| 第三章 建物が滅失した場合における措置 *以下全部新設 | |
| 第一節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置 | |
| 第七十二条 | 敷地共有者等の集会等 |
| 第七十三条 | 集会等に関する規定の準用 |
| 第七十四条 | 招集の通知に関する特例 |
| 第七十五条 | 再建決議 |
| 第七十六条 | 敷地売却決議 |
| 第七十七条 | 敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例 |
マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、区分所有法を条文ごとに解説しました。
試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。
条文を勉強することが、合格への道です。
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
*新設
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
第2節 団地内の建物が滅失した場合における措置(第78条〜第85条)
・団地建物所有者等の集会等・・・第78条
・集会等に関する規定の準用・・・第79条
・招集の通知に関する特例・・・第80条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
・団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第82条
・団地内の建物が滅失した場合における「再建承認決議・・・第83条
・団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
・団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
第4章 所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続(第86条〜第90条)
・所在等不明区分所有者等の除外に関する裁判・・・第86条
・所有者不明専有部分管理命令・・・第87条
・管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令・・・第88条
・非訟事件手続法の適用除外・・・第89条
・最高裁判所規則・・・第90条
が新設されました。
施行は、令和8年4月1日。
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★令和8年4月1日施行で新設された理由
★第3章「建物が滅失した場合における措置」と第4章「所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続」はその性格が異なっている。
第3章「建物が滅失した場合における措置」の第1節「専有部分のある建物が滅失した場合における措置」と第2節「団地内の建物が滅失した場合における措置」は、「建物が滅失した場合」で以前は、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)」に規定されていたものです。
第4章「所在等不明区分所有者等の除外等に関する裁判手続」は、令和8年4月1日施行の改正区分所有法によって新しく設けられた「所在等不明区分所有者」と「管理不全となった専有部分と共用部分」の管理に関する裁判規定です。
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◎第3章の建物が滅失した場合における措置 について 〜被災区分所有建物の再生の円滑化を図る方策〜
★「建物が”全部”滅失した場合」を被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)から区分所有法に移した理由
既に「復旧及び建替え(第61条〜)で説明しましたように、区分所有法では、地震や土砂崩れ、ガス爆発、その他の災害また老朽化などで「専有部分のある区分所有建物の”一部が滅失”(小規模滅失と大規模滅失)」した場合には、まだ区分所有建物そのものが残っているため、その建物を所有している区分所有者が存在しており、彼ら区分所有者の団体(管理組合)の集会(総会)にて復旧とか建替えを選択出来ましたが、「区分所有建物の”全部”が滅失」した場合については、後に残されているのは、壊れた建物の残骸と区分所有建物があった土地(敷地)の権利の共有(準共有)関係となり、この場合には、専有部分のある”区分所有建物”を規定の目的としています区分所有法の適用から外れ、「建物の全部滅失(全壊)」後の処置は、民法や1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災を受けて制定された「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、略称「被災マンション法」」(施行:平成7年3月24日)が担当することになりました。
注:小規模滅失:::建物価格の1/2以下の滅失
大規模滅失・・・建物価格の1/2を超える滅失(第61条)

<参照> 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法 第1条 及び 第2条 及び3条
(注:令和8年4月1日改正施行文)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、大規模な火災、震災その他の災害により滅失し、又は大規模一部滅失(建物の価格の過半に相当する部分の滅失をいう。以下同じ。)をした区分所有建物の再建又は建替え等及びその敷地の売却を容易にする特別の措置を講ずることにより、被災地の健全な復興に資することを目的とする。
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(注:令和8年4月1日施行前)
(目的)
第一条 この法律は、大規模な火災、震災その他の災害により、その全部が滅失した区分所有建物の再建及びその敷地の売却、その一部が滅失した区分所有建物及びその敷地の売却並びに当該区分所有建物の取壊し等を容易にする特別の措置を講ずることにより、被災地の健全な復興に資することを目的とする。
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(注:令和8年4月1日改正施行文)
第二章 区分所有建物が滅失した場合における措置
(区分所有建物が滅失した場合における再建等に関する特例)
第二条 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分が属する一棟の建物(以下「区分所有建物」という。)が滅失した場合(大規模一部滅失をした場合において区分所有法第六十四条の八第一項の決議(第九条第一項及び第十一条において「取壊し決議」という。)又は区分所有者(区分所有法第二条第二項に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)全員の同意に基づき取り壊されたときを含む。第十条において同じ。)には、当該政令の施行の日から起算して六年を超えない範囲内において当該政令で定める期間に限り、区分所有法第七十五条から第七十七条までの規定の適用については、区分所有法第七十五条第一項及び第七十六条第一項中「五分の四」とあるのは「三分の二」と、区分所有法第七十七条第一項ただし書(同条第二項において準用する場合を含む。)中「五分の一」とあるのは「三分の一」とする。
(敷地共有者等集会等に関する特例)
第三条 前条に規定する場合には、同条の政令で定める期間に限り、区分所有法第七十二条及び第七十七条の規定の適用については、これらの規定中「五年を経過する日まで」とあるのは、「五年を経過する日又は被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条の政令で定める期間の末日のいずれか遅い日まで」とする。
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(注:令和8年4月1日施行前)
第二章 区分所有建物の全部が滅失した場合における措置
(敷地共有者等集会等)
第二条 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分が属する一棟の建物(以下「区分所有建物」という。)の全部が滅失した場合(その災害により区分所有建物の一部が滅失した場合(区分所有法第六十一条第一項本文に規定する場合を除く。以下同じ。)において、当該区分所有建物が第十一条第一項の決議又は区分所有者(区分所有法第二条第二項に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)全員の同意に基づき取り壊されたときを含む。)において、その建物に係る敷地利用権(区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権をいう。以下同じ。)が数人で有する所有権その他の権利であったときは、その権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができる。
被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)の制定により、「共有関係」において民法で必要とされた殆ど不可能な「共有者全員の合意」から、区分所有法と同様の”多数決理論”が被災したマンションにも採用され、区分所有建物が無くなり後に残った敷地共有者の5分の4以上の賛成があれば、マンションの再建(被災マンション法 第4条)や残された敷地の売却(被災マンション法 第5条)、また、再建計画を難しくさせる共有している土地の分割をさせない(被災マンション法 第6条)などの規定があり以前よりも復興への道筋が開かれました。
なお、これらの規定は、団地関係でも適用があります。(被災マンション法 第13条〜)
さらに、被災マンション法は、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災の教訓から法改正(2013年(平成25年))が行われ、また実情に合わせた内容に見直しが検討されています。(令和8年4月1日施行)
★被災マンション法の問題点
1.建物滅失の判定の難しさ 〜全部滅失(全壊)か、まだ建物の一部が残っているのか(一部滅失)〜
マンションなど区分所有建物が全部滅失(全壊)した場合の再建・敷地の売却を受け持つはずの「被災マンション法」でしたが、その適用にあたっては、まず、建物が一部残っているか、全部滅失しているかの判定の困難さがあります。
1995年(平成7年)に起きた阪神・淡路大震災では、地震の被害にあって倒壊した多くのマンションでこの全部滅失の判定で論争が発生しています。
たとえば、建物の90パーセントが瓦礫化し、5パーセントが居室として残存し寝起き可能であるという場合は、すでに
「全部滅失」と見るべきで、これを「一部滅失」と捉えるべきではないという説もあります。
また、建物としての効用がいまだ全面的には失われていず、その価値が取引上多少とも認められる場合には「一部滅失」、認められない場合には「全部滅失」と考えるべきであるという考え方もあります。
特に多くのマンションは鉄筋コンクリート造とか鉄骨鉄筋コンクリート造などで、この場合地震や津波などの災害にあっても柱や壁の一部の躯体部分は残っていることが多くて、「一部滅失」か「全部滅失」かの判断が別れることもありました。
2.「政令で定めるもの」という規定の課題 〜後付け〜
次の被災マンション法の問題点は、「政令で定めるもの」の規定があることです。(被災マンション法 第2条、第7条、第13条、第18条など)
「政令で定めるもの」とは、内閣が地震や津波、豪雨などの大規模な災害(激甚災害)が起きた度に政府の命令(政令)として、例えば、1995年(平成7年)1月17日に起きた「阪神・淡路大震災では、平成7年政令第11号として、1週間後の平成7年1月24日に、当時はまだ、被災マンション法が制定されていないため、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」による政令として
「阪神・淡路大震災についての激甚災害の指定及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」
内閣は、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)第二条第一項及び第二項、第十二条第一項、第十三条、第十四条、第十五条第一項並びに第二十五条第一項の規定に基づき、この政令を制定する。
のように発令します。
また、被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)が制定された後の2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災に対する政令としては、
平成二十五年政令第二百三十一号 施行:平成25年7月31日
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害を定める政令
内閣は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条の規定に基づき、この政令を制定する。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害として、東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。)を定める。
附 則
この政令は、公布の日(注:平成25年7月31日)から施行する。
のようになります。
要は、被災マンション法の適用を受けるには、災害が発生してからその災害の重大性により特別に内閣から出される「政令」が必要で、その被災地が政令で「東日本大震災」のように認定(指定)される必要があります。
しかし、政令で認定された「東日本大震災」では、宮城県の仙台市など広範囲に渡ってマンションの被害はありましたが、管理組合の人材不足、財政の不足、被災者支援が区分所有者個人へなのか団体である管理組合などかなど行政との対応の遅れなどから被災マンション法の適用実態が少なかったのです。
3.「政令の施行の日から3年以内」に「集会」を開催しないといけない 〜しかし、3年以内は、無理〜
被災マンション法の問題点の3番目は、災害を受け全部滅失となったマンションで敷地を共有している人たちが集会を開いて「再建決議」や「敷売却決議」をしようとしても、それらができるのは、
「その政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができる。(旧被災マンション法 第2条)
の規定でした。(東日本大震災では、施行日が平成25年7月31日で、3年後の平成28年7月30日までに「集会」を開催することになる。)
法の創案者の意図としては、「3年」と期限をすることにより、災害の関係者が早期に復旧計画を立てることを促し、土地が荒れたままに放置される状況を防ぎ、また権利関係が分割などで複雑にならないようにすることにありました。
しかし、被災し全壊したマンションでは、当然ながら混乱状態となり、以前存在した管理組合でも災害を受けた区分所有者が死亡したり、他の場所へ移転しているため、彼らに対する相続関係での連絡方法や移転先の場所もなかなか分からず、さらに、「3年以内」でマンションの損害状況を調べ、時価を算定するために必要な、費用と時間がかかる「不動産鑑定評価書」を作成したり、再建にかかる見積りをとるというのは、人材も不足し混乱した状況では無理でした。
★被災マンション法の問題点の解決策 → 区分所有法内に規定する
これら「被災マンション法」が抱える「全部滅失の判定の難しさ」や「政令が必要」、「3年の期間限定」などの問題点を解決する対策として、令和8年4月1日施行の改正区分所有法に、以前は、被災マンション法が規定していた区分所有建物の「全部滅失」等に関する規定を、区分所有法にも新設したということです。
この区分所有法の大改正により、災害が発生してから法律を適用するという「被災マンション法の場当たり的」な対応から、全部滅失した区分所有建物についても区分所有法の適用対象となり、敷地共有者等集会を開催し、規約を定めることや管理者を置くことが可能になりました。(新設:区分所有法 第72条)
また、旧の被災マンション法での全部滅失(全壊)での集会を開催できる期間は「政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間」から、「その滅失の日から起算して”五年を経過する日までの間”は、この法律(区分所有法)の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」 と、3年から、5年に延長されました。
これらの令和8年4月1日施行で新設された区分所有法により、被災を受けたマンション(団地を含めて)の敷地の管理や処分、建物の再建が以前よりも容易になります。
なお、第3章での建物の「滅失」とは、建物が全て無くなった「全部滅失(全壊)」を指していますから、注意してください。
まだ建物がある状態で復旧可能な一部滅失(部分滅失)なら、復旧・建替え(第61条〜)の規定が適用になります。
建物が無くなったあとの再建や土地の売却など「清算」をどうするかの処理と捉えればいいでしょう。
本来、建物があることを前提にして、建物の共有関係しか受け持っていなかった区分所有法の規定を、残った敷地の共有関係を軸に災害からの復旧という社会的な要請により、民法の「全員の合意」では解決が難しいので「擬制的に多数決ができる区分所有法内に取込んだ」発想です。
個人が有する敷地の支配権より、共同体(団体)の意思を優先することにしています。
具体的には、
1.一棟であれば
@再建決議・・・第75条
A敷地売却決議・・・第76条
B敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例・・第77条
2.団地なら、
@団地内の建物が滅失した場合における再建承認決議・・・第81条
A団地内の建物が滅失した場合における建替え承認決議・・・第82条
B団地内の建物が滅失した場合における建替え再建承認決議・・・第83条
C団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議・・・第84条
D団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議・・・第85条
です。
★決議可能期間「5年」の延長は可能か?
令和8年4月1日施行で新設された区分所有法 第72条で集会を開催できる「その滅失の日から起算して”五年”を経過する日までの間」の決議可能期間ですが、この「5年」も当初は、被災マンション法と同様に「3年」という案もあり、また「5年では短い場合」も発生の可能性があるため、「5年の延長」も検討がされたのですが、
「決議可能期間中は、敷地共有者等による敷地に関する”共有物分割請求権”の行使や、区分所有者による買取請求権の行使が制限されるところ、この論点については、政令で定めることにより当該制限期間を延長することが法制的に許容されるのか、許容されるとして延長する旨を政令で定める方法が相当であるのかなど、法制的な観点から引き続き検討する必要があると考えられる。
」
ということで、今後の検討事項になっています。
★被災した立地に誰が、「再建」を希望するのか?
確かに、地震や土砂崩れなどで全部滅失(全壊)したマンションをそのままいつまでも放棄しておくことは社会的に問題があるし、被災マンション法の「政令で定める」とか、「集会は3年以内に開け」などを解決する方法として、区分所有法内に「再建決議(第75条)」などを規定したくなるのは分かるが、この措置はあくまでも災害の実態を知らないで規定している気がする。
それは、地震や土砂崩れ、また大津波など災害で全部滅失したマンションは、それが建っていた場所(立地)が基本的に問題があると言うことです。
基本的に地盤が弱いとか、崖や急勾配の斜面に建っていたり、また津波が押し寄せる海岸沿いに建っていたことが、全部滅失の原因です。
その災害に逢いやすい立地条件を改善できずに、再びマンションを建てるという案に、一体だれが賛成するのか。
法的に被災者の意図とは離れた規定です。
★区分所有法 第72条 (敷地共有者等の集会等)
前置きが長くなったので、再度 区分所有法第72条 の条文を示します。
<参照> 区分所有法 第72条 (*赤丸は、香川が表示)
第三章 建物が滅失した場合における措置
第一節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置
(敷地共有者等の集会等)
第七十二条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき、又は当該専有部分のある建物の附属施設(これに関する権利を含む。)につき数人が共有持分を有していたときは、それらの権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、
@集会を開き、
A規約を定め、及び
B管理者を置くことができる。
◎専有部分のある建物・・・区分所有法の対象となるマンションや事務所などの区分所有建物。附属の施設も含む。
◎滅失した場合・・・建物の全部滅失を指す。
建物の一部滅失(小規模滅失と大規模滅失)なら第61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等)の規定がある。
◎敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利・・・敷地の権利が所有権の共有、または、その他の権利(地上権や賃借権などの準共有)の場合
敷地利用権・・・専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利(第2条6項)
◎決議可能期間・・・・その滅失の日から5年以内

★第72条 敷地共有者等の集会等〜新設〜
新しく、第3章 建物が滅失した場合における措置 の 第一節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置
として、設けられた第72条は、以前は、専有部分のある建物であるマンションなど区分所有建物が、地震や土砂崩れ、大きな津波などの災害等で全部滅失した場合には、「建物の再建」や「その敷地の売却」などは区分所有法の対象ではなく、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、略称「被災マンション法」」によって対応するように規定されていたのが、「被災マンション法」では、「政令で定める」、「3年以内」などの規定があるため対応が難しかったことを受けて、令和8年4月1日施行で新しく区分所有法に追加・取り入れられた規定です。
★区分所有建物が全部滅失した場合には、その滅失の日から起算して5年以内なら、残された敷地の共有者(準共有者)は、集会(総会)を開いて、新しく規約を定めたり管理者をおける
マンションや事務所など「専有部分がある建物(区分所有建物)」が、地震や土砂崩れなどで全部滅失(全壊)した場合には、あとには建物の残骸と以前区分所有建物が建っていた土地(敷地)に対する権利(敷地利用権)だけが残ります。
なお、この第72条の規定が適用されるのは、区分所有建物が全部滅失の場合で、建物の一部の滅失(小規模滅失=建物価格の1/2以下の滅失と大規模滅失=建物価格の1/2を超える滅失)の場合は、第61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等)の適用となります。

建物のどの程度の滅失が、一部滅失か全部滅失(全壊)かの判断の難しさはありますが。
区分所有建物が全部滅失して残された敷地の権利が個人(一人)だけに属していれば、法的な問題の解決は早いのですが、敷地の権利が複数の人たちの共有(準共有)になっているとその法的措置(処分行為)は民法での共有関係が適用され不可能に近い「共有物の変更行為には”共有者全員の合意”」(民法 第251条1項)が必要とされます。
<参照> 民法 第251条
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
民法で定める「他の共有者全員の合意を得ること」これは、マンションのような多数の区分所有者、例えば、20名でもいいですが、最近の大型タワー・マンションでは、一棟で500名以上の区分所有者がいるような場合、もう不可能に近いという現状認識から、区分所有法では「多数決原理」を採用しています。
この多数決原理を適用するという発想は、区分所有法第3条の「区分所有者の団体」の規定と同様に、区分所有建物が全部滅失し、つまり、区分所有法が対象としている建物が無くても、敷地(敷地利用権)が共有という状況に着目し、災害からの復旧などを目的とした社会的な要請から、区分所有法内に取込もうとするものです。
本第72条では、第3条のような「区分所有者の団体」という言葉を使わず、単に「敷地持分”等”を有する者=敷地共有者”等”」と呼んでいますが、これは、「敷地共有者等の団体」と同じです。
<参照> 区分所有法 第3条
(区分所有者の団体)
第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、
集会を開き、
規約を定め、及び
管理者を置くことができる。
一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
そこで第72条は、その多数決原理が採用できる集会(総会)を、滅失した区分所有建物の敷地利用権を持っている人たち(敷地共有者、敷地準共有者=敷地共有者の団体=敷地共有者等)は、建物滅失があった日から5年以内という限定期間がありますが、
@集会」を区分所有法で定める「集会の規定」(第34条〜)に従って開催し、
A「規約」(第30条〜)が必要なら定め変更もできるし、また必要であれば、
B敷地共有者等を代理する「管理者」(第25条〜)を置くこともできます。
敷地共有者等の集会では、敷地や附属施設に変更を加える行為(第17条1項、第21条)や管理に関する行為(第18条、第21条)も多数決で出来ます。
そして、あとで出てきますが、議決権の4/5以上の多数決で「全部滅失した建物を再建できる決議(再建決議)」(第75条)ができ、「区分所有建物があった敷地を売り払う”敷地売却決議”」が可能で(第76条)、権利関係を複雑にする敷地が分割できないという特例(第77条)を受けることが出来ます。
なお、この集会においては、裁判により所在等不明区分所有者であるとされた者は、議決権を有しないのは、他の集会と同様です(第38条の2 2項)
<参照> 区分所有法 第38条の2
(所在等不明区分所有者の除外)
第三十八条の二 裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、当該区分所有者(次項において「所在等不明区分所有者」という。)以外の区分所有者(以下この項及び第三項において「一般区分所有者」という。)又は管理者の請求により、一般区分所有者による集会の決議をすることができる旨の裁判をすることができる。
2 前項の裁判により所在等不明区分所有者であるとされた者は、前条の規定にかかわらず、集会における議決権(当該裁判に係る建物が滅失したときは、当該建物に係る敷地利用権を有する者又は当該建物の附属施設(これに関する権利を含む。)の共有持分を有する者が開く集会における議決権)を有しない。
3 一般区分所有者の請求により第一項の裁判があつたときは、当該一般区分所有者は、遅滞なく、管理者にその旨を通知しなければならない。ただし、管理者がないときは、その旨を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。
敷地共有者の団体は、区分所有者の団体と同じように法人化していなくても、
@団体としての組織を備え、
A多数決の原則が行われ、
B構成員の変更にかかわらず団体が存在し、
Cその組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等、団体としての主要な点が確立していること
の要件を満たせば、
「権利能力なき社団」となります。(最高裁:昭和39年10月15日)
★決議可能期間「5年」について
令和8年4月1日施行で新規に区分所有法に追加された第72条の「その滅失の日から起算して五年を経過する日までの間」は、通常「決議可能期間」と呼ばれ、その期間は「5年」までとされます。
その5年は「その滅失の日から起算」することになっていますが、連続して地震や土砂崩れが発生していて危険な状況下では、多くのマンションの住人は現場を離れて避難していますから、建物の損壊状況を確認したくてもできず、「いつ滅失した」かが分からず、そこで、「滅失の日」を確定することが難しい場合もあるでしょう。
最終的には、元の住民である区分所有者が「滅失の日」決めることになりますが、難しい時には行政の判断に任せましょう。
ついでに、震災・風水害・火災など災害にあった場合、所得税の軽減・免除の制度や納税の猶予などがあります。
なお、この決議可能期間の5年は、他の敷地共有者等による敷地に関する共有物分割請求権の行使や、敷地共有者等による買取請求権の行使が制限されることもあるため、今のところ延長はできないと考えられます。
また、建物全体が滅失した場合は、その滅失の日から1ヶ月以内に区分所有建物滅失登記(不動産登記法 第57条)が必要となります。
<参照> 不動産登記法 第57条
(建物の滅失の登記の申請)
第五十七条 建物が滅失したときは、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)は、その滅失の日から一月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
一部の区分所有建物が滅失した場合でも、残りの建物の状況によって、区分所有建物滅失登記に加えて、非区分所有建物への変更登記や一棟の建物の変更登記が必要になることがあります。
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設された、第72条の後を受けたのが第73条及び第74条です。
施行は令和8年4月1日。
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本第73条(集会等に関する規定の準用)は、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で追加された
「第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
のあとを規定しています。
前の第72条(敷地共有者等の集会等)でマンションのような区分所有建物が全部滅失した場合には、全部滅失した土地の利用権(敷地利用権)を有する「敷地共有者等」は、「集会」を開いたり、「規約」を設定したり、「管理者」を置いたりすることができます。
これら「集会」の開催などに関する規定は、区分所有法第34条などにあり、そこで、「敷地共有者等」が開催する「集会」などでも基本的に区分所有法第34条などを準用することをこの第73条(敷地共有者等の集会等)で規定しています。
しかし、区分所有法第34条などは、まだ区分所有建物が残っている状態での規定ですから「区分所有者」という文言があり、この「区分所有者」を「敷地共有者等」と読み替えたり、集会での決議要件から存在してない区分所有者の数を無くし「敷地共有者等の議決権」とするなどの変更が必要です。
それを、第73条が行っています。
基本的には、被災マンション法が規定していた方法と同様です。
マンションのような主な建物は全部滅失していても、敷地と敷地内にある集会所や、駐車場など附属の施設は残っていると考えています。
★準用されている条文とその主な読み替え
第73条(集会等に関する規定の準用)で「敷地共有者等」が「集会を開催」や「規約の設定」、また「管理者を置く」場合に準用されている条文は、多岐にわたり、これも面倒で時間がかかり、また「読み替え」もありで文章の詳細な点検が必要ですが、以下のようになります。
条文を見ただけでもうんざりするでしょうが、「マンション管理士 香川」が時間をかけて作成したので、復習の気持ちで各条文の意味を思い出しながら、しっかりと読んで下さい。
| 区分所有法 第73条 (集会等に関する規定の準用) | |||
| 条 | 項 | 規定 | 読み替えなど |
| 第1章(建物の区分所有) 第2節(共用部分等) | |||
| 第17条 (共用部分の変更) |
1項 | の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第五項において同じ。)は、 において、 区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第三項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するもの 議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する敷地共有者等(第七十二条に規定する敷地共有者等をいう。以下同じ。) が出席し、出席した 四分の三(これを下回る割合(二分の一を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決する。 |
あり (集会の定足数: 過半数の出席、出席した 3/4以上で決する) *議決権=敷地共有持分等の価格の割合 |
| 2項から4項は準用無 (共用部分の変更が他の区分所有者に特別の影響を与えるとき、など) | なし | ||
| 5項 | の設置若しくは保存に瑕疵(かし)があることによつて他人の権利若しくは法律上保護される利益が侵害され、若しくは侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵(かし)の除去に関して必要となる の変更又は高齢者、障害者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第二条第一号に規定する高齢者、障害者等をいう。)の移動若しくは施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上若しくは施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となる の変更についての第一項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「四分の三」とあるのは、「三分の二」とする。 |
あり *瑕疵やバリアフリーなら、3/4が2/3 にできる |
|
| 第18条 (共用部分の管理) |
1項 | の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、 の決議で決する。ただし、保存行為は、各 がすることができる。 |
あり |
| 2項 | 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 | あり | |
| 3項から5項は準用なし (他の区分所有者に特別の影響を与える場合) | なし | ||
| 6項 | につき損害保険契約をすることは、 の管理に関する事項とみなす。 |
あり | |
| 第19条 (共用部分の負担及び利益収取) |
各 は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、 の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。 |
あり | |
| 第1章(建物の区分所有) 第4節(管理者) | |||
| 第25条 (選任及び解任) |
1項 | は、規約に別段の定めがない限り の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。 |
あり |
| 2項 | 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各 は、その解任を裁判所に請求することができる。 |
あり | |
| 第26条 (権限) |
1項 | 管理者は、 を保存し、 の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。 |
あり |
| 2項 | 管理者は、その職務(第十八条第六項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金並びに について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下この条及び第四十七条において「保険金等」という。)の請求及び受領を含む。第四項において同じ。)に関し、 (保険金等の請求及び受領にあつては、保険金等の請求権を有する者( 又は であつた者(書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)による別段の意思表示をした であつた者を除く。)に限る。以下この条及び第四十七条において同じ。)。同項において同じ。)を代理する。 |
あり | |
| 3項 | 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 | あり | |
| 4項 | 管理者は、規約又は の決議により、その職務に関し、 のために、原告又は被告となることができる。 |
あり | |
| 5項 | 管理者は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める者にその旨を通知しなければならない。この場合における に対する通知については、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。 一 前項の規約によりその職務に関し原告又は被告となつたとき 二 前項の規約により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者 三 前項の 保険金等の請求権を有する者( を除く。) |
あり | |
| 第27条 (管理所有) |
1 管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。 2 第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。 |
除く (建物がない) |
|
| 第28条 (委任の規定の準用) |
この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。 | あり | |
| 第29条 (区分所有者の責任等) |
1項 | 管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき がその責めに任ずべき割合は、 第十四条に定める 割合と同一の割合とする。ただし、規約で建物並びにその敷地及び附属施設の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。 |
あり。 *責任の割合は、敷地共有持分等の価格 |
| 2項 | 前項の行為により第三者が に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。 |
あり | |
| 第1章(建物の区分所有) 第5節(規約および集会)) | |||
| 第30条 (規約事項) |
1項 | の管理又は使用に関する 相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。 |
あり |
| 2項 | 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。 | 除く(一部共用部分が存在しない) | |
| 3項 | 前二項に規定する規約は、 につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、 間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。 |
あり | |
| 4項 | 第一項及び第二項の場合には、 以外の者の権利を害することができない。 |
あり | |
| 5項 | 規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。 | あり | |
| 第31条 (規約の設定、変更及び廃止) |
1項 | 規約の設定、変更又は廃止は、 において、 議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有する敷地共有者等 が出席し、出席した 四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。 |
あり。 *規約の設定など。 過半数の出席。出席した3/4以上要 *議決権=敷地共有持分等の価格の割合 |
| 2項 | 前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。 | 除く(一部共用部分は存在しない) | |
| 第32条 (公正証書による規約の設定) |
最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第四条第二項、第五条第一項並びに第二十二条第一項ただし書及び第二項ただし書(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。 | 除く(建物が存在していない) | |
| 第33条 (規約の保管及び閲覧) |
1項 | 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、 建物を使用している区分所有者 又はその代理人で規約又は の決議で定めるものが保管しなければならない。 |
あり。 *全条項、議事録でも準用 |
| 2項 | 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。 | あり | |
| 3項 | 規約が電磁的記録で作成されているときは、第一項の規定により規約を保管する者は、前項の規定による当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の請求をした利害関係人の承諾を得て、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該規約を保管する者は、同項の規定による閲覧をさせたものとみなす。 | あり | |
| 4項 | 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。 | 除く (建物が存在しない) |
|
| 第34条 (集会の招集) |
1項 | は、管理者が招集する。 |
あり |
| 2項 | 管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。 | 除く (災害時には無理) |
|
| 3項 | であつて議決権の五分の一以上を有するもの は、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、 の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。 |
あり | |
| 4項 | 前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした は、 を招集することができる。 |
あり | |
| 5項 | 管理者がないときは、 は、 を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。 |
あり | |
| 第35条 (招集の通知) |
1項 | の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各 (議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。 |
あり |
| 2項 | は、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。 |
あり。 (共有の場合) |
|
| 3項 | 第一項の通知は、 が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。 |
あり。 | |
| 4項 | 建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。 | 除く *第74条に別規定あり |
|
| 第36条 (招集手続の省略) |
は、 (議決権を有しないものを除く。)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。 |
あり | |
| 第37条 (決議事項の制限) |
1項 | においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。 |
あり |
| 2項 | 前項の規定は、この法律に の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。 |
あり | |
| 3項 | 前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。 | あり | |
| 第38条 (議決権) |
各 の議決権は、規約に別段の定めがない限り、 割合による。 |
あり。 *議決権は重要。 |
|
| 第38条の2 (所在等不明区分所有者の除外) |
1項 | 裁判所は、 知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、 (次項において「 」という。)以外 (以下この項及び第三項において「 」という。)又は管理者の請求により、 による の決議をすることができる旨の裁判をすることができる。 |
あり *所在不明な敷地の共有者は重要 |
| 2項 | 前項の裁判により であるとされた者は、前条の規定にかかわらず、 における を有しない。 |
あり *所在等不明敷地共有者等は議決権がない |
|
| 3項 | の請求により第一項の裁判があつたときは、当該 は、遅滞なく、管理者にその旨を通知しなければならない。ただし、管理者がないときは、その旨を の見やすい場所に掲示しなければならない。 |
あり | |
| 第39条 (議事) |
1項 | の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した 区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各 過半数で決する。 |
あり *出席した過半数で可決 |
| 2項 | 議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる。この場合において、書面又は代理人によつて議決権を行使した 区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、当該 議決権の数は出席した の数に 。 |
あり *それぞれは不要 |
|
| 3項 | は、規約又は の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる。 この場合において、電磁的方法による議決権の行使を書面による議決権の行使とみなして、同項後段の規定を適用する。 |
あり | |
| 第40条 (議決権行使者の指定) |
は、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。 |
あり *共有者の時 |
|
| 第41条 (議長) |
においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は を招集した の一人が議長となる。 |
あり | |
| 第42条 (議事録) |
1項 | の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。 |
あり |
| 2項 | 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。 | ||
| 3項 | 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び に出席した の二人がこれに署名しなければならない。 |
あり | |
| 4項 | 第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び に出席した の二人が行う法務省令で定める署名に代わる措置を執らなければならない。 |
あり | |
| 5項 | 第三十三条(注:規約の保管及び閲覧)の規定は、議事録について準用する。 | ||
| 第43条 (事務の報告) |
管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。 | 除く (災害時には無理) |
|
| 第44条 (占有者の意見陳述権) |
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第三十五条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。 |
除く (建物の占有者はいない) |
|
| 第45条 (書面又は電磁的方法による決議) |
1項 | この法律又は規約により において決議をすべき場合において、 (議決権を有しないものを除く。次項において同じ。)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。 |
あり |
| 2項 | この法律又は規約により において決議すべきものとされた事項については、 全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。 |
あり | |
| 3項 | この法律又は規約により において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、 の決議と同一の効力を有する。 |
あり | |
| 4項 | 第三十三条(注:規約の保管及び閲覧)の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。 | ||
| 5項 | に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。 |
あり | |
| 第46条 (規約及び集会の決議の効力) |
1項 | 規約及び の決議は、 の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。 |
あり |
| 2項 | 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。 | 除く(建物の占有者はいない) | |
◎基本的な読み替え
第73条の「集会等に関する規定の準用」で準用されている、区分所有法の第17条(共用部分の変更)や、管理者の規定(第25条〜)、規約の規定(第30条〜)、集会の規定(第35〜)などでの共通する読み替えは、
@共用部分・・・建物はもう存在しないので、土地の → 敷地共有持分等(第七十二条(敷地共有者等の集会等)に規定する敷地共有持分等をいう。以下同じ。)に係る土地又は附属施設
主な区分所有建物は、全部滅失しても、土地と別棟の集会所や駐車場など附属施設は残っているという考え方。
A集会・・・厳密に → 「敷地共有者”等”集会(第七十四条(招集の通知に関する特例)第一項に規定する敷地共有者等集会をいう。以下同じ。)」
B区分所有者・・・これも建物が無くなり存在しなくなったので、土地の→ 敷地共有者等(敷地共有持分等を有するもの)
C議決権・・・ → 敷地共有持分等の価格の割合
に注意することです。
★敷地共有者”等” と ”等”になっている理由
専有部分のあるマンションなどの区分所有建物が全部滅失場合には、あとに残された土地の利用権(敷地利用権)には、
@所有権
その他の権利として
A地上権
B賃借権
C使用借権
があります。

これら、所有権と所有権以外の地上権・賃借権など権利を含めて、区分所有法では、「当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき」という表現を用いています。(他の使用例、第22条分離処分の禁止)
そこで、敷地利用権等を複数の人が有している場合に、もう建物の権利が無くなったので、これと区別するために敷地の権利を有する人たち(共有と準共有)を「敷地共有者”等”」ということにしています。(第72条(敷地共有者等の集会等)参照)
| 第七十四条 (招集の通知に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 敷地共有者等が開く集会(以下「敷地共有者等集会」という。)を招集する者が敷地共有者等(前条において準用する第三十五条第三項の規定により通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、前条において準用する第三十五条第一項の通知は、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設された、第72条の後を受けたのが第73条及び第74条です。
施行は令和8年4月1日。
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★本第74条は、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で追加された
「第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
のあとを規定しています。
◎所在が不明者をどうするか 〜特則として、集会の通知を掲示して、到達したとみなす〜
<参照> 区分所有法 第35条 (注:読み替えあり)
(招集の通知)
第三十五条 集会 敷地共有者等集会
の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各
区分所有者 敷地共有者等
(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
2 専有部分が数人の共有に属するとき 一の専有部分を所有するための敷地利用権又は附属施設に関する権利に係る敷地共有持分等を数人で有するとき
は、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
3 第一項の通知は、
区分所有者 敷地共有者等
が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは
その場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所 、その場所
にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
---------------------------------------------------
注:以下の第4項は準用せず
4 建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
前の第72条(敷地共有者等の集会等)で専有部分のある建物(区分所有建物)が地震や土砂崩れ等で全部滅失した場合には、後に残された敷地の権利を有する共有者(準共有者)たちは、「滅失があった日から5年以内」に、集会や規約の設定、管理者を置くことができ、集会を開く規定や規約の設定、管理者の権限などは、区分所有法の各々の規定を読み替えを入れたりして準用しています。(第73条)
地震や土砂崩れなどの災害が発生すれば、区分所有者の中でも死者も出ますし、行方が不明な区分所有者も出ます。
そのような所在が不明な区分所有者=敷地の共有者(準共有者)をいつまでも探していたのでは、「決議可能期間の5年」は、直ぐに過ぎてしまい、5年が過ぎると敷地の共有者は集会を開くことが出来ません。
そこで、本第74条(招集の通知に関する特例)は、敷地共有者等が開く集会で、招集者が敷地共有者等の所在が分からない時は、
・少なくても会日の一週間前に、会議の目的たる事項と議案の要領を示した集会の通知(第35条1項)を、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所(災害現場内)に掲示することで、
集会の招集の通知が所在の不明な敷地共有者等に到着したものとみなす(第74条2項)にしています。
これは、第73条(集会等に関する規定の準用)で建物が存在している時の規定:第35条4項の規定を準用していない理由でもあります。
所在等が不明な敷地共有者等がいる場合には、管理者または敷地共有者等は、裁判所に請求して、その人を「所在等不明敷地共有者等」にしてもらえば、その後の敷地共有者等の集会においては、所在等不明敷地共有者等は議決権を有しない、つまり決議の母数から除く扱いが出来ます。(第38条の2 2項)
この規定により、敷地共有者等が開く集会(敷地共有者等集会)は、次のステップに行くことが可能となります。
ただし、敷地共有者等の所在を知らないことに過失(不注意)があってはいけないのは、他の所在等不明区分所有者の規定と同様です。(第74条2項但し書き)
*過失がある・・・ある結果を認識・予見することができたのに、注意をしなかったこと。
| 第七十四条 (招集の通知に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 前項の場合には、当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設された、第72条の後を受けたのが第73条及び第74条です。
施行は令和8年4月1日。
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★敷地共有者等の所在が不明には、「過失」があっては、いけない。
◎第74条2項 〜集会の通知を掲示した時に、到着とみなす〜
前の第74条(招集の通知に関する特例)1項において、地震や災害で専有部分のある建物(区分所有建物)が全部滅失した場合には、あとに残された敷地の利用権を共有(準共有)している敷地共有者等が開く敷地共有者等集会の通知は、敷地共有者等集会の招集者が敷地共有者等が存在する場所などを知らなければ、敷地共有者等集会の通知を「滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所(災害現場)に掲示してすることができる」としています。
そして、「滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示」した時に、所在が不明な敷地共有者等に対して到着したものとみなすことにしたのがこの第74条2項です。
本来であれば、敷地共有者等集会の通知は、必ず敷地共有者等に届くことが必要で、その通知が到達した時から効力を生じます(到達主義 民法 第97条)が、事態が災害時であり、所在が不明な敷地共有者等がいることを考量した規定です。
<参照> 民法 第97条
(意思表示の効力発生時期等)
第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
そのため、敷地共有者等集会の通知を「滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる」のは、「所在を知らないことに過失(不注意)があった時は、例え、「滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示」しても、「通知が到達した」とはみなさないということにしています。
「掲示をした時に到達したものとみなす」ことにより、この後の敷地共有者等の集会は、迅速に進めることが可能です。
★敷地共有者等が不明なら「公示送達」(民法 第98条)制度があるけど
「公示送達」を利用すると、官報に載せたり、費用も時間(最後から2週間後に到達とみなす)もかかるか。
<参照> 民法 第98条
(公示による意思表示)
第九十八条 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
2 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。
3 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
4 公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。
5 裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、当該専有部分のある建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(以下「再建決議」という。)をすることができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています第75条(再建決議」の規定です。
施行は令和8年4月1日。
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★第75条:区分所有建物が全部滅失した場合の「再建決議」新設の理由 〜マンション被災法の不備を補う〜
第75条(再建決議)は、1項から9項までで構成され、マンションのような「専有部分のある建物(区分所有建物)」が全部滅失(全壊)した場合に、あとに残された土地の権利(敷地利用権)を有する者が複数、つまり共有(所有権の場合)または準共有(所有権以外の地上権などの場合)なら、彼ら、敷地共有者”等”は、第72条(敷地共有者等の集会等)や第73条(集会等に関する規定の準用)の規定に従って、「その滅失の日から5年」までなら、集会を開いて、議決権の4/5以上の多数により、該当の土地があった場所や、元の土地の一部を含む土地に新たに建物を建てる「再建決議」ができると規定しています。
上の第72条(専有部分のある建物が滅失した場合における措置、敷地共有者等の集会等)でも説明しましたように、令和8年4月1日施行で改正される前の区分所有法では、大規模滅失にせよ建替えにせよ、建物が残っている場合を想定していますが、地震や土砂崩れなどの災害で区分所有建物が全部滅失(全壊)してしまい、あとに残された瓦礫と土地(敷地)については、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(以下、「マンション被災法」という。)が受け持つ構成になっていました。
しかし、マンション被災法では、その適用の条件としてその災害が「政令で定めるもの」とか集会は「政令施行日から3年間まで」に開けという規定があり、これらが、被災した区分所有建物の再建を円滑にしていないとの指摘があり、令和8年4月1日施行の改正区分所有法内に、「被災区分所有建物の再生の円滑化を図る方策」として、新規に取り入れたものです。
建物の共有関係をその対象としている多数決が原則の区分所有法内に、敷地が共有という点に重きを置いて、本来なら、民法の共有物の重大な変更は「共有者、全員の同意が必要」では、建物が災害等で全部滅失した際には、復旧や再建などがスムーズに行かないことを考慮した民法に対する特例です。
災害後に残された土地をもとに、失われた建物の権利を5年間という限られた期間でどのように「清算」するのか、の1つの解決策がこの第75条の「再建」決議です。
★区分所有建物が全部滅失した場合の「再建決議」
専有部分のある建物が全部滅失した場合には、敷地共有者は、議決権の4/5(80%)以上の賛成で、同じ場所に新しく建物を建てる(再建)ができる。
◎専有部分のある建物が滅失した場合・・・マンションなど。区分所有建物と同じ。
◎敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき・・・敷地利用権は、
専有部分のあるマンションなどの区分所有建物が全部滅失場合には、あとに残された土地の利用権(敷地利用権)には、
@所有権
その他の権利として
A地上権
B賃借権
C使用借権
があります。

◎敷地共有者”等”集会・・・あとに残された土地(敷地)を、共有または準共有(借地権等)している人たち(敷地共有者”等”)が開く集会
◎敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数・・議決権は、敷地共有持分等の価格の割合(第73条準用、第38条 → 第14条読み替え)
所在等不明敷地共有者等(第73条準用、第38条の2 2項)は、除く。
◎建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する・・・
これは、建替え決議(第62条1項)の条件と同じ。

★第75条:全部滅失での「再建決議」は、ほぼ「建替え決議」と同様な手順ですすむ。
マンションなど専有部分のある建物(区分所有建物)が地震や土砂崩れなどの災害で全部滅失した場合、あとに残された土地(敷地)を共有(準共有)する者たち「敷地共有者”等”」は、「その滅失の日から起算して5年を経過する日までの間」であれば、彼らによる「敷地共有者等”集会”」を開いて、議決権である「敷地共有持分等の価格の割合」が 4/5(80%)以上 の賛成があれば、元の建物があった土地やその一部の土地に新しく建物を建築出来ます。
これが、第75条で規定されています「再建決議」です。
もう、災害により区分所有建物は存在しないために、「建替え」でなく「再建」と区別しています。
★「再建決議」で必要な議決権 → 敷地共有持分等の価格の割合の4/5(80%) 以上
この「敷地共有者等”集会”」で採用されています議決権の「敷地共有持分等の価格の割合」には、敷地共有者等や管理者が、裁判所に請求して、「所在等不明敷地共有者等」に該当するとなった人の「敷地共有持分等の価格の割合」は、除かれます。(第73条準用 第38条の2)
なお、区分所有建物が全部滅失(全壊)でなく、まだ、一部でも残っている大規模滅失や小規模滅失に該当するなら、この第75条(再建決議)ではなく、第61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等)以下の適用となります。
この大規模滅失か全部滅失かの判定の難しはありますが。
ここでの議決権は、「敷地共有持分等の”価格”の割合」となっていますが、災害直後には混乱が予想され厳密に不動産鑑定士等による土地の「価格」を求めることが難しい場合には、登記簿((登記事項証明書)の建物の登記簿謄本にある「表題部(敷地権の表示)」の「敷地権の割合」欄に記載されています割合が客観的な基準として使用できます。

注:議決権:まだ建物が残っている場合は、規約がなければ、第14条に定める「専有部分の床面積の割合」(第38条)
★全部滅失の「再建決議」は、「建替え決議」(第62条)とほぼ同じ規定
第75条(再建決議)の条文は、第62条の「建替え決議」の条文から、存在しなくなった建物の「区分所有者」や、不要な「建物の取壊し」などの文言を取り除いた構成となっています。
<参照> 区分所有法 第62条
(建替え決議)
第六十二条 集会においては、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。
---------------------------------------------------
(注:以下の第62条2項、3項は、建物が存在しないために、準用はない。)
2 建物が次の各号のいずれかに該当する場合における前項の規定の適用については、同項中「五分の四」とあるのは、「四分の三」とする。
一 地震に対する安全性に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
二 火災に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
三 外壁、外装材その他これらに類する建物の部分が剥離し、落下することにより周辺に危害を生ずるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
四 給水、排水その他の配管設備(その改修に関する工事を行うことが著しく困難なものとして法務省令で定めるものに限る。)の損傷、腐食その他の劣化により著しく衛生上有害となるおそれがあるものとして法務大臣が定める基準に該当するとき。
五 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に準ずるものとして法務大臣が定める基準に適合していないとき。
3 法務大臣は、前項各号の基準を定め、又はこれを変更するときは、あらかじめ、国土交通大臣と協議するものとする。
---------------------------------------------------
(注:以下の項目は、第75条でも、ほぼ同じで規定している、)
4 建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
5 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
6 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
7 前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
一 建物の建替えを必要とする理由
二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
四 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
8 第六項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
9 第三十五条及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。
10 前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。
★「再建決議」の流れ
区分所有建物がなくなり、あとに残された敷地の権利を有する敷地共有者等が開く集会での建物の「再建決議」では、「建替え決議」(第62条)と同じように、議決権(敷地共有持分等の価格の割合)の4/5(80%)以上の賛成が必要です。
さらに、以下の要件も必要とされます。
これらを定めないと、「再建決議」の集会(総会)で、瑕疵(傷)があったとして、折角開催した集会が無効になりますので、注意してください。
1.一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
を定めなければなりません(2項)
@新たに建築する建物の設計の概要とは・・・新しく建築される建物全体の用途・構造材料・階数・建築面積・延べ面積等に関する事項の概略です。
建築基準法で必要とされる建築確認申請に必要とされる詳細な実施設計までは要求されないまでも、あとで出てくる3号との関係からも建物を建築する上で概算見積りをとれる程度の基本設計図程度のものは必要と思われます。
「再建建物の設計の概要」を決める際には、建築基準法での用途制限、容積率・建蔽率や都市計画法、耐震基準を満たしているかなど関係する規制も、過去に建てた時の状況と改正された点もありますので注意が必要です。
また、4号(区分所有権の帰属)との関係において各専有部分の用途、配置、床面積、間取は示すことです。
A再建建物の建築に要する費用の概算額とは・・・上の1号で規定された再建建物の基本設計に基づく概算の見積り額はいくらかで、いずれも1棟全体の建物の総額です。
各敷地共有者等の個別の負担額は次の3号の費用分担として規定されています。
具体的に考えられる費用としては、
1.再建のための建築士などコンサルタント費
2.建物が残っていれば解体・残骸の撤去費用
3.新しい建物の設計、測量、工事と近隣対策費
4.建物新築費用
5.再建事業運営事務費(手続費用) などです。
注:国土交通省の調査では、再建築費用は、1戸あたり1,000万円〜2,000万円ほどかかる(2025年10月、現在)
B再建建物の建築に要する費用の概算額(2号)の分担に関する事項・・・分担(負担)額の基準・決定方法やその支払方法等が定まればよく、この段階では特定の個人がいくら負担するかまでを定める必要はありません。
この「再建決議(案)」として提出する段階では、まだ、「再建決議」に賛成する人数も確定しておらず、だれが何階のどこに住むのかも決まっていませんので、再建費用の概算総額を敷地共有者等でどのように分担(負担)するかの基準を定めておきます。
分担の基準としては、
1.専有部分の床面積の割合
2.各戸の購入価格の割合
3.敷地権の割合
4.均等割
などが考えられますが、私が当事者として考えても、分担額はできるだけ少ない方が望ましく、集会の前の説明会でも相当な議論がでる事項です。
いま考えられる妥当なのは、「敷地権の割合」でしょうか。
法の創案者も、この分担に関する事項(3号)と次の再建建物の区分所有権の帰属に関する事項(4号)については、なかなか纏まらないことを想定していて、この分担に関する事項と再建建物の区分所有権の帰属に関する事項については、わざわざ、「第三号及び第四号の事項は、各敷地共有者等の”衡平を害しないよう”に定めなければならない。」としています。(第75条3項)
C再建建物の区分所有権の帰属に関する事項とは・・・再建建物の区分所有権(建物の専有部分の権利)の帰属先、即ち誰が建物の何階のどの部屋を取るか、又はそれをどのように決定するかに関する事項です。
しかし、これも「再建決議(案)」が提出された段階では、まだ、「再建決議」に賛成する人数が確定していない為に、「再建決議」に賛成した敷地共有者等が希望する「専有部分(区分所有権)」を取得することもこの段階では確定できません。
そこで、「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」で考えられる基準(方法)は、基本的には、元の専有部分(部屋)があった階数や間取り(床面積)、方位をもとに、
1.希望により決める
2.希望先が重複した時は、抽選とする
としたら良いでしょう。
この「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」を決めるのは、揉めることを想定して、次の第75条3項で「各敷地共有者等の衡平を害しないように定めなければならない」ことになっていますが、敷地共有者等で議論が尽きないでしょう。
注:余った専有部分(部屋)がでる場合には、誰がその部屋を取得するかも、きめておくこと。
★分担した建築費用等と新しい専有部分(部屋)の取得金額の清算
建物を建築する契約をした業者との内容に寄りますが、通常、「再建決議」に賛成した敷地共有者等が分担(負担)する解体費用(瓦礫の撤去費用も含めて)や新築費用は、マンション(区分所有建物)が建築される前に支払い、「再建決議」に賛成した敷地共有者等が得る区分所有権(部屋)の支払は、後になります。
そこで、分担した建築費用等と新しい専有部分(部屋)の取得金額の清算関係ですが、新しい専有部分の取得金額から、分担金は差し引いていい(分担額 - 取得額 = 支払額)関係になります。
この清算の方法も、あとで揉めないように、この「再建決議」の中で決めておいた方が良いでしょう。
★敷地利用権の割合は、ここでは、決めないが。
第62条の「建替え決議」でも指摘しましたが、建物を新築すると専有部分(部屋)の床面積が今までの敷地面積の割合と変わることが殆どですが、敷地利用権について区分所有法では触れていません。
区分所有法の創案者は、「建替え決議」の際に、「敷地利用権の再配分は、建替えに必要不可欠でなく、多数決で処理するのになじまない」との判断で区分所有法には取込まなかったと説明していますが、専有部分の割合が変わるなら、それに対応した新しい敷地利用権の割合もこの「再建決議」でも入れるべきです。
★「再建決議」をする集会の通知は、会日よりも少なくても、2か月前(初日不算入)に発すること。 規約があれば、2か月前は伸ばしていい
敷地共有者等にとって、新しく建物を建てることは、費用の負担、将来の住生活などとも絡み、大変に重大なことです。
そこで、「再建決議」の集会を開く際には、敷地共有者等に対して、通知する内容は、
・会議の目的たる事項・・・当敷地共有者等集会は、新しく建物を建てる会議であること
・議案の要領として・・・再建計画の具体的な内容を示すこと。
まず、
・どうして再建を必要とするのか、その理由(第75条5項)
そして、敷地共有者等集会で定めなければならない、
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
(第75条2項)
などを示して、事前に敷地共有者等が再建計画の内容を充分に検討できることです。
そのために通知を出す期間を、集会日よりも、2か月前としています(規約があれば、伸ばすことだけは可)(第75条4項)
★「説明会」の開催 〜再建決議の集会を開く前に「説明会」を、再建決議の集会日よりも、少なくとも1か月(初日不算入)前に開催すること〜
新しく建物を再建するということの重大さから、区分所有法は、「建替え決議」(第62条)と同様に、少なくとも「再建決議」の敷地共有者等集会を開く1か月前に、必ず「再建」に関しての「説明会」を開けと規定して、敷地共有者等に質疑応答をさせる機会と与えることにしています。
この「説明会」は、区分所有法で定められています「集会」ではありませんから、成立の要件や決議などはありません。
敷地共有者等集会を招集した者が、「説明会」を開催します。(第75条6項)
「説明会」の通知は、「再建決議」の集会と同様に、敷地共有者等に出され、彼らの所在が不明なら、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の「見やすい場所」に掲示してすることができ、その掲示をもって、敷地共有者等に到達してものとみなされます。
ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じないのも、他の集会と同様です。(第74条(招集の通知に関する特例)2項)
また、関係する敷地共有者等”全員が同意”すれば、招集の手続が省けるのも、「建替え決議」などと同じです。(第73条の準用 第36条)
★「説明会」の内容と回数
「再建」に伴う「説明会」の内容は、「再建決議」で必要とされる内容とほぼ同じと考えられます。
つまり、
どうして再建を必要とするのか、その理由(5項)
そして、敷地共有者等集会で定めなければならない、
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
(2項)
などを、基本的には敷地共有者等の中の関係者から説明しますが、法律の関係も多々ある為、区分所有法に詳しいマンション管理士や建築士、解体業者など外部の人も「説明会」に同席させ、必要なら彼らからも回答させます。
「再建に伴う説明会」の開催の回数は特に規定がありませんから、敷地共有者等が納得の行くまで、また、敷地共有者等のほとんどが再建決議に賛成する状態に至るまで、何度も開催すべきです。
この最後の「説明会」が終わってから、少なくとも1か月後に「再建決議」の集会を開くという。ことです。
★再建決議をした敷地共有者等集会では、だれが賛成か、誰が反対したかを、議事録上にのこすこと(第75条8項)
「再建決議」の敷地共有者等集会では、管理者または、「再建決議」の集会を招集した敷地共有者等が「議事録」を作成することが、義務付けられています。(第73条の準用、第42条)
そして、「再建決議」の敷地共有者等集会後に、「再建決議」に賛成した敷地共有者等は、「再建決議」に参加しなかった(反対した)敷地共有者等に対してその「敷地共有持分等を時価で売り渡せ」と請求ができます(第75条9項)から、再建決議をした敷地共有者等集会での議事録には、敷地共有者等の誰が賛成で、誰が反対かを必ず記載します。
再建決議での「賛成・反対」はその重要性から、別途「議決権投票用紙」を作成し、各敷地共有者等に「署名」の上提出してもらう方法が確実です。この際に「捺印」は、あってもなくても、現在は問題が有りません。
挙手での採決は、後日の証拠がなく、望ましくありません。
★「再建決議」に反対者は、その敷地共有持分等を時価で売渡す
「再建決議」に反対した敷地共有者等は、「再建決議」の賛成者(買取指定者もふくめて)から、その敷地共有持分等を時価で売り渡せという請求(売渡請求)を受けます。(第75条9項の準用 第63条)
ここでも、災害時における敷地の時価の算定の難しさはありますが。
「再建決議」があっても、正当な理由が無くて2年間再建工事がなければ、敷地共有持分等を時価で売った人は、今度は逆に「「買戻し請求」ができたるするのは、「建替え」と同じです。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 再建決議においては、次の事項を定めなければならない。 一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要 二 再建建物の建築に要する費用の概算額 三 前号に規定する費用の分担に関する事項 四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★第75条(再建決議)2項
本第75条2項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合に定めなければならない4つの事項を規定しています。
★「再建決議」で定める4つの事項 〜再建計画の概要〜
区分所有建物が全部滅失した場合に「再建」を目的とする敷地共有者等集会では、集会の決議事項として、
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
を定めることになっています。
この4つの事項は、「建替え決議」(第62条)4項の2号の「建物の取壊し費用」がないだけで、ほぼ同じです。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 4項
4 建替え決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 建物の取壊し及び 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
この4つの事項のいずれかを定めない「再建決議」は、無効となりますから、注意してください。
再建決議で定めるために、これら4つの事項についても、議案の要点と主な内容を通知することになります。
★決議事項-1: 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
本第75条2項1号の「再建建物の設計の概要」とは、新しく建築される建物全体の用途・構造材料・階数・建築面積・延べ面積等に関する事項の概略ですが、その詳細の程度は明らかではありません。
しかし、単に建物の概要ではなく「設計の概要」として再建決議参加者が、再建事業参加の判断の要素や次の2号の費用概算額の根拠となることを予定しているとみられることから建築基準法での建築確認申請に必要とされる詳細な実施設計までは要求されないまでも、建物建築で概算見積りをとれる程度の基本設計図程度のものは必要と思われます。
また、この「再建建物の設計の概要」を決める際には、建築基準法や都市計画法等関係する規制もありますので注意が必要です。
◎各専有部分の用途、配置、床面積、間取は示すこと。
★決議事項-2: 再建建物の建築に要する費用の概算額
2号の「再建建物の建築に要する費用の概算額」は、
1号で規定された再建建物の基本設計に基づく概算の見積り額はいくらか
で、いずれも1棟全体の建物の総額です。
各敷地共有者等の個別の負担額は次の3号の費用分担として規定されています。
この2号で規定される再建の概算額には、再建工事期間中の仮住まいの費用や引越代・新居の家具備品代その他の個人的経費は含まれません。
新築費も建物の用途や広さによっては専有部分の全設備が詳細に含まれるとは限らず、別途内装代の負担が発生することがあります。
具体的に考えられる費用としては、
1.解体・建設工事費、設計、測量、工事の近隣対策費
2.再建事業のためのコンサルタント費
3.再建管理組合設立費用
4.管理組合運営、事務費 などです。
区分所有法第75条2項2号で求められているのは、まだ概算の段階ですから、最終の建設実費がこの概算額を超えても、再建決議は有効です。
◎概算額:敷地共有者等の賛否の判断に支障のない限度でのある程度の幅のある決め方でいい。
★決議事項-3: 前号(2号)に規定する費用の分担に関する事項
3号は前の2号で算出された再建での概算費用の負担方法の定めです。
負担額の基準・決定方法やその支払方法等が定まればよく、この段階では特定の個人がいくら負担するかまでを定める必要はありません。
新築費の負担は専有部分や共用部分を包含する1棟の建物の新築費の分担ですから、建物のどの位置にどの程度の広さのどのような用途の専有部分を取得するかにより異なります。
このことは新築分譲マンションの各部屋の価格が同じ広さ・間取りであっても上層階や南向きなどの方位により異なることからも容易に理解できるでしょう。
新築ですから、既存建物の管理の基準である区分所有法第19条(共用部分の負担及び利益収取)や管理規約の費用分担の定めは適用になりませんから、適正妥当な負担方法を決定することが再建事業参加者間の公平を保つ上で重要です。(3項)
従って、必要に応じて不動産鑑定士等の専門家に依頼してその基準を策定することになります。
また、解体、撤去費用は、残っている建物の大きさや附属施設の有無などにより決まります。
★決議事項-4: 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項 〜土地の敷地利用権の帰属は入っていない〜
4号は再建建物の区分所有権(建物の専有部分の権利)の帰属先、即ち誰が建物のどこを取るか、又はそれをどのように決定するかに関する事項です。
区分所有法では、このように簡単に規定していますが、この再建決議事項を作成した段階では、再建に対して、現在の敷地共有者等のうち誰が賛成で誰が反対かはまだ確定していませんから、再建建物の総戸数も確定することは難しいのが実情です。
また、平成14年の改正により、再建建物は住居用だけでなく店舗や事務所を加えるなど用途の選択の自由も認められましたから、再建後に得られる室(専有部分)が必ずしも再建前と同じ階数や方位になるとは限りません。
多くの場合、再建後で得られる室(専有部分)数は、再建前とは異なります。
そして、既存の敷地共有者等の他に新しくディベロッパー等の参加も考えられ、その際は、ディベロッパー等の取り分となる室(専有部分)もでてきます。
そこで、敷地共有者等が再建建物において取得する室(専有部分)は、再建後にある室の希望者が複数いれば抽選その他の決定方法を採用すると定めることになるでしょうが、紛争を未然に防ぐため、かなりの部分で再建後の計画を煮詰めておくことが肝要です。
最低、室の選定のルールや基準は決めておくことが推薦されます。
一般的な費用分担の基準としては、各敷地共有者等が自由に希望の室を選定でき、重複希望の住戸があった場合は、抽選としています。
しかし、高齢者や資金的な弱者を優先する方法も検討すべきです。
この4号も3号と同様に、各敷地共有者等の衡平を害しないように定めなければなりません。(第75条3項)
また、この場合においては、特に解体・撤去などで負担した費用と新規に取得した室との金額の差額の清算方法も決めておくことです。
なお、4号では再建建物の権利である区分所有権の帰属とだけ規定し、各専有部分に対応している土地の権利である「敷地利用権」については規定していません。
これは土地の敷地利用権は、以前のままで、建物だけを新しく再建することだけを予想しているためですが、これでは、新規に土地を購入したり、土地を分譲した場合、つまり、再建建物における敷地利用権の割合の変更(再配分)が必要となった場合、の処理をどうするかが議論されることになります。
この点について、立法担当者は「建替え決議」の説明として、「土地の権利である敷地利用権割合の再配分は建替えにおいて必要不可欠ではなく、また土地の権利の変動は多数決の理論には馴染まなく、建替え決議とは別に建替え参加者の合意で、建替え建物の敷地利用権の内容や価格は処理すべき」と考えたようです。
次の第75条3項に定める「各敷地共有者等の衡平を図るため」には、本来、建物だけでなく土地の敷地利用権も含めた再配分が図られる必要がありますが、区分所有法自体にそういう規定がない以上、あらためて敷地利用権の一部譲渡でバランスをとるか、またはそのような手当てのある「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」を適用して事業を行うしか方法はないようです。
しかし、敷地が従前より大きく変更する再建では、敷地利用権の割合も大幅に変更されることが考えられますから、このような場合には、敷地利用権の帰属に関する情報も再建の決議事項として取り入れる必要があると考えます。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 前項第三号及び第四号の事項は、各敷地共有者等の衡平を害しないように定めなければならない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★第75条(再建決議)3項 〜衡平(公平)の原則〜
本第75条3項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合に定めなければならない4つの事項(2項)のうち、費用の分担(負担)と、新しい建物の部屋(区分所有権)割を決める際には、衡平(公平)でなければならないと規定しています。
★前条第3号及び4号の規定 → 「再建決議」で定める4つの事項の2つ
区分所有建物が全部滅失した場合に「再建」を目的とする敷地共有者等集会では、集会の決議事項として、
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
を定めることになっています。
この4つの事項の内、
・3号の「再建建物の建築に要する費用の概算額の分担に関する事項 と
・4号の「再建建物の区分所有権の帰属に関する事項」は、
各敷地共有者等の衡平を害しないように定めることです。
この規定は、「建替え決議」第62条5項の規定の「各区分所有者」を「各敷地共有者等」と読み替えただjけです。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 5項
5 前項第三号及び第四号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
*衡平(=公平)...釣り合いのとれていること。当然といえば、当然だけど、衡平にやること。
★衡平(公平)の原則
区分所有法第75条3項は再建事業における各参加者間の衡平(公平)の原則を定めた規定ですが、それ自体は条文化しなくても当然のことです。
規定されている第75条2項3号の「再建費用の分担」と同じく4号の「再建建物の区分所有権の帰属」は、各敷地共有者等での衡平がとれていなければならないということです。
ただし、上の第75条2項でも説明しましたように、再建に対する賛成・反対の数が最終的に確定していない再建を決議しただけのこの時点では再建参加者の費用の負担も大まかな算定(概算)であり、また再建後の建物の区分所有権(専有部分)が具体的な形となる床面積(広さ)や棟における専有部分の位置(南向きか北向きかなど)について敷地共有者等の間での衡平を図るのは至難の業であり、何をもって各敷地共有者等の衡平が害されるのかは、個々の事例によって判断することになります。
もっとも、それはこの「衡平」の規定が効力のない単なる精神規定であるというのではありません。
再建賛成者内部での多数の横暴を禁じ、少数者の保護を規定しているのは、ここだけですから、各敷地共有者等の衡平を害する取り決めはこの規定に違反して無効となると解します。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 4項 再建決議を会議の目的とする敷地共有者等集会を招集するときは、第七十三条において準用する第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該敷地共有者等集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、第七十三条において準用する第三十条第一項の規約で伸長することができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★第75条(再建決議)4項 〜集会の招集手続〜
本第75条4項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合の招集手続きは、通常の集会手続きと異なることを規定しています。
★「再建決議」 が目的の敷地共有者等集会の招集の通知 〜会日よりも少なくても、2か月前(初日不算入)に出すこと。 規約で伸ばせる〜
この規定も、建替え決議」(第62条)6項と同じです。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 6項
6 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
---------------------------------------------------
第73条において準用する第35条1項の規定 (注:読み替えもあり)
(招集の通知)
第三十五条 敷地共有者等 集会の招集の通知は、会日より少なくとも
一週間前に、 二か月前に
会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各 区分所有者 敷地共有者等
(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。
ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
(以下、略)
★再建決議の敷地共有者等集会の招集の特則 〜議決権を有しないものは除いていい〜
本第75条4項では再建決議を会議の目的とする敷地共有者等集会の招集通知の発送を第35条1項で規定する一般の集会の「会日の1週間前(初日不算入)の発送」から、その重要性を考えて「2ヶ月前(初日不算入」に伸ばし、この期間を変更するなら更に伸長(伸ばすこと)は認めても短縮(短くすること)は認めないものとしています。
会日よりも少なくとも2ヶ月前に発しないでなされた再建集会の決議は無効となりますので、注意してください。
★なお再建決議の敷地共有者等集会を開催前の1ヶ月前までに説明会も開かなければならない。(第75条6項)
★また、敷地共有者等全員が同意している時には、招集の手続きを経ないで、集会を開ける(第73条で準用、第36条参照)ため、この第75条4項で定める「2ヶ月以上前の招集通知発信」も再建決議の前に敷地共有者等全員の同意があれば、省略できると考えられます。(災害時では、「全員の同意」を得ることは難しくて、この適用は少ない場合でしょうが。)
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 5項 前項に規定する場合において、第七十三条において準用する第三十五条第一項の通知をするときは、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、再建を必要とする理由をも通知しなければならない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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この第75条5項も「建替え決議」(第62条)の7項から一部を採用しています。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 7項
7 前項に規定する場合において、第三十五条第一項の通知をするときは、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
一 建物の建替えを必要とする理由
---------------------------------------------------
(注:以下は、採用されていない。)
二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳
三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
四 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
---------------------------------------------------
第35条1項 (第73条で準用。読み替えもあり))
(招集の通知)
第三十五条 敷地共有者等 集会の招集の通知は、会日より少なくとも
一週間前に、 二か月前に
会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各 区分所有者 敷地共有者等
(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。
ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
(以下、略)
★@会議の目的たる事項 〜議案〜
通知事項として1番目に必要な「会議の目的たる事項(議案)」は、会議の目的として「○○マンションの再建決議に関する件」など該当のマンションで、この集会は「再建を行う集会」であることを明確に示します。
★A議案の要領
2番目の「議案の要領」としてのポイントは、「再建をした場合にどうなるか」の情報を敷地共有者等に伝え、再建をするメリットとしないときのデメリットの比較判断ができるものです。
新たに建築する建物の計画概要として、次の事項の要点と主な内容を示します。
A.再建決議で定める4つの事項を要約したもの(内容は、第75条2項参照)
1.新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
2.再建建物の建築に要する費用の概算額
3.上記2の費用の分担に関する事項
4.再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
B.さらに、再建決議では、下のB項目も記載し通知が必要。
通知の狙いは、「再建した」場合と、このまま、放置した場合との比較検討材料を、敷地共有者等に提供することです。
★B再建を必要とする理由
3番目として、当然に、なぜ再建が必要かその説明です。
出来るだけ具体的に問題点を指摘し賛否の検討が可能な程度に、内容を明らかにしたものとなります。
私としては、災害を受けるような立地にある場所への再建にあまり魅力を感じませんが、強いてあげるなら、
例: ・建物が全部滅失しており、瓦礫としてこのまま放置するのは、社会的に問題がある
・土地があるので、資金的にも、新規に新しくマンションを購入するより再建した方がメリットがある
・新しい設備や建物を得られる
・今までも広い部屋に住むことが可能な場合がある
・今まで住んできた住環境が保てる
ぐらいでしょうか。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 6項 第四項の敷地共有者等集会を招集した者は、当該敷地共有者等集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について敷地共有者等に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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本第75条6項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合、「再建決議敷地共有者等集会」を開く前に、必ず説明会を開催しなさいという規定です。
★説明会の開催 〜「再建決議集会」の開催日の少なくとも、1か月前(初日不算入)に開くこと〜
この第75条6項も「建替え決議」(第62条)の8項から一部を採用しています
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 8項
8 第六項の集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
*再建では説明会の開催が必要...再建集会の少なくとも1ヶ月前(初日不算入)に説明会も開くこと。書面を交付しただけでは、説明会ではない。
「説明会」は、「集会」ではない...全部滅失した土地に建物を「再建」するための「説明会」は区分所有法で定める「集会」ではありませんから、成立の要件や決議の要件はありません。
ただ、「再建決議」で通知する
@会議の目的
A議案の要領
B再建を必要とする理由
について敷地共有者等に対し説明します。
説明会開催の方法として、次の第75条7項によって、第73条で準用された、第35条(招集の通知)1項〜3項、また36条(招集手続の省略)と第74条((招集の通知に関する特例)が「説明会」でも準用されています。
説明会の記録の作成や保管は義務つけられていませんが、後日のトラブルを防ぐためにも、説明会の記録を作成し、保管しておくことをお勧めします。
★再建決議の敷地共有者等集会を招集した人(管理者等)は、再建決議の集会日よりも、最低1ヶ月前(初日不算入)までに、
A.再建決議で定める決議事項
一 新たに建築する建物(以下この項において「再建建物」という。)の設計の概要
二 再建建物の建築に要する費用の概算額
三 前号に規定する費用の分担に関する事項
四 再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
B.再建の通知事項
一 再建を必要とする理由
のA.Bの両方について「説明会」を開かなければならない。
★再建の決議事項を充分に検討させる期間が1ヶ月以上必要とみている。
*この説明会の通知は、普通の集会と同じように、1週間前(初日不算入、中7日あること)までに出せばいいが、規約でも短縮はできない。伸ばすことはできる。(第35条1項)
★再建の説明会 の必要性
本第75条6項では、建物が無くなった土地へ新しく建物を再建する決議の敷地共有者等集会を開く前に、再建計画についての説明会の開催を要求して再建計画の各敷地共有者等への周知を図っています。
この説明会は、再建を目的とした敷地共有者等集会(総会)を招集した者(管理者等)が開催し、その内容は再建決議と同様に再建決議敷地共有者等集会の議案、即ち第75条2項で必要とされる全4号の「要領」と、第75条5項の「再建を必要とする理由」です。
そして、この再建に関する説明会は再建決議を目的とする集会の会日より少なくとも一月前(初日不算入)までに行うものとされ、この期間は伸長(プラス)はできても短縮(マイナス)は許されていません。(次の第75条7項参照)
規約によりプラスだけが許されているのは、再建計画の内容を理解して賛否を検討するのに必要な熟慮期間を少なくとも一か月は保障しようという趣旨です。
また、再建決議の前に、この再建についての説明会が開催されていないと、瑕疵があったとして再建の決議も無効になりますので注意してください。
★必要ならば、再建の説明会は何度でも開くこと
建替えの説明会と同じように、再建での説明会の回数も規定されていませんから、1回の説明会で全部を説明してもいいし、また数回に分けて一部ずつ説明してもかまいませんが、説明会を開く理由は、再建に対して賛否の判断が充分にできる熟慮期間であることの趣旨から全部の説明が終わってから、最低1ヵ月以上後に再建決議集会が開催されるように説明会を行う必要があります。
ただし、補習の意味で再度説明する場合はこの規定による説明会ではないので、建替え集会直前でもかまいません。
説明者は、通常、再建を決めた関係の役員等がなりますが、質問内容によっては、区分所有法の説明や、建築における専門的な知識を必要とする場合もありますから、法に詳しいマンション管理士や建築の専門家を説明会に同席させ、その者から回答させることも可能です。
◎なお、説明会も開催の場所や時間その内容を敷地共有者等に知らせて参加の機会を保障する必要がありますので、招集手続きが必要でありそのため次の第75条7項において、第35条(招集の通知)1項から3項までと、第36条(招集手続の省略)、さらに新しくできた第74条((招集の通知に関する特例)がこの説明会の招集の場合に準用されています。
説明会が数回に亘る場合は予めその全部又は一部につき事前にこの招集手続きを踏んでない場合は、そのつどこの招集手続きを踏む必要があります。
★説明会での重要項目 〜資金(分担金)・入居する部屋〜
「建替え」と同じように「再建」においても、建物の建設費用の負担と、新しい建物のどこへ入居できるかが最大の討論項目になります。
災害が起きたような立地では考えにくいのですが、もしも、該当の立地が利便性に優れている場合は、再建しても直ぐに他の人に分譲できるなどの可能性があったり、容積率が以前より高くなる時には、余った室を販売したりして、新規建設費用もうまく回収できます。
しかし、高齢者が多いマンションや利便性の悪いマンションでは、高齢者は新規ローンも組めないため費用負担も難しく、また再建をしなくても、もう余生を他の方法で過ごすことにしたなどの主張があり、多くの敷地共有者等の合意をえることは至難の業です。
再建建物の入居場所の決定は、各敷地共有者等の思惑が入り乱れて纏まりません。
過去の専有部分の広さ・階数を原則にした戻り入居に準じる方法で説明をして、余裕があれば、抽選などがよさそうです。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 7項 第七十三条において準用する第三十五条第一項から第三項まで及び第三十六条並びに前条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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本第75条7項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合、「再建決議敷地共有者等集会」を開く前に、必ず開催される説明会の招集手続きを規定しています。
◎説明会の通知 〜準用 第35条(1項〜3項)、第36条、第74条〜
本第75条7項も「建替え決議」(第63条)9項と似ている。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 9項
9 第三十五条及び第三十六条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。
<参照> 区分所有法 第35条(招集の通知)1項〜3項 第36条、第74条 (*令和8年4月1日施行で改正あり。読み替えもあり)
(招集の通知)
第三十五条 敷地共有者等 集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者 敷地共有者等 (議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。
ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
2 専有部分が数人の共有に属するとき 一の専有部分を所有するための敷地利用権又は附属施設に関する権利に係る敷地共有持分等を数人で有するとき は、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
3 第一項の通知は、区分所有者 敷地共有者等 が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは その場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所 、その場所 にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
(注:次の4項は準用なし)
4 建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。
---------------------------------------------------
第36条
(招集手続の省略)
第三十六条 敷地共有者等 集会は、区分所有者 敷地共有者等 (議決権を有しないものを除く。)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
---------------------------------------------------
前条(第74条)
(招集の通知に関する特例)
第七十四条 敷地共有者等が開く集会(以下「敷地共有者等集会」という。)を招集する者が敷地共有者等(前条において準用する第三十五条第三項の規定により通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、前条において準用する第三十五条第一項の通知は、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。
2 前項の場合には、当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。
★再建についての説明会の開催も、第35条1項〜3項、第36条そして第74条に規定されている集会の「招集の通知」にそって通知がなされるが、再建の説明会である重要性から、会日より少なくとも1週間前の発信を「伸ばす(プラス)」だけはできる。短縮(マイナス)はできない。
★説明会の開催は、再建決議の敷地共有者等集会に先立ち1ヶ月前(初日不算入)に開催すること。この通知は最低1週間前(初日不算入)に出すこと。開催と通知の違いを明確にしておくこと。
*説明会
・再建集会の最低1か月前に開催すること
・開催の通知・・・会日の少なくても1週間前(中7日)であること。
この1週間前は、伸ばす(プラス)だけできる。(第35条1項)
・一の専有部分を所有するための敷地利用権又は附属施設に関する権利に係る敷地共有持分等を数人で有するとき
つまり、1個の専有部分(部屋)に関する土地の権利(敷地利用権)が、数人の共有のとき
・・・通知は、議決権行使者として届けている人あてにだす(届け出ていない時は、共有者の一人あてにだす)(第35条2項)
・届けている場所にだす・・・これだけでもう、到達したとみなす。(第35条3項)
・受け取る場所の通知がない敷地共有者等、所在が不明な敷地共有者等に対しては・・・滅失した敷地内の見やすい場所に掲示すればいい。これで、到達となる。
ただし、敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。(第74条1項及び2項)
★また、敷地共有者等全員の同意があれば、招集の手続きは省略できる。(第36条参照)。手続きが省略できるだけで、説明会の開催は必要。
★なお、説明会での、議事録の作成やその保管は要求されていません(第42条(議事録の作成)の準用がない)が、あとのトラブルを回避するためにも、説明会でも議事録を作成し、ちゃんと保管しておいてください。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 8項 再建決議をした敷地共有者等集会の議事録には、その決議についての各敷地共有者等の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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本第75条8項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」がされる場合、「再建決議敷地共有者等集会」での議事録には、必ずその決議についての各敷地共有者等の賛否をも記載し、又は記録すること規定しています。
★再建決議をした敷地共有者等集会の議事録 〜決議に対して、賛否を載せること〜
本第75条8項も「建替え決議」(第63条)10項と似ている。
<参照> 区分所有法 第62条(建替え決議) 10項
10 前条第六項の規定は、建替え決議をした集会の議事録について準用する。
---------------------------------------------------
前条(=61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等))6項
6 前項の決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
★再建決議の議事録には、一般の議事録のほかに(第42条2項)、各敷地共有者等ごとに「賛成・反対」が記録されること。 ここでの賛否は後の、売渡請求で使用する重要な記録となる。
★再建集会での議事録の重要性 〜必ず賛否を記録すること。次の「売渡請求」の基になる〜
再建決議は、あとで出てきます(第75条9項で準用される第63条(区分所有権等の売渡し請求等))再建の反対者に対する「売渡請求の根拠となる重要な議事」ですから、再建決議をした敷地共有者等集会(総会)議事録には各敷地共有者等ごとの賛否も記載することが要求されます。
★賛成・反対の採決の記録 〜議決権投票用紙に記載して残すこと〜
再建決議での「賛成・反対」はその重要性から、別途「議決権投票用紙」を作成し、各敷地共有者等に「署名 ・捺印 」の上提出してもらう方法が確実です。
挙手での採決は、後日の証拠がなく、望ましくありません。
この「議決権投票用紙」は議事録の添付書類として保管してください。
| 第七十五条 (再建決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 9項 第六十三条(第五項後段及び第六項を除く。)及び第六十四条の規定は、再建決議について準用する。この場合において、第六十三条第一項中「集会」とあるのは「敷地共有者等集会(第七十四条第一項に規定する敷地共有者等集会をいう。次項において同じ。)」と、「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等(第七十二条に規定する敷地共有者等をいう。以下同じ。)」と、同項、同条第二項、第四項及び第五項前段並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「再建に」と、第六十三条第二項中「集会」とあるのは「敷地共有者等集会」と、同項から同条第四項まで、同条第五項前段及び第六十四条中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等」と、同項前段中「区分所有権及び敷地利用権を買い受け る」とあるのは「敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下同じ。)を買い受ける」と、「区分所有権及び敷地利用権を時価」とあるのは「敷地共有持分等を時価」と、第六十三条第七項及び第八項中「建物の取壊しの工事」とあるのは「建物の再建の工事」と、同条第七項及び第六十四条中「区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「敷地共有持分等」と、同条中「建替えを」とあるのは「再建を」と読み替えるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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第75条の最後の9項は、1項で定める区分所有建物が全部滅失した場合に開催される「敷地共有者等集会」で建物の「再建決議」が可決されて再建決議に対する賛成者・反対者が決まったら、賛成者は反対者に対して、敷地共有持分等を時価で売渡が請求できることなどを規定しています。
◎第63条(区分所有権等の売渡し請求等)(5項後段と6項は除く)、第64条(建替えに関する合意)の準用と読み替え
区分所有法の担当者は、もともと一棟の規定しか無かったのを、「団地関係」にも準用したりしているため、法として「読み替え」て準用が大好きです。(例、第66条((建物の区分所有に関する規定の準用))
しかし、あまり法律の規定に馴れていない一般国民にしてみれば、準用されている該当の条文に戻り、しかも、ある箇所が読み替えをされるという構成は、実に理解がし難く、こんな法律は無いのと同じです。
この準用で読み替えをするというやり方は、法の作成者として間違えています。
もっと、一般の人々が法律を理解しやすくする方向で、条文を作成すべきです。
といっても、現在の条文が存在する以上、「マンション管理士 香川」は、その規定に従って、解説するしか方法はないので、面倒な「読み替え」も間違えずにやりますが。
<参照> 区分所有法 第63条 (基本読み替え 建替え決議 → 再建決議)
(区分所有権等の売渡し請求等)
第六十三条 建替え決議 再建決議 があつたときは、
集会 「敷地共有者等集会(第七十四条第一項に規定する敷地共有者等集会をいう。次項において同じ。)」
を招集した者は、遅滞なく、建替え決議 再建決議に賛成しなかつた 区分所有者 敷地共有者等(第七十二条に規定する敷地共有者等をいう。以下同じ。)
(その承継人を含む。)に対し、建替え決議 再建決議 の内容により 建替えに 再建に
参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
2 敷地共有者等 集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する
区分所有者 敷地共有者等
の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議 再建決議の内容により
建替えに 再建に
参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。
3 第一項に規定する 区分所有者 敷地共有者等 は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。
4 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する区分所有者 敷地共有者等は、建替えに 再建に 参加しない旨を回答したものとみなす。
5 第三項の期間が経過したときは、建替え決議 再建決議に賛成した各区分所有者 敷地共有者等若しくは建替え決議 再建決議の内容により
建替えに 再建に
参加する旨を回答した各
区分所有者 敷地共有者等(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により
区分所有権及び敷地利用権を買い受ける 敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下同じ。)を買い受ける
ことができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに 再建に
に参加しない旨を回答した 区分所有者 敷地共有者等
(その承継人を含む。)に対し、
区分所有権及び敷地利用権を時価 敷地共有持分等を時価
で売り渡すべきことを請求することができる。
建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。(注:準用から除く。)
6 前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。 (注:準用から除く。)
7 建替え決議 再建決議の日から二年以内に
建物の取壊しの工事 建物の再建の工事
に着手しない場合には、第五項の規定により
区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその
区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。
ただし、建物の取壊しの工事 建物の再建の工事
に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
8 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事 建物の再建の工事
の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。
この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建建物の取壊しの工事 建物の再建の工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
---------------------------------------------------
区分所有法 第64条
(建替えに関する合意)
第六十四条 建替え決議 再建決議に賛成した各
区分所有者 敷地共有者等、建替え決議 再建決議の内容により
建替えに 再建に
に参加する旨を回答した各
区分所有者 敷地共有者等
及び
区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、建替え決議 再建決議の内容により
建替え 再建を
を行う旨の合意をしたものとみなす。
*敷地共有者”等”・・・敷地利用権(所有権の共有の場合と、地上権など準共有も含めて)を共有する複数の人たち(第72条)その承継者を含む。
*書面で催告・・・再建の決議がされても、再度、賛成をしなかった人(反対者、欠席者、棄権者)に”書面”で確認をする。後日のトラブルを回避するために、配達証明付きの内容証明郵便がいい。
*再建に賛成か、反対かを確定させること → 売渡請求の基になる
★本第75条9項(再建決議)は、建替え決議(第62条)の後を受けた第63条(区分所有権等の売渡し請求等)に規定される1項から4項の後段、そして第64条((建替えに関する合意)を、基本的に「建替え」を「再建」に「区分所有者」を「敷地共有者等」と、また「区分所有権及び敷地利用権」を「敷地共有持分等」などに読み替えて「再建決議」のあとにおいても「建替え決議」と同様の処置をしようとするものです。
第75条1項によって「再建決議」が、敷地共有者等集会で成立すると、新しく建物を建てることになりますが、そのためには既存の権利関係を合法的に整理しなければなりません。
敷地共有者等の全員が再建に賛成(合意して)している場合には、再建決議で定まった方法により、敷地関係はそのままで、新築建物の竣工引渡と同時にその区分所有権を新たに取得することになるので敷地共有者等の権利関係は割合単純です。
しかし、建替えと同様に、再建に反対や不参加の者がいる場合には、反対者の権利をそのままにして、新しく建物を建てる行為は、他の共有者の「同意」(民法 第251条)がない行為で権利侵害として民法上の不法行為(民法 第709条)ともなり、再建賛成者の建物の新築行為は許されないことになります。
<参照> 民法 第251条 及び 第709条
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
---------------------------------------------------
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
そこで、再建事業を合法的に行うためには、再建反対者の権利を合法的に無くして、全員の合意による再建事業を進める必要があり、それは具体的には、再建事業に非賛成者を該当の土地の権利者から除くことです。
この敷地利用権、また共有での財産の権利関係を伴う立ち退きのやり方は非常に難しいのですが、区分所有法がとった手続方法は、もともとあった敷地共有者等の団体から、少数の再建非賛成者を排除し、多数の賛成者で構成される別の集団へ移行することです。
最終的には、再建賛成者だけで構成される別個の集団が「再建」を実行することにしました。
そこで、少数ではありますが、再建反対者の利益を守りつつ、再建反対者が有している敷地利用権の解消が図られる必要があります。
その手段が第75条9項で準用されている建替えの規定(第63条)で採用された、再建反対者が有している敷地利用権を再建賛成者の集団が「売り渡せ」と請求して、再建反対者をその土地に関する権利から除く仕組みです。
★再建反対者を除く手順
★1.再度、再建反対者の意思を確かめるために催告をする 〜再建決議後、回答は2ヶ月以内にすること〜
催告をする者 → 敷地共有者等集会を招集した者
再建決議があった後に、「再建決議があった敷地共有者等集会」を招集した人が、再建決議の敷地共有者等集会後「遅滞なく」再建決議に賛成しなかった敷地共有者等(反対者と集会の欠席者・棄権者とその承継人(相続と譲渡など)を含む。)に対し、再建決議の内容により再建に参加するか否かを回答しろと書面で催告します。(準用:第63条1項)
だれが再建決議に賛成か、非賛成かは、再建決議の議事録により分かります。(第75条8項)
*遅滞なく・・・正当な理由や不当な理由がない限り、できるだけ早く行為を行うこと。「すみやかに」よりは、遅くていい。
*直ちに・・・すぐにやること。
*すみやかに・・・「直ちに」よりは、遅くてもいい。
この催告をするのは、「再建決議があった敷地共有者等集会」を招集した人です。管理者となっていないことに注意してください。
なお、催告は「書面」で行うことになっていますが、書面での催告は、敷地共有者等の承諾があれば、法務省で定める「電磁的方法」を採用して書面での催告とみなすことができます。(準用:第63条2項)
★2.当事者の確定 〜 再建参加者と不参加者の区分けをする〜
新しく建物を建てる「再建事業」を進めるにあたっては、再建事業の非賛成者が有する権利、つまり土地についての敷地利用権を奪うことができる「売渡請求」を行うためには、まず請求をする者と請求を受ける当事者がだれかを確定する必要があります。
そのために、再建事業に賛成していない敷地共有者等(反対者・欠席者・棄権者(その承継人も))は、再建決議の内容により再建に参加するか否かを回答しろとの催告を受けた日(到達日)から、2ヶ月(初日不算入)以内に回答をします。(準用:第63条3項)
この催告の方法には、特に規定がありませんから、再建事業に賛成していない敷地共有者等が通知の場所を指定していれば、その場所に送りますが、何も指定が無い場合には、民法の「公示送達」(民法 第98条)によることになりますが費用も時間もかかります。
<参照> 民法 第98条
(公示による意思表示)
第九十八条 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
2 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。
3 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
4 公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。
5 裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。
2ヶ月以内に回答をしない敷地共有者等は、「再建」に参加しないと回答したとみなします。(準用:63条4項)
回答は、書面でも口頭でも可能ですが、後日のトラブルを防ぐために「書面」でしてください。
この際には、「再建決議があった敷地共有者等集会」では、再建に反対であった敷地共有者等は、反対を撤回して、賛成に回ることができます。
なお、最初から、再建に賛成者は、賛成を変えることはできません。
★3.再建参加者の集団から、再建不参加者は、「敷地共有持分等を時価」で「売り渡せ」の請求を受けて、出て行く
催告を受けて2ヶ月が過ぎれば、再建参加者と非参加者がわかります。
次に少数の再建非参加者を排除するために、再建参加者は、再建非参加者に対して、その「敷地共有持分等を時価」で「売り渡せ」の請求を受けます。
A.売渡請求をする者(売渡請求権行使者)は、即ち買主は、
@再建決議の賛成者(承継人を含む) または
A当初の再建決議に反対又は欠席・棄権したが、あとで再建に参加することにした者(承継人を含む)、
B再建に参加する全員の合意により買受指定者(ディベロッパーなど)として指名された者
がなります(準用:第63条5項)。
@とAの場合は既存の敷地共有者等又はその承継人(特定承継・包括承継)ですが、Bの場合は既存の敷地共有者等以外の第三者(大手不動産屋、ディベロッパーなど)の場合もありえます。
B.売渡請求を受ける者、即ち売主は、
再建事業に対する非賛成者(その承継人を含む)です。再建決議の敷地共有者等集会では、反対であっても催告を受けて参加に変わった敷地共有者等は、売渡請求をする者になりますから、ここには、入りません。
◎売渡請求権は、形成権で、2ヶ月は除斥期間
この売渡請求権は形成権で、行使できる2ヶ月は、除斥期間となります。
◎除斥期間とは、権利の有効期間・消滅までの期間ですが、この期間は通常の請求権の場合には「時効期間」というのに対し形成権の場合には「除斥期間」といわれます。
時効と除斥では法的性質が異なり、除斥期間には、時効のような中断や援用の余地がありません。
◎形成権
売渡請求権は、いわゆる形成権の行使ですから、通常の契約と異なり相手方の承諾は不要です。
この売渡請求の通知の到達と同時に両者の間で「時価」による売買契約が成立します。
その効果として、土地の敷地利用権が請求権行使者(買主=再建参加者)に移り、相手方(売主=再建不参加者)は、敷地共有持分等の引渡しとその登記義務を負います。
そして、請求権行使者は時価で売買代金を支払うことになります。
この請求権行使者と相手方の義務は、同時履行の関係(民法 第533条)となります。
区分所有法でも、形成権は、第10条の区分所有権売渡請求や第61条7項の復旧での買取請求など、適用があります。
◎所在等が不明な再建不参加者には、売買代金は供託制度を利用することになるでしょう。
★4.売買代金の確定 〜敷地共有持分等の時価の決め方〜
問題は、敷地共有持分等である敷地利用権の時価がいくらであるかです。
敷地の持分(敷地権の割合)は、通常、登記簿に記載されていますから、敷地の時価が決まれば、配分額も決まります。

通常であれば、土地(敷地)の価格(時価)は、路線価や専門家である不動産鑑定士などの厳密な鑑定により算出されますが、混乱している災害時では、どこに不動産鑑定士がいるのか不明な場合もあり、不動産鑑定士による時価の算定は難しいと思われます。
そこで、災害時の土地の価格には、厳密さは求められませんが、土地の価格は、再建だけでなく敷地の売却、議決権などにも使用されるため、路線価など客観的な基準に基づくことが必要だということですが、路線価が設定されていない場所などは、どうしますか、今後、明確な基準を区分所有法で示す必要があります。
★再建決議があっても、正当な理由が無くて2年以内に再建工事に着手しない時は、逆に売主から敷地利用権を買い戻せる
第75条9項で準用しています第63条7項は、読み替えると
「再建決議の日から二年以内に 建物の再建の工事 に着手しない場合には、第五項の規定により 敷地共有持分等 を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその 敷地共有持分等 を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。
ただし、建物の再建の工事 に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。」
となります。
つまり、再建決議をしても、正当な理由(反対者が裁判を起こしていて係争中とか、資材費の高騰で建築業者が決まらない、近隣から猛反対を受けているなど)がなくて2年が過ぎても、再建工事が着手されない時は、売主(再建非参加者)は、現在の敷地権利者に対して、再建決議があった2年後から起算して、6ヶ月以内なら、元の金額で敷地権の持分を買い戻せるとしています。
買戻し金には、利息をつける必要はありません。
再建工事に着手とは、実際に工事を行うことで、関係業者に発注した時点ではありません。これは、現場から離れた元の敷地権者からも、建物の再建に着手したことが分かることです。
この規定は、衡平の観点から設けられています。
この買戻しが成立すると、再建決議に反対者が存在することになり、再建決議は、不成立となりますから注意が必要です。
*敷地共有持分等 を現在有する者・・・再建決議後、新しく敷地権を買ったり相続した場合を想定している。
★正当な理由が無くなった場合
本第75条9項で準用されています、第63条8項の規定は、
<参照> 区分所有法 第63条 8項
8 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事 建物の再建の工事
の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。
この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建建物の取壊しの工事 建物の再建の工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
---------------------------------------------------
前項本文 = 7項 本文 の再読み替え
7 建替え決議 再建決議の日から二年以内に建物の取壊しの工事 建物の再建の工事に着手しない場合には、第五項の規定により
区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、建物の取壊しの工事 建物の再建の工事 の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに
買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等 を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。
となり、敷地利用権を売った人が買戻し請求ができるのは、
1.再建工事を邪魔する正当な理由がなくなったことを知った日から6ヶ月以内 又は
2.再建工事を邪魔する正当な理由がなくなった日から、2年以内
のいずれか、早い時期までにすることになっています。
★再建に関する合意 〜第64条の準用。再建を行う旨の合意をしたものとみなす〜
被災した区分所有建物が全部滅失した場合に再建の決議が賛成多数で可決された時に準用される、建替え決議後の最後の規定は第64条です。
<参照> 区分所有法 第64条 (第75条9項で読み替えあり。)
(建替え 再建 に関する合意)
第六十四条 建替え 再建 決議に賛成した各 区分所有者 敷地共有者等(第七十二条に規定する敷地共有者等をいう。以下同じ。) 、建替え 再建 決議の内容により 建替えに 再建に 参加する旨を回答した各 区分所有者 敷地共有者等 及び 区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等 を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、建替え 再建 決議の内容により 建替えを 再建を 行う旨の合意をしたものとみなす。
◎ どうして、再建の賛成者全員に、「再建」を行う旨の合意があったとみなす規定が必要か?
「合意の擬制(みなす)」の必要性は、建替えの第64条でも説明しましたが、再建賛成者は、当初の敷地共有者等集会での再建決議での賛成者から、催告などで再建反対から賛成に変わった敷地共有者等、賛成者の合意で買受人に指定されたデベロッパー、また彼らの承継人もいますから、再建事業を進めるためには、これら再建賛成者を「1つの集団」として、再建事業を進める必要があります。
そこで、第64条(建替えに関する合意)の規定により、催告などで再建反対から賛成に変わった敷地共有者等や再建賛成者の合意で買受者に指定されたデベロッパーなどは実際には「再建決議」には合意してなくても、当初から再建に賛成した敷地共有者等と共に、さらに彼らの承継人も含めて全員が、再建事業を行う旨の合意をしたことにして、これで、民法上での共有関係での「全員の合意」と同様に扱うことが可能となり、権利関係が単純になります。
この「合意」により、再建に賛成の集団は、全員で再建決議で採決された内容(第75条1項、2項など)に従って再建事業を遂行する義務を負うことになります。
再建を行う「集団」には、区分所有法上の規約や各条文の適用はなくなり、後は、民法での「組合」(民法 第667条〜)に関する規定に従うことになります。
新しい区分所有建物が完成した時に、この「再建を目的とする集団」は解散し、また、新しく区分所有者の団体(第3条)が構成されます。
| 第七十六条 (敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたときは、敷地共有者等集会において、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(以下この条及び次条第一項において「敷地売却決議」という。)をすることができる。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★第76条「敷地売却決議」
専有部分のある建物(区分所有建物)が、地震や土砂崩れ、大津波などで全部滅失した場合には、第75条によって新しく「再建決議」もできますが、もう新しくマンションを建てるということをあきらめて、敷地を売ってしまうことができるというのが、第76条(敷地売却決議)です。
この第76条の「敷地売却決議」も第75条の「再建決議」と同様に以前は、被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)にあった規定ですが、被災マンション法では、「政令で定めるもの」とか、集会は「政令の施行の日から3年以内」などの条件があり、利用がされなかった実績から、区分所有法に取込んだものです。
この第76条「敷地売却決議」も、第75条の「再建決議」と同様に、災害時における区分所有建物関係の「再生」をスムーズに進めるために、本来なら共有関係にある建物を規定の対象にしてきた区分所有法の中に、民法での共有における「共有者全員の合意」では、物事が進まないという認識から、敷地が共有であるという点から、多数決の世界が支配する区分所有法内に取込んだ、民法の特例です。
強く社会的な要請を感じる規定です。
そのため、第75条の「再建決議」と同様に、適用はマンションのような専有部分のある建物(区分所有建物)に限り、また、その集会は、「敷地共有者等集会(第72条)」と規定して、適用の期間も「その滅失の日から起算して5年を経過するまで」と限定しています。
マンションが全部滅失(全壊)するような立地なら、第75条の「再建決議」より、敷地を売るという第76条は、利用できる規定かも知りませんが、災害にあった土地では売却価格は、それほど望めないでしょう。
<参照> 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)
第二章 区分所有建物の全部が滅失した場合における措置
(敷地共有者等集会等)
第二条 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分が属する一棟の建物(以下「区分所有建物」という。)の全部が滅失した場合(その災害により区分所有建物の一部が滅失した場合(区分所有法第六十一条第一項本文に規定する場合を除く。以下同じ。)において、当該区分所有建物が第十一条第一項の決議又は区分所有者(区分所有法第二条第二項に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)全員の同意に基づき取り壊されたときを含む。)において、その建物に係る敷地利用権(区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権をいう。以下同じ。)が数人で有する所有権その他の権利であったときは、その権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができる。
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(敷地売却決議等)
第五条 敷地共有者等集会においては、敷地共有者等の議決権の五分の四以上の多数で、敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(以下「敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
3 敷地売却決議については、前条第四項から第八項まで並びに区分所有法第六十三条第一項から第四項まで、第五項前段、第七項及び第八項並びに第六十四条の規定を準用する。この場合において、前条第四項中「第一項に規定する」とあるのは「次条第一項に規定する」と、同条第五項中「再建」とあるのは「売却」と、区分所有法第六十三条第一項中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(以下「特別措置法」という。)第二条に規定する敷地共有者等をいう。以下同じ。)」と、同項並びに同条第四項及び第五項前段並びに区分所有法第六十四条中「建替えに」とあるのは「売却に」と、区分所有法第六十三条第二項から第四項まで及び第五項前段並びに第六十四条中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等」と、区分所有法第六十三条第五項前段中「区分所有権及び敷地利用権を買い受ける」とあるのは「敷地共有持分等(特別措置法第二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下同じ。)を買い受ける」と、「区分所有権及び敷地利用権を時価」とあるのは「敷地共有持分等を時価」と、同条第七項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「特別措置法第五条第一項に規定する敷地売却決議に基づく売買契約による敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下単に「権利の移転」という。)がない」と、同項及び区分所有法第六十四条中「区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「敷地共有持分等」と、区分所有法第六十三条第七項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「権利の移転がなかつた」と、同条第八項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「権利の移転」と、「その着手をしないとき」とあるのは「権利の移転がないとき」と、区分所有法第六十四条中「建替えを行う」とあるのは「売却を行う」と読み替えるものとする。
この歴史から、新しく区分所有法第76条として取込んだ「敷地売却決議」も、基本は、被災マンション法第5条「敷地売却決議等」と同じ構成です。
★滅失日から5年以内なら、集会を開ける → その集会で「敷地売却決議」ができる
専有部分のある建物が(全部)滅失した場合であれば、令和8年4月1日施行で新しく創設された第72条「敷地共有者等の集会等」の規定により、後に残された敷地の利用権が複数での共有(所有権)や準共有(地上権など)であれば、彼ら(敷地共有者等)は、その滅失の日から5年以内であれば、集会(敷地共有者等集会)を開いて、規約を定めたり管理者を置くことができます。
<参照> 区分所有法 第72条
(敷地共有者等の集会等)
第七十二条 専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき、又は当該専有部分のある建物の附属施設(これに関する権利を含む。)につき数人が共有持分を有していたときは、それらの権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。
★敷地売却決議には、敷地共有持分等の価格の 4/5(80%)以上 の賛成が必要
その敷地共有者等集会で、議決権である「敷地共有持分等の価格」(第73条の準用読み替え 第38条) の 4/5(80%)以上 の賛成があれば土地(敷地利用権)を売る払う決議「敷地売却決議」ができるというのが、第76条です。
この「敷地共有者等”集会”」で採用されています議決権の「敷地共有持分等の価格の割合」には、敷地共有者等や管理者が、裁判所に請求して、「所在等不明敷地共有者等」に該当するとなった人の「敷地共有持分等の価格の割合」は、除かれます。(第73条準用 第38条の2)
ここでの議決権は、「敷地共有持分等の”価格”の割合」となっていますが、災害直後には混乱が予想され厳密に不動産鑑定士等による土地の「価格」を求めることが難しい場合には、登記簿((登記事項証明書)の建物の登記簿謄本にある「表題部(敷地権の表示)」の「敷地権の割合」欄に記載されています割合が客観的な基準として使用できます。

| 第七十六条 (敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。 一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称 二 売却による代金の見込額 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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◎第76条2項:敷地売却決議で定める2つの事項 〜@相手方とA金額〜
令和8年4月1日施行の改正区分所有法で新規に設けられた「敷地売却決議」(第76条)では、マンションなど区分所有建物が全部滅失(全壊)した場合には、敷地共有者等が開く敷地共有者等集会で議決権の五分の四以上の多数で敷地売却決議ができることになっています。
その敷地売却決議をする際には、本第76条2項で、以下の2つの事項も定めなければならないとしています。
1.売却の相手方となるべき者の氏名(個人の場合)又は名称(法人の場合)
2.売却による代金の見込額
敷地(土地)を売る以上、1の「売却の相手方となるべき者の氏名又は名称」と、2の「売却による代金の見込額」は、切っても切れない関係で、当然といえば、当然の規定です。
敷地(土地)を売りたいなら、その前に、敷地の登記簿と隣地との境界が分かる測量図などを準備した方がいいでしょう。
その上で、複数の不動産会社に相談して「土地の相場」がいくらかを査定してもらいます。
地震や土砂崩れなど被災した立地である以上、安くなることは想定されます。
大体、震災直後は、不動産取引そのものが激減します
現実に、2011年(平成23年)3月に発生した東日本大震災の初期の地価調査では、被災した岩手県で4.7%下落、宮城県で3.8%下落、福島県では5.4%の下落となり、商業地においても福島県で7.5%下落するなど、大幅な下落が見られました。
特に、液状化現象が発生した千葉県浦安市では、10%以上の下落地点が多数現れました。
このような状況でも、幸い土地の買い手が見つかったら不動産売買契約の前提として買い手との間で「覚書」程度の書類を交わして、
・土地の所在地
・権利関係(所有権か、借地権か)
・土地の面積
・売却金額
・売却金額の支払方法
・現状のまま引き渡すのか
・瓦礫の撤去費用は、どちらが負担するのか
・覚書の有効期限はいつまでか
などほぼ売買契約と同様な内容を記載します。
まだ、買い手との最終的な契約は、マンションでの「敷地売却決議」が可決するまでは、結べません。
なお、不動産会社を介して売買契約をするなら、不動産会社に支払う手数料(扱う金額によって異なる)も発生します。
| 第七十六条 (敷地売却決議) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 3項 第六十三条(第五項後段及び第六項を除く。)、第六十四条及び前条第四項から第八項までの規定は、敷地売却決議について準用する。この場合において、第六十三条第一項中「集会」とあるのは「敷地共有者等集会(第七十四条第一項に規定する敷地共有者等集会をいう。次項において同じ。)」と、「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等(第七十二条に規定する敷地共有者等をいう。以下この条及び次条において同じ。)」と、同項、同条第二項、第四項及び第五項前段並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「売却に」と、第六十三条第二項中「集会」とあるのは「敷地共有者等集会」と、同項から同条第四項まで、同条第五項前段及び第六十四条中「区分所有者」とあるのは「敷地共有者等」と、同項前段中「区分所有権及び敷地利用権を買い受ける」とあるのは「敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下この条及び次条において同じ。)を買い受ける」と、「区分所有権及び敷地利用権を時価」とあるのは「敷地共有持分等を時価」と、第六十三条第七項中「建物の取壊しの工事に着手しない」とあるのは「売買契約による敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下この項及び次項において「土地等の権利の移転」という。)がない」と、同項及び第六十四条中「区分所有権又は敷地利用権」とあるのは「敷地共有持分等」と、同項ただし書中「建物の取壊しの工事に着手しなかつた」とあるのは「土地等の権利の移転がなかつた」と、第六十三条第八項中「建物の取壊しの工事の着手」とあるのは「土地等の権利の移転」と、「その着手をしない」とあるのは「土地等の権利の移転がない」と、第六十四条中「建替えを」とあるのは「売却を」と、前条第五項中「再建」とあるのは「売却」と読み替えるものとする。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★お馴染みの、準用と読替え
本第76条3項は、マンションなど区分所有建物が全部滅失(全壊)した場合には、敷地共有者”等”は敷地共有者等集会を開いて、敷地共有者等の議決権の4/5(80%)以上の多数で、敷地の売却決議をする前に「説明会」の開催が必要とか、敷地売却決議後に反対者を排除する規定などを、基本とした「建替え」の条項から多数準用しています。
基本的には、もう新しく建物を建てないため、建替え決議(第62条)の後を規定した「区分所有権等の売渡し請求等」(第63条)や「建替えに関する合意」(第64条)の準用で、建物が存在しないために居なくなった区分所有者を敷地共有者”等”と読み替えたりしています。
◎第76条(敷地売却決議)3項で準用する条文 〜第63条(区分所有権等の売渡し請求等)(5項の後段と6項は除く)、第64条(建替えに関する合意)及び前条:第75条(再建決議)4項〜8項、そして読み替える〜
第76条3項は、区分所有法でお馴染みの、準用条文の多さと読み替えです。
本当に、区分所有法の作成者は、多くの条文を準用して、また「読み替え」をいれるのが大好きなようです。
しかし、だれが、準用している第63条とか言われてピンときますか。
まず、法律は普通の人がその条文を読んで理解できることが、その制定の根本です。
それなのに、区分所有法の制定者の頭には、法律は一部の人が理解できればいいという間違えた発想があるようです。残念な発想で、この態度は糾弾されるべきです。
みんなに優しい「マンション管理士 香川」でなければ、こんな面倒な規定はパスするでしょう。
<参照> 区分所有法 第76条3項 準用と読み替え
基本:建替え決議 → 敷地売却決議
集会 → 敷地共有者等集会
区分所有者 → 敷地共有者等
区分所有権及び敷地利用権 → 敷地共有持分等
建替えに → 売却に
---------------------------------------------------
◎第63条
(区分所有権等の売渡し請求等)
第六十三条 建替え決議 敷地売却決議
があつたときは、集会 敷地共有者等集会
を招集した者は、遅滞なく、建替え決議 敷地売却決議
に賛成しなかつた 区分所有者 敷地共有者等
(その承継人を含む。)に対し、建替え決議 敷地売却決議
の内容により 建替えに 売却に
参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
2 集会 敷地共有者等集会
を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する 区分所有者 敷地共有者等
の承諾を得て、電磁的方法により 建替え決議 敷地売却決議
の内容により 建替えに 売却に
参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該 集会 敷地共有者等集会
を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。
3 第一項に規定する 区分所有者 敷地共有者等
は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。
4 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する 区分所有者 敷地共有者等
は、建替えに 売却に
参加しない旨を回答したものとみなす。
5 第三項の期間が経過したときは、建替え決議 敷地売却決議
に賛成した各 区分所有者 敷地共有者等
若しくは 建替え決議 敷地売却決議
の内容により 建替えに 売却に
参加する旨を回答した各 区分所有者 敷地共有者等
(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により 区分所有権及び敷地利用権を買い受ける 敷地共有持分等(第七十二条に規定する敷地共有持分等をいう。以下この条及び次条において同じ。)を買い受ける
ことができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに 売却に
参加しない旨を回答した 区分所有者 敷地共有者等
(その承継人を含む。)に対し、 区分所有権及び敷地利用権を時価 敷地共有持分等を時価
で売り渡すべきことを請求することができる。
(5項の以下は、除く)
建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。
6 (この6項は除く)
前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
7 建替え決議 敷地売却決議
の日から二年以内に 建物の取壊しの工事に着手しない 売買契約による敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下この項及び次項において「土地等の権利の移転」という。)がない
場合には、第五項の規定により 区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその 区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、 建物の取壊しの工事に着手しなかつた 土地等の権利の移転がなかつた
ことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
8 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、 建物の取壊しの工事の着手 土地等の権利の移転
を妨げる理由がなくなつた日から六月以内に その着手をしない 土地等の権利の移転がない
ときに準用する。
この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、 「 建物の取壊しの工事の着手 土地等の権利の移転
を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
---------------------------------------------------
◎第64条
(建替えに関する合意)
第六十四条 建替え決議 敷地売却決議
に賛成した各 区分所有者 敷地共有者等
、 建替え決議 敷地売却決議
の内容により 建替えに 売却に
参加する旨を回答した各 区分所有者 敷地共有者等
及び 区分所有権又は敷地利用権 敷地共有持分等
を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、 建替え決議 敷地売却決議
の内容により 建替えを 売却を
行う旨の合意をしたものとみなす。
---------------------------------------------------
◎前条=第75条4項〜8項
(再建決議) → 敷地売却決議
第七十五条
4 再建決議 敷地売却決議
を会議の目的とする敷地共有者等集会を招集するときは、第七十三条において準用する第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該敷地共有者等集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。ただし、この期間は、第七十三条において準用する第三十条第一項の規約で伸長することができる。
---------------------------------------------------
第73条において準用する 第35条1項の規定(注:ここは採用しない)
(招集の通知)
第三十五条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
---------------------------------------------------
第73条において準用する第30条1項の規定
(規約事項)
第三十条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
---------------------------------------------------
5 前項に規定する場合において、第七十三条において準用する第三十五条第一項の通知をするときは、会議の目的たる事項及び議案の要領のほか、再建 売却 を必要とする理由をも通知しなければならない。
---------------------------------------------------
第73条において準用する第35条1項の規定
(招集の通知)
第三十五条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
6 第四項の敷地共有者等集会を招集した者は、当該敷地共有者等集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について敷地共有者等に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
7 第七十三条において準用する第三十五条第一項から第三項まで及び第三十六条並びに前条の規定は、前項の説明会の開催について準用する。
---------------------------------------------------
第73条において準用する第35条1項〜3項、第36条、前条=第74条の規定
(招集の通知)
第三十五条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
2 専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
3 第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
---------------------------------------------------
第36条
(招集手続の省略)
第三十六条 集会は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
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第74条
(招集の通知に関する特例)
第七十四条 敷地共有者等が開く集会(以下「敷地共有者等集会」という。)を招集する者が敷地共有者等(前条において準用する第三十五条第三項の規定により通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、前条において準用する第三十五条第一項の通知は、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。
2 前項の場合には、当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。
---------------------------------------------------
8 再建決議 敷地売却決議
をした敷地共有者等集会の議事録には、その決議についての各敷地共有者等の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
---------------------------------------------------
*敷地共有者”等”・・・敷地利用権(所有権の共有の場合と、地上権など準共有も含めて)を共有する複数の人たち(第72条)その承継者を含む。
*書面で催告・・・敷地売却の決議がされても、再度、賛成をしなかった人(反対者、欠席者、棄権者)に”書面”で確認をする。後日のトラブルを回避するために、配達証明付きの内容証明郵便がいい。
*敷地売却に賛成か、反対かを確定させること → 売渡請求の基になる
★敷地売却決議集会の前に 〜説明会(すくなくとも、敷地売却決議の集会の前、1ヶ月に)を開かなければいけない〜
区分所有建物があった土地(敷地)を売り払うということの重大さから、区分所有法は、「建替え決議」(第62条)と同様に、少なくとも「敷地売却決議」の敷地共有者等集会を開く1か月前に、必ず「敷地売却」に関しての「説明会」を開けと規定して、敷地共有者等に質疑応答をさせる機会と与えることにしています。
この「説明会」は、区分所有法で定められています「集会」ではありませんから、成立の要件や決議などはありません。
敷地共有者等集会を招集した者が、説明会を開催する少なくとも1週間前に通知をだして「説明会」を開催します。(6項)
「説明会」の通知は、第75条の「再建決議」の集会と同様に、敷地共有者等に出され、彼らの所在が不明なら、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができ、その掲示をもって、敷地共有者等に到達してものとみなされます。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じないのも、他の集会と同様です。(第74条(招集の通知に関する特例))
また、関係する敷地共有者等”全員が同意”すれば、招集の手続が省けるのも、「建替え決議」などと同じです。(第73条の準用 第36条)
★説明会の内容と回数
敷地売却決議の集会を開催する前に開かれる「説明会」の内容は、敷地売却決議で必要とされる内容とほぼ同じと考えられます。
すなわち、
・どうして敷地の売却が必要か(準用 第75条6項 読み替え)
・だれが買うのか(第76条2項:売却の相手方となるべき者の氏名又は名称)
・その金額はいくらか(第76条2項:売却による代金の見込額)
です。
まず、全滅したマンションに住んでいた経緯から、新しくマンションを建てる方法(再建策)を検討します。
その再建にかかる費用はいくらか。
:残骸の撤去費用
・必要なら地盤の改良工事費用
・新規建築費(設計・工事)
・関係事務経費
などを算出して、多くの敷地共有者は、再建してもメリットがなく、また再建費用を負担することができない状況であることを説明します。
そこで、もう土地(敷地)を手放す(売却)以外に方法はないという結論に達します。
土地の売却先を探したら、幸いにも見つかったので、区分所有法第76条に従って「敷地売却」を行うという流れになりますか。
住んでいた建物が無くなり、また土地も手放すということは、敷地を共有している人たちにとって今後の人生に大きく影響がある決断です。
様々な意見がでると予想されますから、大多数が納得いくまで説明会を開催してください。
この最後の説明会が終わってから、少なくとも1ヶ月後に「敷地売却決議」の集会を開きます。
★「敷地売却決議」の集会の通知は、会議の目的たる事項 + 議案の要領 + 売却を必要とする理由 を入れて少なくとも 開催日の2ヶ月前にだすこと(準用 第75条4項、5項読み替え)
★敷地売却決議をした敷地共有者等集会では、だれが賛成か、誰が反対したかを、議事録上にのこすこと(8項)
★第76条1項で規定する「敷地売却決議」が、敷地共有者等集会で成立すると、建物があった敷地(土地)を売り払うことになりますが、そのためには既存の権利関係を合法的に整理しなければなりません。
敷地共有者等の全員が敷地の売却に賛成(合意して)している場合には、敷地売却決議で定まった方法により行えばいいので敷地共有者等の権利関係は単純です。
しかし、建替え(第62条)や再建(第75条)と同様に、敷地売却に反対や不参加の者がいる場合には、反対者がもっています「敷地の権利」をそのままにして、敷地を売却する行為は、共有物の重大な変更に該当し、他の共有者の「同意」(民法 第251条)がない行為で権利侵害として民法上の不法行為(民法 第709条)ともなり、敷地売却賛成者達だけによる敷地の売却行為は許されないことになります。
<参照> 民法 第251条 及び 第709条
(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
---------------------------------------------------
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
そこで、敷地売却事業を合法的に行うためには、敷地売却反対者の権利を合法的に無くして、全員の合意による敷地売却事業を進める必要があり、それは具体的には、敷地売却事業の非賛成者を該当の土地の権利者から除くことです。
この敷地利用権、また共有での財産の権利関係を奪うやり方は非常に難しいのですが、区分所有法がとった手続方法は、もともとあった敷地共有者等の団体から、少数の敷地売却非賛成者を排除し、多数の賛成者で構成される別の集団へ移行することです。
最終的には、敷地売却賛成者だけで構成される別個の集団が「敷地売却」を実行することにしました。
そこで、少数ではありますが、敷地売却反対者の利益を守りつつ、敷地売却反対者が有している敷地利用権の解消が図られる必要があります。
その手段が第76条3項で準用されている建替えの規定(第63条)で採用された、敷地売却反対者が有している敷地利用権を敷地売却賛成者の集団が「売り渡せ」と請求して、敷地売却反対者をその土地に関する権利から除く仕組みです。
★敷地売却反対者を除く手順
★1.再度、敷地売却反対者の意思を確かめるために催告をする 〜敷地売却決議後、回答は2ヶ月以内にすること〜
催告をする者 → 敷地共有者等集会を招集した者
第76条1項での敷地売却決議があった後に、「敷地売却決議があった敷地共有者等集会」を招集した人が、敷地売却決議の敷地共有者等集会後「遅滞なく」敷地売却決議に賛成しなかった敷地共有者等(反対者と集会の欠席者・棄権者とその承継人(相続と譲渡など)を含む。)に対し、敷地売却決議の内容により敷地売却事業にに参加するか否かを回答しろと書面で催告します。(準用第63条1項)
だれが敷地売却決議に賛成か、非賛成かは、敷地売却決議の議事録により分かります。(準用第75条8項)
*遅滞なく・・・正当な理由や不当な理由がない限り、できるだけ早く行為を行うこと。「すみやかに」よりは、遅くていい。
*直ちに・・・すぐにやること。
*すみやかに・・・「直ちに」よりは、遅くてもいい。
この催告をするのは、「敷地売却決議があった敷地共有者等集会」を招集した人です。管理者となっていないことに注意してください。
なお、催告は「書面」で行うことになっていますが、書面での催告は、敷地共有者等の承諾があれば、法務省で定める「電磁的方法」を採用して書面での催告とみなすことができます。(準用第63条2項)
★2.当事者の確定 〜 敷地売却参加者と不参加者の区分けをする〜
敷地売却事業を進めるにあたっては、敷地売却事業の非賛成者が有する権利、つまり土地についての敷地利用権を奪うことができる「売渡請求」を行うためには、まず請求をする者と請求を受ける当事者がだれかを確定する必要があります。
そのために、敷地売却事業に賛成していない敷地共有者等(反対者・欠席者・棄権者(その承継人も))は、敷地売却決議の内容により敷地売却に参加するか否かを回答しろとの催告を受けた日(到達日)から、2ヶ月(初日不算入)以内に回答をします。(準用第63条3項)
この催告の方法には、特に規定がありませんから、敷地売却事業に賛成していない敷地共有者等が通知の場所を指定していれば、その場所に送りますが、何も指定が無い場合には、民法の「公示送達」(民法 第98条)によることになりますが費用も時間もかかります。
催告を受けて、2ヶ月以内に回答をしない敷地共有者等は、「敷地売却」に参加しないと回答したとみなします。(準用第63条4項)
回答は、書面でも口頭でも可能ですが、後日のトラブルを防ぐために「書面」でしてください。
この際には、「敷地売却決議があった敷地共有者等集会」では、敷地売却に反対であった敷地共有者等は、反対を撤回して、賛成に回ることができます。
なお、最初から、敷地売却に賛成者は、賛成を変えることはできません。
★3.敷地売却参加者の集団から、敷地売却不参加者は、「敷地共有持分等を時価」で「売り渡せ」の請求を受けて、出て行く〜
催告を受けて2ヶ月が過ぎれば、敷地売却参加者と非参加者が確定します。
次に少数の敷地売却非参加者を排除するために、敷地売却参加者は、敷地売却非参加者に対して、その「敷地共有持分等を時価」で「売り渡せ」の請求を受けます。
A.売渡請求をする者(売渡請求権行使者)は、即ち買主は、
@敷地売却決議の賛成者(承継人を含む) または
A当初の敷地売却決議に反対又は欠席・棄権したが、あとで再建に参加することにした者(承継人を含む)、
B敷地売却に参加する全員の合意により買受指定者(ディベロッパーなど)として指名された者
がなります(第63条5項)。
@とAの場合は既存の敷地共有者等又はその承継人(特定承継・包括承継)ですが、Bの場合は既存の敷地共有者等以外の第三者(大手不動産屋、ディベロッパーなど)の場合もありえます。
B.売渡請求を受ける者、即ち売主は、
敷地売却事業に対する非賛成者(その承継人を含む)です。敷地売却決議の敷地共有者等集会では、反対であっても催告を受けて参加に変わった敷地共有者等は、売渡請求をする者になりますから、ここには、入りません。
◎売渡請求権は、形成権で、2ヶ月は除斥期間
この売渡請求権は形成権で、行使できる2ヶ月は、除斥期間となります。
◎除斥期間とは、権利の有効期間・消滅までの期間ですが、この期間は通常の請求権の場合には「時効期間」というのに対し形成権の場合には「除斥期間」といわれます。
時効と除斥では法的性質が異なり、除斥期間には、時効のような中断や援用の余地がありません。
◎形成権
売渡請求権は、いわゆる形成権の行使ですから、通常の契約と異なり相手方の承諾は不要です。
この売渡請求の通知の到達と同時に両者の間で「時価」による売買契約が成立します。
その効果として、土地の敷地利用権が請求権行使者(買主=敷地売却参加者)に移り、相手方(売主=敷地売却不参加者)は、敷地共有持分等の引渡しとその登記義務を負います。
そして、請求権行使者は時価で売買代金を支払うことになります。
この請求権行使者と相手方の義務は、同時履行の関係(民法 第533条)となります。
区分所有法でも、形成権は、第10条の区分所有権売渡請求や第61条7項の復旧での買取請求など、適用があります。
◎所在等が不明な敷地売却不参加者には、売買代金は供託制度を利用することになるでしょう。
★4.売買代金の確定 〜敷地共有持分等の時価の決め方〜
問題は、敷地共有持分等である敷地利用権の時価がいくらであるかです。
敷地の持分(敷地権の割合)は、通常、登記簿に記載されていますから、敷地の時価が決まれば、配分額も決まります。

通常であれば、土地(敷地)の価格(時価)は、路線価や専門家である不動産鑑定士などの厳密な鑑定により算出されますが、混乱している災害時では、どこに不動産鑑定士がいるのか不明な場合もあり、不動産鑑定士による時価の算定は難しいと思われます。
そこで、災害時の土地の価格には、厳密さは求められませんが、土地の価格は、再建の場合と同様に議決権などにも使用されるため、路線価など客観的な基準に基づくことが必要だということですが、路線価が設定されていない場所などは、どうしますか、今後、明確な基準を区分所有法で示す必要があります。
★敷地売却決議があっても、正当な理由が無くて2年以内に土地等の権利の移転がない時は、逆に売主から敷地利用権を買い戻せる
第76条3項で準用しています第63条7項は、読み替えると以下のようになります。
<参照> 区分所有法 第63条 7項 (注:読み替え後)
7 敷地売却決議 の日から二年以内に 売買契約による敷地共有持分等に係る土地(これに関する権利を含む。)についての権利の移転(以下この項及び次項において「土地等の権利の移転」という。)がない場合には、第五項の規定により 敷地共有持分等 を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその 敷地共有持分等 を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、 土地等の権利の移転がなかつた ことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
つまり、敷地売却決議をしても、正当な理由(反対者が裁判を起こしていて係争中とか)がなくて2年が過ぎても、土地の権利の移動がない時は、売主(敷地売却非参加者)は、現在の敷地権利者に対して、敷地売却決議があった2年後から起算して、6ヶ月以内なら、元の金額で敷地権の持分を買い戻せるとしています。
買戻し金には、利息をつける必要はありません。
しかし、敷地売却決議の日から2年以内ということですが、土地の権利の移転があったこととは、登記所における登記簿上のことで、閲覧が有料な登記簿を見ないと「権利の移転」の有無は分かりません。外観からは分からない状況です。
そんな手間暇がかかることをする人がいるでしょうか。
区分所有法の作成者はもっと具体的に土地の権利の移転が分かる方法も示すべきです。
なお、この規定は、買い手と売り手を衡平に扱うという観点から設けられています。
買戻しが成立すると、敷地売却決議に反対者が存在することになり、敷地売却決議は、不成立となりますから注意が必要です。
*敷地共有持分等 を現在有する者・・・敷地売却決議後、新しく敷地権を買ったり相続した場合を想定している。
★正当な理由が無くなった場合
本第76条3項で準用されています、第63条8項の規定は、
<参照> 区分所有法 第63条 8項
8 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、土地等の権利の移転 を妨げる理由がなくなつた日から六月以内に 土地等の権利の移転がない ときに準用する。
この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、 「 土地等の権利の移転 を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。
となり、敷地利用権を売った人が買戻し請求ができるのは、
1.土地等の権利の移転を邪魔する正当な理由がなくなったことを”知った日から6ヶ月以内” 又は
2.土地等の権利の移転を邪魔する正当な理由が”なくなった日から、2年以内”
のいずれか、早い時期までにすることになっています。
★敷地売却に関する合意 〜第64条の準用。敷地売却を行う旨の合意をしたものとみなす〜
区分所有建物が全部滅失した場合に敷地の売却決議が賛成多数で可決された時に準用される、建替え決議後の最後の規定は第64条です。
<参照> 区分所有法 第64条 (第76条3項で読み替えあり。)
(建替えに関する合意)
第六十四条 敷地売却決議 に賛成した各 敷地共有者等、 敷地売却決議 の内容により 売却に 参加する旨を回答した各 敷地共有者等 及び 敷地共有持分等 を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、 敷地売却決議 の内容により 売却を 行う旨の合意をしたものとみなす。
◎ どうして、敷地売却決議の賛成者全員に、「敷地売却」を行う旨の合意があったとみなす規定が必要か?
「合意の擬制(みなす)」の必要性は、建替えの第64条でも説明しましたが、敷地売却賛成者は、当初の敷地共有者等集会での敷地売却決議での賛成者から、催告などで敷地売却反対から賛成に変わった敷地共有者等、また賛成者の合意で買受人に指定されたデベロッパー、さらに彼らの承継人もいますから、敷地売却事業を進めるためには、これら敷地売却賛成者を「1つの集団」として、敷地売却事業を進める必要があります。
そこで、第64条(建替えに関する合意)の規定の準用により、催告などで敷地売却反対から賛成に変わった敷地共有者等や敷地売却賛成者の合意で買受者に指定されたデベロッパーなどは実際には「敷地売却決議」には合意、参加してなくても、当初から敷地売却に賛成した敷地共有者等と共に、さらに彼らの承継人も含めて全員が、敷地売却事業を行う旨の合意をしたことにして、これで、民法上での共有関係での重大な変更に関して「全員の合意」と同様に扱うことが可能となり、権利関係が単純になります。
この「合意」により、敷地売却に賛成の集団は、全員で敷地売却決議で採決された内容(第76条1項、2項など)に従って敷地売却事業を遂行する義務を負うことになります。
敷地売却を行う「集団」には、区分所有法上の規約や各条文の適用はなくなり、後は、民法での「組合」(民法 第667条〜)に関する規定に従うことになります。
該当の「敷地」について不動産売買契約が締結された時に、敷地(土地)の権利は、買主に移るため、この「敷地売却を目的とする集団」は解散します。
| 第七十七条 (敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 1項 滅失した専有部分のある建物(取壊し決議又は区分所有者全員の同意に基づき取り壊されたものを除く。)に係る敷地共有者等は、民法第二百五十六条第一項本文(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その滅失の日から起算して一月を経過する日の翌日以後当該滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない。ただし、五分の一を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合その他再建決議、敷地売却決議、第八十 四条第一項の決議又は第八十五条第一項の決議をすることができないと認められる顕著な事由がある場合は、この限りでない。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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◎第77条:敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例 〜滅失の日から5年間まで土地の分割請求ができない〜
令和8年4月1日施行の改正区分所有法において新設された、区分所有建物(専有部分のある建物)が津波や地震、また土砂崩れ等により全部滅失した場合には、一定の期間、共有(準共有)関係にある土地の権利(敷地利用権)の分割を禁じています。
・敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利・・・マンションのような区分所有建物の敷地利用権が所有権の共有と借地権など準共有の場合も含む
その理由は、災害で建物が全て滅失した場合、区分所有者の団体(管理組合)が存在しなくなり、敷地は元の区分所有者の共有(準共有)物となります。
民法では共有物はいつでも分割請求できます(民法 第256条1項)が、敷地が細分化されると、権利関係が複雑になりマンションの再建や敷地売却の決議が事実上不可能になってしまいます。
<参照> 民法 第256条
(共有物の分割請求)
第二百五十六条 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。
ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。
そこで、区分所有法では、災害等が発生してから一定の期間(滅失した日から5年間)、共有である土地の分割請求を禁止することで、権利関係を固定化し、共有する土地の処分方法について話し合う期間を確保し、復旧に向けた合意形成を促すようにしました。
この期間中に、敷地共有者等集会を開催し、再建決議や敷地売却決議を行うことが可能になります。
この規定も、もともとは、被災マンション法(被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法)で規定されていた文言(被災マンション法 第6条1項)ですが、被災マンション法が抱える問題、「政令で定める」とか、「期間は3年まで」とかの条件が、マンション再生を阻害しているとの理由で、令和8年4月1日施行の改正区分所有法で第77条1項として新規に追加されました。
<参照> 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)
(敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例)
第六条 第二条の政令で定める災害により全部が滅失した区分所有建物に係る敷地共有者等は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項本文(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その政令の施行の日から起算して一月を経過する日の翌日以後当該施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない。ただし、五分の一を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合その他再建決議、敷地売却決議又は第十八条第一項の決議をすることができないと認められる顕著な事由がある場合は、この限りでない。
2 第二条の政令で定める災害により区分所有建物の一部が滅失した場合において、当該区分所有建物が第十一条第一項の決議又は区分所有者全員の同意に基づき取り壊されたときは、当該区分所有建物に係る敷地共有者等は、民法第二百五十六条第一項本文(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その政令の施行の日から起算して三年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
★滅失の原因は、@「取壊し決議」 とか、A区分所有者全員の同意 でないこと 〜この場合は、2項の適用がある〜
本第77条1項の規定は、以前は存在したマンションという区分所有建物が存在しない、つまり全部滅失した(無くなった)場合に適用されます。
全部滅失では、もう専有部分の所有者である区分所有者は存在せず、後は建物の瓦礫と土地の権利だけです。
そこで、区分所有建物滅失の原因が、区分所有者が存在していたとき特別多数決でなされる
@「取壊しの決議」や、
A多数決を必要としない区分所有者の全員の合意でなされる場合は、
第77条1項から除いて、次の2項で扱うことにしています。
★土地の分割ができない期間 〜滅失した日から5年まで〜
全部滅失したといっても、民法の共有で認められた分割の権利を無期限に禁止することは、適切でありません。
そこで、区分所有法では、
・滅失した日から起算して1月後の翌日以降、
・滅失した日から起算して5年まで
敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない、としました。
・逆に、滅失した日から起算して1月までは、分割請求はできる。この1ヶ月の間に敷地共有者等は、選択して共有関係から離脱できる。
・土地の分割ではなく、第三者に譲渡はいつでもできる。
★土地の分割ができる例外がある 〜5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合と顕著な事由がある場合〜
5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が敷地分割の請求をするということは、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で再建決議をすることができないことがはっきりしているからです。
また、5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合でなくとも、以下の決議
@「再建決議」(第75条)、
A「敷地売却決議」(第76条)
B「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議」(第84条1項の決議)
C「団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議」(第85条1項の決議)
をすることができないと認められる”顕著な事由がある場合”にも、土地に関する分割請求は認められます。
★顕著な事由とは
明確な例示はありませんが、以下のような状況が、顕著な事由でしょう。
@敷地共有者間の意見の対立が激しくて、決議要件である5分の4以上の賛成を得ることが極めて困難な場合
A共有や所有者が不明など権利関係が複雑で、調整ができない
B再建や敷地売却をしようとしても、敷地共有者では、費用が負担できない
| 第七十七条 (敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例) (注:令和8年4月1日施行で改正あり。新設。) |
| 2項 専有部分のある建物が取壊し決議又は区分所有者全員の同意に基づき取り壊されたときは、当該専有部分のある建物に係る敷地共有者等は、民法第二百五十六条第一項本文(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、その取壊しによる滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、敷地共有持分等に係る土地又はこれに関する権利について、分割の請求をすることができない。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 |
| 過去出題 | マンション管理士 | 未記入 |
| 管理業務主任者 | 未記入 |
令和7年(2025年)5月に成立した「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」によって、
第3章 建物が滅失した場合における措置
第1節 専有部分のある建物が滅失した場合における措置(第72条〜第77条)
・敷地共有者等の集会等…第72条
・集会等に関する規定の準用・・・第73条
・招集の通知に関する特例・・・第74条
・再建決議・・・第75条
・敷地売却決議・・・第76条>
・敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例…第77条
として新設されています。
施行は令和8年4月1日。
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★敷地共有持分等に係る土地等の分割請求に関する特例
◎第77条2項:専有部分のある建物が取壊し決議又は区分所有者全員の同意に基づき取り壊されたときにも5年間は土地の分割を禁止にした
この規定も、上の第77条1項で引用した被災マンション法第6条2項を参考にしています。
マンションのような専有部分がある建物(区分所有建物)が、滅失した場合、敷地が分割により細分化されると再建計画などがスムーズに進まなくなるため、前の第77条1項により、滅失の日から5年間は、民法第256条1項で規定される「共有物の分割請求」をできなくしています。
この敷地が細分化されたら次の再建計画や敷地売却計画がうまく進まないのは、滅失が原因でない「取壊し決議」や「区分所有者全員の合意で取り壊す」場合でも同様ですから、5年間の「共有物の分割禁止」を、滅失が原因でない「取壊し決議」や「区分所有者全員の合意で取り壊す」場合にも適用したのが、本77条2項です。
しかし、その5年間の起算日は、
・取壊しによる滅失日から5年間とする
また、第77条1項の「但し書き」の準用で、
★土地の分割ができる例外がある 〜5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合と顕著な事由がある場合〜
前の第77条1項でも説明しましたが、5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が敷地分割の請求をするということは、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で再建決議をすることができないことがはっきりしているからです。
また、5分の1を超える議決権を有する敷地共有者等が分割の請求をする場合でなくとも、以下の決議
@「再建決議」(第75条)、
A「敷地売却決議」(第76条)
B「団地内の建物が滅失した場合における一括建替え等決議」(第84条1項の決議)
C「団地内の全部の建物が滅失した場合における一括敷地売却決議」(第85条1項の決議)
をすることができないと認められる”顕著な事由がある場合”にも、土地に関する分割請求は認められます。
★顕著な事由とは
明確な例示はありませんが、以下のような状況が、顕著な事由でしょう。
@敷地共有者間の意見の対立が激しくて、決議要件である5分の4以上の賛成を得ることが極めて困難な場合
A共有や所有者が不明など権利関係が複雑で、調整ができない
B再建や敷地売却をしようとしても、敷地共有者では、費用が負担できない
| ページ終わり |
最終更新:
2026年 3月4日:読み返して校正した。
2025年11月 3日:一応、第77条まで解説した。
2025年 10月12日:解説着手
2025年 9月25日:ファイルを新規作成した。
2025年 5月31日〜:令和8年4月1日施行版に移行中
新規の条文多い。
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