★★       条 文 の 解 説        ★★

建物の区分所有等に関する法律

(この解説においては、略称:区分所有法 と言う)

第1章 建物の区分所有 第6節 管理組合法人

第四十七条 成立等
第四十八条 名称
第四十八条の二 財産目録及び区分所有者名簿
第四十九条 理事
第四十九条の二 理事の代理権
第四十九条の三 理事の代理行為の委任
第四十九条の四 仮理事
第五十条 監事
第五十一条 監事の代表権
第五十二条 事務の執行
第五十三条 区分所有者の責任
第五十四条 特定承継人の責任
第五十五条 解散
第五十五条の二 清算中の管理組合法人の能力
第五十五条の三 清算人
第五十五条の四 裁判所による清算人の選任
第五十五条の五 清算人の解任
第五十五条の六 清算人の職務及び権限
第五十五条の七 債権の申出の催告等
第五十五条の八 期間経過後の債権の申出
第五十五条の九 清算中の管理組合法人についての破産手続の開始
第五十六条 残余財産の帰属
第五十六条の二 裁判所による監督
第五十六条の三 解散及び清算の監督等に関する事件の管轄
第五十六条の四 不服申立ての制限
第五十六条の五 裁判所の選任する清算人の報酬
第五十六条の六 即時抗告
第五十六条の七 検査役の選任
 
● 税法との関係  (法人税、収益事業、地方税、所得税、消費税)
● 会計 (発生主義、仕訳)

Y-a.第47条(成立等)

マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、区分所有法を条文ごとに解説しました。 

試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。

条文を勉強することが、合格への道です。

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第一章 建物の区分所有
第六節 管理組合法人
 
(成立等)
第四十七条
1項 第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。
過去出題 マンション管理士 H30年、H28年、H27年、H26年、H18年、H16年、
管理業務主任者 R05年、H28年、H21年、H19年、H18年、H16年、H15年、H13年

<参照> 区分所有法 第3条(区分所有者の団体):

 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。

★かつ、登記をすることによって法人となる...集会の決議だけでは、内部だけの話で、公の法人になれない。法人としての登記が必要。

  

★「区分所有者の団体」のあいまいさについては、区分所有法第3条の説明に戻ってください。

★ここからは、「第1章 建物の区分所有」の「第6節 管理組合法人」に入ります。
 「第6節 管理組合法人」は、第47条から第56条の7 までで構成されています。

 設立から始まり、解散までを規定しています。

★法人化の意味 〜区分所有者の団体の曖昧さをハッキリさせる〜

 区分所有法第6節の第47条から第56条の7 までは、区分所有者の団体が法人になることができ、また法人となった場合に適用される規定です。

 なお、「法人」とは下でも説明していますが...人(自然人)ではないが、会社法や法律によって「自然人」と同じように、財産権や取引能力などの権利義務を認められた組織(団体)です。人ではありませんが、法律で人と同様に扱われ、権利義務の主体となりますから、「法人」とよばれます。

 民法の法人の規定も参考にしてください。

 <参照>民法 第33条及び第44条

第三章 法人

(法人の成立等)
第三十三条 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。

2 学術、技芸、慈善、祭祀し、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。


(法人の能力)
第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
 

 区分所有法第3条では、「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し」と規定し、「区分所有者の団体」は、区分所有法で規定する「区分所有という建物」が存在すれば、当然にその建物の専有部分を所有する「区分所有者」が存在し、その区分所有者が全員で参加する団体が構成されるとしています。
この区分所有者の団体は、通常、「管理組合」とも呼ばれています。
そして、区分所有者の団体はこのまま、法人化しなければ、建物と敷地の管理等の目的のために一定の組織を備えた人の集合たる
民法等で定める古くかあらる概念の社団(「権利能力なき社団」)といえます。

 しかし、社団(権利能力なき社団)というだけでは、その扱いが法的に曖昧であるため、区分所有者の団体をすべて法人にする検討は以前からなされていましたが、現状として、区分所有者が少ない団体を法人化してもあまり利点はない、法人とするならその設立方法は主務官庁の裁量による公益法人のような「特許主義」にすべきか、また、一定の組織があれば登記をもって法人になれる「準則主義」によるか、この法人を監督する方法はどうするか、さらに、法人化した場合の各区分所有者が負う責任の範囲などの問題や疑問点を解決する必要がありました。

 このようにマンションのような区分所有建物が有する複雑な背景を踏まえて、区分所有法第6節の管理組合法人の規定が制定されています

★第47条の構成
 区分所有者の団体が法人となれる第47条は1項から始まり、14項まで、かなり長い構成です。
  1項は、成立と登記
  2項は、管理組合法人の名称を使うこと
  3項は、登記手続きは「組合等登記令」に従うこと
  4項は、登記後でなければ、第三者に対抗できないこと、
  5項は、法人化しても、もとの決議や規約の効力を引き継ぐこと
  6項は、管理組合法人は、区分所有者を代理すること
  7項は、管理組合法人の代理権に制限しても、知らない第三者には対抗できないこと
  8項は、管理組合法人は、訴訟の対象になること
  9項は、集会を開催しないで訴訟となったら区分所有者に知らせること
 10項は、理事の不法行為責任や破産時の対応
 11項は、理事を設置するため、管理者の規定を排除すること
 12項は、規約や集会の規定は、法人でも管理者と同様の規定を使用するため、読み替えて、適用すること
 13項は、法人税では、「公益法人等」とみなすこと
 14条は、消費税法では、「人格のない社団等」とみなすこと
  となっています。


 そこで、まず第47条1項では、区分所有者の団体が法人になる方法として、
  1.区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議 と
  2.登記をもって法人になれる「準則主義」 が
 採用されました。

★「法人」と「人(自然人)」との違い
 再びですが、法人とは...人(自然人)以外で、法律上の権利・義務の主体となることを認められたものですが、現実的には、複数の人たちからなる団体(組織体)です。
契約や取引を行う際に、同じ考えで纏まっている複数の人たちを別々に扱うよりも、1つの団体として扱う方が便利なので生まれた考え方です。

 社会的な活動を営む団体を取引の必要上、人と同様に、法律上の権利・義務の主体となる独立の法定主体として扱うことにした法律上の技術によって創造された人(者)です。法律で生まれたので、「法人」とよびます。

 なお、法人には、人のように考える力、物を受け取る力、動く力などがありませんから、それらを執行する機関として、会社であれば役員会、マンションであれば理事会などのような決められた業務を行う執行機関が設けられます。

★法人の種類・分類
  
民法や商法、また会社法などの特別法により法人としての権利能力(法人格といいます)を認められます。
 法人の種類や分類の仕方は、公法人・私法人、公益法人・中間法人・営利法人・非営利法人、社団法人・財団法人、内国法人・外国法人などです。

  典型的な法人は、営利法人である「株式会社」です。法人ごとにその目的が異なり、設立の方法を決めている法律も異なります。


民法で規定していた、「社団法人・財団法人」の規定が、平成20年12月施行の一般社団法人及び一般財団法人に関する法律により、大幅に改正(民法の規定はほとんど削除)された。
 この民法の法人に関する条文が削除になったため、区分所有法でも改正を余儀なくされています。
 そこでの解説です

  今回の民法の法人関係の改正の背景は、公益法人が特定官庁の許可制でありながら、判断基準があいまいで、また官僚たちの天下り先になっていたことです。
  そこで、政府の行政改革の一環として、簡素で効率的な政府を実現するために公益法人の見直しがなされ、
  ・現行の公益法人の設立に係る「許可主義」を改め、法人格の取得と公益性の判断を分離することとし、公益性の有無に関わらず、「準則主義(登記)」により簡便に設立できる一般的な非営利法人制度を創設すること
  ・各官庁が裁量により公益法人の設立許可等を行う主務官庁制を抜本的に見直し、民間有識者からなる委員会の意見に基づき、一般的な非営利法人について目的、事業等の公益性を判断する仕組みを創設すること
 としました。

 この基本的枠組みに基づき、制度上の枠組みを設計し、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案」、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案」及び「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」を平成18年3月に国会に提出しました。これらは、国会での審議を経て同平成18年5月26日に成立し、同平成18年6月2日に公布されました。
 新制度は、平成20年12月に施行されました。また、施行日から5年間は「移行期間」とされ、現行の公益法人は、この期間内に必要な手続きを行い、新制度に移行することとなりました。

★具体的には、
 
民法に定める公益法人に関する制度を改め、剰余金の分配を目的としない社団又は財団について、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により法人格を取得することができる制度を創設し、その設立、機関等について定める。


◎管理組合が「法人」となると何が変わるかというと → あまり変りはありません。

 区分所有者の団体である管理組合は、法人化しなくても、法律上古くからある「権利能力なき社団」または「人格なき社団」として扱われ、事実上、各構成員とは別個の1団体としての権利主体として活動を行っています
 管理組合として管理業務委託など各種の契約行為を行い、物品を購入する等日常的な業務については法人格がなくても何ら支障なく実施することができます。
税金の面でも「権利能力なき社団」は、「人格のない社団等」とみなされ(法人税法第3条)、「収益事業」でない限り法人税はありませんが、一定の場合には、法人税法の適用がありますし、裁判上での訴えたり・訴えられるいわゆる当事者適格においても「法人でない社団等」として扱われ当事者適格があります(民事訴訟法第29条)。

 なお、今まであった規約は、法人化に伴い、管理組合の名称・役員など該当の箇所の変更は、総会の特別決議として必要です。

 ここで、区分所有法第3条の説明の復習です。

権利能力なき社団とは
  @団体としての組織を備え
  A多数決原理が行われており、
  B構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、
  Cその組織によって、代表の方法、総会の運営、財産の管理、その他団体としての主要な点が確定している
 要件をみたすこと。
 この場合には、構成員個人とは別に、法律関係の当事者になれる。(最高裁:昭和39年10月15日)

◎ただし、法人でない「権利能力なき社団(人格なき社団ともいう。)」は正規の法人格がないため、○×マンション管理組合などその団体名では、土地の所有者など登記上の権利の名義人にはなれません。
 そこで、法人でない管理組合が新しく土地を購入して登記したければその構成員(区分所有者)の中から、だれか代表者(管理組合でいえば理事長)を選任し、その代表者(理事長)が自己の名で権利能力なき社団のために登記行為を行うものとされていますから、代表者(理事長)が変更される度に旧代表者から新代表者に名義の移転登記を行わなければならずその費用や手間が大変であり、且つそれを怠ると将来的には登記してある名義人との間でその所有権の帰属に関する争いや目的物件の無断譲渡の危険があります。

 このような登記の面倒さを考えると管理組合が法人格を取得し、管理組合名義での登記をすることは、理事長等の個人名義で発生するような問題を解消する場合には非常に便利であるといえます。
ただし、管理組合自身が登記によって必要な権利を取得するのは、管理組合の名前で新しく土地を所有する場合とか本当に稀有の例ですから、現実的にはあまり実益のある話ではありません。

 更に、将来的に登記手続で「権利能力なき社団」であってもその「社団名」(管理組合名)での登記が認められればこの問題も解消するものです。

◎法人化するメリットは 〜共有での全員の合意からの解放〜
 現時点で、区分所有者の団体(管理組合)を法人化するメリットがあるとすれば、
民法での共有関係で議論されてきた法律論での「合有」の規制からの開放のようです。

 区分所有者の団体(管理組合)は、管理を実施するに伴い様々な権利義務を有することになりますが、正規には「法人格」がないためその権利義務は区分所有者の団体(管理組合)の構成員(区分所有者)全員に総有的(合有的)に帰属し、その管理・処分で区分所有法に規定の無い事項は民法の原則によるものとされており、そこで、法人格がないと、例えば滞納管理費の回収を放棄するには「区分所有者全員の合意」が必要と説明されています。

 ところが一旦管理組合の法人化がなされると、滞納管理費は、構成員全員の帰属から管理組合法人に帰属する債権となり、その回収の放棄も法人の通常事務に属し構成員(組合員)の過半数の議決でできると説明され、法人登記が管理組合組織や性格に革命的変革を有するような効果を認めています。

 しかし、ある物が団体自体(管理組合)に帰属するか、構成員(区分所有者)に帰属するかの団体における権利義務の帰属形態は人格の有無の問題であり「権利能力なき社団」の理論自体が社団に対し完全とはいえないまでも人格を認めるもので、法人としての登記は単にその人格を完成させるものに過ぎませんから本来法人化しない時点でも同様の結論が得られるはずのものです。

 また、突き詰めれば、ある団体の意思決定方法において、その実体が変わらないにもかかわらず登記の有無で変更されるというのも不可解ですが、構成員各自間の複雑多岐な権利関係を構成員と団体とのニ当事者関係に昇華させて取扱いを簡易明確化するのが社団制度のメリットですから法人化でそのメリットを享受できるのなら法人化は区分所有者の団体(管理組合)運営の簡便化を図れる有効な手段といえます。

★管理組合設立の要件
  区分所有者の団体(管理組合=2人以上の区分所有者)ができれば、

  集会の特別多数決議(区分所有者及び議決権の各3/4以上)で、
   ア)法人となること、
   イ)名称、
   ウ)事務所を決定し、
   エ)事務所の所在地の管轄登記所で設立登記を行うこと 
  がその要件です。

 区分所有者が1人では、法人化はできません。法人格は区分所有者の団体に与えられるものであり、区分所有者が1人では、団体でありませんので。

 法人化を集会で決議するにあたり、「区分所有者と議決権の各3/4以上の賛成を要求している」のは、管理の方法について通常より重要な事項であると、区分所有法の草案者が考えたためです。

 なお、区分所有者全員の承諾があれば、集会を開催せずに、書面または電磁的方法により決議はできます。(区分所有法第45条1項及び3項

 法人としての事務所は、通常、そのマンション内(例えば、管理人室)でしょうが、そのマンションが存在していない場所であっても可能ですし、また事務所は複数あっても構いませんが、複数の事務所がある場合は、その内の1つを「主たる事務所」と定め、他は従たる事務所となります。その場合登記は、主たる事務所を管轄する登記所へ登記します。

 なお、この他、法人の代表機関たる理事等の登記も当然必要となります。
また、平成14年の改正で、それまで法人化の要件であった「区分所有者の数30人以上」の団体の制限がなくなりましたので、2名以上の区分所有者が存在すれば、小さなマンションでもこれらの要件だけで法人となれるようになりました。

★一部共用部分に関する管理組合法人も設立可能
  区分所有法第3条後段で、「一部共用部分を管理する区分所有者だけの団体」もその存在が認められていますから、その一部共用部分だけを管理するための団体もこの第47条の要件を満たせば、管理組合法人となれます。
  この場合、マンション全体を管理する区分所有者の団体も法人化されていれば、1つの建物の中に、全体を管理する管理組合法人と一部共用部分だけを管理する管理組合法人の2法人が存在することになります。

★法人の定款がなくてもいい
 一般に、人の集合体である社団が社団たるためには、その名称・事務所(事務をする物理的な場所ではなく社団の住所の意味です。)以外に、目的・資産・代表の方法・意思決定方法等の基本事項を定めた
「定款の作成」が必要であり、この定款をもって社団法人の設立登記がなされていますが、管理組合法人の場合には全員の合意で本来なされる定款(規約)の作成が特別多数決議に緩和されている点はもとより、目的その他の通常の定款の必要的記載事項の定めも要求されない非常に簡便なものになっています。

 <参照> 民法 第34条

(法人の能力)
第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

◎法人としての登記の目的は外部の利害関係者に、その法人が存在していて、また代表機関等を登記により周知せしめ、取引の安全を図る制度ですから、この区分所有法での法人化に必要な議決内容の簡素化は管理組合の便宜を図ったというより管理組合という団体の性格や区分所有法の他の規定から、法人の目的、理事の任免、社員(組合員)の資格の喪失など、その他の通常必要事項の定めは既に備わっているということでしょう。

 法人になるための必要な要件である「登記」は法人の設立要件としてのいわゆる設立登記であり、民法 の公益法人の登記や不動産登記のように単なる対抗要件ではありません。
従って、この設立登記がなされて初めて管理組合法人が成立します。
もっとも、設立登記後の変更登記は対抗要件です。

 <参照> 民法 第36条

(登記)
第三十六条 法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。

   ★特別に多数の賛成が必要で「特別多数決議事項」と呼ばれる。(その8の3−1)

    ★注意:ただし、他の特別多数決議事項と違って、集会の招集通知で、「会議の目的たる事項」を示すだけでよく、「議案の要領」を示す必要はありません。(参照 第35条5項

   ★名称と事務所(ここに規約も保管する)を決めて、登記すること。(第47条12項)。なお、名称には他の法人(株式会社など)と区別するため必ず「管理組合法人」を入れなければいけない。(第48条1項)

   ★法人となると理事と監事もおくこと(第49条1項、第50条1項)

   ★法人になるには、行政庁の許認可がいらない。(区分所有法があるので、公益を害さないから)。行政的な監督もない。

★管理組合法人と法人化していない通常の管理組合の違い
  一般の法人設立は、法律上全く新たに団体としての実体を形成しなくてはなりません。
 しかし、管理組合法人は、区分所有法第3条で定められた『区分所有者の団体=管理組合』が、その実質的な同一性を失わずに法人になることができます。従って、具体的な事項では、法人格の有無による大きな差異はありません。

   ただし、管理組合法人には、区分所有法第71条6号で規定する;過料

<参照> 区分所有法 第71条6号

六  第四十八条の二第一項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財産目録を作成せず、又は財産目録に不正の記載若しくは記録をしたとき。

     ★管理組合法人の財産目録作成義務違反。 ¥20万以下の過料

     が法人格取得なら発生する。

◎ 裁判との関係
 民事裁判では、法人格のない区分所有者の団体(管理組合)は、民事訴訟法第29条(法人でない社団等の当事者能力)で「法人でない社団又は財団で代表者または管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。」としています。
 つまり、管理規約があり、管理者や理事長が選任されている管理組合には、法人格はなくても民事訴訟法上「当事者能力」を認めています。 

<参照> 民事訴訟法 第29条 :

 (法人でない社団等の当事者能力)
第二十九条  法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。

  ただ、法人格のない管理組合は団体としての「登記」に関する行為能力がありませんので、不動産登記や電話加入権登録等の登記行為ができません。
 また、管理費や修繕積立金など預金の口座名義人も代表者が不在では、銀行は扱ってくれず口座開設ができません。

★管理者(理事長)がいない時の、警備用電話加入、銀行口座の名義はどうするのか。
  それでは、マンションが新規に分譲された時には、まだ管理組合の代表である管理者(理事長)は当然存在していませんが、建物を管理するために、警備用の電話権の購入、管理費・修繕積立金用の銀行口座の開設・印鑑の作成など、マンションの管理組合名義で処理する項目が発生します。
 このような事態に対応して、マンションの管理委託会社の名義で電話加入や銀行口座を開設し、管理者(理事長)が選任された後、名義変更を行います。
   最近の銀行では口座開設や名義変更は、簡単にはできません。
 通常 xxxマンション管理組合 理事長 yyyyyy と名義はなりますが、銀行の窓口で、理事長名の確認のため、管理組合の規約、理事長の名義を証明する議事録の提出を求められ、また理事長名を確認する本人の運転免許等が必要で、さらに多くの場合、この名義変更の処理を管理委託業者が行うわけですが、管理委託業者が代理している証明(委任状など)も求められることがあります。

 そのために、次のような、規約の承認などを含んだ「承認書」を分譲契約締結時に交わしています。

*****************************************  
★ あるマンション販売でのサンプル

「xxxxマンション」管理に係わる承認書 

(売主)     AA 株式会社 
(管理会社)  BB 管理 株式会社  御中

 今般、土地付き区分所有建物「xxxxマンション」の売買契約締結に伴い、下記の事項を承認します。
      − 記 −
対象物件: 名称   :「xxxxマンション」
        所在地 :東京都千代田区・・・・

1. 別記 「xxxxマンション 管理規約」、 「同使用細則」、「同宅配ボックス使用細則」、「同駐輪場使用細則」、「同共用駐車場使用細則」、「同共用駐車場使用契約書(書式)」、「同共同バイク置場使用細則」、「同共同バイク置場使用契約書(書式)」案を原案の通り承認し遵守いたします。 
 なお、この規約に基づき、「xxxxマンション管理組合」に加入し、他の組合員と協議の上、規約に定める役員を選任することを承認します。 
 また、専有部分を第三者に貸与する場合は、その者にも、この規約及び使用細則等に定める事項を遵守させることを、誓います。

2. 管理規約による正規の管理者(理事長)が選任されるまでの間は、「BB 管理 株式会社」が管理組合の職務を代行することを承認します。
  また、本物件の維持管理の必要上、あらかじめ備品として清掃用具、管理組合印及び理事長印、電話加入権(名義上は、「BB 管理 株式会社」にしますが、費用の負担及び実質上の権利者は、本物件の管理組合とします。)などの購入及び管理組合の預金口座の開設を承認します。


3. 本物件の駐輪場、駐車場及びバイク置場の当初の区割りについては、「売主 AA 株式会社」 の指定の方法によることを承認します。

4. 別記 「xxxxマンション 管理費予算見積書」及び「xxxxマンション 管理委託契約書」により、管理組合が「BB 管理 株式会社」に管理を委託することを承認します。

5. 対象物件に関し、売主又はその指定する者が、建物及び共用部分を、次の販売活動のために、無償使用することを承認します。 (規約x条a項参照)
    ア.対象物件内に販売案内所及びモデルルームを設置し、それらに伴う案内板や看板等を設置すること。
    イ.対象物件の外壁面等に販売に関する垂れ幕、看板等を設置すること。

6. 管理の開始後、売主による未販売住戸がある場合には、売主による管理基金・修繕積立基金(一時払い金)の納付は要しないことを承認いたします。(規約x条b項参照)

7. 対象物件の管理開始後、部分管理(暫定管理)があることを承認します。(規約x条c項参照)

8. 管理規約ならびに管理委託契約書への署名捺印を、本書の署名捺印をもって代えることを承認します。

                                     以上
 令和  年  月   日
      xxxxマンション       号室 区分所有者
      氏名                   印
      共有者 氏名              印

***************************************** 

   ★法人の利点: @管理組合名義で不動産の登記が出来る。

              A管理組合の財産と構成員の財産区分が明確になる。

              B取引の安全の確保

★しかし、法人化すると面倒だ
 ただし、法人化するとメリット(長所)ばかりではなくデメリット(短所)も当然存在します。
法人化にあたっては要件として設立登記が必要ですが、代表者(管理組合なら理事長)も当然登記事項ですから総会などで役員が改選されて変更があればそのつど変更登記が必要となり、当然費用もかかりますし、財産目録と組合員(区分所有者)名簿の調製が法的義務となり強制的な事務の増加は避けられません。

 また、法人としての罰則も区分所有法第71条同第72条にあります。

★管理組合の業務:
  区分所有法第3条では、区分所有者の団体の存在が管理組合として明確に定義されていないため、管理組合の業務を確認していませんが、法人化に関係なく管理組合の業務を簡単にいいますと、建物、敷地および共用部分・附属施設の維持管理にあります。
  そのため管理組合は、建物、敷地および共用部分・附属施設の取扱についてのルール(管理組合規約)を区分所有者の集会(総会)によって決議し、あわせて、管理者(管理組合理事長)および役員を選任します。

 もう一度、標準管理規約に従って、管理組合の具体的な業務を確認しましょう。(なお、標準管理規約は、法人を前提としていないことにも注意のこと。)

<参考>標準管理規約(単棟型) 21条:(敷地及び共用部分等の管理) 

第21条 敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。

2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合

3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない


4 前項の申請及び承認の手続については、第17条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定を準用する。ただし、同条第5項中「修繕等」とあるのは「保存行為」と、同条第6項中「第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事」とあるのは「第21条第3項の承認を受けた保存行為後に、当該保存行為」と読み替えるものとする。

5 第3項の規定に違反して保存行為を行った場合には、当該保存行為に要した費用は、当該保存行為を行った区分所有者が負担する。

6 理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる。

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第21条関係コメント  

@ 第1項及び第3項は、区分所有法第18条第1項ただし書において、保存行為は、各共有者がすることができると定められていることに対し、同条第2項に基づき、規約で別段の定めをするものである。

A 駐車場の管理は、管理組合がその責任と負担で行う。

B バルコニー等の管理のうち、管理組合がその責任と負担において行わなければならないのは、計画修繕等である。

C 本条第1項ただし書の「通常の使用に伴う」保存行為とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入替え等である。

D バルコニー等の経年劣化への対応については、Bのとおり管理組合がその責任と負担において、計画修繕として行うものである。
 ただし、バルコニー等の劣化であっても、長期修繕計画作成ガイドラインにおいて管理組合が行うものとされている修繕等の周期と比べ短い期間で発生したものであり、かつ、他のバルコニー等と比較して劣化の程度が顕著である場合には、特段の事情がない限りは、当該バルコニー等の専用使用権を有する者の「通常の使用に伴う」ものとして、その責任と負担において保存行為を行うものとする。なお、この場合であっても、結果として管理組合による計画修繕の中で劣化が解消されるのであれば、管理組合の負担で行われることとなる。

E バルコニー等の破損が第三者による犯罪行為等によることが明らかである場合の保存行為の実施については、通常の使用に伴わないものであるため、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、同居人や賃借人等による破損については、「通常の使用に伴う」ものとして、当該バルコニー等の専用使用権を有する者がその責任と負担において保存行為を行うものとする。

F 第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。 配管、配線等がある。配管の清掃等に要する費用については、第27条第三号の「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。なお、共用部分の配管の取替えと専有部分の配管の取替えを同時に行うことにより、専有部分の配管の取替えを単独で行うよりも費用が軽減される場合には、これらについて一体的に工事を行うことも考えられる。その場合には、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについて記載し、その工事費用を修繕積立金から拠出することについて規約に規定するとともに、先行して工事を行った区分所有者への補償の有無等についても十分留意することが必要である。

G 第3項ただし書は、例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する。また、第5項は、区分所有法第19条に基づき、規約で別段の定めをするものである。
  承認の申請先等は理事長であるが、承認、不承認の判断はあくまで理事会の決議によるものである(第54条第1項第五号参照)。

H 区分所有法第26条第1項では、敷地及び共用部分等の保存行為の実施が管理者(本標準管理規約では理事長)の権限として定められている。第6項では、災害等の緊急時における必要な保存行為について、理事長が単独で判断し実施できることを定めるものである。災害等の緊急時における必要な保存行為としては、共用部分等を維持するための緊急を要する行為又は共用部分等の損傷・滅失を防止して現状の維持を図るための比較的軽度の行為が該当する。後者の例としては、給水管・排水管の補修、共用部分等の被災箇所の点検、破損箇所の小修繕等が挙げられる。この場合に必要な支出については、第58条第6項及びコメント第58条関係Dを参照のこと。

I 災害等の緊急時において、保存行為を超える応急的な修繕行為の実施が必要であるが、総会の開催が困難である場合には、理事会においてその実施を決定することができることとしている(第54条第1項第十号及びコメント第54条関係@を参照。)。しかし、大規模な災害や突発的な被災では、理事会の開催も困難な場合があることから、そのような場合には、保存行為に限らず、応急的な修繕行為の実施まで理事長単独で判断し実施することができる旨を、規約において定めることも考えられる。更に、理事長をはじめとする役員が対応できない事態に備え、あらかじめ定められた方法により選任された区分所有者等の判断により保存行為や応急的な修繕行為を実施することができる旨を、規約において定めることも考えられる。なお、理事長等が単独で判断し実施することができる保存行為や応急的な修繕行為に要する費用の限度額について、予め定めておくことも考えられる。

J 第6項の災害等の緊急時における必要な保存行為の実施のほか、平時における専用使用権のない敷地又は共用部分等の保存行為について、理事会の承認を得て理事長が行えるとすることや、少額の保存行為であれば理事長に一任することを、規約において定めることも考えられる。その場合、理事長単独で判断し実施することができる保存行為に要する費用の限度額について、予め定めておくことも考えられる。

<参考>標準管理規(単棟型) 約32条:(業務) 

第32条 管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、次の各号に掲げる業務を行う。
   一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理
   二 組合管理部分の修繕
   三 長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理
   四 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務
   五 適正化法第103条第1項に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理
   六 修繕等の履歴情報の整理及び管理等
   七 共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務
   八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為
   九 敷地及び共用部分等の変更及び運営
   十 修繕積立金の運用
   十一 官公署、町内会等との渉外業務
   十二 マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務
   十三 広報及び連絡業務
   十四 管理組合の消滅時における残余財産の清算
   十五 その他建物並びにその敷地及び附属施設の管理に関する業務


 注:平成28年3月の改正前にあった、「十五 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が削除されたのが、大きな変更点です。

 
香川コメント:しかし、マンション内でコミュニティがとれないと、災害時にどう対応すればいいのでしょうか? 裁判だけを考えた役所的な削除です。

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第32条関係コメント 

@ 建物を長期にわたって良好に維持・管理していくためには、一定の年数の経過ごとに計画的に修繕を行っていくことが必要であり、その対象となる建物の部分、修繕時期、必要となる費用等について、あらかじめ長期修繕計画として定め、区分所有者の間で合意しておくことは、円滑な修繕の実施のために重要である。

A 長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。
   1
計画期間が30年年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とすること。
 
25年程度 以上であること。なお、新築時においては、計画期間を30年程度にすると、修繕のために必要な工事をほぼ網羅できることとなる。

   2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。
   3 全体の工事金額が定められたものであること。
    また、長期修繕計画の内容については定期的な
おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要である。

B 長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。

C
長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。
  ただし、修繕工事の前提としての
劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる

D 管理組合が管理すべき設計図書は、適正化法第103条第1項に基づいて宅地建物取引業者から交付される竣工時の
  付近見取図、
  配置図、
  仕様書(仕上げ表を含む。)、
  各階平面図、
  2面以上の立面図、
  断面図又は矩計図、
  基礎伏図、
  各階床伏図、
  小屋伏図、
  構造詳細図及び
  構造計算書である。
  ただし、同条は、適正化法の施行(平成13年8月1日)前に建設工事が完了した建物の分譲については適用されてないこととなっており、これに該当するマンションには上述の図書が交付されていない場合もある。
  他方、建物の修繕に有用な書類としては、上述以外の
  設計関係書類(数量調書、竣工地積測量図等)、
  特定行政庁関係書類(建築確認通知書、日影協定書等)、
  消防関係書類、
  機械関係設備施設の関係書類、
  売買契約書関係書類等 がある。
  このような各マンションの実態に応じて、具体的な図書を規約に記載することが望ましい。

E 修繕等の履歴情報とは、
  大規模修繕工事、
  計画修繕工事及び
  設備改修工事等の修繕の時期、箇所、費用及び工事施工者等や、
  設備の保守点検、
  建築基準法第12条第1項及び第3項の特殊建築物等の定期調査報告及び建築設備(昇降機を含む。)の定期検査報告、
  消防法第8条の2の2の防火対象物定期点検報告等の法定点検、
  耐震診断結果、
  石綿使用調査結果など、
  維持管理の情報であり、整理して後に参照できるよう管理しておくことが今後の修繕等を適切に実施するためにも有効な情報である。

F 管理組合が管理する書類等として、第三号に掲げる長期修繕計画書、第五号及びDに掲げる設計図書等、第六号及びEに掲げる修繕等の履歴情報が挙げられるが、具体的な保管や閲覧については、第64条第2項で規定するとおり、理事長の責任により行うこととする。その他に、
理事長が保管する書類等としては、第49条第3項で定める総会議事録、第53条第4項の規定に基づき準用される第49条第3項で定める理事会議事録、第64条及び第64条関係コメントに掲げる帳票類等、第72条で定める規約原本等が挙げられる。
  このうち、総会議事録及び規約原本の保管は、区分所有法により管理者が保管することとされているものであり、この標準管理規約では理事長を管理者としていることから理事長が保管することとしている。

G
従来、第十五号に定める管理組合の業務として、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が掲げられていたが、「コミュニティ」という用語の概念のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会的な活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。一方、管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である。なお、これに該当しない活動であっても、管理組合の役員等である者が個人の資格で参画することは可能である。
  以上を明確にするため、区分所有法第3条を引用し、第32条本文に「建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため」を加え、第十五号を削除し、併せて、周辺と一体となって行われる各業務を再整理することとし、従来第十二号に掲げていた「風紀、秩序及び安全の維持に関する業務」、従来第十三号に掲げていた「防災に関する業務」及び「居住環境の維持及び向上に関する業務」を、新たに第十二号において「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と規定することとした。なお、改正の趣旨等の詳細については、第27条関係A〜Cを参照のこと。

H 建替え等により消滅する管理組合は、管理費や修繕積立金等の残余財産を清算する必要がある。なお、清算の方法については、各マンションの実態に応じて規定を整備しておくことが望ましい。


★理事会・理事長の名称は、区分所有法にはない。

  なお、管理組合の役員などで構成される執行機関である「理事会」の規定や理事の代表である「理事長」の名称は、区分所有法にはありませんが、標準管理規約では次のように定めています。

<参考>標準管理規約(単棟型) 51条から55条:第5節 理事会  

(理事会)
第51条 理事会は、理事をもって構成する。
2 理事会は、次に掲げる職務を行う。
   一 規約若しくは使用細則等又は総会の決議により理事会の権限として定められた管理組合の業務執行の決定
   二 理事の職務の執行の監督
   三 理事長、副理事長及び会計担当理事の選任
3 理事会の議長は、理事長が務める。

----------------------------------
(招集)
第52条 理事会は、理事長が招集する。

2 理事が○分の1以上の理事の同意を得て理事会の招集を請求した場合には、理事長は速やかに理事会を招集しなければならない。

3 前項の規定による請求があった日から○日以内に、その請求があった日から○日以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。

4 理事会の招集手続については、第43条(建替え決議又はマンション敷地売却決議を会議の目的とする場合の第1項及び第4項から第8項までを除く。)の規定を準用する。この場合において、同条中「組合員」とあるのは「理事及び監事」と、同条第9項中「理事会の承認」とあるのは「理事及び監事の全員の同意」と読み替えるものとする。ただし、理事会にお いて別段の定めをすることができる。

---------------------------------
(理事会の会議及び議事)
第53条 理事会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する

2 次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。

3 前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


4 議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に 出席した理事」と読み替えるものとする。

(イ)電磁的方法が利用可能な場合


4 議事録については、第49条(第6項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第3項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に 出席した理事」と読み替えるものとする。

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第53条関係コメント 

@ 理事は、総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められる。

A したがって、理事の代理出席(議決権の代理行使を含む。以下同じ。)を、規約において認める旨の明文の規定がない場合に認めることは適当で ない。

B 「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまで、やむを得ない場合の代理出席を認めるものであることに留意が必要である。この場合においても、あらかじめ、総会において、それぞれの理事ごとに、理事の職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを審議の上、その職務を代理する者を定めておくことが望ましい。
 なお、外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない。

C 理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書又は意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられる。これを認める場合には、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文の規定で定めることが必要である。

D 理事会に出席できない理事に対しては、理事会の議事についての質問機会の確保、書面等による意見の提出や議決権行使を認めるなどの配慮をする必要がある。
 また、WEB会議システム等を用いて開催する理事会を開催する場合は、当該理事会における議決権行使の方法等を、規約や第70条に基づく細則において定めることも考えられ、この場合においても、規約や使用細則等に則り理事会議事録を作成することが必要となる点などについて留意する必要がある。
 なお、第1項の定足数について、理事がWEB会議システム等を用いて出席した場合については、定足数の算出において出席理事に含まれると考えられる。

理事会に出席できない理事について、インターネット技術によるテレビ会議等での理事会参加や議決権行使を認める旨を、規約において定めることも考えられる。
(改正有)

E 第2項は、本来、@のとおり、理事会には理事本人が出席して相互に議論することが望ましいところ、例外的に、第54条第1項第五号に掲げる事項については、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法(電子メール等)による決議を可能とするものである。

F 第3項については、第37条の2関係を参照のこと。

<参考>「標準管理規約(単棟型) (議決事項)(専門委員会の設置)

(議決事項)
第54条 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
   一 収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画
   二 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する
   三 長期修繕計画の作成又は変更に関する
   四 その他の総会提出議
   五 第17条、第21条及び第22条に定める承認又は不承認
   六 第58条第3項に定める承認又は不承認
   七 第60条第4項に定める未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
   八 第67条に定める勧告又は指示等
   九 総会から付託された事項
   十 災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等
   十一 理事長、副理事長及び会計担当理事の選任及び解任

2 第48条の規定にかかわらず、理事会は、前項第十号の決議をした場合においては、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる。

---------------------------------
(専門委員会の設置)
第55条 理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。

2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する

<参考>「標準管理規約(単棟型) 第54条関係コメント 

@ 第1項第十号の「災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等」の具体的内容については、次のとおりである
   ア)緊急対応が必要となる災害の範囲としては、地震、台風、集中豪雨、竜巻、落雷、豪雪、噴火などが考えられる。なお、「災害等」の「等」の例としては、災害と連動して又は単独で発生する火災、爆発、物の落下などが該当する。
   イ)「総会の開催が困難である場合」とは、避難や交通手段の途絶等により、組合員の総会への出席が困難である場合である。
   ウ)「応急的な修繕工事」は、保存行為に限られるものではなく、二次被害の防止や生活の維持等のために緊急対応が必要な、共用部分の軽微な変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないもの)や狭義の管理行為(変更及び保存行為を除く、通常の利用、改良に関する行為)も含まれ、例えば、給水・排水、電気、ガス、通信といったライフライン等の応急的な更新、エレベーター附属設備の更新、炭素繊維シート巻付けによる柱の応急的な耐震補強などが「応急的な修繕工事」に該当する。また、「応急的な修繕工事の実施等」の「等」としては、被災箇所を踏まえた共用部分の使用方法の決定等が該当する。
 なお、理事会の開催も困難な場合の考え方については、第21条関係Jを参照のこと。

A 第2項は、応急的な修繕工事の実施に伴い必要となる資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて、第48条の規定によれば総会の決議事項であるところ、第1項第十号の決議に基づき実施する場合には、理事会で決議することができるとするものである。

B @のほかにも、共用部分の軽微な変更及び狭義の管理行為については、大規模マンションなど、それぞれのマンションの実態に応じて、機動的な組合運営を行う観点から、これらのうち特定の事項について、理事会の決 議事項として規約に定めることも可能である。その場合には、理事の行為が自己契約、双方代理など組合員全体の利益に反することとならないよう監事による監視機能の強化を図るなどの取組み、理事会活動の事前・事後の組合員に対する透明性の確保等について配慮することが必要である。

---------------------------------
<参考>「標準管理規約(単棟型) 第55条関係コメント

@ 専門委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合、運営細則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決議が必要となる。

A 専門委員会は、検討対象に関心が強い組合員を中心に構成されるものである。必要に応じ検討対象に関する専門的知識を有する者(組合員以外も含む。)の参加を求めることもできる。


 *法人でない、標準管理規約での管理組合の組織・機関図

    


★法人格がないと所有者が明確でない。
  法人でないため、登記がはっきりしないので、債権の具体的な回収で困った例がありました。 平成21年3月26日:東京地裁の判例です。平成21年3月27日付け:毎日新聞より、一部引用。

 ●朝鮮総連:競売訴訟 「本部の所有者は議長」 名義書き換え命令。整理回収機構が勝訴 〜東京地裁

   整理回収機構(RCC)は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の中央本部(東京都千代田区富士見)に約627億円の債務返済を命じた2007年6月の東京地裁判決を受け、同中央本部の土地・建物の強制競売を目指したが、
総連には法人格がなく登記の当事者になれないため、総連本部の所有者の名義は「合資会社朝鮮中央会館管理会」となっていた。
 整理回収機構は同地裁に競売を申し立てたが、
名義が管理会のため認められず、管理会名義のまま競売するため別の訴訟を起こしたが、2008年11月に棄却された。
 そこで、整理回収機構が、実質的な所有者が朝鮮総連であることの確認を求めた訴訟を提訴した。

 朝鮮総連側は「所有権は合資会社朝鮮中央会館管理会にある」と主張したが、2009年3月26日の判決で、東京地裁の浜秀樹裁判長は、「当初から朝鮮総連が使用し、管理会に使用料を支払った形跡がうかがわれない。管理会の役員構成上、朝鮮総連の意思で不動産を処分できる。実質的な帰属主体は朝鮮総連。」と退けた。
 そして、登記上の名義人の合資会社朝鮮中央会館管理会」に対し不動産名義を朝鮮総連の徐萬述(ソマンスル)議長に書き換えるよう命じた。

 ◇朝鮮総連中央本部広報室の話
   事実を無視した不当極まりない判決であり、控訴する。

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 これで、整理回収機構は強制執行が可能となります。少しは、「法人」の持つ重要性がわかりましたか?

  参考までに:朝鮮総連中央本部の土地は約2,390平方メートル、建物は地上10階、地下2階で、延べ床面積は約1万1740平方メートル。
          JR飯田橋駅徒歩約4分の好立地で、売却基準価額は約26億6800万円とのこと。
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★物件は競売へ → トラブル続き

 ◎朝鮮総連中央本部の土地と建物の競売について 〜最終的に、マルナカホールデンスが約22億円で落札にー (2014年11月4日)

   上の例示で、整理回収機構が起こした朝鮮総連中央本部の土地と建物が実質的に朝鮮総連の資産であることの認定を求める裁判は、その後最高裁まで争われ、2012年6月27日に、最高裁で朝鮮総連中央本部の上告が棄却され、これにより、朝鮮総連中央本部の土地と建物が実質的に朝鮮総連の資産であることが確定した。

  そこで、整理回収機構は、2012年7月に朝鮮総連中央本部の土地と建物の競売の申し立てを行い、最初の競売では、鹿児島の宗教法人:最福寺が45億1900万円で落札したが、資金が調達できず、2回目の競売となり、今度は、モンゴルに本拠を置く「アヴァールLLC」という企業が50億1000万円で落札した。
  しかし、この「アヴァールLLC」という企業は、実態が不審で、裁判所は、売却を許可しない決定をし、2014年3月、東京地裁は、2回目の競売でアヴァールLLCに次いで、22億1000万円を提示した投資会社のマルナカホールディングス(高松市)への売却を許可した。
 この東京地裁の決定に対して朝鮮総連は、「民事執行法や判例を無視した不当な決定である。債務者としての返済額が28億円も減少し、不利益を被る。入札をやり直せ」として、東京高裁に抗告を申し立てたが、2014年5月、東京高裁は、朝鮮総連の抗告を棄却したので、朝鮮総連は、最高裁に不服申し立てをした。

 そして、2014年11月4日、最高裁も「最初からモンゴルの企業の無効な入札(注:約50億円)が排除されていれば、マルナカホールディングスが最高価格(注:約22億円)のはずだった。今回の方法は、公正で迅速な手続きによる売却を実現するために合理的なものだ」と判断し、朝鮮総連の抗告を退ける決定を出した。
 これにより、東京地裁が決定したマルナカホールディングスが朝鮮総連中央本部の土地と建物を22億1000万円で買い取ることが決定した。

  この、朝鮮総連中央本部の土地と建物を巡る話は、政治的にも面白いですよ。 


★参考までに; 管理組合の法人化率

  ◎平成21年4月10日に、国土交通省より公表された「平成20年度マンション総合調査結果」(5年毎に実施)によりますと、調査報告のあった、2,167のマンションの内、法人化してあるのは、234 と 
全体の10.8% です。 
 なお、平成15年の調査では、全体の
10.0% だったとのことです。

  ◎また、同じく国土交通省から平成26年4月23日に発表された、「平成25年度マンション総合調査結果」では、回答のあった、2、324マンションの内、法人としているのは、280で、全体の12%と、完成年度が古くなると法人化率が高くなる傾向にある。総戸数規模別では、「151戸〜200戸」が16.8%です。

 ◎平成30年度のマンション総合調査の結果(平成31年4月26日公表):法人化率 222/1,688 13.2%
  法人化が微増している。 
  総戸数規模別では、「151〜200戸」が23.9%と最も高く、次いで「301〜500戸」が23.2%、「500戸以上」が21.6%となっている。
 

 


◎管理者・理事・理事会の区分所有法と標準管理規約での関係
  法人でない管理組合 法人とした管理組合
区分所有法 管理者を定めるが、理事会の規定はない。 理事・監事は必須、理事会の規定はない。
標準管理規約 理事・監事・理事長、理事会を定めている。 理事・監事・理事長、理事会を定めている。

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第四十七条

2項  前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 H25年、

★名称は必ず「管理組合法人」とすること...法人となると他の名称は使ってはいけない。

 各マンションの名称は、○○レジデンスでもシャトゥXXでも自由ですが、登記上では他の法人(株式会社や医療法人など)と区別するため名称中に必ず「管理組合法人」という言葉を入れることが強制されます(参照:第48条1項)。
 この「管理組合法人」という名称を入れることと並行して管理組合法人でない他の団体は、「管理組合法人」の名称を使えなくしてます。(第48条2項
 これらは、マンション管理士試験に合格し登録した者しか、マンション管理士と名乗れないのと同じです。
 

 区分所有者の団体の法人化にあたり「管理組合法人」という特定の名称を使用することを義務づけることは、株式会社や合名会社などの名称を用いることを強制している会社法(会社法第2条)のように他の法律で規定する法人と同様であり(民法法人は別)、その代わり管理組合法人でない場合には、管理組合法人の名称を使用することはできないものとされます(第48条2項。民法法人も同じ。旧民法 第34条の2)。
 「XX管理組合法人」と称することにより、この法人は区分所有法で規定される法人であることが、第三者にも分かります。

    ★名称は指定されている。この名称「管理組合法人」を第三者が使用すると、過料 ¥10万以下 がある。(区分所有法第72条。ここだけ、過料 ¥10万以下。他の過料は ¥20万以下) 

<参照>区分所有法 第72条:

 第四十八条第二項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。


★過料...刑法上の罰ではない。同じ読み方の科料は刑法上の罰。

★この「管理組合法人」の名称違反だけ過料 ¥10万以下。 ほかの過料は全部 ¥20万以下。

        刑法上の刑の種類...重い順に @死刑 A懲役(無期、有期。監獄で作業) B禁錮(無期、有期。監獄で拘置) 

                              C罰金(1万円以上) D拘留(拘留場に30日未満拘置) E科料(千円以上〜1万円未満)

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第四十七条

3項  この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で定める。

過去出題 マンション管理士 H30年、H16年、
管理業務主任者 H25年、

★管理組合を法人としたなら、その内容を世間に知らせないと、取引で混乱が起きる ⇒ 登記をする。(第三者に対抗できる。)

★管理組合法人としての必要な登記事項は政令で定める。


★政令とは → 組合等登記令のこと

 本区分所有法第47条3項で規定する管理組合法人の登記に関して必要な事項を定めた政令とは「組合等登記令」というものです。

<参照> 民法 第36条

 (登記)
第三十六条 法人及び外国法人は、この法律
その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。


 組合等登記令から管理組合法人に関係する部分を抜粋すると以下のとおりです。 ここには、あとででてきます、団地としての管理組合法人も共に規定されています。
申請に当たって必要な書面は、法人化を決議した集会の議事録などです。

◎法人の申請 〜ただし、定款などはいらない〜
 管理組合を法人化した登記の申請は、理事として選任された者がします。(組合等登記令第16条)

<参照>組合等登記令 第16条 (設立の登記の申請)

第十六条  設立の登記は、組合等を代表すべき者の申請によつてする。

2  設立の登記の申請書には、定款又は寄附行為及び組合等を代表すべき者の資格を証する書面を添付しなければならない。

3  第二条第二項第六号に掲げる事項を登記すべき組合等の設立の登記の申請書には、その事項を証する書面を添付しなければならない。

*但し、2項に関しては、管理組合法人又は団地管理組合法人では、組合等登記令第32 26 条の(以下を参照)特則がある。

 管理組合の設立の登記申請には、組合等登記令第16条2項には「定款又は寄附行為」が必要とありますが、管理組合法人(団地管理組合法人も)では、該当する「定款や寄附行為」はありませんから、管理組合法人設立で必要な書類等は、
   1.法人化を決議した集会(総会)の議事録
   2.管理組合法人の名称
   3.事務所の所在地
   4.理事の中で、誰かを代表権者にしたら、その者の名前と住所と資格
 などを用意します。 
 

<参照>組合等登記令 第32 26 条:特則 (注:改正あり)

第32 26 条24項及び同条25項 

 32条 
管理組合法人又は団地管理組合法人の設立の登記の申請書には、第十六条第二項の規定にかかわらず、次の書面を添付しなければならない。

   一 
法人となる旨並びにその名称及び事務所を定めた集会の議事録

   二 
第二条第二項第一号に掲げる事項を証する書面

   三 管理組合法人又は団地管理組合法人を代表すべき者の資格を証する書面

 2 25 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第五十五条第一項第一号又は第二号の規定による管理組合法人の
解散の登記は、登記官が、職権ですることができる。

 上の組合等登記令第32 26 条24項 2号の条文で引用されています、組合等登記令第2条は、以下のとおりです。 

<参照>組合等登記令(設立の登記)

第二条  組合等の設立の登記は、その主たる事務所の所在地において、設立の認可、出資の払込みその他設立に必要な手続が終了した日から
二週間以内にしなければならない。

2  前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
  一  目的及び業務
  二  名称
  三  事務所の所在場所
  四  代表権を有する者の氏名、住所及び資格


  五  存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由

  六  別表の登記事項の欄に掲げる事項

*説明(記入例)
1.目的及び業務...「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」
2.名称....必ず○Xマンション「管理組合法人」または「団地管理組合法人」の名称を入れること
3.事務所の所在場所...普通、マンションの建物内になる。
  管理事務所があればそこにしていいが、管理事務所がない時は、通常、理事長の部屋番号となり、この場合、理事長が変わると、事務所の変更届けも出さなければいけない。
4.代表権を有する者の氏名、住所及び資格...理事が数人あれば、その全員を記載するが、代表理事が選任されたときは、その代表理事についてだけ記載する。それ以外の理事については記載されない。
 証明の書面としては、通常、議事録が必要で、また、代表権を有する理事の承諾書も必要。
 また、監事は登記事項ではない。

 これが、面倒な手続きです。
5.存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由...これは、通常、定めませんから、記入なしです。

6.別表の登記事項の欄に掲げる事項... 別表は、以下の内容です。

<参照>組合等登記令 別表(第一条、第二条、第六条、第七条の二、第八条、第十四条、第十七条、第二十条、第二十一条の三関係) の該当部を抜粋

(注:この別表には、委託者保護基金、医療法人、商工会議所・日本商工会議所・・・などかなりの団体名が列記されている。

名称  根拠法  登記事項 
 管理組合法人、団地管理組合法人  建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)  共同代表の定めがあるときは、その定め

*説明
共同代表の定めがあるときは、その定め ...役員に関する事項の最後に、たとえば、「理事 甲野太郎 及び 理事 乙野二郎 は共同して代表する」と記載する。

 管理組合法人設立登記に必要な書類が整ったら、2週間以内に、主たる事務所の所在地の登記所に、必要な事項を登記します。

 以上の組合等登記令によれば、登記すべき事項はこの政令第2条2項に定める6項目(ただし、5・6号はその旨定めたときに限る。)であり、このうち2・3号の事項は区分所有法第47条1項でその旨定めるように規定していますから、別途政令に基づき議決が必要な事項はそれ以外の事項ということになりますが、1号は第3条が建物等の管理と規定していますから、結局定める必要のあるのは4号の代表権を有する理事の選任ということになります。

*登記に記載された事項の変更

 ★理事の変更など、登記事項に変更があれば、2週間以内にその変更をすること(組合等登記令第3条1項)

<参照>組合等登記令 第3条 (変更の登記)

第三条  組合等において前条第二項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない

2  前項の規定にかかわらず、出資若しくは払い込んだ出資の総額又は出資の総口数の変更の登記は、毎事業年度末日現在により、当該末日から四週間以内にすれば足りる。
3  第一項の規定にかかわらず、資産の総額の変更の登記は、毎事業年度末日現在により、当該末日から二月以内にすれば足りる。

★理事の変更でも、証明する書面として、集会(総会)の議事録などが必要となります。

<参照>組合等登記令 第17条1項 (変更の登記の申請)

第十七条  第二条第二項各号に掲げる事項の変更の登記の申請書には、その事項の変更を証する書面を添付しなければならない。ただし、代表権を有する者の氏名又は住所の変更の登記については、この限りでない。

(以下、略)

★管理組合法人の解散
  法人となった管理組合の解散事由は区分所有法第55条1項にあります。

<参照>区分所有法 第55条 (解散)

第五十五条  管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
   一  建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失

   二  建物に専有部分がなくなつたこと。

   三  集会の決議

2  前項第三号の決議は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数でする。

*管理組合法人が解散しても、清算が終わるまで存続する

  注意しなければいけないのは、一度、法人として登記したら、解散しても、まだその法人は消滅しておらず、解散後の財産を清算する業務が残っているため、法律上、清算法人としての管理組合法人が重なって存在すると解釈されています。(区分所有法第55条の2)

<参照> 区分所有法 第55条の2 (清算中の管理組合法人の能力)

第五十五条の二  解散した管理組合法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす

 そこで、管理組合法人が解散したら、2週間以内に、登記所へ解散の登記をし(組合等登記令第7条参照)、清算手続きが「結了し」た時(清算結了)に管理組合法人は消滅し、清算人(理事)が「清算結終の登記」を申請します。(組合等登記令第10条参照) 

<参照>組合等登記令 第7条 (解散の登記)

第七条  組合等が解散したときは、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、
二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、解散の登記をしなければならない。

------------------------------------------
<参照>組合等登記令第10条 (清算結了の登記)

第十条  組合等の清算が結了したときは、清算結了の日から二週間以内に、その主たる事務所の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。

------------------------------------------
<参照>組合等登記令 第32条2項 26条25項: 
(管理組合法人等の登記に関する特則)

(注:改正あり)
2 25 建物の区分所有等に関する法律 (昭和三十七年法律第六十九号)
 第五十五条第一項第一号 又は 第二号 の規定による
 管理組合法人の解散の登記は、登記官が、職権ですることができる

 なお、区分所有法第55条1項の管理組合法人の解散事由の内、
   1号 建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
   2号 建物に専有部分がなくなつたこと
  の場合には、地震などの災害等を想定しているため、登記官も職権で、「解散の登記」ができますので、注意してください。(参照:組合等登記令第32条2項 26条25項: 特則)

★登記の義務はだれにあるのか。

  法人としての登記をしないと、区分所有法第71条5号により20万円以下の過料の罰則の適用があります。

<参照>区分所有法 第71条5号:(罰則);
 
五 第四十七条第三項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令に定める登記を怠つたとき。

  一般の解釈としては、登記の義務は組合の代表とされていますので、管理組合法人においては、理事が管理組合法人を代表しますので、理事に登記義務があります。

<参照>区分所有法 第49条2項:(理事);

管理組合法人には、理事を置かなければならない。
2項  理事は、管理組合法人を代表する
3項  理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。

  ただし、管理組合法人の解散の場合の「解散の登記」においては、解散により「清算人」が理事に代わりますので、この場合「清算人」に、登記の義務があります。(実態は、理事が清算人と呼び名が変わるだけですが。)(区分所有法第55条の3 参照)


{設問} 以下の文章は、正しいか。

1.管理組合法人の登記に当たっては、目的及び業務について、管理の目的物である建物を所在及び番号等で特定した上、これらの事項を証する書面を添付しなければならない。

答え:正しい。
 
区分所有法第47条3項により委任された政令である「組合等登記令」第2条2項1号によれば目的及び業務は登記事項であり、同令第32条 26条4項 によれば管理組合法人及び団地管理組合法人の設立の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。とされ、その2号に第二条第二項第一号に掲げる事項を証する書面が規定されている。(法改正で、適用条文も変更した。:平成22年6月12日)

2. 管理組合法人の理事として5名を選任し、そのうち1名を法人を代表する理事と定めたときは、代表理事及びその他の理事の氏名、住所及び資格の登記をしなければならない。

答え:誤りである。 代表となるものだけ。
 
組合等登記令第2条2項4号によれば、理事の登記は代表権を有する者の氏名、住所及び資格とされ、代表権を持たない理事の登記は除外されている。(法改正で、適用条文も変更した。:平成22年6月12日)

3.管理組合法人の登記事項のうち代表権を有する者の住所に変更が生じたときは、主たる事務所の所在地においては、2週間以内に、変更の登記をしなければならない。

答え:正しい。
 組合等登記令第3条1項によれば、組合等は、第二条に掲げる事項に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、変更の登記をしなければならない。(法改正で、適用条文も変更した。:平成22年6月12日)

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第四十七条

4項  管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。

過去出題 マンション管理士 H21年、
管理業務主任者 H23年、

★法人登記しなければ、第三者に対抗できない。

 当然に、世間に管理組合はこれから法人となりましたという情報公開が登記の目的から登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗する(主張)ことができないとされます。

 ここでの第三者とは、該当の管理組合法人の構成者である区分所有者以外の人です。該当の管理組合法人内の区分所有者に対してであれば、その区分所有者は内部の当事者ですから、第三者に当たらないため、登記前でも、登記事項は、対抗(主張)できます。

 管理組合法人として登記がなければ、第三者に対抗できないことは、情報を公開する登記の制度として当然であり、この規定が意味を持つのは管理組合法人としての設立後に、理事などの登記事項が変更されているにもかかわらず変更の登記を怠っている場合でしょう。
 変更登記の対象項目は名称・事務所(所在地)・理事などですが、通常、管理組合においてその名称や所在地は一度登記すればほとんど変更することは考え難く、この規定、第三者への対抗が現実に意味を持つのは退任した理事の行った行為が有効かどうかなどで争われるケースでしょう。

 ★マンションの所有者の団体(区分所有者の団体)は基本的に登記はしなくても、団体である(第3条)。
   しかし、事務所を定め、この法人化の登記をしてから始めて第三者に対抗できる。
 ★登記事項である代表者などの変更があれば、すぐに変更しないと、第三者に対抗できない。


{設問} 管理組合法人に関する次の記述は、区分所有法の規定によれば、正しいか。

*管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。

○ 正しい。  
 管理組合法人は登記が必要です。それが、区分所有法第47条
 「(成立等)
  第四十七条  第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。
   2  前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。
   3  この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
   4  管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。
   5  管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。
   6  管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
   7  管理組合法人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
   8  管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
   9  管理組合法人は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合においては、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。
   10  一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条 の規定は管理組合法人に、破産法 (平成十六年法律第七十五号)第十六条第二項 の規定は存立中の管理組合法人に準用する。
   11  第四節及び第三十三条第一項ただし書(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。
   12  管理組合法人について、第三十三条第一項本文(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を適用する場合には第三十三条第一項本文中「管理者が」とあるのは「理事が管理組合法人の事務所において」と、第三十四条第一項から第三項まで及び第五項、第三十五条第三項、第四十一条並びに第四十三条の規定を適用する場合にはこれらの規定中「管理者」とあるのは「理事」とする。
   13  管理組合法人は、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号 に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には同条第四項 中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には同条第一項 及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項 中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。
   14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。 」とあり、
4項に該当しています。

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第四十七条

5項  管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。

過去出題 マンション管理士 H29年、H28年、H27年、H20年、
管理業務主任者 R05年、H29年、H14年、

★管理組合法人への承継の意味  〜旧管理組合の行為を引き継ぐ〜

 本5項では、法人化前の区分所有者の団体(管理組合)の集会決議等が新しくできた管理組合法人にも、そのまま効力を有すると規定されています。

 例えば、ある債権の放棄を考えますと、法人化されていないと、債権放棄には区分所有者「全員の合意」が必要ですが、法人化後では区分所有者の「過半数の合意」で債権の放棄が可能になるというように、法人化の前と後で区分所有者の団体(管理組合)という団体の法的性質が異なると考える場合には、この5項の規定は、本来そうでないものをそうする特別規定ということになりますが、管理組合を法人化するということは管理組合という「権利能力なき社団」の実体はそのままで、つまり、法的にはあやふやな存在である団体に対して、法人格という完全な権利能力を付与するに過ぎないと考えるときは、元々管理組合という権利能力なき社団に効力があったものが管理組合法人にも引き続き効力を有するのは当然であり、その旨の確認規定でしか在りません。


 注意することは、区分所有者の団体(管理組合)が法人化される前には、「管理者」が置かれていますが、法人化されると管理者の代わりに「理事」が置かれます。
 そこで、管理組合法人が成立すると、それまで区分所有者の代理人であった管理者(区分所有法第26条2項)の職務の範囲内の行為は、新しくできた管理組合法人が管理者に代わって区分所有者の代理となり引き継ぎます。



     ★法人になる前の団体として決めた内容、規約・管理者の職務権限も当然、引き継ぐ。

     しかし、管理組合法人の設立前に、各区分所有者が共通に持っていた債権(滞納管理費)などは、引き継がないという判例がある。

◎「マンション管理の知識」では、法人になる前に団体的に帰属(区分所有者全員に帰属)していた、債権・債務は当然に法人に帰属する、と説明しているが?(平成20年版では、この前に、「総有的または合有的的に区分所有者全員に帰属」と注釈が入っている。P.142上段))

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第四十七条

6項  管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

過去出題 マンション管理士 R05年、R01年、H28年、H24年、H22年、H20年、H17年、
管理業務主任者 H29年、H26年、H25年、H24年、H22年、H20年、H19年、

★管理組合が法人化されると管理者のかわりに理事が置かれるので、管理者の規定(第4節 第25条〜第29条)が適用外となっていることに注意。(第47条11項参照)

<参照> 区分所有法 第18条4項:

 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。

★管理組合法人の区分所有者の代理 〜区分所有者を代理しているのは、理事ではない。「管理組合法人」である 〜

 管理組合法人には法人格が与えられていまから、これにより自然人と同様に権利義務の主体となることができ従って管理組合法人は代理人にも就任可能です。

 そこで、旧の区分所有法では法人でない場合の管理者の地位を管理組合法人自体に認めて、これに区分所有者の代理権を与えて第26条2項の管理者の保険金請求受領権を付与していました。

<参照>区分所有法 第26条2項:管理者の(権限)

 2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

 しかし、平成14年の区分所有法の改正では、管理者の権限である第26条2項と同様な規定を管理組合法人の規定として用い、広くその事務(管理組合法人の目的の範囲内の行為)について区分所有者の代理権を「管理組合法人」に認め、且つ新第26条と同様に、損害賠償と不当利得の場合の代理権も明記しました(6項)。

 本6項に、第26条2項の管理者の権限と同じような規定があるのは、エントランスや廊下などの建物の共用部分が受けた損害に対する損害保険金の請求権は、
民法では一般の管理行為に基づく団体的な債権ではなく、「個々の区分所有者に分割的に帰属すると解されています」から、ここで、損害保険金の請求と受領についても管理組合法人が、区分所有者を代理すると別途、明確に規定されたのです。
 これは、管理組合が法人化されると、管理者の代わりに理事が置かれて、管理者に関する条文(第4節 第25条〜第29条) の適用がなくなるためです。(11項)

 ところで、管理組合法人の場合は法人格がありますから、管理の主体として自ら活動する過程で管理組合法人自体に組合管理費債権等の権利や委託業務料支払い債務等の義務が帰属します。
 このように権利義務の帰属先が管理組合法人の場合には、その固有の事務として集会を意思決定機関、理事を代表機関としてその請求や履行ができることは勿論です。
 従って、本6項の規定は、解釈上、通常の管理組合法人に帰属されないもの、つまり個々の区分所有者に権利・義務が帰属するものについての代理権を管理組合法人に認めることを定めたものです。

    ★法人になることで、エントランスや廊下など建物の共用部分の損害保険契約(第18条4項)や管理者の権限と同じように(第26条2項)共用部分の損害賠償金・不当利得の返還・請求を法人として行う。

    ★共用部分の管理:これにより「狭義の管理」と同じ扱いで、普通決議(過半数)で決められる。

      規約で別段を定めてもいい。(区分所有法第18条2項参照)

   ★本来、民法では損害保険金の請求権は、区分所有者全員に団体的に帰属せず、個々の区分所有者に分割的に帰属すると解されている。

     そこで、この規定を設け、管理組合法人が区分所有者を代理し、法人の代表者である理事がその代理行為を代表で行う。
     この規定は、管理組合法人では、管理者の規定を適用外としたために、規定が必要となっている。(11項参照)

★区分所有法では、管理組合法人の「理事」が直接、区分所有者を代理するわけではない。
 管理組合法人が区分所有者を代理し、管理組合法人の代表者である理事がその代理行為を代表して行う。

(注:ただし、法人化していない場合の管理者は、区分所有者を代理している。区分所有法第26条2項)

<参照> 区分所有法 第26条2項:

管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

    

★それでは、代理と代表はどう違うのか?

代理権...代理行為ができる権限。代理は、代理人の行った行為の効果が、直接本人(各区分所有者)に帰属する。

代表とは...甲がある行為をしたときに、法律上、乙がしたと同じ効果を生じることのできるときの甲のことを言う。
          私法上、代理人と代表の明確な違いはないとされるが、区分所有法第47条6項の文言と同法第49条2項を纏める。



{設問}平成22年 管理業務主任者試験 「問3」

【問 3】 民法で定める代理人と区分所有法で定める管理者又は理事を比較した場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。                 

1 民法上の代理人の行った権限内の代理行為の効力は、本人に対して生じ、管理者の行った職務の範囲内の行為の効力は、区分所有者に対して生ずる。

○ 正しい。 
 「問3」の全体の解説として、区分所有法での、管理者はその職務について区分所有者を代理していますが、管理組合法人では、理事は代表であり、区分所有者を代理しているのは、管理組合法人であることを知っていると楽です。
  まず、民法の代理人の権限は、民法第99条
 「(代理行為の要件及び効果)
  第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
   2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。」とあり、
 代理行為の効力は、本人に対して生じますから、選択肢1の前半は正しい。
 では、区分所有法での管理者の代理についての規定は、区分所有法第26条
 「 (権限)
  第二十六条  管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
   2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。
   3  管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
   4  管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
   5  管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。」とあり、
 2項により、管理者は区分所有者を代理しています。そこで、民法が規定していますように、代理の結果は本人(区分所有者)に対して効果を生じますから、正しい。 民法でも区分所有法でも正しい。


2 権限の定めのない民法上の代理人は、保存行為をする権限を有しないが、管理者は、保存行為をする権限を有する。

X 誤っている。 
 権限を定めていない代理人とは、代理権は明らかに持っていますが、その権限の範囲が決められていない場合です。その場合に、代理人ができる範囲は、まず、民法第103条
 「(権限の定めのない代理人の権限)
  第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
    一  保存行為
    二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」とあり、
 1号により、保存行為(修理や現状維持)はできますから、誤っています。

 次に、区分所有法での管理者の権限は、この設問では曖昧です。
 というのは、区分所有法では、専有部分と共用部分があり、管理者が保存行為が出来るのは、選択肢1で引用しました区分所有法第26条1項
 「管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」とあり、管理者の保存行為が、共用部分等に限定されていて、設問のように単に保存行為を有する権限となると、専有部分について疑問がありますが、ここは、固いことを言わずに、管理者には、保存行為ができる、と言わせたいのでしょう。
 でも、設問の前半の民法の権限の定めのない代理人においては、誤りです。
 なお、共用部分の保存行為は、管理人だけでなく各共有者もできますから、注意してください。
 (区分所有法第18条1項:(共用部分の管理)
  第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 )


3 管理組合法人においては、理事が民法でいう代理人に該当し、管理組合法人が民法でいう本人に該当する。

X 誤っている。 
 管理組合法人の理事と管理者の違いです。
  ここは、単純に、区分所有法第47条6項
 「6  管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。 」とあり、
 区分所有者を代理しているのは、管理組合法人です。理事ではありません。
 なお、理事は、区分所有法第49条
 「(理事)
  第四十九条  管理組合法人には、理事を置かなければならない。
   2  理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
   3  理事は、管理組合法人を代表する
   4  理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
   5  前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
   6  理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
   7  理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
   8  第二十五条の規定は、理事に準用する。 」とあり、
  3項により、管理組合法人を代表しています。(代理と代表の違いは、別途勉強してください。)


4 民法上の代理人が損害保険契約をするためには本人から代理権を授与される必要があるが、管理者は、権限内の行為として自己の判断により共用部分につき損害保険契約をすることができる。

X 誤っている。 
 まず、民法で代理人が損害保険契約をするためには、選択肢2で引用しました、民法第103条
 「(権限の定めのない代理人の権限)
  第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
    一  保存行為
    二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」の
 権限の定めのない代理権の範囲には入っていませんから、本人から代理権を授与される必要があります。そこで、前半は正しい。
 では、区分所有法での管理者の権限は、これも、選択肢1で引用しました区分所有法第26条2項
 「2  管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。」とあり、
 損害保険契約に基づく保険金額の返還金の請求及び受領は、管理者の権限として、単独可能ですが、共用部分に損害保険契約をする行為については、区分所有法第18条
 「(共用部分の管理)
  第十八条  共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
   2  前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
   3  前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。
   4  共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。 」とあり、
 4項により、保存行為でなく、管理に関する事項とみなされていますから、自己の判断では出来ません。原則集会の決議または規約が必要です


答え:1 (ここも、過去問題をやっていれば、解答は早い。代理は、今までは、区分所有法からだけの出題であったが、民法を絡めた出題だ。)

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第四十七条

7項   管理組合法人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 R03年、H29年、

善意の第三者...ある事実を知らない第三者には、法人に加えた代理権の制限を主張できない。

★管理組合法人は、区分所有者を代理する。
  前の6項により、「管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する」としましたから、この法人の代理権は、規約や集会の決議によって、制限を加えることができます。

  そこで、代理権を与える場合、この法定代理権の範囲が確定していることが、外部との取引の安全には重要ですから、管理組合法人の内部的な制限、たとえば、ある行為の代理をする場合に理事の共同代理が必要とか、100万円以上など一定の金額以上を取引する場合は別途に、集会の承認が必要とか各種の制限を付することもできますが、その制限が善意の第三者(取引の相手方)に対抗(主張)できないとすべきことも、管理者の場合(第26条3項)と同様ですから、この旨新法で明文化のため、平成14年に追加されました。

<参照>区分所有法 第26条3項;

 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

★管理者の代理権(第26条3項)と同じように、代理権に制限のあることを知っている第三者(悪意)には対抗(主張)できるが、内部的な制限内容は分かりにくいので知らない人には対抗(主張)できないとしてある。

★なお、ここは、法人としての代理権の制限であり、同様な理事の代理権としての制限は、区分所有法第49条の2 にあります。

<参照>区分所有法 第49条の2;(理事の代理権)

第四十九条の二  理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない

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第四十七条

8項  管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。

過去出題 マンション管理士 R03年、H24年、H20年、H19年、
管理業務主任者 H29年、H27年、H26年、H15年

★訴訟担当 〜 管理組合法人に認める。ここも、理事が原告、被告になるのではなく、「管理組合法人」である

<参照>その事務に関し(第六項後段に規定する事項を含む)
 
 区分所有法第47条6項 後段とは、

 6 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。

  
第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。

★裁判には、当事者適格が必要 〜管理組合法人にも、訴訟で原告・被告になれるとした〜

 権利や義務での争いがあり、当事者間で解決がつかない時には日本では、裁判手続きにより解決を図ることになります。
 その裁判で問題となる訴訟の要件の1つは「当事者適格」といわれるもので、これは当該紛争の解決として与えられる判決が出されるにあたって、もっとも妥当な当事者が裁判に携わっているかどうかを判断するための資格で、これにより、訴える方(権利を主張する方)を「原告」と呼び、訴えられた方(原告の主張する権利保護を認める方=義務者)が「被告」となります。
 注:刑事事件のように常に「被告」は悪いことをした者ではないことに、注意してください。悪いことをしていなくても裁判で訴えられた方が「被告」と呼ばれるだけです。

 当然がら、裁判で出された判決文の効力は原則として当事者間にしか及びませんし、当事者の裁判を受ける権利を保障して紛争解決の実効性を図るためには当該紛争の当事者が原告又は被告になっているのが最も望ましいことから、通常はこの争いの当事者に原告又は被告となる当事者適格が認められます。

 そして、裁判は権利義務の存否を判断して判決しますから、権利や義務の主体であることを互いに争う当事者に当事者適格が認められ、具体的には、民法その他の権利義務を定める法律の規定により権利者又は義務者となる者に当事者適格が認められる関係にあります。

 管理組合が法人化されていない時におかれていた管理者はその職務に関して区分所有者のため訴訟担当者となりうることが認められていますが(第26条4項)、これは裁判外での代理権の行使の実態を裁判上でも貫徹させようとするものですから(法令上の訴訟代理人としてもよかったのでしょうが、その場合は本人たる区分所有者の訴訟追行権と衝突して多数の意思の実現が困難となることが予想されます。)、この点は管理組合法人に代理権を与える場合も管理者と同様といえます。

 そこで、平成14年の改正法では管理組合法人にもその事務(職務)に関して区分所有者のため訴訟担当者となりうることが明文化されました

<参照>区分所有法 第26条4項;

 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる

    この訴訟の当事者には、和解、支払命令、仮差押え、仮処分なども含まれる。

★訴訟なら必ず、規約での定め、又は集会の決議が必要 〜理事会の決定だけでは、訴えられない〜
 管理組合法人は、本8項により、訴訟を追行できますが、そのためには、必ず、規約で訴訟を起こしていいのか(原告)訴訟を受けるのか(被告)の定めがあるのか又は集会でその訴訟を認める決議(普通決議)が必要です。
 勝手に「理事会だけの決定」で訴訟行為(原告・被告となること)は出来ません。

 また、理事はあくまでも、管理組合法人の代表であり、代理権の帰属先は理事個人ではなく、管理組合法人にある。

★区分所有者のために
  区分所有者全員(訴訟に反対者も含めて)のために管理組合法人が、原告又は被告となり、結果は区分所有者全員に及ぶ。

 ただし、特定の区分所有者の管理費等の滞納の支払いを求める訴訟では、その滞納者は除かれるので、「区分所有者”全員”のために」という規定にせず、「区分所有者のために」と法案作成者が考えたとのこと。


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第四十七条

9項  管理組合法人は、前項の規約により原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合においては、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 未記入

遅滞なく...時間的な近接性を表す語句は、「速やかに」「遅滞なく」「直ちに」の順で 近接性が強くなります。つまり、
     1.「直ちに」.....理由の如何を問わず「すぐに」
      2.「遅滞なく」....正当な理由による遅延は許容される
     3.「速やかに」...上の2つよりはやや緩やか

★管理組合法人の訴訟担当者としての地位は、管理規約または個別の集会決議で付与されますが、規約で包括的に付与した場合に、個別の訴訟事件が発生したらその旨区分所有者に通知が必要なことも管理者の場合(第26条5項)と同様となっています。
 集会の決議でで原告・被告となった時には、区分所有者への通知は必要ありません。(よく、出題されます。)

  管理組合法人では、管理者の規定が適用されないため、管理者と同様な規定がなされています。(11項参照)

<参照> 区分所有法 第26条5項

 管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合には、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。

★「集会の決議」で管理組合法人が原告または被告になった時には、通知はいらない。
 本9項では、規約によって、前もって授権された内容により、原告または被告になった時だけに、遅滞なく区分所有者に通知することを求めているだけで、集会の決議によって、管理組合法人が原告または被告になった時には、各区分所有者が、集会によりその状況を知っているので、この場合には、区分所有者に対しての通知は不要です。

     ★集会の決議によらずに、原告・被告となれば、遅滞なく区分所有者に通知すること。通知の方法は集会の招集と同じ(第35条2項〜第35条4項)。

<参照> 区分所有法 第35条2項〜第35条4項(通知方法):

区分所有法 第35条2項  

専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。


<参照>区分所有法 第40条:

専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。

     ★共有:例えば専有部分の名義が夫婦の二人になっているときは、どちらか一人を議決権行使者とすること。
      議決権行使者が決まっていなければ、どちら宛でもいい。

     夫婦で持分が夫2/3、妻1/3でも、持分の少ない妻を議決権行使者にしても問題ない。

<参照> 区分所有法 第35条3項 

第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。


       ★通知すれば、転居先不明で戻ってきても、有効。

 <参照> 区分所有法 第35条4項  

建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。

       ★規約があれば、建物内の見やすい場所に掲示で有効だけど、規約がないと通知にならない。


{設問}平成20年 マンション管理士試験 「問8」

〔問 8〕  管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生じる。

○ 正しい。 
 区分所有法第47条5項 
   「5  管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。 」とある。


2 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理し、理事は、管理組合法人を代表する。

○ 正しい。代理・代表に注意。 
 区分所有法第47条6項 
   「6  管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領についても、同様とする。」とあり、前半は正しい。後半は、同法第49条2項  
   「2  理事は、管理組合法人を代表する。」とあり、後半も正しい。よって全部正しい。(注:区分所有者を代理しているのは、管理組合法人です。理事ではありません。)


3 管理組合法人は、その行為に基づいて成立する法律関係に係る訴訟について、法人自身がその名において追行することができる。

○ 正しい。 
 区分所有法第47条8項
   「8  管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。」とあり、可能である。


4 管理組合法人は、規約に別段の定めがあるときは、共用部分について、区分所有法第27条の管理所有をすることができる。

X 誤っている。 管理所有は管理組合法人には適用がない。
 管理組合が法人化されても、多くの規定が準用されているが、区分所有法第47条11項
  「11  第四節及び第三十三条第一項ただし書(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。」とあり、第4節とは管理者についての規定部分で第25条から第29条までを指す。第27条の管理所有は、この第4節にあるため、適用の除外となり、管理組合法人は、規約に別段の定めがあっても、共用部分について、区分所有法第27条の管理所有をすることはできない。


答え:4

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第四十七条 (*注1:準用の破産法の条文変更 第127条2項-->第16条2項 済み)

(旧10項)  民法第四十三条 、第四十四条、第五十条及び第五十一条の規定は管理組合法人に、破産法 (平成十六年法律第七十五号)第十六条第二項 の規定は存立中の管理組合法人に準用する。

第四十七条 (*注2:平成20年12月1日 :改正)          

10項  一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条 の規定は管理組合法人に、破産法 (平成十六年法律第七十五号)第十六条第二項 の規定は存立中の管理組合法人に準用する。

第四十七条第十項中「民法第四十三条、第四十四条、第五十条及び第五十一条」を「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条」に改める。

過去出題 マンション管理士 R03年、H24年、H16年、
管理業務主任者 H29年、H25年、H18年、

★この、第47条10項は、平成20年12月に、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行されたことにより、民法で規定していた法人の規定の準用から、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 」へと準用先が変更になりました。破産法の準用は、前と同じで変更がありません。


★一般社団法人及び一般財団法人に関する法律  の準用

  管理組合法人は人の集団であることから社団法人の一種で、社団法人の原則規定である民法の法人の規定が広く準用されていましたが、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 」の制定により、旧10項で準用されていた民法第43条、第44条、第50条や第51条は民法上で削除されたので、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」へと準用先が変更になりました。

1.法人の住所 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第4条の準用

<参照> 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第4条 (住所)

第四条  一般社団法人及び一般財団法人の住所は、
その主たる事務所の所在地にあるものとする。

  準用されている、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第4条は、管理組合法人の所在地を、主たる事務所としています。
  これは、
民法第50条と同じ規定です。

  管理組合が法人化されると、その名称には必ず「管理組合法人」を入れなければならず(第47条2項参照)、また、事務所を定めることも規定されています(第47条1項参照)。
 管理組合法人の事務所は、必ずしも、その建物の所在地でなくても構いませんし、1事務所だけでなく、複数の事務所が存在しても、これはあまり現実的ではありませんが、理論上はかまいません。複数の事務所がある場合には、その内の1つを「主たる事務所」として、その場所を管轄する登記所に登記します。そのための規定です。

2.不法行為能力 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条の準用

<参照> 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第78条 (代表者の行為についての損害賠償責任)

第七十八条  一般社団法人は、代表理事その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。


 次に準用されています、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条は、管理組合法人の代表理事(理事長)や他の理事が行った職務で第三者に損害を与えた場合には、管理組合法人が責任を負うことを明記しています。
 これは、
民法第44条1項の規定を受けたものです。

 この民法第44条は、以前から「法人に不法行為能力」があるかどうかで、論争があった箇所です。(不法行為については、民法第709条参照)

<参照> 民法 第709条

第五章 不法行為

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 今日では、代表機関に「その目的の範囲内においてだけ行為能力を認め」代表機関がその職務を行ったために第三者に損害を与えた場合には、法人が賠償責任を負うとされていますが、依然として「その職務」の範囲が個人の行為か法人としてのものかの認定が難しく、裁判でも多くの争いがあります。
なお、法人が責任を負う場合でも、理事自身もまた責任を負うとされています。(大審院判決:昭和7年5月27日)
 また、削除される前の
民法第44条2項では、「2  法人の目的の範囲を超える行為によって他人に損害を加えたときは、その行為に係る事項の決議に賛成した社員及び理事並びにその決議を履行した理事その他の代理人は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。」の規定がありましたが、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条では、この民法第44条2項の条文は入っていませんので、注意してください。

★破産法 第16条2項 の準用

 ◎法人の破産手続開始の原因の適用外となる 〜単なる債務超過は破産手続開始の原因とならない〜

<参照> 破産法 第16条 (法人の破産手続開始の原因)

第十六条  債務者が法人である場合に関する前条第一項の規定の適用については、同項中「支払不能」とあるのは、「支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)」とする。

2  前項の規定は、存立中の合名会社及び合資会社には、適用しない。

     * 管理組合法人にも破産法第16条の前条1項(第15条1項)の規定は適用しない。

<前条> 破産法 第15条 (破産手続開始の原因)

第十五条  債務者が支払不能にあるときは、裁判所は、第三十条第一項の規定に基づき、申立てにより、決定で、破産手続を開始する。
2  債務者が支払を停止したときは、支払不能にあるものと推定する。

 更に、破産手続き開始の原因(理由)である破産原因について管理組合法人には破産法(平成十六年六月二日法律第七十五号)第16条2項の規定が準用され、支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)とあり、ここは、存立中の合名会社及び合資会社については、債務超過のみでは破産原因とはならないと解釈されています。(第15条だけの適用となる。)

 通常、自然人でも法人でも破産手続開始の共通の原因は支払不能(何が、支払不能かは、定義がむつかしいのですが、ラフに弁済期にあるものを弁済できないと考えてください。)です(第15条)。
 そして、破産者が法人である場合には、支払不能又は債務超過(債務者が、その債務につき、その財産をもって完済することができない状態をいう。)が破産原因となります(第16条1項)。
 株式会社等のいわゆる物的会社においては、法人に帰属する財産のみが債権者の債権の引き当てとされているからです。他方、法人であっても、存立中の合名会社又は合資会社の場合は、債務超過だけでは破産原因になりません(第16条2項)。

 管理組合法人においても債務超過が破産原因から除外されるのは、合名・合資会社の場合と同様、管理組合法人には無限責任の構成員(区分所有者)がいるため法人会計において債務が超過してもすぐに清算しなくとも債権者保護に支障がなく、それよりも法人継続による構成員保護の方が優先されるという理由によります。

 なお、この規定の存在から管理組合法人には破産能力自体は肯定されていることがわかります。 ただし、破産は、管理組合法人の解散事由ではありませんので、注意してください。(参照:区分所有法第55条


★以下は、平成20年12月の改正前の解説です。参考にしてください。

民法 等の準用

管理組合法人は社団法人の一種ですから、社団法人の原則規定である民法の規定が広く準用されます。

10項では、法人はその設立の目的の範囲内で権利能力を有するとする 民法第43条、法人は理事が職務を行うにつき他人に与えた損害の賠償義務を負う第44条、法人の住所はその主たる事務所の所在地にあるとする第50条及び財産目録および社員名簿に関する第51条の規定が管理組合法人に準用されることとなっていますが当然のことです。

なお、このことは当該団体が社団であることからの結論ですから、法人化前の管理組合でもそれが社団であれば当然準用される規定です。

<参照>民法 

第四十三条:法人の能力; 
  法人は、法令の規定に従い、定款又は寄附行為で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

第四十四条:法人の不法行為能力等;
 法人は、理事その他の代理人がその職務を行うについて他人に加えた損害を賠償する責任を負う。

 
変更 → 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条 (代表者の行為についての損害賠償責任) に準用へ (区分所有法第47条10項)

  2  法人の目的の範囲を超える行為によって他人に損害を加えたときは、その行為に係る事項の決議に賛成した社員及び理事並びにその決議を履行した理事その他の代理人は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。

第五十条:法人の住所;
 法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

変更 → 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第4条 (住所) の準用へ (区分所有法第47条10項)

第五十一条: 財産目録及び社員名簿;
 
法人は、設立の時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。

  2  社団法人は、社員名簿を備え置き、社員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

変更 → 区分所有法第48条の2 で新設へ

       ★管理組合法人となると、
         1.財産目録の作成・据え置きの義務
         2.社員名簿の据え置き、変更の義務 がある。  この場合の「社員名簿」は、「区分所有者名簿」のこと。

  ここまで、旧での解説です。
  なお、ここで、準用されていた、旧の民法第51条で規定されていた、財産目録と区分所有者名簿は、区分所有法第48条の2 として新しく追加されています。



{設問-1}次の文章は正しいか。(ここは、平成20年12月の改正以前の出題です。)

  *理事は、財産目録を作成しなかった場合や不正の記載をした場合には、20万円以下の過料に処される。

 答え:正しい。
 旧区分所有法第47条10項の旧民法第51条の準用により財産目録の作成が義務付けられており、違反の場合は、区分所有法第71条6号により過料となる。

  正しい。新:区分所有法第48条の2 1項により、管理組合法人には財産目録の作成が義務づけられており、
理事が、財産目録を作成しなかったり、不正の記載や記録をすると同法第71条6号により過料20万円以下となる。


{設問-2}次の文章は正しいか。(ここは、平成20年12月の改正以前の出題です。)

* 管理組合法人は、理事がその業務を行うに当たって他人に損害を与えた場合、法人自体にこれを賠償する責任があり、理事が直接その損害を賠償する責任を負うことはありません。

 答え:間違い。
 旧区分所有法第47条10項の旧民法第44条の準用により、法人は不法行為責任を負うが、その行為は同時に理事の行為でもあるので民法709条(不法行為による損害賠償)
「第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」 の要件を満たせば理事も法人と連帯して責任を負うことがある。

 間違い。新:区分所有法第47条10項で準用される、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第78条により理事がその職務を行うについて第三者に損害を与えると、法人が損害賠償責任を負う。その行為は同時に理事の行為でもあるので民法709条(不法行為による損害賠償)
「第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」 の要件を満たせば理事も法人と連帯して責任を負うことがある。

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第四十七条

11項  第四節及び第三十三条第一項ただし書(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。

過去出題 マンション管理士 H28年、H24年、H20年、
管理業務主任者 R05年、R03年、R01年、H26年、H17年、

★第4節(第25条から第29条まで)とは、管理者についての規定。管理組合法人では、管理者を置けないので、適用除外となる。

★管理組合法人に適用しない規定
 〜管理者の規定〜
 

 適用されないのは、以下の項目です。

 第4節:管理者 第25条 〜 第29条の全部

   第25条:選任及び解任、
   第26条:権限、 
   第27条:管理所有、 
   第28条:委任の規定の準用、 
   第29条:区分所有者の責任等 

 そして、第33条1項但し書き:
 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又は その代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

は管理組合法人には、適用しない。

  (注:条文上は、サラット「適用しない」となっているが、その内容は重要です。)

★管理者条項の不適用 管理組合法人には管理者はおけない → 理事が置かれる 〜

 区分所有者の団体を法人化した管理組合法人には、その執行機関としてあとで規定される理事が常設されます(第49条参照)から、区分所有者の団体が法人でないときの執行機関である管理者(区分所有者の代理人)は必要がなくなります。

 そのため、区分所有法第4節(第25条から第29条)で規定している管理者についての各条項は管理組合法人では適用の余地がなくなり、第5節(第30条から第46条)の規約および集会の各条項のうち「管理者」という文言は「理事」という文言に読み替えられて管理組合法人に適用されることになります。(12項)

 なお、この適用除外での第27条の「管理所有」も管理組合法人には適用がないことに注意してください。

 本11項と次の12項はこのような事項の確認規定です。

   ★ 第4節 (第25条〜第29条)は管理組合が法人化されていないときの管理者の規定。管理組合が法人化されると管理者に対応しているのが、理事なので、管理組合法人には適用しない。

     だけど、「管理者」となっている第5節の規約の保管、集会の招集などの規定は、管理者を法人の代表である理事に読み替えて適用されている。第47条12項参照。

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第四十七条

12項  管理組合法人について、第三十三条第一項本文(第四十二条第五項及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定を適用する場合には第三十三条第一項本文中「管理者が」とあるのは「理事が管理組合法人の事務所において」と、第三十四条第一項から第三項まで及び第五項、第三十五条第三項、第四十一条並びに第四十三条の規定を適用する場合にはこれらの規定中「管理者」とあるのは「理事」とする。

過去出題 マンション管理士 H30年、H27年、H22年、H14年、
管理業務主任者 H24年、

★管理者条項の読み替え 〜「管理者 → 理事 」〜

 区分所有者を代理している管理組合法人には、その執行機関として理事が常設されます(第49条参照)から、区分所有者の団体が法人でないときの執行機関である管理者は必要がなくなります。

 そのため、第4節(第25条〜第29条)の管理者の選任や権限などの条文は適用の余地がなくなります。しかし、区分所有法では、管理組合が法人化されても、規約や集会は、法人化にかかわらず、同じ方式でやることにしました。

 そこで、第5節の「規約及び集会」(第30条から第46条まで)の各条項のうち「管理者」という文言は「理事」という文言に読み替えられて管理組合法人に適用されることになります。
 前の11項と本12項はこのような事項の確認規定です。

    ★管理組合法人では執行機関としての理事の設置は必須であり、理事が管理者に代わる。そこで「管理者」を「理事」に読み替える。

<参照> 区分所有法 第33条1項 本文:(規約の保管及び閲覧)

第三十三条  規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

 規約は、管理者{読み替え――>理事が管理組合法人の事務所において保管しなければならない。


*注意:この第33条1項本文は、管理者なら特に「事務所」にて保管の指定はないが、管理組合法人の理事なら「事務所にて保管」と規定されていて、出題され易い。
     なお、管理組合法人には、理事の設置は必須のため(第49条)、「ただしがき」は、ありえないので、適用されていない。

      区分所有法 第34条1項  集会は、管理者{読み替え――>理事}が招集する。

      区分所有法 第34条2項 管理者{読み替え――>理事}は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。

      区分所有法 第34条3項 区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者{読み替え――>理事}に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる

      区分所有法 第34条5項  管理者{読み替え――>理事}がないときは、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。

注:管理組合には、理事の設置は必須(第49条1項)との関係。
  ここは何らかの事情で理事が欠けた場合を想定してください。

      区分所有法 第35条3項  第一項の通知は、区分所有者が管理者{読み替え――>理事}に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。

      区分所有法 第41条 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者{読み替え――>理事}又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。

      区分所有法 第43条  管理者{読み替え――>理事}は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

★注意:区分所有法では、「理事長 」の名称は規定されていません。「理事」だけが規定されています。標準管理規約(単棟型)では、「管理者=理事長」となっていて、その違いが良く出題されている。

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第四十七条

13項  管理組合法人は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条の規定を適用する場合には同条第一項及び第二項中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。

過去出題 マンション管理士 H18年、
管理業務主任者

★団体としての法人税との関係...原則、「公益法人等」とみなす。 
 
みなす...「推定する」と違って、反証を許さない。

★ 税法の取り扱い 〜法人税法(13項) 及び 消費税法(14項) 〜

 管理組合法人の設立目的は建物・敷地・附属施設の管理ですから、本来的に、営利を目的としていない非営利法人に該当します。
 そこで、法人税法および消費税法上(次の14項参照)は「公益法人等」(法人税法第2条6号、消費税法別表第3)に該当するものとされますが、但し、マンションの外部の人に駐車場を貸して料金をとるような収益事業(販売業、製造業、貸付業など)に関しては普通法人としての取扱いを受けるものとされています。(13項、14項)

 この点は、法人化されていない区分所有者の団体(管理組合)も「人格のない社団等」(法人税法第2条8号、消費税法第2条7号)として法人並みの取り扱いを受け、収益事業に関しては普通法人並みの取扱を受けることと同様です。

<参照>法人税法 :(定義)

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
     一  国内 この法律の施行地をいう。
     二  国外 この法律の施行地外の地域をいう。
     三  内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
     四  外国法人 内国法人以外の法人をいう。
     五  公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
     六  公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう
     七  協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
     八  人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
     九  普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。
     九の二  非営利型法人 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。)のうち、次に掲げるものをいう。
       イ その行う事業により利益を得ること又はその得た利益を分配することを目的としない法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの
       ロ その会員から受け入れる会費により当該会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であつてその事業を運営するための組織が適正であるものとして政令で定めるもの

 (以下中略)

      十三 収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。

 (以下略)

 そこで、区分所有者から徴収する管理費や修繕積立金については、収益を分配しない点から課税されないし、その預金の利息は所得税として源泉徴収はされますがそれ以外は課税されません。
 また、区分所有者や居住者が利用し収める駐車費も課税されませんが、区分所有者や居住者以外の外部の人に駐車場を貸して得た収入は、「収益事業」となり、課税されますから、別途の経理区分も必要です。

 また、法人格を取得したからといって、税金面で取扱いが変わることはありません。具体的には、次のような取り扱いになります。



***** 税務処理 について ******************************

◎ 法人税 〜管理組合法人は、「公益法人等」とみなされ、「収益事業」でない限り法人税は納めない。 法人化されていない管理組合も「人格のない社団等」となり同様。 〜
 
 通常の「内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人)」であれば、法人税の対象になりますが、管理組合法人は区分所有法第47条第13項の特別扱いの規定で、法人税に関しては、法人税法第2条第6号の「公益法人等」とみなされ、収益事業から生じた所得以外には課税されません。
 つまり、非収益事業に対しては管理組合は法人であっても法人でなくても、共に非課税です。ただし、区分所有者や居住者以外の外部の人に駐車場を貸した時などは収益事業とみなされ課税されます。

<参照>法人税法 第二章 納税義務者 第4条1項

 「第四条  内国法人(注:国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。)は、この法律により、法人税を納める義務がある。
 ただし、公益法人等又は人格のない社団等については収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合又は第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る

 (以下略)

 公益法人等(法人化された管理組合)又は「人格のない社団等(法人化されていない管理組合)」については、”収益事業を行う場合”等では法人税を納める義務があります。逆に、”収益事業を行わない場合”には、法人税は収める必要がないということです。

★収益事業とは 
 それでは、収益事業とは、法人税法第2条13号に定義され、

<参照> 法人税法 (定義) 第2条13号

  「13 収益事業  販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるもの

   です。

 ・販売業、製造業その他の政令で定める事業」とは、具体的には、法人税施行令第5条1項に、物品販売業を筆頭に 次の34業種が挙げられています。これらの事業に該当すれば、課税対象になります。

<参照>  法人税法施行令 第5条1項 より 抜粋。

(1) 物品販売業   (2)不動産販売業   (3)金銭貸付業   (4)物品貸付業   (5)不動産貸付業  (6) 製造業   (7)通信業   (8)運送業   (9)倉庫業  (10)請負業  (11)印刷業  (12)出版業  (13)写真業  (14)席貸業  (15)旅館業  (16)料理店・飲食店業  (17)周旋業  (18)代理業  (19)仲立業  (20)問屋業  (21)鉱業  (22)土石採取業  (23)浴場業  (24)理容業  (25)美容業  (26)興行業  (27)遊技所業  (28)遊覧所業  (29)医療保健業  (30)技芸・学力教授業 (31)駐車場業  (32)信用保証業  (33)無体財産権の提供業  (34)労働者派遣業

 ・では、「継続して行われるもの」とは、 
 
 国税庁が出している法人税の基本通達:第15章 公益法人等及び人格のない社団等の収益事業課税 第1節 収益事業の範囲 第1款 共通事項:によれば、

<参照> 法人税の基本通達:第15章 公益法人等及び人格のない社団等の収益事業課税 
 第1節 収益事業の範囲 
 第1款 共通事項

 15−1−5 
法第2条第13号《収益事業の意義》の「継続して……行われるもの」には、各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもののほか、次のようなものが含まれることに留意する。(昭56年直法2−16「七」、平20年課法2−5「二十九」により改正)

  (1) 例えば土地の造成及び分譲、全集又は事典の出版等のように、通常一の事業計画に基づく事業の遂行に相当期間を要するもの

  (2) 例えば海水浴場における席貸し等又は縁日における物品販売のように、通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの

  (注) 公益法人等令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当する事業(以下15−1−5において「特掲事業」という。)とこれに類似する事業で特掲事業に該当しないものとを行っている場合には、その行う特掲事業が継続して行われているかどうかは、これらの事業が全体として継続して行われているかどうかを勘案して判定する

  「継続して行われるもの」とは、基本的には、「各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもの」です。
 そして、公益法人等(管理組合法人)では、事業の判定が難しい時には、「全体として、継続しているかどうか」を勘案(あれこれ考えて)して判断するとのことです。

 ・次に、「事業所を設けて行われるもの」は、同じく、国税庁が出している法人税の基本通達:第15章 公益法人等及び人格のない社団等の収益事業課税 第1節 収益事業の範囲 第1款 共通事項:によれば、

<参照> 法人税の基本通達:第15章 公益法人等及び人格のない社団等の収益事業課税 
 第1節 収益事業の範囲 
 第1款 共通事項

 15−1−4 
法第2条第13号《収益事業の意義》の「事業場を設けて行われるもの」には、常時店舗、事務所等事業活動の拠点となる一定の場所を設けてその事業を行うもののほか、必要に応じて随時その事業活動のための場所を設け、又は既存の施設を利用してその事業活動を行うものが含まれる。したがって、移動販売、移動演劇興行等のようにその事業活動を行う場所が転々と移動するものであっても、「事業場を設けて行われるもの」に該当する。(昭56年直法2−16「七」、平20年課法2−5「二十九」により改正)

 

 とのことで、「事業所」は、管理組合法人では、区分所有法第47条1項により、必ず「事務所」を設けますから、「事務所=事業所」と判断されて、管理組合法人が「収益事業」を営む場合には、法人税の課税対象になります。

<参照>区分所有法 第47条1項

第六節 管理組合法人
(成立等)
第四十七条 第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。

(以下略)

 法人化の有無にかかわらず管理組合が行う「収益事業」としては、自動販売機からの収益、看板料、外部の人からの駐車場の賃貸料、携帯電話の基地局設置収入などが上げられ、これらの収益事業所得に対しては、法人税が課せられます。

*収益事業に該当する例
 各区分所有者からの管理費や修繕積立金は、収益事業ではないため、法人税の対象ではありませんが、公益法人等である管理組合でも、以下のような場合には、収益事業となり法人税が課せられます。
 1.マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合
   【照会要旨】
   Aマンション管理組合は、移動体通信業者Xとの間で、携帯電話基地局(アンテナ)設置のためにマンション屋上 (共用部分)の使用を目的として、建物賃貸借契約を締結することとなりました。…当該設置料収入は、法人税法上の収益事業(不動産貸付業)に該当することとなりますか。

   【回答要旨】
   収益事業たる
不動産貸付業に該当します。

 2.駐車場の外部貸し収入(駐車場業)
 3.区分所有者以外のゲストルームの宿泊料(旅館業)
 4.自動販売機の収入(物品販売業)
 5.公告看板の収入(不動産貸付業)
 6.自転車のレンタル(物品貸付業)
 


*収益事業に該当しない例
  一方、以下のような場合には、収益事業とみなされず、法人税は課税されません。
 1.団地管理組合又は団地管理組合法人(以下「管理組合」といいます。)が、その業務の一環として、その区分所有者(入居者)を対象として行っている駐車場業
   (事業の概要)
    1 駐車場業は、その区分所有者を対象として行われています。
    2 駐車場の敷地は、その区分所有者が所有しています。
    3 その収入は、通常の管理費等と区分することなく、一体として運用されています。
    4 駐車料金は、付近の駐車場と比較し低額です。 
   【回答要旨】
   
照会の事実関係を前提とする限り、収益事業に該当しません。
   (理由)
    1 管理組合という地域自治会が、その自治会の構成員を対象として行う共済的な事業であること。
    2 駐車料金は、区分所有者が所有している共有物たる駐車場の敷地を特別に利用したことによる「
管理費の割増金」と考えられること。
    3 その収入は、区分所有者に分配されることなく、管理組合において運営費又は修繕積立金の一部に充当されていること。

 2.管理費・修繕積立金(不課税)
 3.公益法人等がその会員等に対して有償で物品の頒布を行っている場合であっても、当該物品の頒布が当該物品の用途、頒布価額等からみて専ら会員等からその事業規模等に応じて会費を徴収する手段として行われているものであると認められるときは、当該物品の頒布は、物品販売業に該当しない。

★区分所有法第47条13項による法人税法の読み替え
 「この場合において、
  @同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、
  A同法第六十六条の規定を適用する場合には
    ア.同条第一項及び第二項中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、
    イ.同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。」

<参照> 法人税法 第四目 寄附金

(寄附金の損金不算入)
第三十七条 内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額(次項の規定の適用を受ける寄附金の額を除く。)の合計額のうち、その内国法人の当該事業年度終了の時の資本金等の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

2 内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に完全支配関係(法人による完全支配関係に限る。)がある他の内国法人に対して支出した寄附金の額(第二十五条の二(受贈益の益金不算入)又は第八十一条の三第一項(第二十五条の二に係る部分に限る。)(個別益金額又は個別損金額の益金又は損金算入)の規定を適用しないとした場合に当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額又は各連結事業年度の連結所得の金額の計算上益金の額に算入される第二十五条の二第二項に規定する受贈益の額に対応するものに限る。)は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

3 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに次の各号に掲げる寄附金の額があるときは、当該各号に掲げる寄附金の額の合計額は、同項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。
   一 国又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。)に対する寄附金(その寄附をした者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)の額
   二 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額
     イ 広く一般に募集されること。
     ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。

4 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに、公共法人、公益法人等
(注:読み替え 公益法人等(管理組合法人並びに
別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人を除く。以下この項及び次項において同じ。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金(出資に関する業務に充てられることが明らかなもの及び前項各号に規定する寄附金に該当するものを除く。)の額があるときは、当該寄附金の額の合計額(当該合計額が当該事業年度終了の時の資本金等の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、当該計算した金額に相当する金額)は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。ただし、公益法人等が支出した寄附金の額については、この限りでない。

(以下、略)

    

◎寄付金の損金算入の不適用 〜普通法人扱いになる〜

 法人税法37条4項が適用される場合には、寄付金の損金算入は、公益法人等については認めるが、管理組合法人には、認めないので普通法人扱いになります。(除かれます)

<参照> 法人税法 第二節 税額の計算

第一款 税率

(各事業年度の所得に対する法人税の税率)

第六十六条 内国法人である普通法人(注:読み替え 普通法人(管理組合法人を含む。)、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十三・二の税率を乗じて計算した金額とする。

2 前項の場合において、普通法人(注:読み替え 普通法人(管理組合法人を含む。)のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの、一般社団法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得の金額のうち年八百万円以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の十九の税率による。

3 公益法人等注:読み替え 公益法人等(管理組合法人及び 一般社団法人等を除く。)又は協同組合等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の十九の税率を乗じて計算した金額とする。

(以下、略)
    

◎法人税法第66条の規定を適用する場合
  管理組合法人の収益事業所得は、普通法人並みとなります。

-----------------------------------------------------------------------

◎地方税 〜住民税〜
 地方税は、国税と異なり、地方自治体がかける税金です。

 地方税では所得に注目して、住民税と呼ばれる(都)道府県民税と市町村民税があり、そこに住んでいる個人だけでなく法人にも課税されます。

住民税は、その市町村の教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理といった身近な行政の行為に使われます。
総務省では、「個人住民税は、地域社会の費用の負担を住民が広く分かち合う「地域社会の会費」的な性格を有する税です。」と言っています。法人住民税も同様です。

 ア.個人には、住民税として、
   @均等割 と 
   A所得割 が課せられ、 
 イ.法人には、
   @均等割 と 
   A法人税割 が課せられます。

  @均等割 は、所得が非課税限度額を上回ると、そこに住む個人や法人(資本金や従業員の数により負担が異なる)が一定の額で等しく(均等に)負担します。

  ア.Aの個人の所得割は、個人の所得(収入金額 ー 必要経費)から所得控除額を引いた課税所得金額に、一律10%(道府県民税=4%、市町村民税=6%、ただし、政令指定都市では、道府県民税=2%、市民税=8%)の税率で負担します。

  イ.Aの法人の法人割税は、法人税額に応じて、道府県民税なら、法人税額 x 1.0% 、市町村民税なら、法人税額 x 6.0% で計算します。 

   均等割は個人も法人も支払いますが、個人の所得割や法人税割は、所得が少なかったり、赤字なら支払わないこともあります。

 そこで、法人化されていない区分所有者の団体(管理組合)(人格のない社団)の存在が微妙ですが、税務署に確認したところでは、以下のように扱われます。

 1.収益事業を行っていない、法人化されていないマンションの管理組合について 〜人格のない社団等〜  
 法人化されていない管理組合は、「人格のない社団等」にあたるので、人格のない社団等は法人ではないため法人住民税の対象ではなく、@の均等割も またAの法人税割 もありません。
  
  ただし、法人化されていない管理組合でも、収益事業を行うものについては地方税法第294条第8項において法人としてみなして法人の市町村民税の規定を適用する旨定められているため、法人住民税の対象となります。

 2.収益事業を行っていない、法人化されたマンションの管理組合について 〜公益法人等〜

  法人化されたマンションの管理組合は法人税法第2条6号に規定する「公益法人等」とみなすこととされています。
  法人化されていない管理組合が「人格のない社団等」であることと異なった扱いとなります。

  地方税法第294条第1項3号において、市町村内に事務所又は事業所を有する法人は、@均等割及び A法人税割が課されることとされています。
 一部の法人については地方税法第296条において非課税の定めがありますが、管理組合法人は該当しません。
 収益事業を行っていない法人化されたマンションの管理組合は、Aの法人税割がありませんので、地方税法第312条第1項及び第3項第4号(税率を規定)に基づき、 @の均等割のみが課されることとなります。

<参照> 地方税法 第294条 :(市町村民税の納税義務者等)

第二百九十四条  市町村民税は、第一号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び第四号の者に対しては均等割額によつて、第五号の者に対しては法人税割額によつて課する。
     一  市町村内に住所を有する個人
     二  市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
     三  市町村内に事務所又は事業所を有する法人
     四  市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下この節において「寮等」という。)を有する法人で当該市町村内に事務所又は事業所を有しないもの
     五  法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二 に規定する法人課税信託をいう。以下この節において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で市町村内に事務所又は事業所を有するもの

   2  前項第一号の市町村内に住所を有する個人とは、住民基本台帳法 の適用を受ける者については、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいう。

   3  市町村は、当該市町村の住民基本台帳に記録されていない個人が当該市町村内に住所を有する者である場合には、その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。この場合において、市町村長は、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知つたときは、その旨を当該他の市町村の長に通知しなければならない。
   4  前項の規定により市町村民税を課された者に対しては、その者が記録されている住民基本台帳に係る市町村は、第二項の規定にかかわらず、市町村民税を課することができない。

   5  外国法人に対するこの節の規定の適用については、その事業が行われる場所で政令で定めるものをもつて、その事務所又は事業所とする。

   6  第二百九十六条第一項第二号に掲げる者で収益事業を行うもの又は法人課税信託の引受けを行うものに対する市町村民税は、第一項の規定にかかわらず、当該収益事業又は法人課税信託の信託事務を行う事務所又は事業所所在の市町村において課する。

   7  公益法人等(法人税法第二条第六号 の公益法人等並びに防災街区整備事業組合、管理組合法人及び団地管理組合法人、マンション建替組合、地方自治法第二百六十条の二第七項 に規定する認可地縁団体、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第七条の二第一項 に規定する法人である政党等並びに特定非営利活動促進法第二条第二項 に規定する特定非営利活動法人をいう。)のうち第二百九十六条第一項第二号に掲げる者以外のもの及び次項の規定によつて法人とみなされるものに対する法人税割(法人税法第七十四条第一項 の申告書に係る法人税額を課税標準とする法人税割に限る。)は、第一項の規定にかかわらず、これらの者の収益事業又は法人課税信託の信託事務を行う事務所又は事業所所在の市町村において課する。

   8  法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、かつ、収益事業を行うもの(当該社団又は財団で収益事業を廃止したものを含む。以下市町村民税について「人格のない社団等」という。)又は法人課税信託の引受けを行うものは、法人とみなして、この節の規定中法人の市町村民税に関する規定を適用する

   9  第六項から第八項までの収益事業の範囲は、政令で定める。

(*)収益事業を行う管理組合及び管理組合法人 〜法人とみなされる〜

   ◎法人税...法人住民税、事業税を確定申告・納付する。

◎所得税
 所得税法第11条第1項の規定が適用されず、一般の内国法人として課税されます。「公益法人」としての扱いを受けませんので、預金利子や配当による所得に対して課税されます。

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◎消費税

  消費税は、商品や製品の販売、またサービスの提供などの取引に対して課税され、消費者が負担しますが、納付は事業者で、納税義務者とか課税事業者とか呼ばれます。
 
 なお、消費税は、価格に上乗せされた消費税と地方消費税分があります。
 税率は、令和元年(2019年)10月1日から、標準税率 10%なら 消費税率 7.8%、 地方消費税率 2.2% です。
 飲食品などに適用される軽減税率 8%なら、消費税率 6.24%、地方消費税率 1.76%です。

*消費税の課税対象
  消費税の課税対象は、
   @日本国内において
   A事業者(個人事業者と法人)が事業として行った
   B資産の譲渡等...対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)
  であれば、消費税が課されます。(消費税法第4条及び第2条)

  外国から商品を輸入する場合には、輸入時に課税されます。

<参照> 消費税法 第4条  (課税の対象

第四条 国内において事業者が行つた資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。

 (以下略)

*非課税取引
  但し、消費税の性格と社会政策(世論の動向)によって、全ての取引が消費税の対象となっていません。
  例えば、家賃は消費税が導入された平成元年(1989年)には、3%課税でした。
しかし、賃借人の反対運動により、平成3年(1991年)に、消費税の課税対象から外されています。

  現在、以下の取引は、非課税です。
   A.税の性格から課税対象になじまないもの
   1 
土地の譲渡(地上権、地役権など)、貸付け(一時的なものを除く。)など(但し、建物の譲渡の方は、課税対象に注意)
   2 有価証券、支払手段の譲渡など
   3 利子、保証料、保険料など
   4 特定の場所で行う郵便切手、印紙などの譲渡
   5 商品券、プリペイドカードなどの譲渡
   6 住民票、戸籍抄本等の行政手数料など
   7 外国為替など
   ------------------------------
   B..社会政策的な配慮
   8 社会保険医療など
   9 介護保険サービス・社会福祉事業など
   10 お産費用など
   11 埋葬料・火葬料
   12 一定の身体障害者用物品の譲渡・貸付けなど
   13 一定の学校の授業料、入学金、入学検定料、施設設備費など
   14 教科用図書の譲渡
   15 
居住用住宅の貸付け(一時的なものを除く。)(住宅の家賃)但し事務所の貸付けは、課税。

*共益費も「家賃」に含まれて、消費税はかからない。
   
共同住宅の共用部分に係る費用(エレベーターの運行費用、廊下等の光熱費、集会所の維持費等)を入居者が応分に負担する、いわゆる共益費も家賃に含まれます。

*管理費や修繕積立金も消費税は”不課税” 
  なお、管理費や修繕積立金は、マンションの管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しないため、不課税です。

*駐車場の貸付は別れる  
 組合員である区分所有者に対する貸付けに係るものは不課税となりますが、組合員以外の者に対する貸付けに係るものは消費税の課税対象となります。

*納税義務者(課税事業者)

 次の区分所有法第47条14項により、管理組合法人は消費税法別表第三に掲げる法人(注:学校法人や健康保険組合など公共法人や公益法人が列挙されている。)とみなされます。
 別表第三にある法人は、消費税法において、特例があります。

 区分所有者の団体(管理組合)を法人化していない場合でも、「人格のない社団等」として、法人とみなされます(参考:消費税法第3条) ので、区分所有者の団体(管理組合)は、法人化していてもしていなくても、扱いは同じです。

<参照> 消費税法 第3条

(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
第三条 人格のない社団等(注:法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。)は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び第四十六条の二並びに別表第三を除く。)の規定を適用する。

*消費税の納税義務がある期間(課税期間)と金額(課税売上高)
  課税期間(個人事業者は暦年、法人は事業年度)の基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における
課税売上高が1,000万円を超える事業者は、消費税の納税義務者(課税事業者)となります。(原則)
 逆に、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(小規模事業者)については、消費税を免除されます。消費税法第9条)

 <参照> 消費税法 第9条 (注:令和5年4月改正あり。)

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の実施:令和5年10月1日から。

(小規模事業者に係る納税義務の免除)

第九条 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における
課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。)については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

2 前項に規定する基準期間における課税売上高とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。
   一 個人事業者及び基準期間が一年である法人 基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額(第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。以下この項、次条第二項、第十一条第四項及び第十二条の三第一項において同じ。)の合計額から、イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額の合計額(以下この項及び第十一条第四項において「売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額」という。)を控除した残額
     イ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額
     ロ 基準期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額
   二 基準期間が一年でない法人 基準期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から当該基準期間における売上げに係る税抜対価の返還等の金額の合計額を控除した残額を当該法人の当該基準期間に含まれる事業年度の月数の合計数で除し、これに十二を乗じて計算した金額

3 前項第二号の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。

4 第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなる事業者が、その基準期間における課税売上高(同項に規定する基準期間における課税売上高をいう。第十一条第四項及び第十二条第三項を除き、以下この章において同じ。)が千万円以下である課税期間につき、第一項本文の規定の適用を受けない旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該提出をした事業者が当該提出をした日の属する課税期間の翌課税期間(当該提出をした日の属する課税期間が事業を開始した日の属する課税期間その他の政令で定める課税期間である場合には、当該課税期間)以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が千万円を超える課税期間を除く。)中に国内において行う課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、同項本文の規定は、適用しない。

5 前項の規定による届出書を提出した事業者は、同項の規定の適用を受けることをやめようとするとき、又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。

6 前項の場合において、第四項の規定による届出書を提出した事業者は、事業を廃止した場合を除き、同項に規定する翌課税期間の初日から二年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書を提出することができない。

7 第五項の場合において、第四項の規定による届出書を提出した事業者は、同項に規定する翌課税期間の初日から同日以後二年を経過する日までの間に開始した各課税期間(第三十七条第一項の規定の適用を受ける課税期間を除く。)中に国内における調整対象固定資産の課税仕入れ又は調整対象固定資産に該当する課税貨物(他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。第九項、第十二条の二第三項及び第十二条の四において同じ。)の保税地域からの引取り(以下この項、第十二条の二第二項及び第十二条の三第三項において「調整対象固定資産の仕入れ等」という。)を行つた場合(第四項に規定する政令で定める課税期間において当該届出書の提出前に当該調整対象固定資産の仕入れ等を行つた場合を含む。)には、前項の規定にかかわらず、事業を廃止した場合を除き、当該調整対象固定資産の仕入れ等の日(当該調整対象固定資産の仕入れ等に係る第三十条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日をいう。以下この項及び第十二条の二第二項において同じ。)の属する課税期間の初日から三年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、第四項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書を提出することができない。この場合において、当該調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から当該調整対象固定資産の仕入れ等の日までの間に同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しているときは、次項の規定の適用については、その届出書の提出は、なかつたものとみなす。

8 第五項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第四項の規定による届出は、その効力を失う。

9 やむを得ない事情があるため第四項又は第五項の規定による届出書を第四項の規定の適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかつた場合における同項又は前項の規定の適用の特例及び第七項に規定する調整対象固定資産の仕入れ等が特例申告書の提出に係る課税貨物の保税地域からの引取りである場合その他の場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例)
第九条の二 個人事業者のその年又は法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が千万円以下である場合において、当該個人事業者又は法人(前条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)のうち、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度に係る特定期間における課税売上高が千万円を超えるときは、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、同条第一項本文の規定は、適用しない。
 2 前項に規定する特定期間における課税売上高とは、当該特定期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等の対価の額の合計額から、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額の合計額を控除した残額をいう。
   一 特定期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額
   二 特定期間中に行つた第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額に七十八分の百を乗じて算出した金額
 3 第一項の規定を適用する場合においては、前項の規定にかかわらず、第一項の個人事業者又は法人が同項の特定期間中に支払つた所得税法第二百三十一条第一項(給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書)に規定する支払明細書に記載すべき同項の給与等の金額に相当するものとして財務省令で定めるものの合計額をもつて、第一項の特定期間における課税売上高とすることができる。
 4 前三項に規定する特定期間とは、次の各号に掲げる事業者の区分に応じ当該各号に定める期間をいう。
   一 個人事業者 その年の前年一月一日から六月三十日までの期間
   二 その事業年度の前事業年度(七月以下であるものその他の政令で定めるもの(次号において「短期事業年度」という。)を除く。)がある法人 当該前事業年度開始の日以後六月の期間
   三 その事業年度の前事業年度が短期事業年度である法人 その事業年度の前々事業年度(その事業年度の基準期間に含まれるものその他の政令で定めるものを除く。)開始の日以後六月の期間(当該前々事業年度が六月以下の場合には、当該前々事業年度開始の日からその終了の日までの期間)
 5 前項第二号又は第三号に規定する六月の期間の末日がその月の末日でない場合における当該期間の特例その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

*「特定期間」の新設
 この消費税法では原則:前々年が基準期間となっているため、資本金1,000万円未満の新設法人では基準期間の課税売上額がないことを悪用して、新設法人の設立事業年度と翌事業年度に売り上げを計上して消費税を逃れ、設立3年目には廃業するという事態が多く発生しました。

 そこで、平成23年6月の消費税の改正で、「特定期間」という制度を新しく設けました。
 それが、消費税法第9条の2

<参照> 消費税法 第9条の2 

(前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例)
 第九条の二  個人事業者のその年又は法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が千万円以下である場合において、当該個人事業者又は法人(前条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)のうち、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度に係る特定期間における課税売上高が千万円を超えるときは、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、同条第一項本文の規定は、適用しない。

 (以下、略)」

です。

 「特定期間」は、具体的には、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。消費税法第9条の2 4項)
 改正前の2年後から消費税を納める期間を早めています。


 
 
 
*特定期間の計算例

   ・個人事業者の特定期間は、その年の前年1月1日から6月30日までの期間ですので、例えば、事業を行っていない個人の方が3月1日に開業した場合には、3月1日から6月30日までの期間の課税売上高(又は給与等支払額)で判定することとなります。
 
 また、その前年7月1日から12月31日までの間に開業した場合には、特定期間の課税売上高(又は給与等支払額)がないため判定不要です。

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 ◎適格請求書保存方式(インボイス制度)の導入について
   適格請求書保存方式(インボイス制度)とは、請求書の様式や保存方法に関する制度です。
 この制度は消費税率の10%への引き上げおよび軽減税率の開始に伴い導入されたもので、新たに「適格請求書」と呼ばれる様式での請求が必要となりました。
 令和5年(2023年)年10月1日以降は、適格請求書に合致した請求書以外では、消費税の仕入税額控除を受けられなくなります。

 消費税の仕入税額控除とは、課税売上時に受け取った消費税から、課税仕入時に支払った消費税を控除して納税ができる仕組みのことです。
 例えば、ある決算期において、得意先より総額200万円の消費税を受け取ったとします。
 一方で、仕入先に対しては総額で150万円の消費税を支払っていたとします。
 この場合、事業者が納める消費税は、200万円から150万円を引いた50万円でよいとされます。これが消費税の仕入税額控除です。

 ◎マンションの管理組合の管理費等と適格請求書保存方式(インボイス制度)
  マンションの管理組合に組合員が収める管理費や修繕積立金などは、消費税法上の課税対象ではありませんから、管理組合にはインボイス対応は、必要がありません。



{設問-1}管理組合の税務に関する次の記述のうち、税法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 消費税法上、管理組合は公益法人と同様の取扱いがなされ、管理会社に対して支払う管理委託料は消費税の課税対象外である。

答え:間違い。
 管理組合法人は、法人税法では、「人格のない社団として、公益法人等とみなされている(法人税法第2条6号、区分所有法第47条10項)」。また法人格がない管理組合も同様と判断されているが、消費税法では消費税法第3条「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。」の規定により、管理組合は公益法人ではなく一般事業者扱いで、管理委託料は、消費税の課税の対象になる。

2 所得税法上、管理組合が受け取る預金利子や配当による所得には、所得税が課税される。

答え:正しい。
 所得税法第4条、第174条1号(所得利子)、2号(配当)、第175条(税額)の規定のとおり。

3 管理組合が収益事業を行う場合、事業税及び事業所税の課税対象となる。

答え:正しい。
 管理組合は収益事業以外の所得(管理費・修繕積立金)は課税対象外(不課税)とされ、預金利息は非課税となるが、収益事業(物販販売業、不動産販売業、駐車場業など)を行うと事業税及び事業所得税が課せられる。

   地方税法第72条の2「1法人の行う事業に対する事業税は、法人の行う事業に対し、次の各号に掲げる事業の区分に応じ、当該各号に定める額によつて事務所又は事業所所在の道府県において、その法人に課する。
   4法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、かつ、収益事業を行うもの(当該社団又は財団で収益事業を廃止したものを含む。以下事業税について「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、この節の規定を適用する。」、
   同法第701条32「1事業所税は、事業所等において法人又は個人の行う事業に対し、当該事業所等所在の指定都市等において、当該事業を行う者に資産割額及び従業者割額の合算額によつて課する。
   3法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの(以下本節において「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、本節中法人に関する規定を適用する」の規定どおり。

4 消費税の納税義務者は事業者とされており、管理組合は、消費税法上、事業者として納税義務者となる。

答え:正しい。
 人格のない社団として管理組合も法人とみなされ、事業者として納税義務者となる。消費税法第3条「人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する」の規定のとおり。

正解:1


{設問-2} 平成24年 マンション管理士試験 「問34」

〔問 34〕管理組合及び管理組合法人の諸税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、「収益事業」とは法人税法第2条第13号及び同施行令第5条第1項に規定されている事業を継続して事業場を設けて行うものをいう。

1 収益事業を行っている管理組合においては、法人税申告のためには区分経理行う必要があるため、収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に、合理的な基準により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づき経理することとされている。

○ 正しい。 
  税の過去問は管理業務主任者試験で多い個所でした。 平成23年 管理業務主任者試験 「問16」 、 平成22年 管理業務主任者試験 「問16」 、 平成19年 管理業務主任者試験 「問16」 など。
 まず、マンションの管理組合が法人化されていれば、明確に区分所有法第47条13項
 「13  
管理組合法人は、法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号 に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条 の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人並びに」と、同法第六十六条 の規定を適用する場合には同条第一項 及び第二項 中「普通法人」とあるのは「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(管理組合法人及び」とする。 」
 とあり、
 
公益法人等にみなされます
 また、法人化されていない管理組合は、
  法人税法2条8号で「八  
人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。」とあり「人格のない社団等」として扱われることを理解して下さい。
 すると、法人税法第4条1項
 「第四条  内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を行う場合、法人課税信託の引受けを行う場合又は第八十四条第一項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する退職年金業務等を行う場合に限る。 」
 とあり、
 「公益法人等又は人格のない社団等については、”収益事業を行う場合”」等では法人税を納める義務があります。逆に、”収益事業を行わない場合”には、法人税は収める必要がないということです。
 すると、法人税法施行令第6条
 「(収益事業を行う法人の経理の区分)
  第六条  
公益法人等及び人格のない社団等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければならない。」
 とあり、
  具体的には、国税庁の基本通達・法人税法 第2節 収益事業に係る所得の計算等 (費用又は損失の区分経理) 15−2−5 
 「(2) 
収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用又は損失の額は、継続的に、資産の使用割合、従業員の従事割合、資産の帳簿価額の比、収入金額の比その他当該費用又は損失の性質に応ずる合理的な基準により収益事業と収益事業以外の事業とに配賦し、これに基づいて経理する。」
 とあり、
 正しい。 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/15/15_02.htm
 なお、設問で引用されています法人税法第2条は定義条項です。
 「(定義)
  第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
       十三  収益事業 販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。」
 そして、 法人税法施行令第5条第1項
 「(収益事業の範囲)
  第五条  法第二条第十三号 (収益事業の意義)に規定する政令で定める事業は、次に掲げる事業(その性質上その事業に付随して行われる行為を含む。)とする。
       一  物品販売業(動植物その他通常物品といわないものの販売業を含む。)のうち次に掲げるもの以外のもの
         イ 公益社団法人若しくは公益財団法人又は法別表第二に掲げる一般社団法人若しくは一般財団法人(第二十九号において「公益社団法人等」という。)が行う児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項 (児童福祉施設)に規定する児童福祉施設の児童の給食用の輸入脱脂粉乳(関税暫定措置法 (昭和三十五年法律第三十六号)第九条第一項 (軽減税率の適用手続)の規定の適用を受けたものに限る。)の販売業
 (以下略)」
 です。


2 収益事業を行っていない管理組合及び管理組合法人においては、法人税の申告義務はないが、法人住民税(都道府県民税と市町村民税)の均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税される。

X 誤っている ? 均等割りの扱い方が変わったのか?  平成17年 管理業務主任者試験 「問16」 。
  選択肢1で述べましたように収益事業を行っていない管理組合及び管理組合法人においては、法人税の申告義務はありません。
  そして、
法人住民税とは、法人(会社)に課された法人税をベースにして、主に会社の利益(所得)に対して、地方公共団体(都道府県と市区町村)が課す地方税です。
 
東京都の場合、都内に事務所や事業所などがある法人に課税される税金で、普通「法人住民税」といわれます。これには、都民税と市町村民税の二つがあり、それぞれ「法人税割」と「均等割」からなっています。これとは別に、支払を受ける利子等に対しては、都民税として「利子割」が課税されます。
 そして、納める方は、都内に事務所又は事業所のある法人や収益事業を行う人格のない社団や財団などです。また、都内に寮、保養所、宿泊所、クラブなどをもつ法人や、”収益事業を行わない公益法人・特定非営利活動法人等も、均等割だけは課税されます”。 23区内の法人は、都の特例として、市町村民税相当分もあわせて都民税として所管の都税事務所に申告して納めます。市町村にある法人は、都税事務所(都税支所)・支庁に都民税を申告して納めるほかに、市役所、町村役場に市町村民税を申告して納めます。
法人住民税の申告と納付は、法人税と同様、会社が自分で課税標準と税額を計算し、その内容を所定の申告用紙で申告するとともに納税する申告納税方式が採用されています。
つまり、法人住民税の申告と納付は、法人税と同時に行われます。
 ということで、均等割額及び法人税割額の根拠は、地方税法第24条
 「(道府県民税の納税義務者等)
  第二十四条  道府県民税は、第一号に掲げる者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号に掲げる者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び
第四号に掲げる者に対しては均等割額によつて、第四号の二に掲げる者に対しては法人税割額によつて、第五号に掲げる者に対しては利子割額によつて、第六号に掲げる者に対しては配当割額によつて、第七号に掲げる者に対しては株式等譲渡所得割額によつて課する。
       一  道府県内に住所を有する個人
       二  道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者
       三  道府県内に事務所又は事業所を有する法人
       四  
道府県内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(「寮等」という。以下道府県民税について同じ。)を有する法人で当該道府県内に事務所又は事業所を有しないもの
       四の二  法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二 に規定する法人課税信託をいう。以下この節において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で道府県内に事務所又は事業所を有するもの
  以下略)」
 とあり、
 1項4号が該当します。
 また、地方税法第294条
 「(市町村民税の納税義務者等)
  第二百九十四条  市町村民税は、第一号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び
第四号の者に対しては均等割額によつて、第五号の者に対しては法人税割額によつて課する。
       一  市町村内に住所を有する個人
       二  市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住所を有しない者
       三  市町村内に事務所又は事業所を有する法人
       四  
市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下この節において「寮等」という。)を有する法人で当該市町村内に事務所又は事業所を有しないもの
 (以下略)」
 とあり、
 4号により、均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税されますから、正しい。
(訂正へ)

 ☆2013年 2月 4日 追記 :上記のように地方税法から、”法人住民税(都道府県民税と市町村民税)の均等割額は収益事業を行っていない場合でも課税される” は、”正しい”としましたが、その後も、追及していたら、平成21年度から、どうも地方税法での、通達があったようで、現在、税務署に確認中です。
参考:総務省の通達?
 第2章市町村民税
 第1節納税義務者
 第2 法人の納税義務者
   8 市町村内に事務所又は事業所がある法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあり、
かつ、収益事業を行うもの(当該社団又は財団で収益事業を廃止したものを含む。)を含む。以下「人格のない社団等」という。)で法人税を納付する義務があるものは均等割及び法人税割の納税義務者であり、市町村内に事務所又は事業所がある法人税法第2条第5号の公共法人、市町村内に事務所又は事業所がある公益法人等(同条第6号の公益法人等並びに防災街区整備事業組合、管理組合法人及び団地管理組合法人、マンション建替組合、地方自治法第260条の2第7項に規定する認可地縁団体、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成6年法律第106号)第7条の2第1項に規定する法人である政党等並びに特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。以下この章において同じ。)で法人税を課されないもの又は市町村内に寮、宿泊所、クラブその他これらに類する施設(以下「寮等」という。)のみを有する法人は均等割の納税義務者であり、法人課税信託(法第294条第1項第5号に規定する法人課税信託をいう。以下この章において同じ。)の引受けを行うことにより法人税を課される個人で市町村内に事務所又は事業所があるものは法人税割の納税義務者であること。

  10 
法人でない社団又は財団で収益事業を行わないものに対する均等割は非課税であること

*税務署からの回答:(2013年 2月13日 記
 『1・収益事業を行っていない、法人化されていないマンションの管理組合』について
  当該管理組合の実態が、「人格のない社団等」にあたるものとしますと、人格のない社団等は法人ではないため法人市民税の対象ではありません。
  ただし、収益事業を行うものについては地方税法第294条第8項において法人としてみなして法人の市町村民税の規定を適用する旨定められているため、法人市民税の対象となります。

 『2・収益事業を行っていない、法人化されたマンションの管理組合』について
 当該実態が、建物の区分所有等に関する法律第47条に規定する「管理組合法人」にあたるものとしますと、同法第47条第13号により当該法人は法人税法第2条第6号に規定する公益法人等とみなすこととされています。
 地方税法第294条第1項第3号において、市町村内に事務所又は事業所を有する法人は均等割及び法人税割が課されることとされています。一部の法人については地方税法第296条において非課税の定めがありますが、管理組合法人は該当しません。
 収益事業を行っていない法人は法人税割がありませんので、地方税法第312条第1項及び第3項第4号に基づき均等割のみが課されることとなります。


 ということで、法人化されていない管理組合(法人でない社団)なら、法人ではないため収益事業を行っていないと、法人税割も均等割もなく法人化された管理組合なら、収益事業を行っていないと、法人税割はないが、均等割は課税される(都では条例で免除もある)となり、収益事業を行っていない管理組合と管理組合法人では、その扱いが異なっているため、設問は誤っています。(まったく、税法は全文が読み切れない!)


3 収益事業を行っている管理組合及び管理組合法人においては、収益事業から得た所得が1、000万円を超えていない場合は課税事業者に該当しないので、法人税の申告義務はない。 

X 誤っている。 このような規定はない。
  収益事業を行っていると課税の方法は、課税標準(所得等)に税率をかけて算出されますから、収益事業から得た所得が1、000万円を超えていない場合でも課税事業者に該当します。
 人格のない社団(法人化されていない管理組合)でも公益法人等とみなされているもの(法人化された管理組合)でも、税率は、平成24年4月1日からは、年 800万円以下の部分 15%と 年 800万円超の部分 25.5% と同じ税率ですから、誤りです。

 


4 区分所有者の駐車場使用希望者がいないため、マンション内の駐車場の一部を空き駐車場の状態にしておく予定でいた管理組合においては、近隣で道路工事を行っている土木業者からの申し出に応じ、工事期間(2週間)に限定して駐車場を賃貸した場合でも、当該管理組合が行う駐車場使用の全体が収益事業に該当する。

X 誤っている。 全体ではなく一部だけが該当する。
 私も、度々指摘していますように、以前から、区分所有者の団体というマンションの管理組合の存在が、区分所有法と民法との関係だけでなく、法人でない場合には特に曖昧な存在となっています。
 そこで、出題のように、税との関係で、管理組合の管理費・修繕積立金は非課税と判断されるようになったものの、駐車場の収入などで特に、マンションの外の人に使用させ、駐車場料をとる場合に、内部(組合員)の使用なら、課税の対象にならないまでは、一応国税庁の判断がありましたが、これらを纏めて、国土交通省から平成24年2月3日に国税庁に確認をしました。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/120117/besshi.htm#a01

 それによりますと、「 Cマンションにおいては、先日、区分所有者の異動により空き駐車場が生じることとなりましたが、他の区分所有者の中には使用希望者がいないため、区分所有者から使用希望者が現れるまでの間、空き駐車場の状態にしておく予定でいました。
 この度、近隣で道路工事を行っている土木業者から、マンション管理組合(以下「C組合」といいます。)に対して、工事期間(約2週間)に限定して空き駐車場を使用したいとの申出がありました。
したがって、C組合が行う外部使用については、管理業務の一環として行われている区分所有者に対する駐車場使用に付随して行われる行為であることから、この外部使用を含めたC組合が行う駐車場使用の全体が収益事業には該当しないものと解して差し支えないと考えたところです。
回答:標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。」
 とあり、
 「この外部使用を含めたC組合が行う駐車場使用の全体が収益事業には該当しないものと解して差し支えない」とありますから、駐車場使用の全体が収益事業に該当するのは、誤りです。



答え:1


****** 会計について ****************************  

 ★また法人としては、公益法人としての会計での計算書類が必要となる。:書類は最低10年間保存のこと。

   これらの会計情報は、内部の区分所有者だけでなく、外部の利害関係者にも提供する必要がある。(区分所有法第33条2項(規約の閲覧)、第42条5項(第33条2項の準用)、第66条(第33条2項の準用))

   @収支計算書...1事業年度の収入と支出を明確に表示すること。収支報告書とも呼ばれる。会計年度内の収支の状況を表す。

               また予算と決算を対比して表示すること。差異の激しいものは、理由を注記する。

               *予算...公益法人の会計原則は、「予算準拠主義」で、この予算と決算の差を分析して、

                  「マンションの管理・保全を最小の費用で、最大限の効果を得るための会計指標を明瞭に表示する。」

                 *収入科目

                   ◎管理費、修繕積立金、受取利息、駐車場使用料、雑収入 など。

                       (注:発生主義により、請求がなされた管理費の未収入金(滞納)も管理費収入に入っている)

                 *支出科目

                   ◎委託業務費、水道料、電気料、損害保険料、什器備品費、小修繕費、組合運営費、駐車場管理費、予備費 など。

     ◎収支計算書(報告書)の例  管理費会計(一般会計)の部 (平成18年4月1日〜平成19年3月31日) (金額は、サンプルです)

○Xマンション管理組合 収支計算書 管理費会計の部 (平成18年4月1日〜平成19年3月31日)  (単位:円)
項目 予算 決算 差額(決算-予算) 備考
*収入の部        
管理費 1,000,000 1,000,000 0  
駐車場使用料 50,000 50,000 0  
雑収入(受取利息など) 10,000 5,000 -5,000  
1,060,000 1,055,000 -5,000  
*支出の部        
管理委託料 800,000 800,000 0  
水道料 200,000 300,000 100,000  
電気料 10,000 9,000 -1,000  
予備費 50,000 0 -50,000  
1,060,000 1,109,000 49,000  
当期収支差額 0 -54,000 -54,000 (A)=収入-支出
前期繰越収支差額 512,000 512,000 0 (B)
次期繰越収支差額 512,000 458,000 -54,000 (C)=(A)+(B)

 

     A正味財産増減計算書...当該事業年度における正味財産=企業会計の資本に当たる。

                正味財産=資産合計―負債合計

                繰越金・剰余金の全ての増減を明瞭に表示すること。

                ただし、正味財産の増減が極めて小額のとき、また相当な理由があれば、この作成は省略できる。

     B貸借対照表...事業年度末における、すべての 資産、負債、正味財産の状態を表示する。会計年度末の財産の状況を表す。

                *資産科目

                  ◎現金、普通預金、定期預金、損害保険、預け金、未収入金(未収金)、前払金 など。

                     ★発生主義により、収支計算書には、請求と同時に収入となっている管理費の滞納分(未収入金)は、この貸借対照表に記載されている。

                 *負債科目

                   ◎未払金、借入金、前受金、預かり金、仮受け金 など。

    ◎貸借対照表の例  管理費会計(一般会計)の部 (平成19年3月31日 現在) (金額は、サンプルです。上の収支計算書とは、連動していません。)

○Xマンション管理組合 平成18年度  管理費会計の部  貸借対照表(平成19年3月31日 現在) (単位:円)
資産の部 負債及び正味財産の部
科目 金額 科目 金額
現金・預金   前受金  
  現金 30,000   管理費 50,000
   普通預金 100,000 未払金  
  定期預金 200,000   清掃費 20,000
未収入金      
  管理費 150,000 正味財産 460,000
前払金    (うち正味財産増加額) (50,000)
  次期保険料 50,000    
合計 530,000 合計 530,000


 

     C財産目録...事業年度末における、すべての 資産、負債につき、その名称、数量、価格などを詳細に記す。

              Bの貸借対照表と似ているが、貸借対照表は金額だけの表示だけど、財産目録は、名称、数量、価格などを詳細に表示して明らかにする。

        このほかに、

     D備品台帳...。備品類を別途管理する、があった方がいい。

        

★管理組合の会計は、目的別会計で、

     @一般会計...日常の維持管理を目的とする。管理費はこちら。

     A特別会計...長期修繕のための資金を留保(修繕積み立て金)する。修繕積立金はこちら。

                駐車場使用料、専用庭使用料などもこちら(特別会計)に入れたらいい。

★発生主義ということ

   全ての費用・収益は、その支出・収入に基づいて計上し、その発生した期間
     *収入については、請求権が生じた月、
     *支出については、支出が労役などの提供又は工事などである場合は、その労役などの提供又は工事等が完了した月、物品の購入なら、その物品が納入された月
    に正しく割り当てるように処理すること。

 これにより、管理費や修繕積立金は該当月に徴収することになっているなら、未収入金(滞納)があっても、全額計上されている。

 この辺りが、企業の会計処理を知っている人には、なかなか理解できない個所です。
 
 また、「資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする」も、重要な前提です。
 
資金の範囲同士の取引は、「収支計算書」には、反映されません。
 収支決算書に反映されるのは、収入の発生と費用の発生です。


 会計処理は、以下の原則があります。

仕訳での記帳の仕方    
 勘定科目など 借方   貸方
 資産勘定     現金預金 増加  減少 
未収金 
前払金
損害保険の積立部分
 負債勘定  未払金  減少 増加
前受金など
 費用の発生   管理業務費 支払有     
修繕費
保険料 など
 収入の発生   管理費収入   収入有  
修繕積立金収入
駐車場使用料など

*仕訳の例: 当月の管理費 ¥1、000、000− を銀行振り込みで 当月徴収しているが ¥100,000−が振込まれていなかった(未収入金となる)。

借方 貸方
普通預金  ¥900,000− 管理費 ¥1,000,000−
未収入金  ¥100,000− (収入の増加)
 (資産の増加)  

   管理費勘定としては、未収入金(¥100,000)があるにも係わらず、請求金額の全額(¥1,000,000)を計上することになる。 

 この未収入金(滞納)¥100,000− が銀行に入金(回収)されれば、次のような仕訳となる。

借方 貸方
普通預金  ¥100,000− 未収入金  ¥100,000−
(資産の増加) (資産の減少)
   

  未収入金が遅れて入金されても、管理費勘定(科目)には、影響がないことに注意。

 この処理により、管理費や修繕積立金の滞納は、「収支報告書」には現われていません。「貸借対照表」に未収入金(未収金)として計上されています


{設問-1}管理組合の総会において、平成17年度(初年度)の管理費会計の収支決算報告が下表に基づいて行われ、引き続き、貸借対照表について、未収入金は200,000円、前払金は50,000円、前受金は100,000円、未払金はなく、残りはすべて現金預金であるという説明があった。この場合における現金預金の額は、次のうちどれか。ただし、会計処理は、発生主義の原則によるものとする。

1 200,000円
2 250,000円
3 350,000円
4 400,000円

答え:設問を貸借対照表に変更し、仕訳は以下のようになる。

平成17年度貸借対照表(平成18年3月31日 現在)
資産の部 負債及び正味財産の部
現金預金 xxxxxxx 前受金 100,000
未収入金 200,000 正味財産 400,000
前払金 50,000    
合計 500,000 合計 500,000

 

*未収入金 ¥200,000−は、資産、   前払金   ¥50,000− も資産。
  一方、
  前受金  ¥100,000−は負債 で、 繰越(正味財産)が ¥400,000− あるので、この合計 ¥500,000− と資産の部の合計が一致する。
  よって、現金預金は、 ¥250,000− となる。

正解:2


{設問-2}管理組合の活動における以下の取引に関し、平成18年3月分の仕訳として正しいものは次のうちどれか。ただし、この管理組合の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までとし、期中の取引において、企業会計原則に基づき厳格な発生主義によって経理しているものとする。

答え:発生主義の原則により、管理費・修繕積立金のうち、平成18年3月の処理であるから、過去の平成18年2月分については未収入金の入金として扱い、平成18年3月分は当月の各々管理費・修繕積立金収入とし、平成18年4月分は発生していないので前受け金の入金となる。

*管理費入金内訳
                     借方        /       貸方 
 平成18年2月分   4万円 → 普通預金  4万円/未収入金   4万円
 平成18年3月分   6万円 → 普通預金  6万円/管理費収入 6万円
 平成18年4月分  90万円 → 普通預金 90万円/前受金   90万円   

*修繕積立金入金内訳
                    借方        /         貸方 
 平成18年2月分  2万円 → 普通預金  2万円/未収入金     2万円
 平成18年3月分  3万円 → 普通預金  3万円/修繕積立金収入 3万円
 平成18年4月分 45万円 → 普通預金 45万円/前受金      45万円

*これらをまとめた仕訳は

借方  貸方
普通預金 1,500,000 未収入金 60,000
    前受金 1,350,000
    管理費収入 60,000
    修繕積立金収入 30,000

 

正解:3

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第四十七条

14項  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。

過去出題 マンション管理士 未記入
管理業務主任者 H26年、H23年、H21年、H19年、H18年、

★消費税での扱い 〜管理組合法人も、法人とみなす

みなす...「推定する」と違って、反証を許さない。

<参照>消費税法 第3条:(人格のない社団等に対するこの法律の適用)

第三条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。

<参照>消費税法第12条の2:(基準期間がない法人の納税義務の免除の特例)

第十二条の二  その事業年度の基準期間がない法人(社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)第二十二条 (定義)に規定する社会福祉法人その他の専ら別表第一に掲げる資産の譲渡等を行うことを目的として設立された法人で政令で定めるものを除く。)のうち、当該事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が千万円以上である法人(第九条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されない法人を除く。以下この条において「新設法人」という。)については、当該新設法人の基準期間がない事業年度(第十一条第三項若しくは第四項又は前条第一項若しくは第二項の規定により消費税を納める義務が免除されないこととなる事業年度を除く。)における課税資産の譲渡等については、第九条第一項本文の規定は、適用しない。

★管理組合法人も法人格のない管理組合も消費税上では上の「別表第3」になるが、共に法人とみなされ、納税義務者になる。

      原則:基準期間(前々年度)の課税売上高が1、000万円以下は、消費税の納税義務は免除される。

*「特定期間」の新設 
 この消費税法では原則:前々年が基準期間となっているため、資本金1,000万円未満の新設法人では基準期間の課税売上額がないことを悪用して、新設法人の設立事業年度と翌事業年度に売り上げを計上して消費税を逃れ、設立3年目には廃業するという事態が多く発生しました。


 そこで、平成23年6月の消費税の改正で、特定期間という制度を新しく設けました。
 それが、消費税法第9条の2
 「(前年又は前事業年度等における課税売上高による納税義務の免除の特例)
 第九条の二  個人事業者のその年又は法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が千万円以下である場合において、当該個人事業者又は法人(前条第四項の規定による届出書の提出により消費税を納める義務が免除されないものを除く。)のうち、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度に係る特定期間における課税売上高が千万円を超えるときは、当該個人事業者のその年又は法人のその事業年度における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、同条第一項本文の規定は、適用しない。
 (以下、略)」

 です。

 特定期間は、具体的には、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。消費税法第9条の2 4項)
 改正前の2年後から消費税を納める期間を早めています。


 
  
*特定期間の計算例
   ・個人事業者の特定期間は、その年の前年1月1日から6月30日までの期間ですので、例えば、事業を行っていない個人の方が3月1日に開業した場合には、3月1日から6月30日までの期間の課税売上高(又は給与等支払額)で判定することとなります。
 
 また、その前年7月1日から12月31日までの間に開業した場合には、特定期間の課税売上高(又は給与等支払額)がないため判定不要です。

   ◎管理組合の収支の管理費・特別修繕費は課税の対象外、預金利息は非課税である。 (ただし、銀行預金の利息は、所得税で源泉徴収はされる。)

   ◎収益事業(駐車場を区分所有者以外の人に貸して駐車場使用料をとるなど)をやっていると、消費税の対象になる。この時は別の特別会計として会計処理すること。

★なお、税と会計処理については、前13項の解説を参考にしてください。


{設問-1}管理組合の支出に関する次の記述のうち、消費税法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 大規模修繕を行うための借入金の支払利息は、消費税の課税対象となる。

答え:間違い。ならない。
 大規模修繕を行うための借入金の支払利息は、消費税の課税対象とならない。(非課税取引)

2 管理組合が支払う水道光熱費、電話料は、消費税の課税対象とはならない。

答え:間違い。なる。
 管理組合が支払う水道光熱費、電話料は、消費税の課税対象となる。 ( 課税取引 )

3 管理組合が雇用している従業員に支払う給与は、消費税の課税対象となる。

答え:間違い。ならない。 
 管理組合が雇用している従業員に支払う給与は、消費税の課税対象とならない。(不課税取引)

4 管理組合が修繕工事代金の振込みを行う際、金融機関に支払う振込手数料は、消費税の課税対象となる。

答え:正しい。なる。
 管理組合が修繕工事代金の振込みを行う際、金融機関に支払う振 込手数料は、消費税の課税対象となる。(課税取引)

正解: 4


{設問-2} 平成23年 管理業務主任者試験 「問16」

【問 16】 管理組合の税務に関する次の記述のうち、消費税法(昭和63年法律第108号)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理組合が、マンション敷地内の駐車場を当該管理組合の組合員以外の第三者に使用させ、当該第三者から毎年150万円の駐車場収入があり、他に消費税課税対象収入がない場合でも、第三者に対する駐車場収入は消費税の課税対象であるので、事業者として消費税の納税義務者となる。

X 誤っている。   
 マンションの管理組合は法人化されていれば、明確に区分所有法第47条14項
 「14  管理組合法人は、消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。 」とありますが、特に法人化されていなくても、一般に法律上「人格のない社団」として扱われることを理解して下さい。
 消費税法第3条
 「(人格のない社団等に対するこの法律の適用)
  第三条  人格のない社団等は、法人とみなして、この法律(第十二条の二及び別表第三を除く。)の規定を適用する。」
 そして、消費税は、事業として対価を得て行われる取引に課税されますが、マンション敷地内の駐車場を当該管理組合の組合員が使用して使用料を払っていても、消費税は課税されないと解されています(不課税。通達)。しかし、組合員以外の第三者に使用させることによる駐車場収入は、消費税の課税対象となります(消費税法第4条)から注意してください。
参考:国税庁のQ&Aより、(消費税法第2条第1項第8号)
 「マンション管理組合は、その居住者である区分所有者を構成員とする組合であり、その組合員との間で行う取引は営業に該当しません。
 したがって、マンション管理組合が収受する金銭に対する消費税の課税関係は次のとおりとなります。
  イ 駐車場の貸付け………組合員である区分所有者に対する貸付けに係る対価は不課税となりますが、組合員以外の者に対する貸付けに係る対価は消費税の課税対象となります。
  ロ 管理費等の収受………不課税となります。」
 設問の場合、駐車場の第三者使用は、課税対象ですが、消費税法第9条1項
 「(小規模事業者に係る納税義務の免除)
  第九条  事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等につき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」とあり、
課税期間の基準期間とは、通常前々年の売上高で、設問の場合、150万円だけですから、前々年 1,000万円以下は免除で、消費税の納税義務者となりません。


2 管理組合の基準年度における課税売上高が1,000万円を超えている場合でも、当該管理組合の組合員からの専用庭使用料については、消費税は課税されない。

○ 正しい。 
 選択肢1で引用しましたように、「専用庭使用料」も組合員からの管理費等に該当すると考えられますから、消費税の課税はありません。


3 管理組合が管理組合法人である場合、管理費収入については、消費税が課税される。

X 誤っている。 されない。 
 管理組合が法人化されていれば、選択肢1で引用しました区分所有法第47条14項に該当しますが、管理費収入については、これも選択肢1で説明しています、国税庁のQ&Aの「ロ 管理費等の収受………不課税となります」に該当して、消費税は課税されません。


4 管理組合の基準年度における課税売上高が1,000万円未満である場合、当該管理組合が支払う管理委託費、小修繕の工事費、備品費は、消費税の課税対象とはならない。

X 誤っている。 
 売上高と支払高は、当然ながら異なっています。課税売上高とは、個人事業者の場合は原則として前々年の課税売上高のことをいい、法人の場合は原則として前々事業年度の課税売上高のことをいいます。課税売上高は、輸出などの免税取引を含め、返品、値引き、割戻しをした対価の返還等の金額を差し引いた額(税抜き)です。管理組合が支払う管理委託費、小修繕の工事費、備品費は、消費税の課税対象です。消費税法第4条1項
 「(課税の対象)
  第四条  国内において事業者が行つた資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する。」

答え:2 



ページ終わり

謝辞:Kzさんの了解により一部転用・編集をしています。

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最終更新日:
2024年 4月17日:消費税の解説に「インボイス制度」を加筆した。
2024年 2月 4日:令和5年(2023年)の出題年を入れた。
2024年 1月24日:見直した。
2022年11月12日:見直した。
2022年 1月20日:税(区分所有法第47条13項、14項)を見直し、法人税、消費税を詳細に加筆した。
2022年 1月16日:第47条3項の「組合等登記令」を更新した。
2021年12月16日、20日:令和3年(2021年)の出題年を入れた。
2021年 3月19日:見直した。
2020年 3月29日:令和元年(2019年)の出題年を入れた。
2019年 4月17日:平成30年の出題年を入れた。
2018年 8月17日:会計の仕訳に表を入れた。
2018年 3月13日:平成29年の出題年を入れた。
2017年10月23日:第47条12項での読み替え 第34条5項に理事は必須との関係を入れた。
2017年 3月29日:平成28年の出題年を入れた。
2017年 3月23日:組合等登記令(法人の登記。第47条3項)に解散を追記した。
2016年 4月10日:3月14日付の標準管理規約の改正に対応した。
2016年 2月24日;平成27年の出題年を入れた。
2015年 4月1日:平成26年の出題年を入れた。
2014年11月10日:第47条の下に、朝鮮総連中央本部の土地と建物を巡る最高裁の決定を入れた。
2014年 8月22日:第47条1項に、平成25年度のマンション総合調査結果の法人化率 12% を入れた。
2014年 2月23日:平成25年の出題年を入れた。
2013年 3月24日:平成24年の出題年を入。
2013年 3月15日:第47条13項の地方税を、大幅に追記した。
2012年 2月28日:平成23年の出題年、法人の追記。
標準管理規約の「業務」の改正記入。
2011年 7月10日:確認した
2011年 1月15日:平成22年の出題記入
2010年6月12日:第47条3項の組合等登記令の改正などを中心に追記
2010年1月23日:H21年の出題年を記入
2009年11月5日:ちょろちょろと
2009年6月23日:一部加筆

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