始の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する建替組合の組合員は、これらの権利を処分するときは、建替組合の承認を得なければならない。
○ 正しい。
権利変換手続開始の登記は、不動産取引の安全と権利変換手続きを円滑に進めるために行います。これは、マンション建替え円滑化法第55条
「(権利変換手続開始の登記)
第五十五条 施行者は、次に掲げる公告があったときは、遅滞なく、登記所に、施行マンションの区分所有権及び敷地利用権(既登記のものに限る。)並びに隣接施行敷地の所有権及び借地権(既登記のものに限る。)について、権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。
一 組合が施行するマンション建替事業にあっては、第十四条第一項の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
二 個人施行者が施行するマンション建替事業にあっては、その施行についての認可の公告又は新たな施行マンションの追加に係る事業計画の変更の認可の公告
2 前項の登記があった後においては、当該登記に係る施行マンションの区分所有権若しくは敷地利用権を有する者(組合が施行するマンション建替事業にあっては、組合員に限る。)又は当該登記に係る隣接施行敷地の所有権若しくは借地権を有する者は、これらの権利を処分するときは、国土交通省令で定めるところにより、施行者の承認を得なければならない。
3 施行者は、事業の遂行に重大な支障が生ずることその他正当な理由がなければ、前項の承認を拒むことができない。
4 第二項の承認を得ないでした処分は、施行者に対抗することができない。
5 権利変換期日前において第三十八条第六項、前条第三項において準用する第四十九条第一項又は第九十九条第三項の公告があったときは、施行者(組合にあっては、その清算人)は、遅滞なく、登記所に、権利変換手続開始の登記の抹消を申請しなければならない。」とあり、
第55条2項により、 当該登記に係る施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する建替組合の組合員は、これらの権利を処分するときは、建替組合の承認を得なければならなりませんから、正しい。
答え:4
{設問-6} 平成26年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(この問いにおいて「マンション建替法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 総会は、総組合員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、マンション建替法に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
X 誤っている。 総会は総組合員の半数以上で開催できる。 マンションの建替えの円滑化等に関する法律からも例年1問は出題されるから、眼を通しておくこと。
総会の議事は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第29条
「(総会の議事等)
第二十九条 総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会において選任する。
3 議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。ただし、次条の規定による議決については、この限りでない。
4 総会においては、前条第六項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。」 とあり、
1項によれば、総会は、総組合員の半数以上の出席があれば、開催できますから、総会は、総組合員の3分の2以上の出席がなければ議事を開くことができずは、誤りです。
2 施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について、当該施行再建マンションの区分所有権を与えられた者が必要な登記を申請しなければならない。
X 誤っている。 権利の登記は、纏めて施工者がする。 マンションの区分所有権を与えられた者ではない。
設問の登記は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第82条
「(施行再建マンションに関する登記)
第八十二条 施行者は、施行再建マンションの建築工事が完了したときは、遅滞なく、施行再建マンション及び施行再建マンションに関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
2 施行再建マンションに関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。」 とあり、
1項によれば、必要な権利の登記をするのは、施行者(建替組合)ですから、マンションの区分所有権を与えられた者は、誤りです。
3 建替組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
○ 正しい。
賦課金の徴収は、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第35条
「(経費の賦課徴収)
第三十五条 組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。
2 賦課金の額は、組合員の有する施行マンション(権利変換期日以後においては、施行再建マンション)の専有部分の位置、床面積等を考慮して公平に定めなければならない。
3 組合員は、賦課金の納付について、相殺をもって組合に対抗することができない。
4 組合は、組合員が賦課金の納付を怠ったときは、定款で定めるところにより、その組合員に対して過怠金を課することができる。 」 とあり、
1項によれば、正しい。
4 建替組合は、権利変換計画を定めるときは、審査委員の3分の2以上の同意を得なければならない。
X 誤っている。 審査委員の過半数の同意でいい。3分の2以上はいらない。
権利変換計画を定めるときは、マンションの建替えの円滑化等に関する法律第67条
「(審査委員の関与)
第六十七条 施行者は、権利変換計画を定め、又は変更しようとするとき(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)は、審査委員の過半数の同意を得なければならない。」 とあり、
審査委員の過半数の同意でよく、3分の2以上の同意は、誤りです。
なお、審査委員は、3人以上で構成されます。参考同第37条
「(審査委員)
第三十七条
組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。
2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
3 前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。」
答え:3。 新しい条文から出ている。条文を知っているかどうかです。
{設問-7} 平成27年 マンション管理士試験 「問19」
● マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、平成26年12月24日施行で、出題のマンション敷地売却組合などの規定の改正(追加)があったので、注意のこと。
〔問 19〕 マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 組合設立の認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の4/5以上の同意を得なければならない。
X 誤っている。 マンション敷地売却組合の設立では、3/4 の同意でいい。4/5は不要。
平成26年 マンション管理士試験 「問19」 など、マンションの建替えの円滑化等に関する法律からも例年1問は出題されるから、眼を通しておくこと。
別途、マンションの建替えの円滑化等に関する法律を要約したサイトもありますから、利用してください。
区分所有法による「建替え決議」の後を受けて、マンションの建替え等の円滑化に関する法律が制定されていましたが、地震大国:日本では過去だけでなく、将来大きな地震が起きることが想定されています。
そこで、平成25年には、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が改正され、また、平成26年6月25日交付、平成26年12月24日施行で「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」を一部改正して、この法律内に、耐震性不足のマンションの建替え等の円滑化を図るべく、多数決によりマンション及びその敷地を売却することを可能とする制度を創設する等の措置を講じています。
改正の概要は、以下のとおりです。
(1) 耐震性不足の認定を受けたマンションについては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できることとする。
(2) 決議に係るマンションを買い受けようとする者は、決議前に、当該マンションに係る買受計画を作成し、都道府県知事等の認定を受けることができることとし、決議で定める買受人は、当該認定を受けた者でなければならないこととする。
(3) 決議合意者は、決議合意者等の3/4以上の同意で、都道府県知事等の認可を受けてマンション及びその敷地の売却を行う組合を設立できることとする。
(4) 組合は、決議に反対した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すことを請求できることとする。
(5) 都道府県知事等の認可を受けた分配金取得計画で定める権利消滅期日に、マンション及びその敷地利用権は組合に帰属し、当該マンション及びその敷地利用権に係る借家権及び担保権は消滅することとする。
(6) 組合は、権利消滅期日までに、決議に合意した区分所有者に分配金を支払うとともに、借家権者に対して補償金を支払うこととする。
(7) 耐震性不足の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについて、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和することとする。
大きな特徴としては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できること と、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和すること でしょうか。
これを踏まえ、設問は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条
「(設立の認可)
第百二十条 第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
2 前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3 前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。 」 とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条2項によれば、マンション敷地売却組合の設立は、マンション敷地売却合意者の3/4以上の同意でできますから、4/5以上の同意を得なければならないは誤りです。
2 マンションの一つの専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を1人の組合員とみなす。
○ 正しい。
組合員については、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第125条
「(組合員)
第百二十五条 売却マンションのマンション敷地売却合意者(その承継人(組合を除く。)を含む。)は、全て組合の組合員とする。
2 マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす。
3 第十八条及び第十九条の規定は、組合の組合員について準用する。この場合において、第十八条第一項及び第二項中「第九条第一項」とあるのは「第百二十条第一項」と、同条第一項中「第十四条第一項」とあるのは「第百二十三条第一項」と、「並びに建替え合意者等である組合員又は参加組合員の別その他」とあるのは「その他」と、第十九条中「施行マンション」とあるのは「売却マンション」と読み替えるものとする。
」 とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第125条2項によれば、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人の組合員とみなす、は正しい。
この規定は、区分所有法でも同様です。
3 組合には、役員として、理事3人以上及び監事2人以上を置く。
○ 正しい。 理事は3人以上、監事は2人以上。
組合の役員は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第126条
「(役員)
第百二十六条 組合に、役員として、理事三人以上及び監事二人以上を置く。
2 組合に、役員として、理事長一人を置き、理事の互選によりこれを定める。
第二十一条から第二十五条まで(同条第一項後段を除く。)の規定は、組合の役員について準用する。この場合において、第二十二条第一項中「三年」とあるのは、「一年」と読み替えるものとする。
」 とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第126条1項によれば、組合には、役員として、理事3人以上及び監事2人以上を置く、は正しい。
監事の数が2人以上に注意。
4 組合員の数が50人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
○ 正しい。
組合員が多いときは、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第131条
「(総代会)
第百三十一条 組合員の数が五十人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる。
2 総代会は、総代をもって組織するものとし、総代の定数は、組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において定款で定める。ただし、組合員の総数が二百人を超える組合にあっては、二十人以上であることをもって足りる。
3 総代会が総会に代わって行う権限は、次の各号のいずれかに該当する事項以外の事項に関する総会の権限とする。
一 理事及び監事の選挙又は選任
二 前条の規定に従って議決しなければならない事項
4 第二十八条第一項から第四項まで及び第六項並びに第二十九条(第三項ただし書を除く。)の規定は組合の総代会について、第三十一条第五項の規定は総代会が設けられた組合について、それぞれ準用する。」 とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第131条1項によれば、 組合員の数が50人を超える組合は、総会に代わってその権限を行わせるために総代会を設けることができる、は正しい。
答え:1
マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正された条文からの出題です。 改正点を知らなくても、区分所有法やマンションの建替え等の円滑化に関する法律での組合の設立から、決議合意者等の3/4以上の同意で可能は、選べたか?
《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律。 敷地売却組合、設立、役員、総代会
{設問-8} 平成28年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成
14 年法律第 78 号)の規定によれば、正しいものはどれか。
1 総会の決議において、定款の変更のうち政令で定める重要な事項及び組合の解散についての事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各 4分の
3以上で決する。
〇 正しい。
平成27年 マンション管理士試験 「問19」 。
マンションの建替え等の円滑化に関する法律は、平成26年に新しく、マンション敷地売却組合の規定等が追加されています。
総会の決議は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第128条
「(総会の決議事項)
第百二十八条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 資金計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 分配金取得計画及びその変更
八 組合の解散
九 その他定款で定める事項 」
とあり、第128条1号の「定款の変更」については、また別の規定 第130条があります。
「(特別の議決)
第百三十条 第百二十八条第一号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項及び同条第八号に掲げる事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各四分の三以上で決する。 」
とあり、
定款の変更のうち政令で定める重要な事項及び組合の解散についての事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各 4分の 3以上で決しますから、正しい。
2 審査委員は、士地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)が選任する。
X 誤っている。 審査委員は総会で選任する。 都道府県知事ではない。
こんな規定までは知りませんが、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第136条に
「(審査委員)
第百三十六条 組合に、この法律及び定款で定める権限を行わせるため、審査委員三人以上を置く。
2 審査委員は、土地及び建物の権利関係又は評価について特別の知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができる者のうちから総会で選任する。
3 前二項に規定するもののほか、審査委員に関し必要な事項は、政令で定める。」
とあり、
第136条2項によれば、 審査委員は総会で選任するとのことで、都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)が選任するは、誤りです。
3 マンション敷地売却合意者は、 5人以上共同して、定款及び事業計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
X 誤っている。 定款及び”事業計画”ではなく、定款及び”資金計画”。
さらっと読むと、正しいと思えますが、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条
「(設立の認可)
第百二十条 第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
2 前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3 前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。」
とあり、
第120条1項によれば、「五人以上共同して、定款及び”資金計画”を定め」であり、「定款及び”事業計画”を定め」は、誤りです。
4 組合員及び総代は、書面又は代理人をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。
X 誤りである。 総代は書面だけ。
ここも、まったく正しいと思いますが、総代に代理人が認められるか、から少しは分かる。
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第133条
「(議決権及び選挙権)
第百三十三条 組合員及び総代は、定款に特別の定めがある場合を除き、各一個の議決権及び選挙権を有する。
2 組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる。
3 組合と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。
4 第二項の規定により議決権及び選挙権を行使する者は、第百二十九条及び第百三十一条第四項において準用する第二十九条第一項の規定の適用については、出席者とみなす。
5 代理人は、同時に五人以上の組合員を代理することができない。
6 代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。」
とあり、
第133条2項によれば、
①組合員は書面又は代理人をもって、
②総代は書面をもって、
議決権及び選挙権を行使することができる、とあり、総代が議決権や選挙権を行使するには、書面だけで、代理人は認められていませんから、 組合員及び総代は、書面又は代理人をもって、議決権及び選挙権を行使することができるは、誤りです。
答え:1
《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律。 総会の決議。 審査委員の選任。 議決権の行使。
知らない条文からの出題で、しかも、もっともらしい文章で正誤の判断が難しい。でも、選択肢3のような出題方法は、隅を突っつく出題で、出題者としてのプライドを欠いた方法で、実に不適切な出題です。
*ある受験生の感想:選択肢4を選んだ。〇候補として選択肢1及び肢4があり肢4としたが肢1が正解。円滑化法では「組合員は書面又は代理人をもって、総代は書面をもって、議決権及び選挙権を行使することができる」とあり、総代は代理人を指定して議決権を行使できない。当たり前ではあるが見落とした。
{設問-9} 平成29年 マンション管理士試験 「問19」
〔問 19〕 マンション敷地売却組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション敷地売却事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 組合が分配金取得計画について認可を申請しようとするときは、分配金取得計画について、あらかじめ、総会において出席組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上の特別の議決を経る必要がある。
X 誤っている。 分配金取得計画の議決なら出席組合員の議決権の過半数でいい。 特別決議は不要。
マンションの建替え等の円滑化に関する法律からも、例年1問はでる。
平成28年 マンション管理士試験 「問19」 、 平成27年 マンション管理士試験 「問19」 。
まず、分配金とは、組合員が取得することとなる金額です。
そして、分配金取得計画について認可を申請は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第141条
「(分配金取得計画の決定及び認可)
第百四十一条 組合は、第百二十三条第一項の公告後、遅滞なく、分配金取得計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。
2 組合は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、分配金取得計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに、売却マンションの敷地利用権が賃借権であるときは、売却マンションの敷地の所有権を有する者の同意を得なければならない。ただし、その所有権をもって組合に対抗することができない者については、この限りでない。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第141条2項に定める、総会の議決は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第128条
「(総会の決議事項)
第百二十八条 次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 定款の変更
二 資金計画の変更
三 借入金の借入れ及びその方法並びに借入金の利率及び償還方法
四 経費の収支予算
五 予算をもって定めるものを除くほか、組合の負担となるべき契約
六 賦課金の額及び賦課徴収の方法
七 分配金取得計画及びその変更
八 組合の解散
九 その他定款で定める事項」
です。
議事や議決は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第129条及び第130条
「(総会の招集及び議事についての規定の準用)
第百二十九条 第二十八条の規定は組合の総会の招集について、第二十九条の規定は組合の総会の議事について、それぞれ準用する。この場合において、第二十八条第五項中「第九条第一項」とあるのは「第百二十条第一項」と、第二十九条第三項中「次条」とあるのは「第百三十条」と読み替えるものとする。」
「(特別の議決)
第百三十条 第百二十八条第一号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項及び同条第八号に掲げる事項は、組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各四分の三以上で決する。」
とあり、
議事を定めた第29条は
「(総会の議事等)
第二十九条 総会は、総組合員の半数以上の出席がなければ議事を開くことができず、その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
2 議長は、総会において選任する。
3 議長は、組合員として総会の議決に加わることができない。ただし、次条の規定による議決については、この限りでない。
4 総会においては、前条第六項の規定によりあらかじめ通知した会議の目的である事項についてのみ議決することができる。」
です。
これらによれば、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第128条の「七 分配金取得計画及びその変更」は、総会の決議事項ですが、特別の議決を必要としないため、「その議事は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」により、出席者の議決権の過半数があればよく、出席組合員の議決権及び敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上の特別の議決を経る必要はありませんから、誤りです。
イ 組合が分配金取得計画について認可を申請しようとするときは、分配金取得計画について、あらかじめ、売却マンションについて賃借権を有する者の同意を得なければならない。
X 誤っている。 売却マンションの敷地利用権が賃借権であるときは、売却マンションの敷地の所有権を有する者の同意であり、売却マンションについて賃借権を有する者の同意ではない。
選択肢アで説明しました、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第141条2項、
「2 組合は、前項後段(分配金取得計画)の規定による認可を申請しようとするときは、分配金取得計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに、売却マンションの敷地利用権が賃借権であるときは、売却マンションの敷地の所有権を有する者の同意を得なければならない。ただし、その所有権をもって組合に対抗することができない者については、この限りでない。」
とあり、
売却マンションの敷地利用権が賃借権であるときは、売却マンションの敷地の所有権を有する者の同意であり、売却マンションについて賃借権を有する者の同意ではありませんから、誤りです。
設問をよく読めば、敷地を売却するに際し、建物の専有部分の賃借人の同意は必要ないと判断できますが。
ウ 分配金取得計画においては、売却マンション又はその敷地の明渡しにより当該売却マンション又はその敷地に関する権利(組合員の有する区分所有権及び敷地利用権を除く。)を有する者で、権利消滅期日において当該権利を失うもの(売却マンション又はその敷地を占有している者に限る。)の受ける損失の額を定めなければならない。
〇 正しい。
設問は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第142条
「(分配金取得計画の内容)
第百四十二条 分配金取得計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組合員の氏名又は名称及び住所
二 組合員が売却マンションについて有する区分所有権又は敷地利用権
三 組合員が取得することとなる分配金の価額
四 売却マンション又はその敷地に関する権利(組合員の有する区分所有権及び敷地利用権を除く。)を有する者で、この法律の規定により、権利消滅期日において当該権利を失うものの氏名又は名称及び住所、失われる売却マンション又はその敷地について有する権利並びにその価額
五 第百五十五条の規定による売却マンション又はその敷地の明渡しにより前号に掲げる者(売却マンション又はその敷地を占有している者に限る。)が受ける損失の額
六 補償金の支払に係る利子又はその決定方法
七 権利消滅期日
八 その他国土交通省令で定める事項
2 売却マンションに関する権利又はその敷地利用権に関して争いがある場合において、その権利の存否又は帰属が確定しないときは、当該権利が存するものとして、又は当該権利が現在の名義人(当該名義人に対して第百八条第十項において準用する区分所有法第六十三条第四項又は第百二十四条第一項の規定による請求があった場合においては、当該請求をした者)に属するものとして分配金取得計画を定めなければならない。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第142条1項4号及び5号によれば、分配金取得計画においては、売却マンション又はその敷地の明渡しにより当該売却マンション又はその敷地に関する権利(組合員の有する区分所有権及び敷地利用権を除く。)を有する者で、権利消滅期日において当該権利を失うもの(売却マンション又はその敷地を占有している者に限る。)の受ける損失の額を定めなければならないは、正しい。
エ 分配金取得計画においては、組合員が取得することとなる分配金の価額を定めなければならない。
〇 正しい。
設問は、選択肢ウで説明しました、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第142条1項3号
「「(分配金取得計画の内容)
第百四十二条 分配金取得計画においては、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を定めなければならない。
三 組合員が取得することとなる分配金の価額」
とあり、
分配金取得計画においては、組合員が取得することとなる分配金の価額を定めなければならないは、正しい。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
答え:2 (正しいのは、ウ と エ の二つ)
ここはもう条文のままで、解説もしようがない。 ここをいくつあるかと聞く個数問題にするのは、不適切。 1つなら分かるが、いくつとなると難問である。
マンションの建替え等の円滑化に関する法律に平成26年から新しく追加された、マンション敷地売却組合での、ア以外は、初めて接する条文もありで、文章をよく読んで、ありそうだと思うかどうかでしか、正誤の判断はつかない。
なお、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」 の概説も別途していますから、参考にしてください。
《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律 マンション敷地売却組合 分配金取得計画 議決
{設問-10} 平成29年 管理業務主任者試験試験 「問42」
【問 42】 マンションの建替え等の円滑化に関する法律の規定によれば、マンション敷地売却に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本問において、「マンション」とは、同法第2条第1項第1号に規定するものとする。
1 建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する耐震診断が行われた結果、耐震性が不足していると認められたマンションの管理者等は、特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
〇 正しい。 耐震性が不足では危険。 除却申請できる。
平成27年 マンション管理士試験 「問19」 、 平成26年 マンション管理士試験 「問19」
マンションの建替えの円滑化等に関する法律からも例年1問は出題されるから、眼を通しておくこと。
別途、マンションの建替えの円滑化等に関する法律を要約した サイト もありますから、利用してください。
区分所有法による「建替え決議」の後を受けて、マンションの建替えの円滑化に関する法律が制定されていましたが、地震大国:日本では過去だけでなく、将来大きな地震が起きることが想定されています。
そこで、平成25年には、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が改正され、建築物の地震に対する安全性に係る認定制度の創設等を取り入れています。
また、平成26年6月25日交付、平成26年12月24日施行で「マンションの建替えの円滑化に関する法律」を一部改正して、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」とし、この法律内に、耐震性不足のマンションの建替え等の円滑化を図るべく、多数決によりマンション及びその敷地を売却することを可能とする制度を創設する等の措置を講じています。
「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」改正での大きな特徴としては、区分所有者等の4/5以上の賛成で、マンション及びその敷地の売却を行う旨を決議できること と、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和すること でしょうか。
区分所有法に関しては、第17条での共用部分での重大変更での区分所有者及び議決権の各四分の三以上の要件を緩和して、所管行政庁から耐震改修が必要である旨の認定を受けた区分所有建築物については、規約に別段の定めのない限り、区分所有者及び議決権の各過半数による集会の決議を経て耐震改修を行うことができることです。
設問は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第102条
「(除却の必要性に係る認定)
第百二条 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成七年法律第百二十三号)第二条第一項に規定する耐震診断が行われたマンションの管理者等(区分所有法第二十五条第一項の規定により選任された管理者(管理者がないときは、区分所有法第三十四条の規定による集会(以下「区分所有者集会」という。)において指定された区分所有者)又は区分所有法第四十九条第一項の規定により置かれた理事をいう。)は、国土交通省令で定めるところにより、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三十五号に規定する特定行政庁(以下単に「特定行政庁」という。)に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができる。
2 特定行政庁は、前項の規定による申請があった場合において、当該申請に係るマンションが地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していないと認めるときは、その旨の認定をするものとする。
3 第一項の認定をした特定行政庁は、速やかに、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等(当該特定行政庁である都道府県知事等を除く。)にその旨を通知しなければならない。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第102条1項によれば、建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する耐震診断が行われた結果、耐震性が不足していると認められたマンションの管理者等は、特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができるは、正しい。
2 除却する必要がある旨の認定を受けたマンションについては、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で、当該マンション及びその敷地(敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議をすることができる。
〇 正しい。 敷地を売却するには、4/5 以上の賛成が必要。
敷地の売却は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第108条
「(マンション敷地売却決議)
第百八条 第百二条第一項の認定を受けた場合において、要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該要除却認定マンション及びその敷地(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 マンション敷地売却決議においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 買受人(第百二十条第一項の規定により組合(第百十六条に規定する組合をいう。以下この号において同じ。)が設立された場合にあっては、組合から要除却認定マンションを買い受ける者)となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
三 売却によって各区分所有者が取得することができる金銭(以下「分配金」という。)の額の算定方法に関する事項
3 前項第一号に掲げる者は、次条第一項の認定を受けた者でなければならない。
4 第二項第三号に掲げる事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
5 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする区分所有者集会を招集するときは、区分所有法第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該区分所有者集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。
6 前項に規定する場合において、区分所有法第三十五条第一項の通知をするときは、前条に規定する議案の要領のほか、次に掲げる事項をも通知しなければならない。
一 売却を必要とする理由
二 建築物の耐震改修の促進に関する法律第二条第二項に規定する耐震改修(次号において単に「耐震改修」という。)又はマンションの建替えをしない理由
三 耐震改修に要する費用の概算額
7 第五項の区分所有者集会を招集した者は、当該区分所有者集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
8 区分所有法第三十五条第一項から第四項まで及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。この場合において、区分所有法第三十五条第一項ただし書中「伸縮する」とあるのは、「伸長する」と読み替えるものとする。
9 マンション敷地売却決議をした区分所有者集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
10 区分所有法第六十三条及び第六十四条の規定は、マンション敷地売却決議があった場合について準用する。この場合において、区分所有法第六十三条第一項中「建替えに」とあるのは「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」という。)第二条第一項第八号に規定するマンション敷地売却(以下単に「マンション敷地売却」という。)に」と、同条第三項から第五項まで及び区分所有法第六十四条中「建替えに」とあるのは「マンション敷地売却に」と、区分所有法第六十三条第六項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「円滑化法第百八条第一項に規定するマンション敷地売却決議に基づく売買契約によるマンション(円滑化法第二条第一項第一号に規定するマンションをいう。以下同じ。)及びその敷地(マンションの敷地利用権が円滑化法第二条第一項第十七号に規定する借地権(以下単に「借地権」という。)であるときは、その借地権。以下同じ。)についての権利の移転(円滑化法第百二十条第一項の規定により組合(円滑化法第百十六条に規定する組合をいう。以下同じ。)が設立された場合にあつては、円滑化法第百四十九条の規定による売却マンション(円滑化法第二条第一項第十号に規定する売却マンションをいう。)及びその敷地の組合への帰属。以下「権利の移転等」という。)がない」と、同項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「権利の移転等がなかつた」と、同条第七項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「権利の移転等」と、「その着手をしないとき」とあるのは「権利の移転等がないとき」と、区分所有法第六十四条中「建替えを」とあるのは「マンション敷地売却を」と読み替えるものとする。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第108条1項によれば、除却する必要がある旨の認定を受けたマンションについては、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の多数で、当該マンション及びその敷地(敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議をすることができるは、正しい。
4/5以上の賛成は、区分所有法の建替え決議と同じです。
3 マンション敷地売却組合は、その名称中に「マンション敷地売却組合」という文字を用いた法人でなければならない。
〇 正しい。 マンション敷地売却組合は法人であり、使用する名称も決められている。
まず、マンション敷地売却組合が「法人」については、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第117条
「(法人格)
第百十七条 組合は、法人とする。
2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条及び第七十八条の規定は、組合について準用する。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第117条1項によれば、「組合は、法人とする」とあるため、設問の「法人でなければならない」の表現は少しばかりひっかかりますが、まあ、正しい。
次に、マンション敷地売却組合の名称は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第119条
「(名称の使用制限)
第百十九条 組合は、その名称中にマンション敷地売却組合という文字を用いなければならない。
2 組合でない者は、その名称中にマンション敷地売却組合という文字を用いてはならない。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第119条1項によれば、マンション敷地売却組合は、その名称中に「マンション敷地売却組合」という文字を用いますから、全体として、マンション敷地売却組合は、その名称中に「マンション敷地売却組合」という文字を用いた法人でなければならないは、正しいとします。
「法人」と「権利能力なき社団」の違いや、名称については、 「超解説 区分所有法」 での区分所有者の団体の「法人」も参考にしてください。
4 マンション敷地売却組合を設立するためには、マンション敷地売却合意者が5入以上共同して、定款及び資金計画を定め、都道府県知事等の認可を求めるとともに、マンション敷地売却組合の設立について、マンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の5分の4以上の同意を得なければならない。
X 誤っている。 マンション敷地売却組合の設立では、3/4以上の同意でいい。 4/5以上ではない。
マンション敷地売却組合の設立は、マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条1項、2項
「(設立の認可)
第百二十条 第百八条第十項において読み替えて準用する区分所有法第六十四条の規定によりマンション敷地売却決議の内容によりマンション敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなされた者(マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者であってその後に当該マンション敷地売却決議の内容により当該マンション敷地売却を行う旨の同意をしたものを含む。以下「マンション敷地売却合意者」という。)は、五人以上共同して、定款及び資金計画を定め、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けて組合を設立することができる。
2 前項の規定による認可を申請しようとするマンション敷地売却合意者は、組合の設立について、マンション敷地売却合意者の四分の三以上の同意(同意した者の区分所有法第三十八条の議決権の合計がマンション敷地売却合意者の同条の議決権の合計の四分の三以上であり、かつ、同意した者の敷地利用権の持分の価格の合計がマンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上となる場合に限る。)を得なければならない。
3 前二項の場合において、マンションの一の専有部分が数人の共有に属するときは、その数人を一人のマンション敷地売却合意者とみなす。」
とあり、
マンションの建替え等の円滑化に関する法律第120条1項によれば、マンション敷地売却合意者が5入以上共同して、定款及び資金計画を定め、都道府県知事等の認可を求めるは、正しい。
また、その際には、同条2項によれば、マンション敷地売却合意者の敷地利用権の持分の価格の合計の四分の三以上の同意でよく、5分の4以上の同意を得なければならないは、誤りです。
よって、選択肢4は、全体として、誤りです。
3/4以上も、区分所有法での「管理組合法人」を参考にしてください。
答え:4
選択肢4の「4/5以上」は、迷うかも知れないが、区分所有法を知っていれば、易しい。
別途、マンションの建替えの円滑化等に関する法律を要約した サイト もあります。
《タグ》マンションの建替え等の円滑化に関する法律 除却 集会の決議 4/5以上 組合の設立 3/4以上
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提供
更新記録:
2026年 4月24日:見直して、追記などした。
一応、解説終りで。
2026年 4月20日:どうやら、第1稿終り。
また、見直すこと
2026年 4月6日~ マンション再生法として再度、解説を入れている。
まったく、面倒な話し!
2025年 2月12日:令和6年(2024年)の出題を入れた。
2024年 9月14日:法の改正など見直した。
2024年 2月21日:令和5年(2023年)の出題を入れた。
民法改正など見直した。
2023年 1月16日:令和4年(2022年)の出題を入れた。
2022年 3月18日:WINDOWS 11 へ移行
2022年 2月 6日:令和2年6月16日成立での改正点「要除却認定マンション」を加えた。
2021年12月19日:令和3年(2021年)の出題を入れた。
2020年 3月 6日:解説を見直した。
2019年 4月30日:平成30年の出題を入れた。
2018年 8月14日:マンション敷地売却制度について、加筆した。
2018年 8月 12日:文章見直した。
2018年 3月15日:平成29年の出題年と設問を2つ入れた。
2017年 4月25日:平成28年の出題を入れた。
2016年 3月19日:WINDOWS 10 にした。
2016年 3月 6日:一部文章を見直した。また、平成27年の出題年を入れた。
2016年 2月12日:平成26年12月施行の改正点(敷地売却制度)を入れた。
2015年 2月18日;一部を改正し、平成26年の出題を入れた。
2014年 2月22日:平成25年の出題記入。
2013年 3月28日:平成24年の出題記入。
2012年 3月22日:平成23年の出題記入。
2011年 8月28日:解説に追記。
2011年 1月20日:平成22年の出題年記入、など。
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