平成28年(2016年) 管理業務主任者 試験問題 及び 解説
ページ2(問26より問50まで)
※ ・マンションの管理の適正化に関する指針(国土交通省告示第490号)及びマンション標準管理規約は、平成28年3月に改正があったので注意のこと。
・マンション標準管理委託契約書は、平成28年7月に改正があり、平成29年度の試験から出題適用となるので注意のこと。
マンション標準管理規約は、平成16年に改正があった。また、平成23年7月にも小幅な改正があった。
マンション標準管理委託契約書は、平成15年に改正があった。また、平成22年5月にも改正があった。
[問 26] 消防法第8条の規定内容に関する次の記述の( ア )、( イ )に入る語句の組み合せとして、正しいものはどれか。 |
問27 |
[問 27] 排水設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 |
問28 |
[問 28] 窓サッシの改修工法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 |
*当問題の解説は、高井憲彦様によるものです。高井様、ご協力ありがとうございます。 [問 29] 専用使用部分の損傷等に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、最も不適切なものはどれか。 |
*当問題の解説は、高井憲彦様によるものです。高井様、ご協力ありがとうございます。 [問 32] 次のうち、標準管理規約によれば、専有部分であるものはいくつあるか。 |
*当問題の解説は、高井憲彦様によるものです。高井様、ご協力ありがとうございます。 [問 33] 次のうち、区分所有法によれば、規約に定めることのできないものはどれか。 |
*当問題の解説は、高井憲彦様によるものです。高井様、ご協力ありがとうございます。 [問 34] マンションの専有部分及び専用使用権に関する次の記述のうち、区分所有法、標準管理規約及び判例によれば、最も不適切なものはどれか。
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*当問題の解説は、高井憲彦様によるものです。高井様、ご協力ありがとうございます。 [問 35] 管理者の専有部分等への立入りに関する次の記述のうち、標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。 |
[問 36] 区分所有者の団体に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
です。 |
[問 37] 管理者でない区分所有者Aが、単独で行使できる裁判上の請求に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法によれば、請求が認められないものの組み合せはどれか。ただし、規約又は集会の決議による請求権者や請求方法についての定めはないものとする。
ア 区分所有者Bが、自らが所有する住戸の共用廊下側の窓を改造して出入口を作っていたところ、管理者が黙認し、放置状態にあるので、共用部分の共有持分権に基づく保存行為として、同改造部分の原状回復を請求すること 〇 保存行為として、管理者でない区分所有者Aの単独での請求が認められる。 平成28年 マンション管理士試験 「問12」 、 平成26年 マンション管理士試験 「問4」 、 平成24年マンション管理士試験 「問5」、 平成23年マンション管理士試験 「問8」、 平成19年マンション管理士試験 「問5」 まず、保存行為とは、民法第103条 「(権限の定めのない代理人の権限) 第百三条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。 一 保存行為 二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」 にあるように、 保存行為とは、財産の現状を維持する法律行為と解されています。 そして、共有関係での管理は、民法第251条及び同法第251条 「(共有物の変更) 第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」 「(共有物の管理) 第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。」 とあり、 設問の、区分所有者Bが、自らが所有する”住戸の共用廊下側の窓”(これは、共用部分であり、区分所有者全員の共有となっています)を改造して出入口を作る行為は、 共有物の変更行為となり、単独ではできません。 そこで、通常であれば、区分所有者を代理して管理者から、原状回復請求を行いますが(区分所有法第26条2項参照)、管理者が行動しなければ、区分所有者Aが、共用部分の共有持分権に基づく保存行為として、同改造部分の原状回復を単独で裁判上の請求をすることは、できます。 なお、区分所有法第18条も参考にしてください。 「(共用部分の管理) 第十八条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。 3 前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。 4 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。」 イ マンション管理業者がずさんな管理を続けているところ、管理者が黙認し、放置状態にあるので、管理委託契約の準共有持分権に基づく保存行為として、当該管理業者との契約の解除を請求すること X 管理委託契約となると、管理者でない区分所有者Aの単独での請求は認められない。 マンションの管理組合と管理業者が取り交わす管理委託契約の性質は、民法での委任契約と解されています。 また、準共有とは、民法第264条 「(準共有) 第二百六十四条 この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。」 とあります。 そこで、区分所有法第3条でいう区分所有者の団体が法人格をもたない場合おいて、対外的な管理業者との訴訟となると、法的には、マンションの管理組合は、「権利能力なき社団」になることに注意してください。(このあたりの詳細は、「マンション管理士 香川事務所」が、無料で提供しています、「超解説 区分所有法」 の第3条 を読んでください。) すると、民事訴訟法第29条 「(法人でない社団等の当事者能力) 第二十九条 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。」 とあり、 法人でないマンションの管理組合となると、管理業者と交わした管理委託の解除は、管理組合の管理人でなければ、裁判にできないため、管理人でない区分所有者Aは、単独では、裁判上の請求は認められません。 また、設問の、管理委託契約の準共有持分権に基づく保存行為についてですが、管理組合などに対する構成員(区分所有者)が有する共有の権利・義務は、総有的に構成員全員に属するという理論( 最高裁判所、昭和32年11月14日 判決 )により、 「構成員は、当然には、右財産に関し、共有の持分権又は分割請求権を有するものではないと解するのが相当である」 により、管理委託契約の準共有持分権に基づく保存行為は、単独には持分権として行使できませんから、管理者でない区分所有者Aは、単独では、裁判を起こせません。 ウ 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるので、管理者の解任を請求すること 〇 管理者の解任請求は、区分所有者Aの単独での請求が認められる。 平成27年 マンション管理士試験 「問6」 、 平成23年 管理業務主任者試験 「問34」 、平成16年 管理業務主任者試験 「問33」 管理者の解任請求なら、区分所有法第25条 「(選任及び解任) 第二十五条 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。 2 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。」 とあり、 区分所有法第25条2項により、管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるので、管理者の解任を請求することは、区分所有者Aの単独での請求が認められます。 エ 区分所有者Cが、自ら専有部分を暴力団事務所として利用し、他の方法によってはその障害を除去することが困難であるため、当該専有部分の競売を請求すること X 競売請求となると、管理者でない区分所有者Aの単独での請求は認められない。 平成26年 マンション管理士試験 「問8」 、平成24年 マンション管理士試験 「問9」 、平成23年 マンション管理士試験 「問32」 区分所有者Cが、自ら専有部分を暴力団事務所として利用し、他の方法によってはその障害を除去することが困難であるため、当該専有部分の競売を請求することとなると、区分所有法第59条 「(区分所有権の競売の請求) 第五十九条 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。 2 第五十七条第三項の規定は前項の訴えの提起に、前条第二項及び第三項の規定は前項の決議に準用する。 3 第一項の規定による判決に基づく競売の申立ては、その判決が確定した日から六月を経過したときは、することができない。 4 前項の競売においては、競売を申し立てられた区分所有者又はその者の計算において買い受けようとする者は、買受けの申出をすることができない。 」 とあり、 区分所有法第59条1項により、専有部分の競売の裁判上の請求ができるのは、対象者を除いた区分所有者の全員(又は管理組合の管理者や指定された区分所有者)、法人となっていれば管理組合法人となっていますから、管理者でない区分所有者Aの単独での請求は認められません。 1 ア・イ 2 ア・ウ 3 イ・エ 4 ウ・エ 答え:3 管理者でない区分所有者の単独、裁判請求が認められないのは、イ と エ 。 《タグ》民法。区分所有法。保存行為。単独請求。管理委託契約の性格。 少し難しい。 選択肢イ はいい出題。共有関係での、合有や総有とも絡むので、暇な方は追及してください。 選択肢イ の解説で、時間がかかった。 |
[問 38] 次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 |
[問 39] 以下のア〜ウの記述は、最高裁判所の判決又は決定の一部に若干の修正をしたものであるが、( a ) 〜 ( c )に入る用語の組み合せとして、正しいものは、次の1〜4のうちどれか。
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[問 40] 複合用途型の甲マンションにおいて、Aが区分所有する居住用の専有部分をBに、Cが区分所有する事務所用の専有部分をDに、それぞれが賃貸する契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの賃貸借契約も、定期建物賃貸借契約ではないものとする。
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[問 41] 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法第2条第3号に規定する者をいう、以下同じ。)である売主A(以下、本問において「A」という。)が、宅地建物取引業者でない買主B(以下、本問において「B」という。)にマンションの一住戸甲(以下、本問において「甲」という。)を売却した場合におけるAの瑕疵担保責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
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[問 42] 次の文章は、消費者契約法第1条(目的)の規定であるが、文中の( ア )〜( エ )に入る語句の組み合せとして、正しいものはどれか。
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[問 43] 不動産登記法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
とあり、 |
[ 問 44] 各種の法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 |
注:宅地建物取引業法第35条の重要事項説明について、これまでは相手方等が宅地建物取引業者であっても「宅地建物取引士による説明」が必要とされていましたが、平成29年4月1日施行の改正により、宅地建物取引業者が宅地又は建物の取得者又は借主となる場合における重要事項説明については、説明は不要で書面交付のみで足りるものとされました(第35条第6項・第7項の新設)。ここの設問は、改正前のままです。 [問 45] マンションの一住戸の売買の際に、宅地建物取引業者が、宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明を行う場合において、説明しなければならない事項として定められていないものは、次のうちどれか。
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*注:問46から問50までは、マンション管理士試験か管理業務主任者試験の合格者には免除される部分です。また、この問46から問50は、「マンション管理適正化法」と同指針からの出題と決まっていますので、出題は似たような内容となります。過去問題はやっておくと楽です。 [問 46] 次の記述のうち、マンションの管理の適正化に関する指針(平成13年国土交通省告示第1288号)に定められていないものはどれか。 |
[問 47] マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)は、管理組合B(以下、本問において「B」という。)と管理委託契約を締結し、Bの管理事務を行っているが、この業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものはどれか。
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[問 48] マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、管理受託契約を締結している管理組合B(以下、本問において「B」という。)に、マンション管理適正化法第77条の規定に基づく管理事務の報告を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法及び民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律によれば、最も適切なものはどれか。
です。 |
[問 49] マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、管理組合法人B(以下、本問において「B」という。)から委託を受けて、Bの修繕積立金等金銭の管理を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものはいくつあるか。
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[問 50] マンション管理業者A(以下、本問において「A」という。)が、管理組合から管理事務を受託する際に、マンション管理適正化法第72条の規定に基づく重要事項の説明を行う場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定に違反するものはどれか。
2022年 7月25日:追記:マンション管理の適正化の推進に関する法律第78条 *2017年 2月24日:再考して、リンクや体裁もチェックした。 *2017年 2月 6日:どうやら、これで、平成28年度の「マンション管理士・管理業務主任者試験」の解説が一応終わった。 |
ここまで、問50 |
2022年 7月25日:問50 選択肢1に追記した。
2017年 7月14日:問45 選択肢2「任意」を訂正した。
2017年 2月24日:再考終わった。
2017年 2月 6日:第1稿終了。
解説に1ヵ月もかかっている!
解説開始:2017年 1月 7日〜
問題文Up:2016年12月12日
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