マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、区分所有法を条文ごとに解説しました。
試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。
条文を勉強することが、合格への道です。
★第二節 団地内の建物が滅失した場合における措置
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者” | 未記入 |
*新設 〜団地内の建物が滅失した場合の措置〜
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★団地内の建物が滅失した場合
★令和8年4月1日施行で新設された理由 〜政令で定めなくても、適用される。ただし集会を開催できるのは「滅失の日から5年間」まで〜
前の一棟のマンションなど専有部分のある建物(区分所有建物)が、地震や土砂崩れなどの災害を受けて全部滅失した場合における「第3章:建物が滅失した場合における措置、第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置」 でも解説しましたが、区分所有法では、地震や土砂崩れ、ガス爆発、その他の災害また老朽化などで「専有部分のある区分所有建物の”一部が滅失”(小規模滅失と大規模滅失)」した場合には、まだ区分所有建物そのものが残っているため、その建物を所有している区分所有者が存在しており、彼ら区分所有者の団体(管理組合)の集会(総会)で復旧とか建替えを選択出来ましたが、「区分所有建物の”全部”が滅失」した場合については、後に残されているのは、壊れた建物の残骸と区分所有建物があった土地(敷地)の権利の共有(準共有)関係となり、この場合には、専有部分のある区分所有建物を規定の目的としています区分所有法の適用から外れ、「建物の全部滅失(全壊)」後の処置は、民法や1995年(平成7年)1月に発生した阪神・淡路大震災を受けて制定された「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、略称「被災マンション法」」(施行:平成7年3月24日)が担当することになっていました。
注:小規模滅失:::建物価格の1/2以下の滅失
大規模滅失・・・建物価格の1/2を超える滅失(第61条)
しかし、被災マンション法は、その適用要件として、災害が起きた後付けの「政令で定めるもの」とかで特定の災害でなければ法の適用がないという限定で、また「政令の施行の日から3年以内」でないと集会を開催できないなどの制約があり、多くの被災したマンションでは利用できませんでした。
そこで、令和8年4月1日施行の改正区分所有法に、以前は、被災マンション法が規定していた区分所有建物の「全部滅失」等に関する規定を、区分所有法にも取込んで新設したということです。
この区分所有法の大改正により、災害が発生してから法律を適用するという「被災マンション法の場当たり的」な対応から、全部滅失した区分所有建物についても区分所有法の適用対象となり、建物が無くなってあとに残された敷地共有者等集会を開催し、規約を定めることや管理者を置くことが可能になりました。
また、旧の被災マンション法での全部滅失(全壊)での集会を開催できる期間は「政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間」から、「その滅失の日から起算して”五年を経過する日までの間”は、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」 と、3年から、5年に延長されました。
これらの改正は、被災を受けたマンション(団地を含めて)の敷地の管理や処分、建物の再建を以前よりも容易にするのが目的です。(現実にそうなるかは、疑問がありますが。)
基本的な区分所有法改正の発想は、共有関係にある場合、全部滅失した建物を再建したり敷地(土地)を売ったりすることは、民法の共有関係では重大な変更行為にあたり、「共有者、全員の合意」が必要とされ、これでは、被災されたマンションなり団地の復旧が円滑に進まない実態から、敷地が共有であるという点に着目して、多数決の理論が適用できる区分所有法内に取込むということです。
もともと、専有部分のある建物(区分所有建物)という「建物」を中心にした権利関係をその適用の範囲にしてきた区分所有法内に土地(敷地)が共有である点を理由にして、多数決で災害後の後始末(清算)を任せるという法理論は、社会的な要請を重視した構成です。
この発想には、前にも紹介した、最高裁判所が、平成21年4月23日に出した、区分所有法第70条((団地内の建物の一括建替え決議)は、憲法第29条に規定する「財産権の侵害」には当たないという判決の影響が大きいようです。
この判決でいっている「規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば,区分所有法70条は,憲法29条に違反するものではない」が核心です。
判例 :最高裁判所 平成21年4月23日
〜区分所有法第70条の(団地内の建物の一括建替え決議)は、憲法第29条の「財産権」侵害に当たらない。〜
主文:本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
1 上告代理人熊野勝之ほかの上告理由のうち建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)70条が憲法29条に違反する旨をいう部分について
(1) 区分所有法70条1項は,1つの団地内に存する数棟の建物の全部(以下「団地内全建物」という。)が,いずれも専有部分を有する建物であり,団地内全建物の敷地が,団地内の各建物の区分所有者(以下「団地内区分所有者」とい
う。)の共有に属する場合において,当該団地内建物について所要の規約が定められているときは,団地内の各建物ごとに,区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば,団地内区分所有者で構成される団地内の土地,建物等の管理を行う団体又は団地管理組合法人の集会において,団地内区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で団地内全建物の一括建替え(以下「団地内全建物一括建替え」という。)をする旨の建替え決議をすることができる旨定めている。この定めは,同法62条1項が,1棟の建物の建替え(以下「1棟建替え」という。)においては,当該建物の区分所有者の集会において,区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議をすることができると定めているのに比べて,建替えの対象となる当該建物の区分所有者及び議決権の数がより少数であっても建替え決議が可能となるものとなっている。そして,団地内全建物一括建替えの決議がされた場合は,1棟建替えの決議がされた場合と同様,建替えに参加しない区分所有者は,時価による売渡請求権の行使を受けて,その区分所有権及び敷地利用権を失うこととなる(同法70条4項,63条4項)。
上告人らは,区分所有法70条によれば,団地内全建物一括建替えにおいては,各建物について,当該建物の区分所有者ではない他の建物の区分所有者の意思が反映されて当該建物の建替え決議がされることになり,建替えに参加しない少数者の権利が侵害され,更にその保護のための措置も採られていないなどとして,同条が憲法29条に違反することを主張するものである。
(2) 区分所有権は,1棟の建物の中の構造上区分された各専有部分を目的とする所有権であり(区分所有法1条,2条1項,3項),廊下や階段など,専有部分の使用に不可欠な専有部分以外の建物部分である共用部分は,各専有部分の所有者(区分所有者)が専有部分の床面積の割合に応じた持分を有する共有に属し,その持分は専有部分の処分に従うものとされている(同法2条2項,4項,4条,11条,14条,15条)。また,専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利である敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には,区分所有者の集会の決議によって定められた規約に別段の定めのある場合を除き,区分所有者は敷地利用権を専有部分と分離して処分することはできないものとされている(同法2条6項,22条)。
このように,区分所有権は,1棟の建物の1部分を構成する専有部分を目的とする所有権であり,共用部分についての共有持分や敷地利用権を伴うものでもある。
したがって,区分所有権の行使(区分所有権の行使に伴う共有持分や敷地利用権の行使を含む。以下同じ。)は,必然的に他の区分所有者の区分所有権の行使に影響を与えるものであるから,区分所有権の行使については,他の区分所有権の行使との調整が不可欠であり,区分所有者の集会の決議等による他の区分所有者の意思を反映した行使の制限は,区分所有権自体に内在するものであって,これらは,区分所有権の性質というべきものである。
区分所有建物について,老朽化等によって建替えの必要が生じたような場合に,大多数の区分所有者が建替えの意思を有していても一部の区分所有者が反対すれば建替えができないということになると,良好かつ安全な住環境の確保や敷地の有効活用の支障となるばかりか,一部の区分所有者の区分所有権の行使によって,大多数の区分所有者の区分所有権の合理的な行使が妨げられることになるから,1棟建替えの場合に区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で建替え決議ができる旨定めた区分所有法62条1項は,区分所有権の上記性質にかんがみて,十分な合理性を有するものというべきである。
そして,同法70条1項は,団地内の各建物の区分所有者及び議決権の各3分の2以上の賛成があれば,団地内区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成で団地内全建物一括建替えの決議ができるものとしているが,団地内全建物一括建替えは,団地全体として計画的に良好かつ安全な住環境を確保し,その敷地全体の効率的かつ一体的な利用を図ろうとするものであるところ,区分所有権の上記性質にかんがみると,団地全体では同法62条1項の議決要件と同一の議決要件を定め,各建物単位では区分所有者の数及び議決権数の過半数を相当超える議決要件を定めているのであり,同法70条1項の定めは,なお合理性を失うものではないというべきである。
また,団地内全建物一括建替えの場合,1棟建替えの場合と同じく,上記のとおり,建替えに参加しない区分所有者は,売渡請求権の行使を受けることにより,区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すこととされているのであり(同法70条4項,63条4項),その経済的損失については相応の手当がされているというべきである。
(3) そうすると,規制の目的,必要性,内容,その規制によって制限される財産権の種類,性質及び制限の程度等を比較考量して判断すれば,区分所有法70条は,憲法29条に違反するものではない。このことは,最高裁平成12年(オ)第1965号,同年(受)第1703号同14年2月13日大法廷判決・民集56巻2号331頁の趣旨に徴して明らかである。論旨は採用することができない。
2 その余の上告理由について論旨は,違憲及び理由の不備をいうが,その実質は単なる法令違反をいうもの又はその前提を欠くものであって,民訴法312条1項及び2項に規定する事由のいずれにも該当しない。
3 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 涌井紀夫 裁判官 宮川光治 裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志)
これを基に、前に説明した一棟での
@再建決議・・・第75条
A敷地売却決議・・・第76条
B敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例・・第77条
の他に
2.団地なら、
@団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
A団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
B団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議・・・第83条
C団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
D団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
も新設されたのです。

★基本は、被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法) 第4章 第13条〜第18条
区分所有法の適用内に団地内の建物が地震や土砂崩れなどで全部滅失又は団地内の一部の建物が滅失した場合に、区分所有者や土地を共有する人たちは規定の手順に従って集会を開き、管理者を置くことができ、その集会で再建や一括敷地売却の決議を多数決ですることを可能としましたが、基本となっているのは、被災マンション法の第13条から第18条の規定です。
この被災マンション法から限定的な「政令で定める」をとり、、「施行の日から3年間」を「滅失の日から起算して5年間」に伸ばしたということです。
<参照> 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法) 第13条
第四章 団地内の建物が滅失した場合における措置
(団地建物所有者等集会等)
第十三条 一団地内にある数棟の建物(以下「団地内建物」という。)の全部又は一部が区分所有建物であり、かつ、その団地内の土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物の所有者(区分所有建物にあっては、区分所有者。以下この条において同じ。)の共有に属する場合において、第二条の政令で定める災害によりその団地内の全部又は一部の建物が滅失したとき(区分所有建物にあっては、その全部が滅失したとき、又はその一部が滅失した場合において取壊し決議若しくは区分所有者全員の同意に基づき取り壊されたとき。第十八条第一項において同じ。)は、当該団地内建物の所有者、敷地共有者等及び区分所有建物以外の建物であってその災害により滅失したものの所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者(以下「団地建物所有者等」という。)は、
その政令の施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができる。
◎団地内建物の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合
この第79条1項の規定は、”かっこ書き”や”かつ”が多くて分かり難い文章ですが、区分所有法第69条の「団地内の建物の建替え承認決議」でも似たような規定があったことを思い出してください。
<参照> 区分所有法 第69条
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条 一団地内にある数棟の建物(以下「団地内建物」という。)の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の特定の建物(以下この条において「特定建物」という。)の所在する土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属する場合
においては、
次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合であつて当該土地(これに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者で構成される
第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において
議決権の過半数(これを上回る割合を第六十六条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者が出席し、
出席した
団地建物所有者の議決権の四分の三以上の多数による承認の決議(以下この条において「建替え承認決議」という。)を得たときは、
当該特定建物の団地建物所有者は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。
一 当該特定建物が専有部分のある建物である場合 その建替え決議又はその区分所有者の全員の同意があること。
二 当該特定建物が専有部分のある建物以外の建物である場合 その所有者の同意があること。
★団地内には、少なくとも1つ以上の区分所有建物がなければ、区分所有法の適用はない
民法における共有の理論「重大な変更は共有者全員の合意が必要」(民法第251条)では、多数の共有者が住むマンションのような共有物を管理する場合には物事が進まないことを受け、「多数決の理論」を採用したのが民法の特別法である区分所有法創設の理由です。
そこで、区分所有法の適用を受けるには、団地の中の少なくても1つの建物は、マンションのような専有部分のある建物(区分所有建物)であることを、この区分所有法適用の要件としています。
復習になりますが、区分所有法で定める「団地関係」には、マンションのような専有部分のある建物(区分所有建物)の他に集会所などの施設が共有なら戸建てや1棟が賃貸マンションなど(非区分所有建物)も入っています。
この「専有部分のある建物以外の建物」、つまりマンションのような区分所有建物”以外”の建物である「戸建て」や「単独所有の賃貸マンション」も団地には入っているというのが、今後の各条文を理解するうえで分かり難くさせていますので注意してください。

そこで、土地(敷地)や集会所・駐車場など附属の施設が共有(準共有)の関係にある団地では、区分所有法の適用がある団地となり団地全体の管理ができます。(第65条)
そして、団地内での建替えについては、「土地(敷地)が共有(準共有)」であれば、第69条と第70条、及び新しく追加された第71条によって4のパターンが区分所有法では規定されています。
1.建替えを希望する一つの棟(特定建物という)だけの建替え(区分所有法第69条1項〜5項)
2.建替えを希望する複数の棟(特定建物)の建替え(区分所有法第69条6項、7項)
3.団地内の全部の棟の建替え(一括建替え 区分所有法第70条1項〜4項)
また、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で、
4.団地内建物敷地を売却する決議(第71条)もできるようになりました。
★団地内の建物(全部または一部の棟)が滅失した場合の集会 〜滅失の日から”5年間”なら開ける〜
そこで、団地内の建物が”全て滅失した場合”、また団地内のある棟(建物)が滅失した場合に、新設された第78条で規定する「団地建物所有者等の集会等」を開けるのは、
まず団地内の
・全部又は少なくても1棟は専有部分のある建物、つまり「区分所有建物」であることで、
・土地又は集会所などの附属施設の権利が、所有権の共有または地上権・賃借権などの準共有(これに関する権利)
であることです。
これは、民法の共有理論から離れて、多数決理論を適用する区分所有法の「団地関係」が成立するための条件でもあります。
・その団地内の建物が全部又はある棟(建物)が全部滅失したときは、
・共有(準共有)者の集団(「団地建物所有者等」と呼ばれる)
1.区分所有建物を所有している者=区分所有者
2.敷地を共有(準共有)している者=敷地共有者等
3.団地関係に入っている”戸建て又は賃貸マンションの所有者”で、滅失した建物又は集会所など附属の施設に関する権利を持っている者
なら、
・その建物が滅失の日から起算して、「5年を経過する日」までなら、
・集会を開いて、
・規約を定め
・必要なら管理者をおくこと
ができます。
集会を開く手順、規約を定めたり管理者を置く手順は、次の第78条で準用している、第17条(共用部分の変更)、第30条((規約事項)、第38条(議決権)などに従うことになります。
そして、団地内のある建物が滅失した後に開かれる集会では、団地全体で
・また新しく建物を「再建できる承認」(第81条)をしたり
・「建替えの承認」(第82条)、
・「建替えと再建の承認」(第83条)、
・「一括建替え等の決議」(第84条)さらに
・「一括して団地内の敷地の全部売却」(第85条)も
決議ができるとしました。
★民法の共有の「全員の同意」から、区分所有法の「多数決」へ移れる
令和8年4月1日施行の改正区分所有法第78条は、「団地内の建物が”滅失した場合”」に、団地の建物や敷地に権利を有する者(団地建物所有者”等”)は、「その滅失の日から起算して5年間」であれば、マンションのような区分所有建物が存在しなくなったため、以前は区分所有法の対象外であった事態が発生しても、新しく区分所有法の適用をうけ、民法の共有理論の「共有者全員の同意」から解き離れ、「多数決」の世界へ入れるということです。
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第79条:団地内の建物が滅失した場合は、集会の開催やその通知方法、決議の方法、議事録の作成などを準用する
本第79条は、前の第78条で団地内の建物の全部または、団地内のある棟(建物)が滅失した場合に団地の建物や敷地に権利を持つ人たちは、「その滅失の日から起算して5年まで」であれば、団地建物所有者等の集会を開催できると規定したことの後をうけ、その団地建物所有者等の集会の開催方法、規約の設定・保管、団地建物所有者等の集会での決議の方法などは、一棟の規定の多くの条文を準用するとしています。
区分所有法でお馴染みの団地関係の条文(第68条)のように数多くの条文を準用し、またその中の条文を「読み替える」という、本当に普通の人に法律を理解してもらうことが念頭にない法の創案者です。
どこの人がこの第79条ででてくる第17条第1項というだけど、これが、「共用部分の変更」を指すとピンときますか。そしてその「共用部分」を「第七十八条に規定する場合における当該土地又は附属施設(以下「土地等」という。)」に読み替えるなんて酷すぎます。
もっと、法に接する国民に分かって貰えるという努力が法の創案者には必要です。
と言っても、区分所有法を勉強している私たちは、この難解な条文を理解しなければならないので、もう、上のように準用されている条文を丁寧に抜き出して「読み替え」もして見ました。
◎読み替えの原則:
本第79条での、主な読み替えなどの原則は、以下のようになります。
| 元の文言 | → 読み替え | 注意など |
| 共用部分 | 土地”等” | 団地関係(第78条)にある土地又は附属施設 |
| 専有部分 | 建物又は専有部分 | |
| 区分所有者 | 団地建物所有者”等” | まだ残っている建物や滅失した建物、また団地の敷地又は附属施設に関する権利を有する者 (注:第78条 @団地建物所有者=区分所有者 A滅失した敷地の共有者(準共有者) B戸建てや賃貸マンションの個人所有者) |
| 集会 | 団地建物所有者等集会 | 団地建物所有者等が開く集会 通常の”集会”と区別すること |
| 議決権 | 土地”等”の持分の価格の割合 | *もう建物は無いので土地の権利へ 注:土地”等”=建物の敷地、規約敷地、附属施設 |
| 普通決議 | 1.議決権の過半数が出席すること 規約で過半数以上を決めていれば、それを採用する 2.出席した議決権の3/4(75%)以上の賛成で可決する |
|
| 所在等不明区分所有者 | 所在等不明団地建物所有者等 | 議決権から除いていい |
| 建物内 | 団地内 | |
| 第66条(建物の区分所有に関する規定の準用) | 第79条(集会等に関する規定の準用) | |
★準用の要旨
本第79条で準用されている条文は、上の表をみれば分かります(多分?)が、要旨は、以下のようになります。
元の条文の整理を兼ねて、留意して読んでください。
・団地内の土地又は附属施設(土地等)の変更 (準用、読み替え 第17条)
団地建物所有者等集会で、議決権(土地等の持分の価格の割合)の過半数が出席した集会の、3/4(75%)以上で決する。
土地等が他人の権利を侵害しているときや、高齢者向けに変更するなら、3/4(75%)以上は、2/3(66.6%)以上 に緩和できる。5つの事項の内1つにでも該当するとき。
・土地等の管理は、団地建物所有者等集会の決議(出席した議決権の過半数)でできる(準用、読み替え 第18条、第39条)
・団地建物所有者等の負担と利益の収取は、規約が無ければ、土地等の持分の価格の割合(準用 読み替え 第19条)
・管理者の選任・解任は、規約が無ければ、団地建物所有者等集会の決議でできる
・管理者の権限は、団地建物所有者等集会の決議の実行、規約で定めた行為をする。
管理者は裁判で原告・被告になれる (準用 読み替え 第25条、第26条、第28条、第29条)
・規約を定めることができる。
規約の設定・変更・廃止には、議決権の半数以上が出席した団地建物所有者等集会の3/4(75%)以上が必要。(準用 読み替え 第30条、第31条。さらに、第68条がある。)
・規約の保管と閲覧は、管理者がする。(準用 読み替え 第33条)
・集会の招集は、少なくとも毎年1回は、管理者がする。(準用 読み替え 第34条)
・集会の通知は、少なくとも会日の一週間前にだすこと。
注:所在が不明な団地建物所有者等には、見やすい場所に掲示で、到着とみなす(第80条1項の特例)
会議の目的+議案の要領も通知。(準用 読み替え 第35条)
・団地建物所有者等集会は、全員の同意があれば、招集の手続を省ける。(準用 読み替え 第36条)
・団地建物所有者等集会では、あらかじめ通知した事項しか決議できない。(準用 読み替え 第37条)
・議決権は、土地等の持分の価格の割合による。規約で別段を定めていい。(準用 読み替え 第38条)
・所在が不明な者がいれば、裁判所に申し出て、所在等不明団地建物所有者等にしてもらい所在等不明団地建物所有者等になれば議決権から外せる。(準用 読み替え 第38条の2)
・団地建物所有者等集会の普通決議は、規約で別段を定めていなければ、出席した議決権の過半数で可決する。(準用 読み替え 第39条)
・専有部分や敷地利用権が共有のときは、誰か一人を議決権者にすること。(準用 読み替え 第40条)
・団地建物所有者等集会の議長は、別段の定めが無ければ、管理者か、その集会を招集した者がなる。(準用 読み替え 第41条)
・団地建物所有者等集会では、議長が議事録を作成し、議長と出席した他の2人が署名すること。(準用 読み替え 第42条)
・団地建物所有者等集会の内容に利害関係がある賃借人など占有者は、その集会に出席して意見を述べられる。(準用 読み替え 第44条)
・団地建物所有者等の”全員の同意”があれば、書面又は電磁的方法で決議できる。(準用 読み替え 第45条)
・団地建物所有者等の承継人(相続と買った人など)にも、規約と団地建物所有者等集会の決議は効力が及ぶ。((準用 読み替え 第46条)
・規約を定めるにあたっては、
@土地等の権利が一部の所有者の共有なら、その持分の3/4(75%)以上の同意
A区分所有建物なら過半数が出席した団地建物所有者等集会で3/4(75%)以上の同意
が必要。(準用 読み替え 第68条、第30条1項)
ということです。
| 第八十条 (招集の通知に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 団地建物所有者等が開く集会(以下「団地建物所有者等集会」という。)を招集する者が団地建物所有者等(前条において準用する第三十五条第三項の規定により通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、前条において準用する第三十五条第一項の通知は、団地内の見やすい場所に掲示してすることができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第80条:招集の通知に関する特例 〜準用している第35条3項と1項の例外〜
本第80条1項と次の2項は、第79条で準用した、団地建物所有者等が開く集会で、所在不明者に対して通常と異なった扱いができること定めています。
一度準用した規定を、採用しないという面倒な構成をとっています。
基本的には、1棟の災害時に敷地共有者が開く集会(第74条(招集の通知に関する特例))の「建物の敷地内の見やすい場所に掲示」が、第80条では「団地内の見やすい場所に掲示」に変わっただけです。
第80条1項と2項の文言を第35条3項に入れると、以下のようになります。
<参照> 区分所有法 第35条 (注:読み替えあり)
(招集の通知)
第三十五条 集会 団地建物所有者等集会
の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各
区分所有者 団地建物所有者等
(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
2 専有部分が数人の共有に属するとき
建物若しくは専有部分が数人の共有に属するとき、又は一の建物であつて滅失したものの所有に係る建物の敷地若しくは附属施設に関する権利若しくは一の専有部分を所有するための敷地利用権若しくは附属施設に関する権利に係る敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。第四十条において同じ。)を数人で有するとき
は、前項の通知は、
第四十条 同条
の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
*********************
3 第一項の通知は、
区分所有者 団地建物所有者等
が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは
その場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所
、その場所
にあててすれば足りる。
この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
↓ ↓ ↓
第80条1項の規定:
(通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、第三十五条第一項の通知は、団地内の見やすい場所に掲示してすることができる。
第80条2項の規定:
当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。
ただし、団地建物所有者等集会を招集する者が当該団地建物所有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。
---------------------------------------------------
4 (注:この4項は準用から除かれる)
建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
★所在が分からない 団地建物所有者等に対する集会の通知の特例
通常、集会(総会)の通知のあて先は、管理者に届け出があった場所にだしますが、災害などで連絡先が分からなくなることは、多々あります。
その場合にどう扱うかを規定したのが本第80条1項と2項です。
★所在不明者に対する処置 → 団地内の見やすい場所に掲示でいい。掲示で「到着」の効果がある。過失があってはいけない。
連絡のとれない団地建物所有者等に対しては、特例として団地建物所有者等集会の通知は「団地内の見やすい場所に掲示してすることができる」として、 団地建物所有者等集会の招集者の負担を軽くしています。(第80条1項)
そして、「「団地内の見やすい場所に掲示」した時に、所在が不明な団地建物所有者等に「到着したものとみなし」団地建物所有者等集会の招集手続の瑕疵を無くしています。(第80条2項)
ただし、注意を払えば(過失が無ければ)この所在が不明な団地建物所有者等の所在を知る事ができた場合には、この「団地内の見やすい場所に掲示」しても、相手方への「到着」効果がないことは、他の条文と同様に災害時の特例です。
<参照> 民法 第97条
(意思表示の効力発生時期等)
第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
| 第八十条 (招集の通知に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項の場合には、当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。 ただし、団地建物所有者等集会を招集する者が当該団地建物所有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第80条2項:団地内建物が滅失した場合の集会の通知の特例
★災害時の所在が不明な団地建物所有者等の通知は、「団地内の見やすい場所」に掲示で、相手方に到着とみなすが、所在を知らないことに過失があると効力がない
本第80条2項は、前の第80条1項の集会での特例として、所在が掴めない団地建物所有者等に対しては、「団地内の見やすい場所」に掲示することができるという後を受けた規定です。
1棟が被災した時の第74条2項の「ただし、”敷地共有者等集会”を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたとき」と、招集する者が「”団地建物所有者等集会”を招集する者」になっただけです。
所在が不明な団地建物所有者等に対しては、団地建物所有者等集会を招集する者の手間を省き、「団地内の見やすい場所」に掲示で、その法的な効果として「掲示」をもって、「到着」とみなすことにしました。
しかし、注意をすれば(過失が無ければ)、所在が掴めない団地建物所有者等の所在を知ることができた場合には、「掲示」は相手方に到着とみなすことができないとしています。
どの程度で「過失」の有無が判定されるかは、ケース・バイ・ケースでしょうが、災害時における他の規定と同じ特例です。
参考:第74条
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 第七十八条に規定する場合において、滅失した建物のうち特定の建物(以下この条及び第八十三条において「特定滅失建物」という。)が所在していた土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物(滅失した建物を含む。以下同じ。)の団地建物所有者等の共有に属し、かつ、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合に当該土地(これに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第七十九条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の四分の三以上の多数による承認の決議(以下この条において「再建承認決議」という。)を得たときは、当該特定滅失建物の団地建物所有者等は、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。 一 当該特定滅失建物が専有部分のある建物であつた場合 その再建決議又はその敷地共有者等の全員の同意があること。 二 当該特定滅失建物が専有部分のある建物以外の建物であつた場合 当該特定滅失建物の所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者の同意があること。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第81条:団地内の建物が滅失した場合における団地敷地内での「再建承認決議」 〜出席した団地建物所有者等の議決権の3/4(75%)以上 の賛成があれば、滅失した建物の「再建」ができる〜
条文が、かっこ書きもあり、条件もいろいろありで、これまた分かり難い構成です。
簡単にいうと、団地の中の1つの建物だけが全部滅失した場合に、その建物だけの再建を団地全体でどう承認するかの規定です。
例えば、団地内に、A・B・Cの三棟があり、そのうちのC棟が全部滅失した場合に、団地の団地建物所有者等集会において、再建を認めて(承認)してもらう規定です。

本第81条1項は、上で説明した、第78条(団地建物所有者等の集会等) つまり、
団地内の建物が全て滅失した場合、また団地内のある棟(建物)が滅失した場合に、「団地建物所有者等の集会等」を開けるのは、
まず団地内の
・全部又は少なくても1棟は専有部分のある建物、つまり「区分所有建物」であること((区分所有法が適用される最低の要件)で、
・土地又は集会所などの附属施設の権利が、所有権の共有または地上権・賃借権などの準共有
であることです。(土地等の権利)
・その団地内の建物が全部又はある棟(建物)が全部滅失したときは、
・共有(準共有)者の集団(「団地建物所有者等」と呼ばれる)
1.区分所有建物を所有している者=区分所有者
2.敷地を共有(準共有)している者=敷地共有者等
3.団地関係に入っている”戸建て又は賃貸マンションの所有者”で、滅失した建物又は集会所など附属の施設に関する権利を持っている者
なら、
・滅失の日から起算して、「5年を経過する日」までなら、
集会を開いて、
・規約を定め
・必要なら管理者をおくこと
ができます。
★団地内で滅失した建物が再建を”承認”してもらう前に
団地内である建物が全部滅失した場合に、あたらしく団地内に建物を建築する「再建」を、団地全体で認める”承認”は、その再建を希望する建物の配置、またその建物が使用する容積率などで同じ団地内の他の人の権利にも絡むため、団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会に図って、議決権(土地の持分価格の割合)の3/4(75%)以上の賛成が必要とされますが、この場合に、区分所有法で規定する団地内には、マンションのような共有関係がある区分所有建物と戸建てのような単独所有の建物(非区分所有建物)があるため(第65条)に、対象とする権利関係が異なっていることをうけ、「団地内での再建の承認決議」をする前に団地内で滅失した建物のタイプによって区別して扱うことになります。
”滅失した”という条件はありますが,、本第81条1項は令和8年4月1日施行前の団地関係での取壊し・再建の「建替え承認決議(第69条)」とほぼ同じ規定です。
<参照> 区分所有法 第69条 1項
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条 一団地内にある数棟の建物(以下「団地内建物」という。)の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の特定の建物(以下この条において「特定建物」という。)の所在する土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属する場合においては、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合であつて当該土地(これに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者で構成される第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第六十六条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者が出席し、出席した団地建物所有者の議決権の四分の三以上の多数による承認の決議(以下この条において「建替え承認決議」という。)を得たときは、当該特定建物の団地建物所有者は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。
一 当該特定建物が専有部分のある建物である場合
その建替え決議又はその区分所有者の全員の同意があること。
二 当該特定建物が専有部分のある建物以外の建物である場合
その所有者の同意があること。
(以下、略)

<参照> 区分所有法 第75条 1項
(再建決議)
第七十五条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、当該専有部分のある建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(以下「再建決議」という。)をすることができる。
(以下、略)
その「再建」を希望する建物の区別は、第81条1項1号と2号にあり、
◎団地内で全部滅失した建物(特定”滅失”建物)が、
1号.区分所有建物(専有部分のある建物)なら・・・事前にその棟で令和8年4月1日施行で新設された、
ア.議決権(敷地共有持分等の価格の割合、第73条で第38条の読替え)の4/5(80%)以上の多数決の「再建決議」(第75条)があるか、または、
イ.その敷地共有者等(共有と準共有)の全員の同意があること。全員の同意があれば、問題はない。
2号.戸建て又は個人所有の賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら・・・その敷地の権利者の同意があれば
団地内土地と団地内建物の共有者等で構成される団地建物所有者等集会で
・議決権(土地等の持分の価格の割合)(第79条で第38条の読替え)の過半数が出席し、その出席した議決権の3/4(75%)以上が賛成すれば
全部滅失した建物の所有者たちは、またその団地内の土地に新しく建物を建てられる「再建の承認」が得られる
ということです。
その団地建物所有者等集会の成立要件として、過半数以上の割合を規約で定めていれば、その割合を採用します。
各団地建物の所有者が有している議決権は、規約で別段の規定があっても、
財産権に関係するため、元の建物があった土地の持分の価格の割合です。(第81条2項)
ただし、滅失した建物の「再建計画(再建決議)」が、
・容積率の浸食・・・「再建」を行う建物が、団地全体の容積率を過剰に使用する場合
・敷地利用権の侵害・・・残された土地が顕著に少なくなる
・生活環境の大幅な変更・・・日照や通路などが極端に変更されて今までの生活ができなくなる
など、で団地内の他の建物のこれからの「建替え」や「再建」に”特別の影響を及ぼすべきとき”は、影響を受ける建物の権利者(区分所有者や敷地の共有者など)による別途の特別多数によるなど賛成も必要となります。(第81条5項)
★団地内の土地には、規約敷地も含まれる
団地内で再建ができる土地には、共有関係にある「当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地」とありますから、建物が建っていない土地でも、規約で団地敷地としたいわゆる「規約敷地」の上でも、団地建物所有者等集会で認められれば再建はできます。
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項の団地建物所有者等集会における各団地建物所有者等の議決権は、第七十九条において準用する第三十八条の規定にかかわらず、第七十九条において準用する第三十条第一項の規約に別段の定めがある場合であつても、当該特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎当該特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)・・・これに関する権利=所有権の共有や地上権など準共有
◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議) 2項:議決権は、規約があっても、”土地の持分の価格の割合”
<参照> 議決権は、区分所有法 第79条で準用する第38条 の規定にもかかわらず、土地の持分の価格の割合 (注:読み替えあり)
(議決権) 第三十八条
各 区分所有者 団地建物所有者等 の議決権は、規約に別段の定めがない限り、
第十四条に定める 土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の 割合による。
(注:第14条:専有部分の床面積の割合)
↓ ↓ ↓
---------------------------------------------------
第81条2項 が適用される 第81条 2項
2 前項の団地建物所有者等集会における各団地建物所有者等の議決権は、第七十九条において準用する第三十八条の規定にかかわらず、第七十九条において準用する第三十条第一項の
規約に別段の定めがある場合であつても、当該特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする。
本第81条2項は、前の1項で規定する、団地関係にある場合に、全部滅失したある棟(建物)が新しく建物を建てる「再建」を団地全体で開催する団地建物所有者等集会における「議決権」は、例え規約があっても、土地の権利(所有権や地上権など)の持分価格の割合だとしています。
これは、もう区分所有建物が無くなった以上、区分所有建物関係で適用される”規約”は意味をもたず、例え規約で「議決権の割合は、専有部分の床面積の割合による」と規定していても、滅失の場合は、民法第252条1項で定める「共有物の管理」に従って、「各共有者の持分の価格」としています。
<参照> 民法 第252条 1項
(共有物の管理)
第二百五十二条 共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
(以下、略)
この「土地の持分の価格の割合」を団地建物所有者等集会での「議決権」とするやり方は、もともとあった団地での「建替え承認決議」(第69条)と同様な趣旨です。
団地関係においては、事前に団地建物所有者等ごとに、土地(敷地)の持分の価格の割合を調査しておいて下さい。
★土地の全体評価額の算定 → 団地全体の土地の算定は不要?
団地全体の土地の評価額は、最近の取引事例があれば、不動産鑑定士や不動産会社に依頼して算定するか、国土交通省が毎年発表する「公示地価」などが参考になりますが、団地建物所有者等ごとの土地の持分の割合が決まっていれば、特にその割合に「価格」をかけなくても、単に議決権は「持分の割合」でも同様の結果になります。
特に災害が発生した状況では、土地の評価額を算定するには時間もかかりますので、規約で団地総会での議決権の割合(○○○分の○まるとか)を決めていますから、これも参考にしてください。
あくまでも、”規約”は参考ですよ。

| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議 (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 第一項各号に定める要件に該当する場合における当該特定滅失建物の団地建物所有者等は、再建承認決議においては、いずれもこれに賛成する旨の議決権を行使したものとみなす。ただし、同項第一号に掲げる場合において、当該特定滅失建物に係る敷地共有者等が団地内建物のうち当該特定滅失建物以外の建物の敷地利用権又は敷地共有持分等に基づいて有する議決権の行使については、この限りでない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)3項:団地での「再建承認決議」を受ける全部滅失した建物の各権利者は、”再建承認決議”に賛成したとみなす。 〜擬制〜
本第81条3項では、団地内で地震や津波で被災して全部滅失し、団地内でまた新しく建物を建てる「再建決議」をした建物(特定”滅失”建物)の所有者等は、例え「再建決議において反対」と表明していても、また棄権や欠席していても次の段階の団地全体での「再建承認決議」を目的とする団地建物所有者等集会(第81条1項)においては、「再建決議反対」の意思表示ができず、強制的に「賛成する旨の議決権を行使したものとみなす」ことにして再度反対の意思表示ができなくしています。
この規定は、団地での「建替え承認決議」(第69条3項)と同様で、もうすでに特定滅失建物の集会で「再建決議」が多数決で決まった以上、次の段階である団地建物所有者等集会で、再び再建決議に反対の意思表示をできるとするのは、合理性がないとのことです。
★再建を希望する建物以外の権利も持っていれば、そちらの議決権は行使できる。
ただし、団地内に”特定滅失建物”以外のマンション等を持ち別途敷地利用権や敷地の共有持分を有していれば、そちらの権利の行使として、別途、団地建物所有者等集会での「再建承認決議」における議決権はあり、この権利は、賛成・反対の行使ができます。
この規定も、第69条(団地内の建物の建替え承認決議)3項「ただし書き」と同様です。
<参照> 区分所有法 第69条 3項だけ
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条
3 第一項各号に定める要件に該当する場合における当該特定建物の団地建物所有者は、建替え承認決議においては、いずれもこれに賛成する旨の議決権の行使をしたものとみなす。
ただし、同項第一号に規定する場合において、当該特定建物の区分所有者が団地内建物のうち当該特定建物以外の建物の敷地利用権に基づいて有する議決権の行使については、この限りでない。
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議 (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 4項 第一項の団地建物所有者等集会を招集するときは、第七十九条において準用する第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該団地建物所有者等集会の会日より少なくとも二月前に、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、新たに建築する建物の設計の概要(当該建物の当該団地内における位置を含む。)をも示して発しなければならない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)4項:団地での再建承認決議集会の招集通知は、会日の少なくとも”2か月(初日不算入)”前に、
@会議の目的事項 + A議案の要領 + B新たに建築する建物の設計の概要 を通知すること
本第81条4項は、団地内で地震や津波などの災害を受け全部滅失した棟(建物)が新しく建物を建てる「再建決議」を可決し、それを団地全体として認めるかどうかを審議する「再建承認決議」を行う団地建物所有者等集会を開催する際に通知する内容を規定しています。
「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」を目的とする団地建物所有者等集会を招集できるのは、管理者か、管理者がいなければ、議決権の1/5以上を有する団地建物所有者”等”です。
通常の団地建物所有者等集会なら、会日の少なくとも一週間前に通知をだし、そこには、
@会議の目的たる事項・・・例えば、「○○団地の滅失したXX棟の再建承認決議に関する件」とか
A議案の要領・・・「再建を希望する建物(XX棟)がある土地と共に一体として管理・使用する団地内に新たに建物を建築することに賛成か反対か」
だけでいいのですが、
「再建承認決議」を目的とする団地建物所有者等集会は、それにプラスして
B新たに建築する建物の設計の概要(当該建物の当該団地内における位置を含む)
を、
会日の少なくとも2ヶ月(初日不算入)前に通知することにしています。
この集会開催日(会日)の少なくとも2か月前に、集会の通知をだせということは、団地内で「再建承認決議」をするには、他の棟や戸建てなどの団地建物所有者等にも影響をあたえるため、再建計画の内容を熟慮させるためです。
団地建物所有者等集会の通知として3番目に加えられています、「新たに建築する建物の設計の概要(当該建物の当該団地内における位置を含む)」の内容は、
・再建を希望する建物の設計の概要(階数、構造、間取りなど)と、
・団地内における位置や形状、計画図などを添付します。
新たに建築される建物は、過去に建っていた土地と同一の場所だけに限らず、同じ団地内であれば、移動して建築することも可能なだけでなく、広さや高さ(階数)も変更が可能ですから、この設計の概要は、他の棟の所有者等にとっても非常に関心がある重要なものです。
そこで、その「新たに建築する建物の設計の概要」が、他の建物の今後の建替え計画や再建計画に影響を与えることは、大いにあります。
その場合の規定が、次の第81条5項にあります。
★説明会は、求められていないが。
団地内の「再建承認決議」では、団地全体での「説明会」の開催が求められていないのは、「団地内の建物の建替え承認決議」(第69条)と同様で、法の創案者は、直接再建を希望する棟でなければ、あまり事前に再建計画の詳細を知らなくてもいいとの判断のようですが、 「マンション管理士 香川」としては、再建承認決議は、団地でも全体に影響を与えることを考えると、団地全体での説明会は開催した方がいいと思っています。
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議 (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 5項 第一項の場合において、再建承認決議に係る再建が当該特定滅失建物以外の建物(滅失した建物を含む。以下この項において「当該他の建物」という。)の建替え又は再建に特別の影響を及ぼすべきときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者が当該再建承認決議に賛成しているときに限り、当該特定滅失建物の再建をすることができる。 一 当該他の建物が専有部分のある建物である場合 第一項の団地建物所有者等集会において当該他の建物の区分所有者全員の議決権の四分の三以上の議決権を有する区分所有者 二 当該他の建物が滅失した建物であつて滅失した当時において専有部分のある建物であつた場合 第一項の団地建物所有者等集会において当該他の建物に係る敷地共有者等全員の議決権の四分の三以上の議決権を有する敷地共有者等 三 当該他の建物が専有部分のある建物以外の建物である場合 当該他の建物の所有者(議決権を有しないものを除く。) 四 当該他の建物が滅失した建物であつて滅失した当時において専有部分のある建物以外の建物であつた場合 当該他の建物の所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者(議決権を有しないものを除く。) |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)5項:団地内の他の建物に”特別の影響を及ぼすべきとき”の対応
本第81条5項は、災害等で団地内の全部の建物また団地内のある建物が全部滅失した場合に、団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会で全部滅失した建物を新しく再建できると認める「再建承認決議」において、再建を希望する建物の再建計画が、今後の団地内の他の建物の「建替え」(第69条)や「再建」(第75条)に”特別の影響を及ぼすべきとき”には、特別の要件をクリアーしなければならないと規定しています。
この「特別の影響をおよぼすべきとき」の規定も、団地での「建替え承認決議」を規定した第69条5項の内容を基にしていますが、第69条5項は、まだ建物が残っている場合ですが、本第81条5項は滅失した建物も入っているため、第69条よりも、さらに規定が面倒になっています。
<参照> 区分所有法 第69条 5項だけ
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条
5 第一項の場合において、建替え承認決議に係る建替えが当該特定建物以外の建物(以下この項において「当該他の建物」という。)の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者が当該建替え承認決議に賛成しているときに限り、当該特定建物の建替えをすることができる。
一 当該他の建物が専有部分のある建物である場合
第一項の集会において当該他の建物の区分所有者全員の議決権の四分の三以上の議決権を有する区分所有者
二 当該他の建物が専有部分のある建物以外の建物である場合
当該他の建物の所有者(議決権を有しないものを除く。)
◎議決権・・・土地の持分の価格の割合(第81条2項)
◎当該特定”滅失”建物・・・団地内で再建を希望する建物
◎当該他の建物(団地内で再建を希望する建物=当該特定滅失建物 以外の建物で、この中には、まだ「再建」を希望していない滅失した建物もある)
◎当該他の建物が専有部分のある建物である場合・・・マンションなどの区分所有建物
◎当該他の建物が専有部分のある建物”以外の建物”である場合・・・単独所有の戸建てや賃貸専用のマンションなど
★”特別の影響を及ぼすべきとき”には他の権利者の賛成が必要
団地内で滅失したある建物が他の建物に先行して再建する(これは、建替えでも同じですが)ということは、団地内の他の建物(滅失したものも含めて)の今後の「建替え計画」や「再建計画」にも大きく影響を与えます。
そこで、本第81条5項は、再建を希望する建物(特定”滅失”建物)の「再建計画」が、”特別の影響を及ぼすべきとき”は、再建を希望する建物(特定滅失建物)以外の建物の権利者である区分所有者や戸建ての所有者など敷地共有者等の賛成がなければ、団地内での「再建承認決議」はできないと規定しています。
★団地である建物の「再建」が”特別の影響を及ぼすべきとき”とは
”特別の影響を及ぼすべきとき”という文言は、少し変わった日本語で、慣れない表現ですが、区分所有法では、例えば、規約の設定の第31条1項などで使用されています。
<参照> 区分所有法 第31条
(規約の設定、変更及び廃止)
第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。
この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
(以下、略)
「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、かなり分かり難く「どんなとき」で、何を意味しているのかが争われて最高裁判所の判断が示されています。
この規約の設定・変更・廃止の場合の最高裁判所の平成10年10月30日のシャルマンコーポ博多の判決では、”特別の影響を及ぼすべきとき”とは以下のようにいっています。
最高裁判所 判決:平成10年10月30日:
「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」とは、
規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、
当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が右区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいう。
ということで、”特別の影響を及ぼすべきとき”とは、多数決の原則で物事を決める場合には、決議する内容の必要性と合理性を、これを決めたときに不利益を受ける一部の人が”受忍できる限度かどうか”で比較・判断して、一部の人が受忍できない場合となりますか。
多くの人が関係する組織(団体)では、物事を先に進めるために「多数決」の方法をとりますが、その「多数決」が少数者の権利を大幅・極端に侵害する場合には、その「多数決」も無効となるということです。
多数の横暴を防ぎ、少数者の権利を保護する規定です。
しかし、結局、ある物事の必要性や合理性と、ある物事を決めた場合に発生する不利益との比較衡量の判断は、ケース・バイ・ケースとなります。
★「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」での、”特別の影響を及ぼすべきとき”の具体例
団地内の滅失した建物を再建(建替えも同じ)する場合に、”特別の影響を及ぼすべきとき”とは、その「再建」によって、将来他の建物の「再建計画」や「建替え計画」が著しく困難になることで、具体例としては、以下のような事態が考えられます。
・容積率の浸食・・・「再建」を行う建物が、団地全体の容積率を過剰に使用する場合
・敷地利用権の侵害・・・残された土地が顕著に少なくなる
・生活環境の大幅な変更・・・日照や通路などが極端に変更されて今までの生活ができなくなる
これらにおいても、判定が難しい少数者が「受忍できる限度」を超えている状態であることが必要ですから、少数者が納得できなければ、裁判になることも予想されます。
そこで、「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」においては、必要とされていませんが、団地全体での「説明会」を開いて、賛成者・反対者が共に納得が行くまで議論を交わすことです。
★団地で”特別の影響を及ぼすべきとき”の「再建承認」の要件
団地で全部滅失したある建物(特定滅失建物)の「再建を承認」するには、団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において
・議決権(土地の持分の価格の割合。第81条2項))の過半数(規約でこれ以上を定めていればそれを採用)を有する団地建物所有者等が出席し、
・出席した団地建物所有者等の議決権の3/4(75%)以上の多数の賛成
があれば、「再建承認決議」を得て、団地内に再建ができますが、その「再建」が団地全体の容積率を過剰に使用しているなど”特別の影響を及ぼすべきとき”に該当していると、第81条5項、1号から4号に規定されている以下の賛成も必要となります。
1号.団地内の他の建物がまだ滅失していない区分所有建物(専有部分のある建物)なら・・・団地建物所有者等集会で区分所有者全員の議決権の3/4(75%)以上の議決権を有する区分所有者の賛成
2号.団地内の他の建物が滅失する前は区分所有建物なら・・・もう区分所有者はいないので、団地建物所有者等集会において当該他の建物に係る敷地共有者等全員の議決権の3/4(75%)以上の議決権を有する敷地共有者等の賛成
3号.団地内の他の建物がまだ滅失していない状態の戸建てや賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら・・・その建物の所有者の賛成
所在等不明で議決権を有しない者は除く。
4号.団地内の戸建てや賃貸マンションが滅失していれば・・・かって建物だった敷地の権利者の賛成
所在等不明で議決権を有しない者は除く。
この、状況の多さに、区分所有法内の団地関係に、戸建てや1棟が賃貸マンションを取込んだ面倒さが出ています。
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議 (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 6項 第一項の場合において、当該特定滅失建物が二以上あるときは、当該二以上の特定滅失建物の団地建物所有者等は、各特定滅失建物の団地建物所有者等の合意により、当該二以上の特定滅失建物の再建について一括して再建承認決議に付することができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第1項の場合・・・第81条1項の「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」
◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)6項:団地において、全部滅失した複数の建物が「再建」を希望するなら、纏めて1回の「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」にかけていい。
★団地内での「一括”再建承認”」 〜滅失した複数の建物の「再建」を承認する〜
本第81条6項は、団地内で被害を受け全部滅失した2つ以上の建物が、他に先行して「再建」を希望するなら、もう纏めて(一括して)1回の団地建物所有者等集会で複数の建物の「再建承認決議」を受けることができる規定です。
この規定も、団地での建替え承認決(第69条6項)が、基になっています。
<参照> 区分所有法 第69条 6項だけ
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条
6 第一項の場合において、当該特定建物が二以上あるときは、当該二以上の特定建物の団地建物所有者は、各特定建物の団地建物所有者の合意により、当該二以上の特定建物の建替えについて一括して建替え承認決議に付することができる。
★「”一括”再建承認決議」を求めるには、各再建を希望する建物の権利者等の合意(多数決)が必要
団地内の全ての建物が全部滅失、又は団地内の一部の建物が滅失した場合には、先行して「再建」を希望する建物の権利者は、団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会で、その「再建」を承認してくれという「再建承認決議」に付することができます。(第81条1項)
そこで、同じ団地内で全部滅失して「再建」を希望する建物が1つだけでなく複数ある場合には、その再建計画ごとに、団地建物所有者等が集まって「再建”承認”決議」を行うことも煩雑ですから、再建を希望する複数の建物の「再建計画」を団地全体で同一の議案として一括して審議し決議することができるようにしたのが、本第81条6項です。
団地内の複数の建物の再建計画を一括して審議することの利点としては、これも「建替え」と同様に、隣接した建物群が共同で再建をすることにより、もとは2棟を高層の1棟にしたりして、一つの建物だけの再建に比べて建築内容が豊かになり、また屋外空間もゆとりのあるものも可能となり、団地全体での調和のとれた建物群として計画できることです。
また、巨大な団地で、全棟の一括再建が困難な場合、数棟ごとにまとめて徐々に再建して行く時にも利用できます。
その前に、この滅失した建物がある団地で、「複数の建物の一括再建承認決議」に付することを希望する複数の建物の権利者(団地建物所有者等)は、「一括再建承認決議」に付することに「同意」していることが要件になっています。
★「一括再建承認決議」を求める前に 〜区分所有建物での合意の擬制〜
「一括再建承認決議」を求める際に、再建を希望する建物が戸建てや個人所有の賃貸マンションであれば、「同意」をすることは、元の建物に関係する人も少なくてその「合意」も比較的簡単に得られますが、全部滅失した建物がマンションのような区分所有建物だと、全員の合意を得ることは無理というかもう不可能に近くなります。
そこで、次の第81条7項で、滅失して再建を希望する建物がマンションのような区分所有建物であれば、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の4/5以上の多数で「再建決議」が成立していることが必要とし(第75条)、それとは別の議案としてその建物の「再建決議」の内容を、他の再建決議をした建物と共に、団地建物所有者等集会の「再建承認決議」において「一括して再建承認決議に付する旨」も敷地共有者等の議決権の4/5以上の多数で決議しておくことが必要です。
議決権の 4/5以上の多数で「一括して再建承認決議に付する旨」の決議があれば、その再建を希望する区分所有建物の敷地共有者等は、全員が「一括して再建承認決議に付する」ことに合意(賛成)したとみなすことで、時間をかけずに物事を先に進めることができます。
一括再建承認付議は、例えば、団地内に元はA・B・C棟の3つのマンションがあり、全部滅失したA・B棟の2棟だけが共同して、1つの棟のマンションとして再建をしたい時などに使えます。
| 第八十一条 (団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議 (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 7項 前項の場合において、当該特定滅失建物が専有部分のある建物であつたときは、当該特定滅失建物の再建を会議の目的とする敷地共有者等集会において、当該特定滅失建物に係る敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、当該二以上の特定滅失建物の再建について一括して再建承認決議に付する旨の決議をすることができる。この場合において、その決議があつたときは、当該特定滅失建物の団地建物所有者等(敷地共有者等に限る。)の同項に規定する合意があつたものとみなす。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎当該特定滅失建物が専有部分のある建物・・・滅失して再建を希望する建物が多数決を必要とする区分所有建物であること
◎議決権・・・特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合(第81条2項)
◎第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)7項: 滅失した区分所有建物が他の建物と共に「一括して再建承認」を求める場合 → 多数決で「合意」があったとみなす 〜擬制〜
本第81条7項は、前の6項の規定を受けたものです。
団地内の建物が災害等で全部滅失した場合、滅失した建物の権利者は、自分たちの建物を「再建」すると決議して、そののち、団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会で「再建承認決議」に付することができます(第81条1項)
その際に、「再建」を希望するのが1つの建物だけでなく他の滅失した複数の建物も「再建」を希望するなら、毎回別々に団地建物所有者等集会で「再建承認決議」を開くのも煩雑ですから、これらを1回に纏めて(一括して)団地での「再建承認決議」をしてくれと希望することもできます。(第81条6項)
この滅失した複数の建物の権利者が「一括して再建承認」を求めるには、事前に再建を希望する建物の所有者等の合意が必要となっています。(第81条6項)
再建を希望する建物が、元は戸建てとか賃貸マンションであれば、建物に係る権利者も少なくてその「合意」も比較的簡単に得られますが、全部滅失した建物がマンションのような区分所有建物だと、全員の合意を得ることは無理というかもう不可能に近くなります。
そこで、本第81条7項では、
★合意があったとみなす・・・再建を希望する建物がマンションのような区分所有建物であり、他の再建を希望する建物と「一括して団地の再建承認決議にかけるよう決議」を敷地共有者等の議決権の4/5(80%)以上の多数で賛成すると、それらの建物の権利者(敷地共有者等)は、6項で定める「各特定”滅失”建物の団地建物所有者等の合意があったもの」とみなされる。
これにより、再建に対して反対を許さなくしている。
・参考:推定す・・・反証ができれば、そちらを認定する。
この第81条7項の規定も、「団地内の建物の建替え承認決議」を定めている第69条7項を参考にしています。
<参照> 区分所有法 第69条 7項だけ
(団地内の建物の建替え承認決議)
第六十九条
7 前項の場合において、当該特定建物が専有部分のある建物であるときは、当該特定建物の建替えを会議の目的とする第六十二条第一項の集会において、当該特定建物の区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四(当該特定建物が同条第二項各号のいずれかに該当する場合にあつては、四分の三)以上の多数で、当該二以上の特定建物の建替えについて一括して建替え承認決議に付する旨の決議をすることができる。
この場合において、その決議があつたときは、当該特定建物の団地建物所有者(区分所有者に限る。)の前項に規定する合意があつたものとみなす。
| 第八十二条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 第七十八条に規定する場合において、滅失した建物以外の特定の建物(以下この条及び次条において「特定建物」という。)が所在する土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属し、かつ、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合に当該土地(これに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第七十九条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、 その割合以上)を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の四分の三以上の多数による承認の決議(次項及び第三項において「建替え承認決議」という。)を得たときは、当該特定建物の団地建物所有者等は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。 一 当該特定建物が専有部分のある建物である場合 その建替え決議又はその区分所有者の全員の同意があること。 二 当該特定建物が専有部分のある建物以外の建物である場合 その所有者の同意があること。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎特定建物・・・被災等があった団地内でまだ建物は残っているが、これを取壊し新しく建物を建てたいと希望する建物
この場合は、「建替え」となる
◎特定”滅失建物・・・滅失して再建を希望する建物なら「特定”滅失”建物」と呼ばれて、特定建物と区別される
この場合は、「再建」となる
◎団地建物所有者等・・・団地内の全部又は一部の建物が滅失した場合の区分所有者や団地の敷地(土地)又は附属施設の権利を有する共有者等(共有と準共有)(第78条1項)
区分所有法での「団地関係」には、戸建てや個人所有の賃貸マンションも入っていることに注意
◎議決権・・・特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合(第81条2項)
注:「建替え」と「再建」の違い
「建替え」は、まだある建物を取壊して新たに建物を建築することで、「再建」は、もう全部滅失した建物なので取壊しの過程はなく、新しく建物を建てると、言葉を分けている。(瓦礫だけの撤去は建替えではないという発想)
★第82条(団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議)
本第82条は、
@団地内の全ての建物が全てマンションのような区分所有建物か また
A戸建てや個人所有の賃貸マンションもあり、一部の建物が区分所有建物で、
・その団地の土地や集会所などの附属施設が、
区分所有者や戸建てや個人所有の賃貸マンションの所有者(団地建物の所有者)の共有になっていれば(団地建物所有者等)は、
@団地内の建物が全部滅失または一部の建物が全部滅失した場合に、
団地建物所有者等は、集会を開ける(第78条)状態の団地関係であれば、
まだ団地内で滅失していない建物(特定建物)の土地の権利が団地建物所有者等の共有にあれば、まだ滅失していない建物は、その建物を取壊して、団地内の土地(規約敷地も含めて)に新しく”建替える”という団地全体での承認決議(建替え承認決議)を求めることができるというものです。
この「団地での”建替え”承認決議」を得るには、土地を共有している団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等の集会において
まず、集会の成立要件として
・議決権(土地の持分の価格の割合)の過半数(規約で過半数を上回る割合を定めていればその割合以上)が出席し
・出席した団地建物所有者等の議決権((土地等の持分の価格の割合)の 3/4(75%)以上 の多数による承認の決議が必要です。
その前に、建替えを希望するまだ全部滅失していない建物が
1.区分所有建物(専有部分のある建物)なら
ア..建替え決議(第62条)(4/5以上の多数決) か
イ.区分所有者全員の同意 があること
2.戸建てや賃貸マンション(有部分のある建物以外の建物)なら
ア.所有者の同意があること
です。
これらの要件は、民法の共有関係での「共有物の重大な変更には全員の合意」が必要とされるのを、民法の特別法として多数決の理論である区分所有法を適用する上では、必要なものです。
★団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議の詳細 〜第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)とほぼ同じ〜
被災した団地内で現存する建物を取り壊して新しく建物を建築する「”建替え”承認決議」は、前の第81条の「団地内の建物が滅失した場合における”再建”承認決議」とほぼ同じですから、次の第82条2項で第81条2項から7項までの規定が準用されるという構成にしています。
つまり、
・建替え承認決議の議決権は、規約があっても、「土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」
・「建替え承認決議」の団地建物所有者等集会の通知は、その重要性から少なくとも、会日の2ヶ月前に出すこと
・2つ以上の建物の権利者が「建替え」を希望するなら、纏めて一回の「建替え承認決議」を得ることもできる
等です。
詳細は、次の第82条2項にあります。
また、全部滅失して「建替え」を希望する建物が、第62条(建替え)の2項で規定する、地震や火災に対する安全性における建築基準法への不適合、外壁剥落の危険性、給排水設備の著しい劣化、バリアフリー基準の不適合など、社会的な要請がある5つの事項の1つに該当すれば、、必要な議決権の割合の、4/5以上は、3/4以上に緩和されます。(第82条3項))
| 第八十二条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) | |||||||||||||||
| 2項 前条第二項から第七項までの規定は、建替え承認決議について準用する。 この場合において、これらの規定(同条第二項を除く。)中「特定滅失建物」とあるのは「特定建物」と、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第五項及び第六項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と、同条第二項中「特定滅失建物」とあるのは「特定建物(次条第一項に規定する特定建物をいう。以下同じ。)」と、「所在していた」とあるのは「所在する」と、同条第三項中「第一項各号」とあるのは「次条第一項各号」と、同項ただし書中「に係る敷地共有者等」とあるのは「の区分所有者」と、同条第四項中「第一項の団地建物所有者等集会」とあるのは「次条第一項の団地建物所有者等集会」と、同条第五項中「再建が」とあるのは「建替えが」と、同項及び同条第七項中「再建を」とあるのは「建替えを」と、同条第六項及び第七項中「再建に」とあるのは「建替えに」と、同項中「専有部分のある建物であつた」とあるのは「専有部分のある建物である」と、「敷地共有者等集会」とあるのは「第六十二条第一項の集会」と、「敷地共有者等の議決権の五分の四」とあるのは「区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四(当該特定建物が同条第二項各号のいずれかに該当する場合にあつては、四分の三)」と、「敷地共有者等に」とあるのは「区分所有者に」と、「同項」とあるのは「前項」と読み替えるものとする。 --------------------------------------------------- *注:準用と読み替えは、本当に分かり難くてピンとこないので、以下のように、条文を入れて、読替えもいれた。
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| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第82条(団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議)2項:第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)の規定の多くを準用する。
団地内の建物が滅失した場合における団地建物所有者等集会での”建替え”承認決議も前の第81条で規定する「団地内の建物が滅失した場合における”再建”承認決議」とその内容は、「建替え」は、現存する建物を取壊して、新しく建物を建てることで、「再建」は、瓦礫化した建物を撤去して新しく建物を建てるというだけで、「建替え」も「再建」もその実態は殆ど差がありませんから、第82条の「団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議」においては、前の第81条の「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」で定める「議決権=土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」とか、他の建物に「特別の影響を及ぼすべきとき」は、影響をうける権利者の賛成・同意が必要とかを準用し、「再建」を「建替え」と読み替えることにしました。
◎読み替えの原則
第82条2項による第81条2項から7項までの基本的な読み替えは以下のようになります。
| 元の語 | → 読み替え | 説明など |
| ”再建”承認決議 | ”建替え”承認決議 | 「再建」から「建替え」へ |
| 再建 | 建替え | |
| 特定”滅失”建物 | 特定建物 | ”滅失”をとる。建替えを希望する建物(第69条と同じ) |
| 特定”滅失”建物に係る敷地共有者等 | 特定建物の区分所有者 | まだ建物はあるので |
| 議決権=所在する土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合 | 読み替え無 | |
★読み替えの流れ
準用されている規定の流れの概略は、以下のようになります。
・議決権は、規約があっても建替えを希望する建物(特定建物)がある土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合とする
・特定建物が団地全体の団地建物所有者等集会で「建替え承認決議」を求める際には、特定建物の区分所有者は、もう反対の意思表示はできない。
・被災した団地での「建替え承認決議」を開催する団地建物所有者等集会の通知は、少なくとも会日の2か月前(初日不算入)に、
@会議の目的たる事項 A議案の要領 B新たに建築する建物の設計の概要もだすこと
・特定建物の建替えが、他の建物に「特別の影響をおよぼすべきとき」は、「特別の影響をうける」のが、
ア.区分所有建物(専有部分のある建物)なら・・・区分所有者全員の議決権の3/4以上の議決権を有する区分所有者
イ.滅失した区分所有建物なら・・・建物に係る敷地共有者等全員の議決権の3/4以上の議決権を有する敷地共有者等
ウ.戸建てや個人所有の賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら・・・建物の所有者(議決権を有しないものを除く。)
エ.滅失した戸建てや賃貸マンションなら・・・建物の所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者(議決権を有しないものを除く。)
の賛成が必要
・複数の特定建物が、同時に「一括して”建替え”承認決議」を求めることもできる
・上の「一括して建替え承認決議」は、特定建物が区分所有建物なら、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各4/5以上の賛成必要
ただし、地震や火災に対する安全性における建築基準法への不適合、外壁剥落の危険性、給排水設備の著しい劣化、バリアフリー基準の不適合など、社会的な要請がある5つの事項の1つに該当すれば、、4/5以上は、3/4以上に緩和される(注:ここだけが「建替え」の特徴)
などです。(3項:令和8年4月1日施行の改正区分所有法第62条2項で追加された事由)
*5つの事項(第62条2項)
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 2項だけ
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
各条文の詳細な解説は、準用されている第81条2項から7項の説明と同じですから、そちらを読んでください。
| 第八十二条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 建替え承認決議に係る建替えの対象となる特定建物(前項において準用する前条第六項の場合にあつては、建替え承認決議に係る建替えの対象となる全ての特定建物)が第六十二条第二項各号のいずれかに該当する場合における第一項の規定の適用については、同項中「四分の三」とあるのは、「三分の二」とする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎特定建物・・・建替えを希望する(一括の場合も含めて)建物
◎第六十二条第二項各号・・・耐震性不足、火災上の問題など、社会的に見て建替えを早期に行うことが望まれる5つの「客観的な事由」がある場合
◎第一項の規定・・・第82条1項の規定
★第82条(団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議)3項:5つの「客観的な事由」の1つに該当すれば、議決権を3/4(75%)以上 から 2/3(66.6%)以上 に緩和できる
この規定も、準用の中にカッコ書きもありで難解な規定です。
★第62条2項の規定 〜耐震性不足など5つの「客観的な事由」のいずれかに該当すること〜
憶えていますか。
令和8年4月1日施行の改正区分所有法の第62条(建替え決議)においては、2項に社会的に見て、危険性があり、建替えの要件が緩和される5つの状況として以下が追加されました。
1.”地震”に対する建築基準法の安全性等に適合していないとき
2.”火災”に対する建築基準法の安全性等に適合していないとき
3.”外壁、外装材等が剥離して危険な状態”にあるとき
4.”給排水等の配管の損傷、腐食等の劣化により著しく衛生上有害な状態にあるとき
5.”高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の建築物移動等円滑化基準”に準じていないとき
で、これらには、全て別途に、マンション建替円滑化法第102条のように法務大臣が定める基準があることになってます。
<参照> 区分所有法 第62条 (*注:2項は令和8年4月1日施行で追加された条文)
(建替え決議)
第六十二条
集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
---------------------------------------------------
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
(以下、略)
★団地内で建替えを希望する区分所有建物が、耐震性不足など5つの「客観的な事由」のいずれかに該当する場合 → 団地建物所有者等集会の建替え承認決議の多数決要件を 3/4(75%)以上が 2/3(66.6%)以上 に緩和できる
第82条3項での規定の「”第一項”の規定の適用については、同項中「四分の三」とあるのは、「三分の二」とする」の第1項は、分かり難いのですが、第82条1項の規定を指します。
<参照> 区分所有法 第82条1項
(団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議) 第
八十二条 第七十八条に規定する場合において、滅失した建物以外の特定の建物(以下この条及び次条において「特定建物」という。)が所在する土地(これに関する権利を含む。)が当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属し、かつ、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合に当該土地(これに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第七十九条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の四分の三以上の多数による承認の決議(次項及び第三項において「建替え承認決議」という。)を得たときは、当該特定建物の団地建物所有者等は、当該特定建物を取り壊し、かつ、当該土地又はこれと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。
一 当該特定建物が専有部分のある建物である場合
その建替え決議又はその区分所有者の全員の同意があること。
二 当該特定建物が専有部分のある建物以外の建物である場合
その所有者の同意があること。
(以下、略)
つまり、団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議を行う団地建物所有者等集会における必要な議決権は、建替えを希望する建物(一括建替え承認決議を希望する複数の建物も含めて)が、第62条2項で定める耐震性不足など5つの「客観的な事由」で建替えを希望するなら、議決権の要件を、出席した「3/4(75%)以上から「2/3(66。6%)以上」に緩和して、建替えをスムーズに行えるようにしています。
| 第八十三条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 第七十八条に規定する場合において、特定建物が所在する土地(これに関する権利を含む。)及び特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)がいずれも当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属し、かつ、当該特定建物及び当該特定滅失建物(以下この項及び次項において「当該特定建物等」という。)につき次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合にこれらの土地(これらに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第七十九条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の四分の三以上の多数により当該特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の再建について一括して承認する旨の決議(以下この条において「建替え再建承認決議」という。)を得たときは、当該特定建物等の団地建物所有者等は、当該特定建物を取り壊し、かつ、これらの土地又はこれらと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。 ただし、当該特定建物等の団地建物所有者等がそれぞれ当該特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の再建について建替え再建承認決議に付する旨の合意をした場合でなければならない。 一 当該特定建物が専有部分のある建物である場合 その建替え議又はその区分所有者の全員の同意があること。 二 当該特定滅失建物が専有部分のある建物であつた場合 その再建決議又はその敷地共有者等の全員の同意があること。 三 当該特定建物が専有部分のある建物以外の建物である場合 その所有者の同意があること。 四 当該特定滅失建物が専有部分のある建物以外の建物であつた場合 当該特定滅失建物の所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者の同意があること。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎第78条に該当すること…団地内において最低1つの建物は区分所有建物であって、敷地や附属施設が共有関係にあること
◎特定建物・・・まだ建物は残っていて「建替え」を希望する建物
◎特定”滅失”建物・・・災害にあって全部滅失し「再建」を希望する建物
注:区分所有法での団地には、戸建てや個人が所有している賃貸マンションも入っている
◎議決権・・・土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合
★第83条:団地内の建物が滅失した場合における「”建替えと再建”承認決議」
令和8年4月1日施行の改正区分所有法で、団地内の建物が滅失した場合における措置として新設された第83条は、
団地の関係において”建替え”(まだ存在している建物を取壊して新しく建物を建築する)を希望する建物の所有者と、”再建”(被災等でもう建物が存在しなくなったので新しく建物を建築する)を希望する土地の権利者が同時に存在している場合には、団地として、それらを纏めて1回の団地建物所有者等集会を開き、特別多数決で「”建替えと再建”承認決議」ができることを規定しています。
被災した団地内で、滅失していないが「建替え」を希望する建物(特定建物)と、全部滅失して「再建」を希望する建物(特定”滅失”建物)が、同時に複数存在する場合には、これらの「建替え希望の建物」の「建替え計画」と、被災して全部滅失した「再建希望の建物」の「再建計画」を、団地として別々に団地建物所有者等集会を開いて「承認」するというのも、煩雑なことです。
それに、地震や津波で被災した団地内の建物は、全滅(全壊)まではしていないくても、かなりの被害を受けて大規模滅失(建物価格の1/2超)となり、復旧よりも「建替え」を希望する建物の所有者(区分所有者)も出てくるでしょう。
これらの建替え計画と再建計画を纏めて行うメリットは、前の第81条「団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議」6項で、被災した団地内で再建を希望する建物が複数ある場合には、これらを纏めて「再建承認決議」ができるとしたように、関係する複数の建物と土地を計画的に扱うことにより、元は低層の4棟を高層化して1棟にするなど多様な建物の配置が可能となり、一体的な再生・再編ができ事業性が高くなります。
しかし、変更される土地と建物により、容積率などで「特別の影響をうける」団地内の他の権利者にも配慮することは、当然です。

★団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議」の要件
まず、団地での団地建物所有者等集会で「建替え再建承認」を得る前に、
1.建替えを希望する建物(特定建物)が
@区分所有建物(専有部分のある建物)なら
ア.建替え決議(第62条)か(特別多数決)
イ.区分所有者全員の同意 があること(全員の同意あれば、問題ない)
A戸建てや単独所有の賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら
ア.その所有者の同意があること
2.再建を希望する建物(特定”滅失”建物)が
@区分所有建物(専有部分のある建物)なら
ア.再建決議(第75条)か(特別多数決)
イ.区分所有者全員の同意 があること(全員の同意あれば、問題ない)
A戸建てや単独所有の賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら
ア.所有に係る建物の敷地に関する権利を有する者の同意 があること
です。
その上に、別途に、特定建物と特定”滅失”建物が、各々「建替え再建承認決議」に付すことに合意をしていることが、必要です。(第83条2項がある)
★可決の要件 〜議決権の3/4(75%)以上の賛成が必要〜
これらが揃ったら、団地の土地の共有者で構成される団地建物所有者等集会を開いて、
・議決権(土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合)(第81条2項 準用)の過半数(規約でこれ以上の割合を定めていれば、そちらを採用する)が
・議決権の過半数が出席した団地建物所有者等集会で、
・出席した団地建物所有者等の議決権の3/4(75%)以上 の
多数が賛成すれば、
団地内で建物を取り壊し、かつ、これらの土地又はこれらと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができるという「建替え再建承認決議」が得られます。
| 第八十三条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項本文の場合において、当該特定建物等が専有部分のある建物(滅失した専有部分のある建物を含む。)であり、かつ、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当するときは、当該各号に規定する集会において、当該特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の再建について建替え再建承認決議に付する旨の決議をすることができる。 この場合において、その決議があつたときは、当該特定建物等の団地建物所有者等(特定建物にあつては区分所有者に限り、特定滅失建物にあつては敷地共有者等に限る。)の前項ただし書に規定する合意があつたものとみなす。 一 特定建物である場合 当該特定建物の建替えを会議の目的とする第六十二条第一項の集会において、当該特定建物の区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四(当該特定建物が同条第二項各号のいずれかに該当する場合にあつては、四分の三)以上の賛成があること。 二 特定滅失建物である場合 当該特定滅失建物の再建を会議の目的とする敷地共有者等集会において、当該特定滅失建物に係る敷地共有者等の議決権の五分の四以上の賛成があること。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎前項本文の場合において・・・第83条1項の本文。但し書きの「ただし、当該特定建物等の団地建物所有者等がそれぞれ当該特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の再建について建替え再建承認決議に付する旨の合意をした場合でなければならない。」は、除くということ。
第83条1項本文の場合において・・・本文は以下のとおり。
「第七十八条に規定する場合において、特定建物が所在する土地(これに関する権利を含む。)及び特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)がいずれも当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属し、かつ、当該特定建物及び当該特定滅失建物(以下この項及び次項において「当該特定建物等」という。)につき次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める要件に該当する場合にこれらの土地(これらに関する権利を含む。)の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において議決権の過半数(これを上回る割合を第七十九条において準用する第三十条第一項の規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する団地建物所有者等が出席し、出席した団地建物所有者等の議決権の四分の三以上の多数により当該特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の再建について一括して承認する旨の決議(以下この条において「建替え再建承認決議」という。)を得たときは、当該特定建物等の団地建物所有者等は、当該特定建物を取り壊し、かつ、これらの土地又はこれらと一体として管理若しくは使用をする団地内の土地(当該団地内建物の団地建物所有者等の共有に属するものに限る。)に新たに建物を建築することができる。
◎特定建物・・・まだ建物は残っていて、「建替え」を希望する建物。ここには区分所有者が存在する。
◎特定”滅失”建物・・・建物が被災により全部滅失した建物。ここには、もう区分所有者はいない。
◎特定建物等・・・特定建物 + 特定滅失建物のこと
この条文も「当該」が多くて分かり難い。本文といったり、ただしがきの「合意」とか、本当に条文を無理に分かり難くしている気がする。
★第83条(団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議)2項は、分かり難くい構成です。〜区分所有建物なら他の建物も一括して建替え再建承認決議に参加できる〜
前の第83条1項の場合においてとは、被災した団地関係において、
・「建替えを希望する建物=特定建物」と
・滅失して「再建を希望する建物の権利者(敷地の共有者)=特定”滅失”建物」は、
事前に「建替え決議」や「再建決議」をしていれば、団地全体の団地建物所有者等集会で、議決権(土地等の持分の価格の割合)の
・過半数が出席し、
・その出席した議決権の3/4(75%)以上の賛成があれば、
団地内に纏めて「建替えと再建ができる承認決議=建替え再建承認決議」を得て、団地内の土地(規約敷地も含めて)に新しく建物を建築できるという内容です。
そこで、本第83条2項は、第1項の「建替え再建承認決議」に区分所有建物(滅失した区分所有建物も)なら、建替えを希望する建物と再建を希望する建物の権利者は、「建替え決議」や「再建決議」とは別途に各々「建替え再建承認決議に付する旨の決議」もしていることが必要だと規定しています。
これは、今での団地内の複数の建物がからむ「一括再建承認決議」への参加と同様な効果があります。
多数決による「建替え再建承認決議に付する旨の決議」が可決されれば、各々の区分所有者や敷地の共有者はもうこの「建替え再建承認決議に付する旨の決議」には反対することが許されず、全員が「同意したものとみなす」となります。
そこで、「建替え再建承認決議に付する旨の決議」をする際に、まだ建物が残っていて区分所有者が存在している特定建物と建物が滅失し区分所有者がいなくなった特定”滅失”建物では、議決の方法が異なるため、以下のように別々の要件を規定しています。
@特定建物(建替え希望)の場合
建替え決議の集会(第62条1項)において、所在等不明で議決権を有しない区分所有者は除いて
ア.区分所有者数 と
イ.議決権(ここの議決権は、規約で別段の定めがなければ、専有部分の床面積の割合)
の各4/5(80%)以上の賛成が必要。
ただし、建替えの理由が、第62条2項の耐震性不足、火災に対する安全性不適合など5つの「客観的事由」のいずれかに該当したものであれば、各4/5(80%) 以上は、3/4(75%)以上に緩和できる。
5つの客観的事由とは、以下の事由です。
<参照> 区分所有法 第62条 2項だけ
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
A特定”滅失”建物の場合(再建希望)
再建決議の集会(第75条)において、敷地共有者等の議決権(ここの議決権は、もう建物がなくなったので敷地共有持分等の価格の割合)の4/5(80%)以上の賛成があること。
面倒な、規定ですが、建物があるか、ないかは、重要なポイントですから、仕方のないことです。
| 第八十三条 (団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) | ||||||||||||
| 3項 第八十一条第二項から第五項までの規定は、建替え再建承認決議について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、及び同条第五項中「第一項」とあるのは「第八十三条第一項」と、同条第二項中「特定滅失建物」とあるのは「特定建物(次条第一項に規定する特定建物をいう。次項及び第五項において同じ。)が所在する土地(これに関する権利を含む。)及び当該特定滅失建物」と、同条第三項中「第一項各号」とあるのは「第八十三条第一項各号」と、「当該特定滅失建物の」とあるのは「当該特定建物等(同項に規定する当該特定建物等をいう。以下この項及び第五項において同じ。)の」と、同項ただし書中「同項第一号」とあるのは「同条第一項第一号及び第二号」と、「特定滅失建物に」とあるのは「特定建物の区分所有者又は当該特定滅失建物に」と、同項ただし書及び同条第五項中「当該特定滅失建物以外」とあるのは「当該特定建物等以外」と、同条第四項中「第一項の団地建物所有者等集会」とあるのは「第八十三条第一項の団地建物所有者等集会」と、同条第五項中「再建が」とあるのは「建替え及び再建が」と、「特定滅失建物の」とあるのは「特定建物の建替え及び当該特定滅失建物の」と読み替えるものとする。 --------------------------------------------------- 注:準用される第81条2項から5項までは、読み替えもありで、本当に分かり難くてピンとこないので、以下のように表にした。
|
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第83条(団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議)3項 〜第81条(団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議)を準用し、読替える。〜
本第83条3項は、団地内の建物が滅失した場合における”建替え再建”承認決議においては、前の第81条の「(団地内の建物が滅失した場合における”再建”承認決議」の条文に「建替え」を加えただけのものですから、第81条2項から5項までを準用しています。
第83条3項による第81条2項から5項までの基本的な読み替えは以下のようになります。
| 元の語 | → 読み替え | 説明など |
| ”再建”承認決議 | ”建替え”再建承認決議 | 「再建」に「建替え」を加える |
| 再建 | 建替え及び再建 | |
| 特定滅失建物 | 特定建物及び特定滅失建物 | |
| 議決権=所在する土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合 | 読み替え無 | |
★読み替えの流れ
本第83条3項における、第81条2項から5項までの準用と読み替えの概要は以下のようになります。
・議決権・・・規約があっても、特定建物が所在する土地(これに関する権利を含む。)及び当該特定滅失建物が所在していた土地(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合
・特定建物(建替え希望の建物)と特定”滅失”建物(再建希望の建物)の権利者は、「建替え再建承認決議」においては、共に、建替え再建承認決議に賛成しているとみなす。
ただし、別の建物の敷地利用権をもっていれば、その議決権は別途行使できる。
・建替え再建承認決議を招集する通知は、少なくとも会日の2か月前(初日不算入)にだすこと。
・通知の内容
@会議の目的たる事項 + A会議の要領 + B新たに建築する建物の設計の概要
・建替えと再建が、団地内の他の建物の建替えや再建に「特別の影響を及ぼすときは」影響を受けるのが、
ア.区分所有建物(専有部分のある建物)なら・・・、団地建物所有者等集会で他の区分所有者の3/4(75%)以上の賛成
イ.滅失したが元は区分所有建物だったら・・・団地建物所有者等集会で敷地共有者等の議決権の3/4(75%)以上の賛成
ウ.戸建てや個人所有の賃貸マンション(専有部分のある建物以外の建物)なら・・・建物の所有者(議決権を有しないものは除いて)の賛成
エ.滅失したが元は戸建てや個人所有の賃貸マンションなら・・・建物の敷地の権利者(議決権を有しないものは除いて)の賛成
が必要となります。
詳細は、準用されている第81条2項からの解説を参考にしてください。
| 第八十四条 (団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 第七十条第一項本文に規定する場合において、団地内の全部又は一部の建物が滅失したときは、第六十二条第一項及び第七十五条第一項の規定にかかわらず、団地内建物の敷地等(団地内建物が所在し、又は所在していた土地及び第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされ、又は団地内建物が滅失した当時において団地内建物の敷地とされていた土地をいう。以下この項及び次項において同じ。)又はこれに関する権利の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において、当該団地内建物の団地建物所有者等(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地等若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地等の全部若しくは一部を含む土地(第三項第一号においてこれらの土地を「再建団地内敷地」という。)に新たに建物を建築する旨の決議(以下この条において「一括建替え等決議」という。)をすることができる。 ただし、当該団地建物所有者等集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、次の各号に掲げる場合の区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者がその一括建替え等決議に反対したときは、この限りでない。 一 当該建物が滅失した建物である場合 第七十三条において準用する第三十八条に規定する議決権の三分の一を超える議決権を有する者 二 前号に掲げる場合以外の場合 区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の三分の一を超える者又は第三十八条に規定する議決権の合計の三分の一を超える議決権を有する者 --------------------------------------------------- 注@:1号の第73条で準用する第38条 読み替えあり。 *建物が滅失(無い)場合の議決権: 第73条で準用の第38条: 各 --------------------------------------------------- 注A:2号の第38条の議決権 *建物がある場合の議決権 規約で別段の定めが無ければ、専有部分の床面積の割合(第14条) --------------------------------------------------- 注B:団地建物所有者等集会での議決権(第84条2項) 規約に別段の定めがある場合であつても、当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第84条:被災し全部滅失した建物がある団地での「一括(全棟)建替えと再建決議」の新設
★令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新しく追加された、第84条は、区分所有法の対象にできる”専有部分のある建物(区分所有建物)”が少なくても1つは存在する団地において、その団地の敷地や集会所などの施設が全て共有(準共有)である場合に、団地内の全部の建物、またある建物が全部滅失したときに、団地の権利者は、その滅失した日から起算して5年までであれば集会を開き、規約を定め、管理者おくことができるという(第78条)を受けて「団地内の建物が滅失した場合における措置」として新設された以下の5つの決議
1.団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
2.団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
3.団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
4.団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
5.団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
の内第4番目の決議です。
★新設の理由 〜被災マンション法では、滅失など災害時の対応が充分でない〜
令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設された理由は、繰り返しになりますが、また記憶を新たにするために。
区分所有法においては、その法の対象とするのは、大規模滅失(建物価格の1/2超の滅失)にせよ小規模滅失(建物価格の1/2以下の滅失)(第61条)にせよ、あくまでも区分所有建物の一部は残っている状態でそこには区分所有権が存在している上での多数決が可能な「建替え(第62条)」までしか規定していません。
そこで、地震や津波など大規模な災害で区分所有建物が全部滅失し区分所有権も無くなった場合には、建物はもはや区分所有建物とはみなされず、区分所有法の世界から外れて、あとの処置は民法の共有関係「全員の合意」で処理されるのが原則でしたが、1995年(平成7年)1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」では、多くのマンションが被災して再建や敷地の売却などが計画されましたが、行方不明者がいたりして民法での共有で重大な変更に必要な「全員の合意」を得ることが難しく、被災したマンションの復旧計画は進みませんでした。
この事態に対処するために、「阪神・淡路大震災」が発生した2ヶ月後の1995年(平成7年)3月24日公布で、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(以下、被災マンション法という)」が急遽制定され、全部滅失した区分所有建物にも区部所有法で採用した多数決の理論を採用して、その政令の施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、集会を開き、管理者を置くことができようになり、その集会で、再建(新しく建物を建築する)や敷地の売却を敷地共有者等の議決権の4/5以上でできるようになりました。
この被災マンション法は、団地関係でも適用があります。
しかし、2011年(平成23年)3月11日に発生した「東日本大震災」では、「政令で定める(指定する)災害」が必要とか、集会は「政令の施行の日から起算して3年間まで」とか、また、全部滅失と一部滅失の判定が困難などで、被災マンション法の適用はありませんでした。
これら被災マンション法の問題点をカバーするために、一部滅失でも区分所有者等の4/5以上の多数決で建物の取り壊し、または建物と敷地の売却を決議できるように、被災マンション法の改正が、2013年(平成26年)6月26日施行でなされました。
しかし、被災マンション法での「政令の指定が必要」では、災害が起きてからの対応で、「場当たり的」との指摘もあり、また「3年限定」では、短すぎるとの批判もありで、令和8年4月1日施行の改正区分所有法では、今後30年以内に発生が予想されているマグニチュード8〜9程度の「南海トラフ大地震」にも備えて、基本的には被災マンション法の考えを取り入れ、災害が起きる前から対応し、また集会や規約、さらに管理者をおける期間を「その滅失の日から起算して5年を経過する日までの間」に伸ばしたということです。
これらの改正により、被災したマンション(団地を含めて)の敷地の管理や処分、建物の再建が以前よりも容易になります。
でも、これも、前に解説した第72条(専有部分のある建物が滅失した場合における措置)でも、言いましたが、大きな地震や津波、土砂崩れが起きるような立地において、誰が、建替えや再建を希望しますか。
また、期間を「その滅失の日から起算して5年を経過する日までの間」に伸ばしたのですが、大規模な地震や土砂崩れ、津波などの災害では、マンション内でも死者や行方不明者が多数でることも予想され、その人たちへの連絡、相続関係も考えると、果たして、改正区分所有法が適用できるかどうか、大いに疑問がある改正です。
令和8年4月1日施行で区分所有法内に新設された被災後の「再建」や「敷地の売却」などの規定は、今まで建物をその適用の範囲としてきた区分所有法に、敷地が共有ということを軸にして、災害などからの早期の復旧という社会的な要請から新設されていますが、これは、多数決に名を借りた「強制収用」との見解もあり、今後の争点も産む規定であることは、注意してください。
もっと、実態にあった災害からの復旧策が欲しいものです。
---------------------------------------------------
★基本となっているのは、第70条(団地内の建物の一括建替え決議)〜団地内の全ての建物が、区分所有建物であること〜
<参照> 区分所有法 第70条 (*令和8年4月1日施行の改正区分所有法で改正あり)
(団地内の建物の一括建替え決議)
第七十条 団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地(団地内建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下この項及び次条第一項において同じ。)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について第六十八条第一項(第一号を除く。)の規定により第六十六条において準用する第三十条第一項の規約が定められているときは、第六十二条第一項の規定にかかわらず、当該団地内建物の敷地の共有者である当該団地内建物の区分所有者で構成される第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において、
当該団地内建物の区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、
当該団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地(これに関する権利を除く。以下この項において同じ。)若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地(第四項第一号においてこれらの土地を「再建団地内敷地」という。)に
新たに建物を建築する旨の決議(以下この条において「一括建替え決議」という。)をすることができる。
ただし、当該集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、その区分所有者の三分の一を超える者又は第三十八条に規定する議決権の合計の三分の一を超える議決権を有する者がその一括建替え決議に反対した場合は、この限りでない。
(以下、略)


★単棟での第62条(建替え決議)1項及び第75条(滅失時の再建決議)1項の規定にかかわらず、一括建替えと再建の決議ができる〜
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議)1項 及び第75条(再建決議)1項
(建替え決議)
第六十二条 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
(以下、略)
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(再建決議) (*令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設)
第七十五条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、当該専有部分のある建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(以下「再建決議」という。)をすることができる。
(以下、略)
専有部分のある建物(区分所有建物)が、単棟であれば、以前からある第62条の「建替え決議」(もとの建物を取壊して新しく建物を建築する)と、新しく令和8年4月1日施行の改正区分所有法で規定された第75条の全部滅失での「再建決議」(全滅した区分所有建物を新しく建築する)が、できます。
これを、敷地が共有などであれば、団地においても、団地全体で、
@建替え と
A再建
をまとめて「建替え”等”」と表現して、特別多数決でできるとたのが、本第84条1項です。
本第84条「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え”等”決議」を規定する1項は、基本的には、団地内でまだ建物が残っている状態での団地内の棟(建物)の全てを「建替える」(一括建替え)という第70条に、被災して団地内のすべての棟(建物)、またある棟(建物)が全部滅失した場合を想定して、もう瓦礫となった棟(建物)を団地として纏めて「再建」するを加えたものです。
そこで、表現が「一括建替え”等”」として、「一括建替え”等”」には、「建替え」の他に「再建」も入るとしています。
注:建替え・・・建物を取壊して、新しく建物を建築する行為。建物がまだあるので、建物の区分所有権と土地の敷地利用権がある。
再建・・・・・もう、瓦礫となった建物の権利はなくなり、残された土地の権利(敷地利用権)で、新しく建物の建築する行為
★団地内の建物は、全て区分所有建物でなければならない 〜戸建て等が入っている団地は、この一括建替え等の決議はできない〜。
本第84条1項では、団地内の建物が滅失した場合における一括建替え”等”決議ができるのは、第70条1項本文に規定する場合としていますから、この団地内の建物が滅失した場合における一括建替え”等”決議ができる要件は、第70条で規定する場合、つまり、
@団地内の建物の全てが、マンションのような専有部分がある建物(区分所有建物)で かつ
A敷地(法定敷地と規約敷地を含めて)が区分所有者の共有(準共有)であり、また
B団地管理規約が定められていること(団地として纏まっている)
の3つ要件を満たす必要があります。
区分所有法での団地関係には、単独で所有される戸建てや個人所有の賃貸マンションも入っていますが、戸建て等は、区分所有建物でないために、多数決の理論を採用している区分所有法で処理すると、個人の権利(所有権など)を侵害する恐れがあり、戸建て等が団地関係に入っている場合には、第70条と同様な理由によりこの第84条の「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え”等”決議」もできないということに注意してください。
要件としてのB団地規約があることも、法の創案者としては、団地規約が定められていれば、多数決の理論に馴染んでいて、区分所有者全員の合意形成や法律関係も多少は知っているので纏まりが得やすいと考えたようです。
★区分所有者と議決権の4/5(80%)以上の賛成が必要 〜ただし、1/3(33.3%) を超える反対があるとだめ〜
上の3つの要件を満たせば、団地内建物の団地建物所有者等(全部滅失した建物の所有者が入る)で構成される団地建物所有者等集会を開いて、議決権を有しない所在等不明者を除いて、
・区分所有者の数 及び 議決権(敷地共有持分等の価格の割合) の各4/5(80%)以上が賛成すれば、団地全体の「一括建替え等決議」ができます。
その「一括建替え”等”決議」を目的とする団地建物所有者等集会の開催手続は、
・少なくとも会日の2ヶ月にその通知を出し、また、
・集会の説明会も集会の1ヶ月前に開催し
・集会の議事録には、誰が賛成で誰が反対かを記載し
・反対者が確定したら、彼らの区分所有権と敷地利用権を買取り
・専有部分に賃借人や使用貸借人、配偶者居住権者がいれば損失補償金をはらって、追い出すこともできます。
その詳細は、下の第84条4項に規定されています。
★1つの建物でも1/3(33.3%) を超える反対があると、「一括建替え等決議」は成立しない
ただし、「一括建替え”等”決議」をする際には、以下の第84条1項の1号と2号の規定があり、
1号.滅失した建物なら・・・もう建物はないので、議決権である敷地共有持分等の価格の割合の1/3(33.3%) を超える反対
2号.まだ、建物が残っているのなら・・・議決権を有しない者は除いて、
ア.区分所有者の1/3(33.3%) を超える反対 又は
イ.議決権(規約が無ければ、専有部分の床面積の割合)の1/3(33.3%) を超える反対
があると、「一括建替え”等”決議」は成立しないとしています。
この場合には、「出席した」の要件はないことに注意してください。
注:「超える」と「以上」の違い・・・「超える」には、該当の数字は含まれない。整数で 10 を超えるなら、11からとなる。
「以上」なら、その数字は含まれる。整数で 10以上なら、10からとなる。
区分所有建物で構成される団地全体で「一括建替え等」を行うことは、多くの人の人生に大きく係るために、反対者の意見も尊重する趣旨です。
★全部の建物を取壊して、団地の全部(一部)の土地を使い新しい建物が建築できる
賛成者が4/5(80%)以上で、1/3(33.3%)を超える反対者もいない要件を満たせば、地震や津波など災害にあった区分所有建物で構成される団地でも、多数決により、まだ建物が残っていればそれを取壊し(建替え)、全部滅失した建物ならその瓦礫を片付け新しい建物を建築する(再建)が、団地全体の敷地(規約敷地を含む)、また一部の土地だけでもいいですが可能となります。
と条文では簡単に見えますが、これを、「その滅失の日から起算して5年を経過する日までの間」に開く団地建物所有者等集会で決めることは、そんなに簡単ではありません。
常日頃から団地居住者間のコミュニケーションをとって、総意をまとめる団地管理組合の活動が必要です。
そのためには、被害にあってからでは遅すぎます。今から、「マンション管理士 香川事務所」を顧問にして、団地管理組合で発生する様々な問題に対応することです。
| 第八十四条 (団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項の団地建物所有者等集会における同項本文の各団地建物所有者等の議決権は、第七十九条において準用する第三十八条の規定にかかわらず、第七十九条において準用する第三十条第一項の規約に別段の定めがある場合であつても、当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第84条(団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議)2項:集会における議決権は、規約があっても、「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による」
本第84条2項は、区分所有建物だけで構成される団地内の建物が滅失した場合における建替えと再建を行う一括建替え等決議における、団地建物所有者等集会での「議決権」を規定したものです。
団地全体の団地建物所有者等集会での議決権であり、「建替え」決議を行う建物での議決権ではありません。
◎議決権・・・第79条で準用する第38条の規定にもかかわらず、当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による
<参照> 第79条で準用する第38条(議決権)の規定 (読み替えあり)
区分所有者 団地建物所有者等の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める 土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による。
(注:第14条:専有部分の床面積の割合)
本当に、度々指摘していますが、区分所有法の構成には問題が多過ぎます。
第79条で第38条を読み替えて準用していながら、また本第84条2項で、それら準用には関係なく、第84条1項の「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議」で使用する議決権は、「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする」と読み替えをまた変更するという実に面倒な体系をとり、通常の人には区分所有法は理解できなくてもいいという二重のやり方は、不適切すぎます。
第84条1項では、団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において、団地内建物の
1.団地建物所有者等(議決権を有しないものを除く。)及び
2.議決権の
各4/5(80%)以上の多数で、かつ、どこかの建物で1/3(33,3%)を超える反対がなければ、「一括建替え等決議」ができるとしています。
その団地建物所有者等集会で使用される「議決権」は、規約があってもそれを採用せず、「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による」としています。
地震や津波で被災し全部滅失した区分所有建物には、建物の区分所有権は無くなりますから、議決権としては、
・団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む)の持分の価格の割合にしているのは、妥当です。
なお、団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む)とは・・・
・団地内建物の敷地等・・・団地内の建物の敷地と集会所や駐車場など附属施設の敷地をさす。
これらの敷地が、共有(準共有)関係にあることです。
団地内建物の「敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」の算出に当たっては、災害にあった団地で敷地全体の価格を、通常、不動産鑑定士の査定額や、国税庁が発表している「路線価」を使った「路線価方式」を使いますが、敷地の割合としては、登記簿に記載された「敷地権の割合」が使えます。
| 第八十四条 (団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 一括建替え等決議においては、次の事項を定めなければならない。 一 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要 二 新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要 三 団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額 四 前号に規定する費用の分担に関する事項 五 再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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◎再建団地内敷地・・・建替えと再建を一括して行う団地内の全部若しくは一部の土地(第84条1項)
★第84条(団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議)3項: 〜「一括建替え等決議」において定める5つの事項〜
本第84条3項は、区分所有建物だけで構成される団地内の建物が滅失した場合における建替えと再建を同時に行う団地内の一括建替え”等”決議において、各区分所有者が、その「一括建替え計画と再建計画」、建替えと再建は結局新しい建物が建築されるという点では同じ結果になりますが、が妥当か否かを判断できるように5つの内容を定めることにより、団地内の建物の一括建替え決議を行ったあとの団地内での建替え計画と再建計画を円滑に進めようとしています。
この事項も、基本となっている区分所有法第70条(団地内の建物の一括建替え決議)4項とまったく同じです。
<参照> 区分所有法 第70条 4項だけ
(団地内の建物の一括建替え決議)
第七十条
4 団地内建物の一括建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
二 新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要
三 団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
四 前号に規定する費用の分担に関する事項
五 再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項
(以下、略)
滅失した区分所有建物だけで構成される団地の全ての建物の「建替え」と「再建」を、まとめて行う「一括建替え等決議」で、定めておく5つの事項とは、
1.再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
2.新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要
3.団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
4.前号に規定する費用の分担に関する事項
5.再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項
です。
この5つの事項は、第70条4項と同じ規定ですから、解説は第70条4項と同様になり、そちらを読んでくれとなりますが、親切に再び載せます。
1号.再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要とは
全ての建物を建替え・再建するために、団地内の敷地の効率的な利用計画が必要です。
各棟の配置、空地、駐車場、集会所、倉庫など附属施設の配置などが図面で計画されます。
2号.新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要とは
棟数、階数、用途、構造、仕様、延べ床面積、建築面積、専有面積などを決め、これらによって次の建築費用の概算が算定されます。
3号.団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額とは
各棟ごとの取壊しの費用と、再建される建物について必要な建築費用です。
決議時点での市場価格に基づいた概算で可能です。
後日実際にかかった費用と差異が生じても、決議は無効にならないと解されます。
4号.前号に規定する費用の分担に関する事項とは
前の三号で提示された取壊し費用も建築費用も計画段階での概算額のため、分担額の明細までは明示できませんが、新しく建築される区分所有建物の区分所有者となる人達の間での費用分担の方法、分担の基準などを専有部分の床面積比例とか、権利価格配分とかで公平に決めておきます。
費用の分担は、衡平であることです。(準用 第62条5項)
5号. 再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項とは
区分所有権の対象となっている建物の専有部分(室)をどう扱うか、対価の清算の方法、基準を定めます。
希望する専有部分が他の人と競合する時は、抽選にしたらいいでしょう。
余剰の専有部分が生じた時には、どうするのか、売却利益がでれば、分配はどうするのかなどを定めます。
区分所有権の帰属に関することも衡平であることです。(準用 第62条5項
ここも、一棟の建替え決議(第62条参照)と同じように、建物についてであり、団地内で新しく建物が建築されれば、敷地利用権も変動すると思いますが、土地の権利の帰属は入っていないことに注意してください。
| 第八十四条 (団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議)(注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4項 第六十二条第五項から第十項まで及び第六十三条から第六十四条の四までの規定は、一括建替え等決議について準用する。この場合において、これらの規定(第六十二条第五項を除く。)中「区分所有者」とあるのは「団地建物所有者等」と、第六十二条第五項中「前項第三号及び第四号」とあるのは「第八十四条第三項第四号及び第五号」と、「区分所有者」とあるのは「団地建物所有者等(第七十八条に規定する団地建物所有者等をいう。以下同じ。)」と、同条第六項中「集会を」とあるのは「団地建物所有者等集会(第八十条第一項に規定する団地建物所有者等集会をい う。以下この条及び次条において同じ。)を」と、同項及び同条第七項中「第三十五条第一項」とあるのは「第七十九条において準用する第三十五条第一項」と、同条第六項中「集会の」とあるのは「団地建物所有者等集会の」と、同条第七項第一号中「建替え」とあるのは「建替え又は再建」と、同条第八項及び第十項並びに第六十三条第一項及び第二項中「集会」とあるのは「団地建物所有者等集会」と、第六十二条第九項中「第三十五条及び第三十六条」とあるのは「第七十九条において準用する第三十五条第一項から第三項まで及び第三十六条並びに第八十条」と、第六十三条第一項、第二項、第四項及び第六項並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「建替え又は再建に」と、第六十三条第五項中「建替えに参加する」とあるのは「建替え若しくは再建に参加する」と、「敷地利用権を買い受ける」とあるのは「敷地利用権(滅失した建物にあつては、敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下この条及び次条において同じ。))を買い受ける」と、「同項」とあるのは「第三項」と、「建替えに参加しない」とあるのは「建替え又は再建に参加しない」と、「敷地利用権を時価」とあるのは「敷地利用権(滅失した建物にあつては、敷地共有持分等)を時価」と、同条第七項及び第八項中「建物の取壊しの工事」とあるのは「建物の取壊し又は再建の工事」と、同条第七項及び第六十四条中「敷地利用権」とあるのは「敷地利用権(滅失した建物にあつては、敷地共有持分等)」と、同条中「建替えを」とあるのは「建替え又は再建を」と、第六十四条の二第一項中「建替えに」とあるのは「建替え若しくは再建に」と読み替えるものとする。 --------------------------------------------------- *注:準用と読み替えは、本当に分かり難くてピンとこないので、以下のように表にした。
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| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
★第84条(団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議)4項: 〜準用と読替え〜
本第84条(団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議)4項は、元は区分所有建物だけで構成される「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議」をする際に必要な、集会の手続や、一括建替え等決議に反対している少数の人々に対して、区分所有権や敷地利用権の売渡請求、賃貸借権や配偶者居住権がある場合の処理などを、他の規定から準用し読み替えをしています。
基本的に、元の建替えの規定(第62条)などがあるとはいえ、本当にこの他の条文を準用しかつその読み替えとは、文書を読むだけでは、第62条といわれてもその条文が何を示しているかピンとこないし、さらにその条文を別の文言で読み替えるとは、普通に法を勉強する人にとっては理解しがたい構成をとっています。
度々の指摘で恐縮ですが、区分所有法を読む人には、おおくのマンションに係る”普通の人”がいることを忘れた酷い法の構成で、早急に分かりやすい構成にすることを望みます。
準用されるのは、
@第62条5項から10項まで・・・・・・建替え決議
A第63条・・・・・・区部所有権等の売渡請求
B第64条・・・・・・建替えに関する合意
C第64条の2・・・賃貸借の終了請求
D第64条の3・・・使用貸借の終了請求
E第64条の4・・・配偶者居住権の消滅請求
です。
◎読み替えの原則
| 元の語 | → 読み替え | 説明など |
| 建替え決議 | 一括建替え”等”決議 | 建替えと再建を含むので”等”にした |
| 集会 | 団地建物所有者”等”集会 | |
| 建物の建替え | 建替え 又は 再建 | |
| 区分所有者 | 団地建物所有者”等” | 区分所有者や敷地(附属施設も)に権利を有する者(第78条) |
| 議決権 | 敷地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合 | 第84条2項 |
★準用と読み替えの流れ
本第84条4項での準用と読み替えの流れは以下のようになります。
・一括建替え”等”決議で、定める5つの事項
一 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画の概要
二 新たに建築する建物(以下この項において「再建団地内建物」という。)の設計の概要
三 団地内建物の全部の取壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額
四 前号に規定する費用の分担に関する事項
五 再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項
の内4号と5号を定める際には、団地建物所有者等の衡平を害してはいけない
・一括建替え等決議を会議の目的とする団地建物所有者等集会の通知は、会日よりも少なくとも、2か月前(初日不算入)にだすこと
・その通知には、
@会議の目的
A議案の要領
B 一 建替え又は再建を必要とする理由
二 建替え又は再建をしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
四 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
も通知すること
・その説明会も開くこと。
説明会は、団地建物所有者等集会の少なくとも、1ヶ月前(初日不算入)に開催すること
・一括建替え”等”決議の集会では、必ず議事録を作成すること
その議事録には、一括建替え”等”決議に賛成か反対かを記載すること
・招集の通知は、特例として、所在が不明な人に対しては、
団地内の見やすい場所に掲示でたりる(第80条)
この掲示をもって、相手方に到達したものとみなす(ただし、過失がないこと)
・一括建替え等決議に参加しなかった反対者・欠席者等には、もう一度、一括建替え等決議に参加の有無を書面で催告する
反対者及び2カ月後まで回答の無い人は、不参加者として確定する
・一括建替え等決議に不参加者は、一括建替え等決議の参加者または買受指定者から、区分所有権と敷地利用権を時価による売渡請求をうける
・ただし、建替え又は再建に参加しない旨を回答した人が、建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、一括建替え等決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
・また、一括建替え等決議の日から二年以内に建物の取壊し又は再建の工事に着手しない場合には、区分所有権又は敷地利用権(滅失した建物にあつては、敷地共有持分等)を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権(滅失した建物にあつては、敷地共有持分等)を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。
ただし、建物の取壊し又は再建の工事に着手しなかったことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
上の但し書きは
建物の取壊し又は再建の工事の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。
この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建物の取壊し又は再建の工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
・一括建替え等決議の内容により建替え又は再建に参加する旨を回答した各団地建物所有者等及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、一括建替え等決議の内容により建替え又は再建をを行う旨の合意をしたものとみなす。
・賃借人がいる場合は、賃貸借の終了を請求することができ、その請求日から6ヶ月で、賃貸借は終了する
・賃借人には、通常の損失補償金を支払うこと。
・賃借人への通常の損失補償金の支払は、一括建替え等決議に賛成した者たちの連帯責任となる。
・賃借人への通常の損失補償金の支払がない間は、専有部分の明渡はしなくていい。
・使用賃借も、終了が請求できる。
・使用賃借も、請求から6ヶ月で終了する。
・配偶者居住権も、終了を請求でき、請求日から6ヶ月で終わる。
・配偶者居住権者に対する通常の損失補償金などは、賃借人の場合とおなじ。
細かな解説は、第62条(建替え決議)、第第63条(区分所有権等の売渡し請求等) 、 第64条(建替えに関する合意)、第64条の2(賃貸借の終了請求)、第64条の3(使用貸借の終了請求)、そして、第64条の4(配偶者居住権の消滅請求)の解説を読んでください。
| 第八十五条 (団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 第七十条第一項本文に規定する場合において、団地内の全部の建物が滅失したときは、第七十六条第一項の規定にかかわらず、団地内建物の敷地等(団地内建物が所在していた土地及び団地内建物が滅失した当時において第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされていた土地をいう。以下この項及び次項において同じ。)又はこれに関する権利の共有者である当該団地内建物の団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会において、当該団地内建物の団地建物所有者等(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物の敷地等又はこれに関する権利につき一括して、その全部を売却する旨の決議(以下この条において「一括敷地売却決議」という。)をすることができる。ただし、当該団地建物所有者等集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、第七十三条において準用する第三十八条に規定する議決権の三分の一を超える議決権を有する者がその一括敷地売却決議に反対した場合は、この限りでない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第85条:被災し団地内の全部の区分所有建物が滅失した場合における「一括敷地売却決議」の新設
令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新しく追加された地震や津波などで被災した団地内の区分所有建物が一部滅失とか全部滅失した場合の5番目、最後の決議規定の第85条は、もう団地内では新しく建物を建築することを諦めて、団地内の集会において議決権の4/5(80%)以上が賛成すれば、団地の敷地を全部売り払う決議「一括敷地売却決議」ができるというものです。
まず、団地内の敷地を全部売る決議が特別多数決でできるとといっても、地震や津波が押し寄せるような悪条件の土地を買ってくれる奇特な人や企業を探し出すことは大変な作業です。
この団地内の全部の敷地を売り払う決議をする前に、次の第85条3項で規定される「買ってくれる人(売却先)」を、まず見つけることになりますが、通常団地全体の敷地の売却となると土地は広いことが想定され、購入側としてはかなりの資金力が必要ですが、被災したことを理由にかなり安く買いたたかれることを覚悟しておいて下さい。
★被災して建物が全滅した団地の全部の敷地を多数決で売れるのは → 区分所有建物で構成される団地だけ
まず、度々の復習になりますが、区分所有法での団地には、個人所有の戸建てでも
・区分所有建物と混在し、敷地又は集会所などの附属施設を共有している場合
・戸建ての建物のみで道路や集会所などの附属施設を共有している場合
には団地となります。
しかし、建物がマンションのように多くの人によって区分所有されていない戸建てにおいて、個人が有している民法での所有権という強力な「物権」を、民法の特別法として創設された共有者の「多数決で物事を決めるという理論」を採用している区分所有法では侵すことはできないという発想が、区分所有法にはあります。
そこで、前の第84条の「団地内の建物が滅失した場合における一括建替えと再建を行う(建替え等)決議」でも、そうでしたが、この被災して団地内の全ての建物が全部滅失した場合に、その団地内の全部の敷地(土地)を共有者の多数決で売却できるという規定も、第一の要件として、団地関係にある戸建て等は除いたその団地内の全ての建物が「専有部分のある建物(区分所有建物」であることとなっています。(第70条参照)
戸建てや個人所有の賃貸マンションが入っているような団地関係では、多数決で団地全体をまとめて(一括して)建替えをすることや、団地内の全ての土地を一括して売却することは、できません。
基本は、区分所有建物で構成される団地 第70条 本文の規定です。
<参照> 区分所有法 第70条 (*令和8年4月1日施行の改正区分所有法で改正あり)
(団地内の建物の一括建替え決議)
第七十条 団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地(団地内建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により団地内建物の敷地とされた土地をいい、これに関する権利を含む。以下この項及び次条第一項において同じ。)が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について第六十八条第一項(第一号を除く。)の規定により第六十六条において準用する第三十条第一項の規約が定められているときは、第六十二条第一項の規定にかかわらず、当該団地内建物の敷地の共有者である当該団地内建物の区分所有者で構成される第六十五条に規定する団体又は団地管理組合法人の集会において、
当該団地内建物の区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該団地内建物につき一括して、
その全部を取り壊し、かつ、当該団地内建物の敷地(これに関する権利を除く。以下この項において同じ。)若しくはその一部の土地又は当該団地内建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地(第四項第一号においてこれらの土地を「再建団地内敷地」という。)に新たに建物を建築する旨の決議(以下この条において「一括建替え決議」という。)をすることができる。
ただし、当該集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、
その区分所有者の三分の一を超える者又は第三十八条に規定する議決権の合計の三分の一を超える議決権を有する者が
その一括建替え決議に反対した場合は、この限りでない。
(以下、略)


本第85条1項では、団地内の全ての建物が滅失(全棟・全壊)した場合における一括敷地売却決議ができるのは、第70条1項本文に規定する場合としていますから、この団地内の建物が全部滅失した場合における一括敷地売却決議ができる要件は、第70条で規定する場合、つまり、
@団地内の建物の全てが、マンションのような専有部分がある建物(区分所有建物)で かつ
A敷地(法定敷地と規約敷地を含めて)が区分所有者の共有(準共有)であり、また
B団地管理規約が定められていること(団地として纏まっている)
の3つ要件を満たす必要があります。
要件のB団地管理規約があることは注意が必要です。
★第76条(単棟の敷地売却決議)1項の規定にもかかわらず
単棟の専有部分のある建物(区分所有建物)が全部滅失(全壊)した場合には、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設された、第76条の「敷地売却決議」の規定があります。
<参照> 区分所有法 第76条 1項の規定 (*令和8年4月1日施行で新設)
(敷地売却決議)
第七十六条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(以下この条及び次条第一項において「敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
(以下、略)
この新設された第76条の「敷地売却決議」の規定を利用して、全部滅失した区分所有建物(棟)が単棟であれば、もう新しく建物を建てることを諦めて、自分たちの敷地を売却することができました。
これを、団地内の敷地が共有などであれば、団地にも適用するのが、本第85条の狙いです。
団地内の全ての建物が専有部分のある建物、つまり区分所有建物であり、それらの区分所有建物がすべて、全部滅失(全壊)して、団地内の敷地を全部売却するなら、次の要件は、敷地の範囲を確定することです。
★区分所有建物で構成される団地の敷地の権利も、団地内建物を有していた人たち(団地建物所有者等)の共有関係にあること
<区分所有法> 第5条1項の規定
(規約による建物の敷地)
第五条 区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
2 建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となつたときは、その土地は、前項の規定により規約で建物の敷地と定められたものとみなす。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となつたときも、同様とする。
一括売却の対象となる団地の土地の範囲は、今は滅失した建物があった団地の土地の全体と、規約(第5条)により団地の敷地となった規約敷地があれば規約敷地も含まれます。
★元の区分所有者(団地建物所有者等)と、議決権の 各4/5(80%)以上の賛成が必要
この団地の土地または土地に関する権利が以前の団地区分所有者たち(団地建物所有者等)の共有(準共有)関係であるなら、団地建物所有者等は、集会(団地建物所有者等集会)を開いて、その集会で、所在等不明区分所有者(所在等不明敷地共有者等
)のような議決権を有しない団地建物所有者等を除いた
ア.団地建物所有者等 と
イ.議決権(団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合)(第85条2項)
の各4/5(80%)以上の賛成があれば、
・団地内建物の敷地等又はこれに関する権利につき一括して、その全部を売却する旨の決議「一括敷地売却決議」ができます。
この団地建物所有者等集会の成立条件に、「出席した」が無いことには、注意してください。
その団地建物所有者等集会で使用される「議決権」は、規約があってもそれは採用せず「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による」としています。(第85条2項)
なお、団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む)とは・・・団地内の建物の敷地と集会所や駐車場など附属施設の敷地をさします。
これらの敷地が、団地建物の区分所有者(元の区分所有者も含めて)の共有(準共有)関係にあることです。
ここでの要件に「団地建物所有者等」として以前の区分所有者の数」が入っているのは、全滅したのが区分所有建物であったからです。
なお、「全部の建物が全部滅失した団地の一括敷地売却決議」を目的とする団地建物所有者等集会の開催手続きは、
・少なくとも会日の2ヶ月にその通知を出し、また、
・集会の説明会も集会の1ヶ月前に開催し
・集会の議事録には、誰が賛成で誰が反対かを記載し
・反対者が確定したら、彼らの敷地共有持分等を買取り
ます。
その詳細は、下の第85条4項に規定されています。
★しかし、団地内のどこか1つの建物の区分所有者の1/3(33.3%)を超えるが反対すると、「一括敷地売却決議」は成立しない。
団地建物所有者等集会で、所在等不明区分所有者(所在等不明敷地共有者等 )のような議決権を有しない団地建物所有者等を除いた
ア.団地建物所有者等 と
イ.議決権(団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合)(第85条2項)
の各4/5(80%)以上の賛成があれば、
・団地内建物の敷地等又はこれに関する権利につき一括して、その全部を売却する旨の決議「一括敷地売却決議」ができますが、
多数決では、常に少数者の保護も考える必要があります。
それが、但し書きにある「ただし、当該団地建物所有者等集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、第七十三条において準用する第三十八条に規定する議決権の三分の一を超える議決権を有する者がその一括敷地売却決議に反対した場合は、この限りでない。」 です。
<参照> 区分所有法 第73条で準用する第38条(議決権)で規定する議決権 (注:読み替えあり)
各 区分所有者 敷地共有者等の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める 敷地共有持分等の価格の割合による。
(注:第14条:専有部分の床面積の割合)
団地内で今は全部滅失した区分所有建物で敷地の権利を持つ敷地共有者等の議決権(敷地共有持分等の価格の割合)の
1/3(33.3%)を超える者が反対をすると、残念ながら、「団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議」は、成立しません。
ここ反対者の議決権=敷地共有持分等の価格の割合は、本文の4/5(80%)以上の議決権と異なり、規約があれば、そちらが優先しますから注意が必要です。
団地内の全ての建物が全部滅失していながら、敷地を売ることにも反対するとは、何か他の案があるのでしょうか。

| 第八十五条 (団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項の団地建物所有者等集会における同項本文の各団地建物所有者等の議決権は、第七十九条において準用する第三十八条の規定にかかわらず、第七十九条において準用する第三十条第一項の規約に別段の定めがある場合であつても、当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合によるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第85条(団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議)2項:議決権は、規約があっても、「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による」
本第85条2項は、区分所有建物だけで構成される団地内の建物が全部滅失(全棟・全壊)した場合に団地内の全部の土地(敷地、規約敷地を含んで)を、
@議決権を有しない者を除いた、団地建物所有者等 と
A議決権 の
各 4/5(80%) 以上の賛成があれば、
すべて売却売り払ってしまうことができるという「団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議」における議決権は、規約があってもそれを採用せず、「団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合」とするものです。
◎議決権・・・第79条で準用する第38条の規定にもかかわらず、当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による。 〜規約で別段を認めない〜
第79条で準用の第38条 第30条 議決権
<参照> 区分所有法 第79条1項 で準用の 第38条
各区分所有者 団地建物所有者等の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める 土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による。
(注:第14条:専有部分の床面積の割合)
(規約があれば、そちらを採用する)
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第79条で準用している 第30条1項の規約
第一項
建物又はその敷地若しくは附属施設 土地等の管理又は使用に関する区区分所有者 団地建物所有者等相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
◎当該団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合とは
団地内建物の敷地等(これに関する権利を含む)とは・・・ 団地内の建物の敷地と集会所や駐車場など附属施設の敷地をさす。
これらの敷地が、共有(準共有)関係にあることです。
団地内の土地や附属施設を、元の区分所有者たちが共有する際に、それぞれの所有者が持つ権利の割合です。
もう災害等で既に、区分所有建物が無くなった以上元の区分所有者が有するのは、土地(敷地)の権利だけですからから、適切でしょう。
また、持分を”価格”の割合としていますが、敷地を金額で評価するには、路線価を参考にしたり、不動産会社や不動産鑑定士に依頼して相場を出して、評価額を算定しますが、災害時における土地の評価は、正常時と比べて困難です。
この場合、価格でなくて、登記簿に記載されている「敷地権の割合」を代用することも可能と思われます。
これは、前の第84条「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議」2項で使用される議決権と同じです。
注:この議決権を採用するのは、第85条本文での議決権であり、第85条1項での但し書きの反対者の、
「ただし、当該団地建物所有者等集会において、当該団地内建物のうちいずれか一以上の建物につき、第七十三条において準用する第三十八条に規定する議決権の三分の一を超える議決権を有する者がその一括敷地売却決議に反対した場合は、この限りでない。」
の議決権ではありませんので注意してください。
反対者の議決権は、
「各敷地共有者等の議決権は、規約に別段の定めがない限り、敷地共有持分等の価格の割合による。」
とあり、規約があれば、そちらを採用します。
| 第八十五条 (団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 一括敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。 一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称 二 売却による代金の見込額 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条)
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
★第85条(区分所有建物だけで構成される団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議)3項:
〜「一括敷地売却決議」において定める2つの事項〜
本第85条3項は、区分所有建物だけで構成されていた団地の全部の棟が地震や津波の災害等で全壊した場合には、団地建物所有者等で構成される団地建物所有者等集会を開いて、
ア.団地建物所有者等(議決権を有しないものを除く。) 及び
イ.議決権
の各4/5(80%)以上の賛成があれば、団地内建物の敷地等又はこれに関する権利につき一括して、その全部を売却する旨の決議「一括敷地売却決議」ができますが、その際には、次の2つの事項を定めることといっています。
それは、
@売却の相手方となるべき者の氏名又は名称
A売却による代金の見込額
です。
この規定も、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新設された、単棟での敷地を売却する規定、第76条2項と同じ規定です。
<参照> 区分所有法 第76条
(敷地売却決議)
第七十六条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(以下この条及び次条第一項において「敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
(以下、略)
団地内の全部の敷地を売ってしまおうというのですから、「一括敷地売却決議」においては、当然に、
1号.敷地を買ってくれる人または企業(売却先)がはっきりしていなければなりませんし、
2号.買ってくれる金額(売却によって得られる代金)もいくらか、ハッキリしていなければいけません。
第85条2項の規定での2号は、「売却による代金の”見込額”」として、売却代金が確定していない”見込める金額”としていますが、ここでは、詳細に煮詰めれば変動する可能性がある事務手数料などを考慮した、ほぼ確定した金額であるべきです。
第76条の単棟での「敷地売却決議」でも述べましたが、
敷地(土地)を売りたいなら、その前に、団地全体の敷地の登記簿と隣地との境界が分かる測量図などを準備した方がいいでしょう。
その上で、複数の不動産会社に相談して「土地の相場」がいくらかを査定してもらいます。
ただし、地震や土砂崩れなど被災した立地である以上、安くなることは想定されます。
大体、震災直後は、不動産取引そのものが激減します
現実に、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災の初期の地価調査では、被災した岩手県で4.7%下落、宮城県で3.8%下落、福島県では5.4%の下落となり、商業地においても福島県で7.5%下落するなど、大幅な下落が見られました。
特に、液状化現象が発生した千葉県浦安市では、10%以上の下落地点が多数現れました。
このような状況でも、幸い土地の買い手が見つかったら不動産売買契約の前提として買い手との間で「覚書」程度の書類を交わして、
・土地の所在地
・権利関係(所有権か)
・土地の面積
・売却金額
・売却金額の支払方法
・現状のまま引き渡すのか
・瓦礫の撤去費用は、どちらが負担するのか
・覚書の有効期限はいつまでか
などほぼ売買契約と同様な内容を記載します。
まだ、最終的な契約は、団地での「一括敷地売却決議」が可決するまでは、結べません。
なお、不動産会社を介して売買契約をするなら、不動産会社に支払う手数料(扱う金額によって異なる)も発生します。
| 第八十五条 (団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4項 第六十二条第六項、第七項(各号列記以外の部分に限る。)及び第八項から第十項まで、第六十三条(第五項後段及び第六項を除く。)並びに第六十四条の規定は、一括敷地売却決議について準用する。この場合において、これらの規定(第六十二条第八項を除く。)中「区分所有者」とあるのは「団地建物所有者等」と、第六十二条第六項中「集会を」とあるのは「団地建物所有者等集会(第八十条第一項に規定する団地建物所有者等集会をいう。以下この条及び次条において同じ。)を」と、同項及び同条第七項中「第三十五条第一項」とあるのは「第七十九条において準用する第三十五条第一項」と、同条第六項中「集会の」とあるのは「団地建物所有者等集会の」と、同条第七項中「次の事項」とあるのは「売却を必要とする理由」と、同条第八項及び第十項並びに第六十三条第一項及び第二項中「集会」とあるのは「団地建物所有者等集会」と、第六十二条第八項中「区分所有者」とあるのは「団地建物所有者等(第七十八条に規定する団地建物所有者等をいう。次条及び第六十四条において同じ。)」と、同条第九項中「第三十五条及び第三十六条」とあるのは「第七十九条において準用する第三十五条第一項から第三項まで及び第三十六条並びに第八十条」と、第六十三条第一項、第二項、第四項及び第五項前段並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「売却に」と、同項前段中「区分所有権及び敷地利用権を買い受ける」とあるのは「敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下同じ。)を買い受ける」と、「区分所有権及び敷地利用権を時価」とあるのは「敷地共有持分等を時価」と、第六十三条第七項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「売買契約による敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下この項及び次項において「土地等の権利の移転」という。)がない」と、同項及び第六十四条中「区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「敷地共有持分等」と、同項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「土地等の権利の移転がなかつた」と、第六十三条第八項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「土地等の権利の移転」と、「その着手をしない」とあるのは「土地等の権利の移転がない」と、第六十四条中「建替えを」とあるのは「売却を」と読み替えるものとする。 --------------------------------------------------- *注:準用と読み替えは、本当に分かり難くてピンとこないので、以下のように表にした。
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| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、以前は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)に規定されていた災害を受けた一棟の「専有部分のある建物」が全部滅失した場合の「再建」や「敷地売却」と共に、これも被災マンション法で規定されていた「団地内の建物」が被災した時の団地で「再建」や「敷地の売却」などを区分所有法内に取込んだものです。
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「建替え再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
が区分所有法に新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★第85条(団地内の建物が滅失した場合における一括建敷地売却決議)4項: 〜準用と読替え〜
本第85条4項は、区分所有法独特の、他の多くの条文の準用と読み替えを行う規定です。
区分所有法では、解説者は面倒臭さは諦めて、もう慣れるしかないやり方です。
★準用される条文
・第62条:建替え決議・・・6項と7項(各号は除く)、8項、9項、10項
・第63条:区分所有権等の売渡請求等・・・5項の後段と6項は除く
・第64条:建替えに関する合意
・第80条:招集の通知に関する特例
◎読み替えの原則
| 元の語 | → 読み替え | 説明など |
| 建替え決議 | 一括敷地売却決議 | |
| 集会 | 団地建物所有者”等”集会 | 第80条 |
| 建替えに | 売却に | |
| 区分所有者 | 団地建物所有者”等” | 区分所有者や敷地(附属施設も)に権利を有する者(第78条) |
| 議決権 | 敷地等(これに関する権利を含む。)の持分の価格の割合 | 第85条2項 |
| 区分所有権及び敷地利用権を時価 | 敷地共有持分等を時価 | 第72条:共有の敷地利用権又は附属施設の権利 |
★準用と読み替えの流れ
本第85条4項での準用と読み替えの流れは、以下のようになります。
・一括敷地売却決議をする団地建物所有者等集会は、会日よりも少なくとも2ヶ月前(初日不算入)にだすこと。
規約があれば、2ヶ月を伸ばすことはできる。
・団地建物所有者等集会の通知には、
@会議の目的たる事項
A議案の要領 にプラスして
B売却を必要とする理由
をいれること。
・その前に説明会を、少なくとも一括敷地売却決議を行う団地建物所有者等集会の1ヶ月前に開催すること
・説明会の通知は、会日よりも少なくとも一週間前にだすこと。
規約があれば、一週間前は、伸ばすことができる
・通知の相手方は、所在等が不明で議決権を有しないものは除いた各区分所有者
・専有部分が共有なら、議決権行使者と決められたものへ。決めていないなら共有者のだれか一人にだす
・通知先は、管理者へ届けた場所へ。届が無ければ部屋へ。
また、届のない区分所有者には、規約があれば、掲示板などでいい。
通知は、到着した時、または、掲示をした時とみなす。
・所在が分からない場合は、団地内の見やすい場所に掲示で、これで到着とみなす(ただし、過失がないこと)
・一括敷地売却決議をした団地建物所有者等集会では、必ず、一括敷地売却決議について賛成者・反対者を記録すること
・この議事録への記載により、後日、反対者・棄権者・欠席者(反対者等)に対しての書面で参加か不参加の催告が行われる。
・催告を受けた反対者等は、催告を受けて2ヶ月以内に回答すること。
・2ヶ月がたっても催告に回答しない者は、最終的に売却に反対者として確定する。
・売却に賛成した団地建物所有者等(買受指定者も含めて)は、反対者に「敷地共有持分等(共有の敷地利用権又は附属施設の権利)を時価で売り渡せと請求できる。
注:災害を受けた団地の敷地利用権の時価とは、不動産鑑定士などの専門家に依頼して算出します。
まず市場価格をもとに評価をして、その評価額から災害による減額を行いますが、算定の理由や根拠は、非常に重要ですから明確にすることです。
・一括敷地売却決議があった日から2年以内に、権利の移転が無い場合には、敷地共有持分等を売り渡したものは、現に権利を有しているものに対して、知ってから6ヶ月以内なら買戻し請求ができる。
ただし、正当な理由があれば買戻し請求はできない。
買戻し請求は、その理由が無くなったことを知った日から6ヶ月か、またはその理由が無くなった日から2年のいずれか早い時期までとなる。
・多数決で行われた一括敷地売却決議の賛成者全員は、全員で団地内の全敷地を売却することに民法上で「合意」したものとみなされて今後の活動が進む。
| ページ終わり |
最終更新:
2026年:再度、読み直して、校正した。
2025年12月 3日:一応解説終わった。
約1ヶ月とは時間がかかった。
2025年11月 1日:
団地内の建物が滅失した場合における措置の解説に入る。
2025年 9月25日:ファイルを新規作成した。
2025年 5月31日〜:令和8年4月1日施行版に移行中
新規の条文多い。
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