マンション生活での相談は、「マンション管理士 香川事務所」へ。
マンション管理士・管理業務主任者を目指す方のために、試験にでる建築基準法を条文ごとにイラストなどを入れて解説しました。
試験問題は、過去の問題から出されるのではありません。条文から出題されます。
条文を勉強することが、合格への道です。
第3章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途 |
第5節 防火地域及び準防火地域 |
条 | 説明 |
第61条 | 防火地域及び準防火地域内の建築物 | ||
第62条 |
屋根 | ||
第63条 |
隣地境界線に接する外壁 | ||
第64条 |
看板等の防火措置 | ||
第65条 |
建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置 | ||
第66条 |
第三十八条の準用 (新設) | ||
第5節の2 特定防災街区整備地区 |
第67条 |
特定防災街区整備地区 | |
第67条の2 |
第三十八条の準用 (新設) | ||
第6節 景観地区 |
第68条 | 景観地区 | |
第7節 地区計画等の区域 |
第68条の2 | 市町村の条例に基づく制限 | |
第68条の3 | 再開発等促進区等内の制限の緩和等 | ||
第68条の4 | 建築物の容積率の最高限度を区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例 | ||
第68条の5 | 区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例 | ||
第68条の5の2 | 区域を区分して建築物の容積を適正に配分する特定建築物地区整備計画等の区域内における建築物の容積率の特例 | ||
第68条の5の3 | 高度利用と都市機能の更新とを図る地区計画等の区域内における制限の特例 | ||
第68条の5の4 | 住居と住居以外の用途とを区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例 | ||
第68条の5の5 | 区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区計画等の区域内における制限の特例 | ||
第68条の5の6 | 地区計画等の区域内における建築物の建ぺい率の特例 | ||
第68条の6 | 道路の位置の指定に関する特例 | ||
第68条の7 | 予定道路の指定 | ||
第68条の8 | 建築物の敷地が地区計画等の区域の内外にわたる場合の措置 | ||
第8節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造 |
第68条の9 | 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限 |
施行:令和2年(2020年)9月7日施行に対応した。
施行:令和元年(2019年)6月25日に対応した。
都市緑地法等の一部を改正する法律(この中に、「田園住居地域」が創設され都市計画法や建築基準法、宅地建物取引業の一部改正も入っている);
施行:平成30年(2018年)4月1日 に対応した。改正箇所をピンク字で表示
建築基準法の最終改正:交付日:平成26年(2014年)6月4日、施行:平成27年(2015年)6月1日
改正箇所を赤字にて表示
前回の改正:平成23年(2011年)12月14日
過去出題 | マンション管理士 | H24年、H19年、 |
管理業務主任者 |
★第五節 防火地域及び準防火地域
★61条:防火地域及び準防火地域内の建築物
*61条から64条は改正があった
平成30年6月27日公布により、旧第61条(防火地域内の建築物)と旧第62条(準防火地域内の建築物)そして、旧第64条(外壁の開口部の防火戸)は、第61条に纏められました。
また、旧第63条は、繰り上がって第62条になりました。
改正前 | 改正後 | |
条文 | 規定の内容 | |
法第61条 | 防火地域における規制対象(規模) | 法第61条 |
防火地域における構造方法(耐火建築物/準耐火建築物) | ||
法第62条第1項 | 準防火地域における規制対象(規模) | |
準防火地域における構造方法(耐火建築物/準耐火建築物) | ||
法第62条第2項 | 準防火地域における規制対象(木造) | |
準防火地域における構造方法(防火構造等) | ||
法第64条 | 防火・準防火地域における外壁開口部の構造方法 | |
法第63条 | 防火・準防火地域における屋根の構造方法 | 法第62条 |
★見直しの背景
平成28年12月に糸魚川市街地で発生した大規模火災は、殆どの建物が昭和初期仕様の木造建築物であったことを教訓として、防火・準防火地域である密集市街地における火災防止には、延焼防止性能が高い建物へ更新を促すことにしました。
そこで、改正前は、防火地域内の耐火建築物であれば、建蔽率を プラス 10% としていましたが、改正により、防火・準防火地域においては、延焼防止性能が高い建物では、建蔽率を プラス 10% に緩和しました。(53条3項1号)
また、防火・準防火地域における建築物の技術水準を見直し、市街地の火災の拡大を防止するために外壁や窓の性能の強化を図り、屋外からの着火、屋内火災の噴出防止として、木材を用いた準耐火構造も可能としました。
改正前は、防火地域と準防火地域内にある建築物は、火災防止から、その建物規模に応じて、耐火構造や準耐火構造とすることが義務付けられていましたが、今回の改正により、延焼のおそれのある部分を防火設備等とし、延焼防止性能について政令で定める技術的基準に適合することが求められます。対象となる建築物(門・塀含む)には、一律に耐火構造などの性能を要求するのではなく、所定の延焼防止性能の確保が要求されます。
*防火地域・準防火地域の基本的な考え方: 〜火災の被害を防ぐ、火災を予防する〜
建築物が密集している市街地では、火災が発生した場合に、広い地域にわたって延焼し、経済的にも、社会的にも、また人命にも損害が及びます。
そこで、建築物の集合の程度、地域の機能等を考慮して、地域を指定しその地域内での建築物について一定の防火上の制限を行うのが、防火地域・準防火地域の基本的な考え方です。
*防火地域・準防火地域の決定
防火地域・準防火地域は、用途地域のように、都市計画法により、都市計画において決定されます。(都市計画法第8条1項5号)
また、防火地域・準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するために定められた地域です。(都市計画法第第9条21項)
<参照> 都市計画法 第8条 1項5号
(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
五 防火地域又は準防火地域
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<参照> 都市計画法 第9条 21項
21 防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
*防火地域と準防火地域の違い
防火地域は、市街地においても、主として商業地や官公庁などの重要な施設が集中している地区で、火災における危険を高度に防止すべき区域に指定されます。
防火地域においては、その地域内の建築物をほぼ完全に不燃化することによって、火災からその地域を守り抜き、また主要な街路の沿線に帯状に耐火建築物を並べて、火災の拡大を防ぎ、避難経路を確保します。
一方、準防火地域は、市街地の建築物の防火性能を全体的に高めて、火災の延焼や飛び火を防ぎ、消防活動を助け、延焼速度を弱めて広域的な避難ができるようにするものです。
しかし、防火地域と準防火地域は、準都市計画区域では定められません。(都市計画法第8条2項:ここには、防火地域と準防火地域(都市計画法 第8条 1項5号)が入っていない。)
<参照> 都市計画法第8条2項
2 準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号(注:用途地域)から第二号の二(注:特別用途地区、特定用途制限地域)まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)(注:高度地区又は高度利用地区)、第六号(注:景観法(平成十六年法律第百十号)第六十一条第一項の規定による景観地区)、第七号(注:風致地区)、第十二号(都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)(注:都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第五条の規定による緑地保全地域、同法第十二条の規定による特別緑地保全地区又は同法第三十四条第一項の規定による緑化地域)又は第十五号(注:文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百四十三条第一項の規定による伝統的建造物群保存地区)に掲げる地域又は地区を定めることができる。
*建築基準法第22条区域(法22条区域の建築制限)
22条の解説を覚えていますか。
防火地域と準防火地域は、都市計画によって定められますが、単体規定として建築基準法第22条があります。
<参照> 建築基準法第22条
(屋根)
第二十二条 特定行政庁が防火地域及び準防火地域以外の市街地について指定する区域内にある建築物の屋根の構造は、通常の火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物の屋根の延焼のおそれのある部分以外の部分については、この限りでない。
2 特定行政庁は、前項の規定による指定をする場合においては、あらかじめ、都市計画区域内にある区域については都道府県都市計画審議会(市町村都市計画審議会が置かれている市町村の長たる特定行政庁が行う場合にあつては、当該市町村都市計画審議会。第五十一条を除き、以下同じ。)の意見を聴き、その他の区域については関係市町村の同意を得なければならない。
----------------------------------------------
<参照> 建築基準法第23条
(外壁)
第二十三条 前条第一項の市街地の区域内にある建築物(その主要構造部の第二十一条第一項の政令で定める部分が木材、プラスチックその他の可燃材料で造られたもの(第二十五条及び第六十一条において「木造建築物等」という。)に限る。)は、その外壁で延焼のおそれのある部分の構造を、準防火性能(建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する土塗壁その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
つまり、61条で定める「防火地域及び準防火地域」 以外 の市街地でも、特定行政庁により指定された区域(法22条区域 =一般の木造市街地))となると、
@屋根を不燃材料(コンクリート、レンガ、アルミなど)で造るかふく
A外壁部分を準防火性能がある構造にする(建築基準法第23条)
などの制限があります。
一番制限が厳しいのが、「防火地域」で、その防火地域を取り囲むのが「準防火地域」です。
さらに、それら、防火地域・準防火地域を取り囲むのが、「法22条区域」です。
★規制の対象: → 防火地域又は準防火地域における建築物はすべて
★構造方法: → 「防火地域及び準防火地域の別」と「建築物の規模」に応じて定めたもの
この改正により、法律上は構造方法として「耐火建築物」や「準耐火建築物」等に固定せずに、「耐火建築物」や「準耐火建築物」以外の選択肢を提示することが可能となった。
★防火・準防火地域の門・塀(2m超)における木材の利用拡大 (ただしがき)
また、現行では門や塀で2mを超えると不燃材料が必要で、使用ができない木材を、今回の改正で、一定の範囲で木材も使用可能となります。
具体的には、 従来のように、不燃材料で造るか、覆うこと
これに、追加して、
・厚さ30mm以上の土塗り壁
・厚さ24mm以上の木材で造られたもの
です。
この規定により、京都の街並みや、倉敷の街並みも木材の使用ができます。
★「国土交通大臣が定めた構造方法」について、技術的基準に適合する建築物に対応した具体的な仕様とは、
★新施行令第136条の2
<参照>建築基準法施行令第136条の2
第七章の二 防火地域又は準防火地域内の建築物
(防火地域又は準防火地域内の建築物の壁、柱、床その他の部分及び防火設備の性能に関する技術的基準)
第百三十六条の二 法第六十一条の政令で定める技術的基準は、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定めるものとする。
一 防火地域内にある建築物で階数が三以上のもの若しくは延べ面積が百平方メートルを超えるもの又は準防火地域内にある建築物で地階を除く階数が四以上のもの若しくは延べ面積が千五百平方メートルを超えるもの 次のイ又はロのいずれかに掲げる基準
イ 主要構造部が第百七条各号又は第百八条の三第一項第一号イ及びロに掲げる基準に適合し、かつ、外壁開口部設備(外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に設ける防火設備をいう。以下この条において同じ。)が第百九条の二に規定する基準に適合するものであること。ただし、準防火地域内にある建築物で法第八十六条の四各号のいずれかに該当するものの外壁開口部設備については、この限りでない。
ロ 当該建築物の主要構造部、防火設備及び消火設備の構造に応じて算出した延焼防止時間(建築物が通常の火災による周囲への延焼を防止することができる時間をいう。以下この条において同じ。)が、当該建築物の主要構造部及び外壁開口部設備(以下このロ及び次号ロにおいて「主要構造部等」という。)がイに掲げる基準に適合すると仮定した場合における当該主要構造部等の構造に応じて算出した延焼防止時間以上であること。
二 防火地域内にある建築物のうち階数が二以下で延べ面積が百平方メートル以下のもの又は準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が三で延べ面積が千五百平方メートル以下のもの若しくは地階を除く階数が二以下で延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下のもの 次のイ又はロのいずれかに掲げる基準
イ 主要構造部が第百七条の二各号又は第百九条の三第一号若しくは第二号に掲げる基準に適合し、かつ、外壁開口部設備が前号イに掲げる基準(外壁開口部設備に係る部分に限る。)に適合するものであること。
ロ 当該建築物の主要構造部、防火設備及び消火設備の構造に応じて算出した延焼防止時間が、当該建築物の主要構造部等がイに掲げる基準に適合すると仮定した場合における当該主要構造部等の構造に応じて算出した延焼防止時間以上であること。
三 準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が二以下で延べ面積が五百平方メートル以下のもの(木造建築物等に限る。) 次のイ又はロのいずれかに掲げる基準
イ 外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分が第百八条各号に掲げる基準に適合し、かつ、外壁開口部設備に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、当該外壁開口部設備が加熱開始後二十分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)に火炎を出さないものであること。ただし、法第八十六条の四各号のいずれかに該当する建築物の外壁開口部設備については、この限りでない。
ロ 当該建築物の主要構造部、防火設備及び消火設備の構造に応じて算出した延焼防止時間が、当該建築物の外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分並びに外壁開口部設備(以下このロにおいて「特定外壁部分等」という。)がイに掲げる基準に適合すると仮定した場合における当該特定外壁部分等の構造に応じて算出した延焼防止時間以上であること。
四 準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が二以下で延べ面積が五百平方メートル以下のもの(木造建築物等を除く。) 次のイ又はロのいずれかに掲げる基準
イ 外壁開口部設備が前号イに掲げる基準(外壁開口部設備に係る部分に限る。)に適合するものであること。
ロ 当該建築物の主要構造部、防火設備及び消火設備の構造に応じて算出した延焼防止時間が、当該建築物の外壁開口部設備がイに掲げる基準に適合すると仮定した場合における当該外壁開口部設備の構造に応じて算出した延焼防止時間以上であること。
五 高さ二メートルを超える門又は塀で、防火地域内にある建築物に附属するもの又は準防火地域内にある木造建築物等に附属するもの 延焼防止上支障のない構造であること。
★改正:建築基準法施行令第136の2 について
・第1号:旧法第61条又は第62条第1項により、「耐火建築物」とすることが求められていた規模
・第2号:旧法第61条又は第62条第1項により、「準耐火建築物」とすることが求められていた規模
・第3号:旧法第62条第2項及び第64条により、「外壁・軒裏を防火構造とし、延焼のおそれのある部分の外壁開口部に片面防火設備を設けた建築物」とすることが求められていた規模
・第4号:旧法第64条により、「延焼のおそれのある部分の外壁開口部に片面防火設備を設けた建築物」とすることが求められていた規模
<参照>建築基準法施行令第136条の2の2
(防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の性能に関する技術的基準)
第百三十六条の二の二 法第六十二条の政令で定める技術的基準は、次に掲げるもの(不燃性の物品を保管する倉庫その他これに類するものとして国土交通大臣が定める用途に供する建築物又は建築物の部分で、市街地における通常の火災による火の粉が屋内に到達した場合に建築物の火災が発生するおそれのないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものの屋根にあつては、第一号に掲げるもの)とする。
一 屋根が、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであること。
二 屋根が、市街地における通常の火災による火の粉により、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものであること。
以下は、旧の解説ですが、利用できます。
なお、新61条で現れた、「防火戸」については、旧64条の解説を読んでください。
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★61条は、都市計画等で定められた、防火地域内における建築物の規制です。
★防火地域とは...準防火地域と同様に、都市計画で定められる地域・地区・街区の1つです。(都市計画法8条1項5号)
準都市計画区域では定められません。(都市計画法8条2項)
防火地域も準防火地域も、市街地における火災の危険を防除するため定める地域です。(都市計画法9条20項)
この防火地域内には、万一火災が起こっても他に延焼しないような建物・工作物を建てなければなりません。
<参照> 都市計画法第8条1項5号
(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区で必要なものを定めるものとする。
五 防火地域又は準防火地域
<参照> 都市計画法第8条2項
2 準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号(注:用途地域)から第二号の二(注:特別用途地区、特定用途制限地域)まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)(注:高度地区又は高度利用地区)、第六号(注:景観法(平成十六年法律第百十号)第六十一条第一項の規定による景観地区)、第七号(注:風致地区)、第十二号(都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)(注:都市緑地法(昭和四十八年法律第七十二号)第五条の規定による緑地保全地域、同法第十二条の規定による特別緑地保全地区又は同法第三十四条第一項の規定による緑化地域)又は第十五号(注:文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百四十三条第一項の規定による伝統的建造物群保存地区)に掲げる地域又は地区を定めることができる。
<参照> 都市計画法第9条 21 20 項
21 20 防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
★用途地域に重ねて定められる
防火地域に指定されているエリアは用途地域による建物用途の規制、建ぺい率・容積率の規制に加えて、防火地域による建物規制も加わります。
用途地域の中でも商業地域や近隣商業地域に重ねて防火地域が定められているケースが多く見受けられます。
一般的には建物が密集している市街地の中心部や、幹線道路沿いに指定されています。
★防火地域内の建築物の制限(建築基準法61条) (ここは、改正で使えない)
原則:耐火建築物(鉄筋コンクリートなど)であること。ただし、階数が平屋または2階以下でかつ延べ面積が100u以下なら、準耐火建築物でも可能。
例外:1.延べ面積が50u以下の平屋建ての附属建物で外壁・軒裏が防火構造になっているもの、
2. 卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するもの
3. 高さ2mを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
4. 高さ2m以下の門や塀など
は例外として除外されます。
★耐火建築物とは...主要構造部が耐火構造(壁、柱、床などが耐火性能を有している)でできた建築物です。鉄筋コンクリートやレンガ造りです。詳細は、2条 9の2号 を参照のこと。
★準耐火建築物とは...耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(壁、柱、床などが準耐火性能を有している)でできている建築物です。詳細は、2条 9の3号 を参照のこと。
★防火構造とは...外壁・軒裏が、防火性能を備えている(鉄鋼モルタル塗、しつくい塗など)。詳細は、2条 8号 を参照のこと。
★不燃材料とは...建築材料で、不燃性能を備えたもの。詳細は、2条 9号 参照のこと。
★防火地域内で耐火建築物を建てると「建ぺい率」が緩和される
防火地域で耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率が10%緩和され、あらかじめ、都市計画で定められた建ぺい率に10%を加えることが可能です。(建築基準法53条3項 参照)
防火地域に指定されているエリアで建物を建てる場合は耐火建築物を建てなければいけない分、建築コストは高くなりますが、建ぺい率が緩和されます。
また、用途地域が第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は準工業地域、近隣商業地域、または商業地域内で、且つ、防火地域で建ぺい率が80%とされている地域内に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の制限を受けません。すなわち、敷地に対し、めいっぱい(100%)建築することが可能となります。(建築基準法53条5項1号 参照)
容積率の緩和ではありません。建ぺい率の緩和です。準防火地域内では、この規定はありません。 (改正有)
★防火地域内での建築物と次の準防火地域内での建築物は、出題傾向が高いので、しっかり区別しておいて下さい。
★防火地域でも木造建築は、可能です。
防火地域の例外として、階数2以下、又は延べ面積100u以下のものは準耐火建築物とすることができます。規模的には小型住宅程度ですが、準耐火建築物の基準を満たせば木造でも建てられないことはありません。(しかし、現実には、難しいけど。)
過去出題 | マンション管理士 | H28年、H25年、H24年、H19年、H17年、 |
管理業務主任者 |
★旧62条:準防火地域内の建築物
旧62条は、平成30年6月27日公布により、旧第61条(防火地域内の建築物)と旧第62条(準防火地域内の建築物)そして、旧第64条(外壁の開口部の防火戸)は、新第61条に纏められました。
以下は、旧の解説です。
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★62条は、防火地域に続いて、準防火地域内での、建築物の規制です。
★この規定も分かり難い。
★準防火地域とは...都市計画で定められる地域・地区・街区の1つです。(都市計画法8条1項5号)
準都市計画区域では定められません。(都市計画法8条2項)。これらは、防火地域と同じです。
防火地域も準防火地域も、市街地における火災の危険を防除するため定める地域です。(都市計画法9条20項)
この準防火地域内でも、万一火災が起こっても他に延焼しないような建物・工作物を建てなければなりませんが、防火地区よりも、準防火地区は、階数や延べ面積が、ゆるくなっています。
<参照> 都市計画法8条1項5号
(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区で必要なものを定めるものとする。
五 防火地域又は準防火地域
<参照> 都市計画法8条2項
2 準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号から第二号の二まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)、第六号、第七号、第十二号(都市緑地法第五条
の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第十五号に掲げる地域又は地区で必要なものを定めるものとする。
<参照> 都市計画法9条20項
20 防火地域又は準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする。
★耐火建築物とは...主要構造部が耐火構造(壁、柱、床などが耐火性能を有している)でできた建築物です。鉄筋コンクリートやレンガ造りです。詳細は、2条 9の2号 を参照のこと。
★準耐火建築物とは...耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(壁、柱、床などが準耐火性能を有している)でできている建築物です。詳細は、2条 9の3号 を参照のこと。
★地階を除く階数が三である建築物の技術的基準は、建築基準法施行令136条の2 に定められています。
<参照> 建築基準法施行令136条の2 は全て改正されました。
旧:建築基準法施行令136条の2 (地階を除く階数が三である建築物の技術的基準)
第百三十六条の二 法第六十二条第一項 の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。
一 隣地境界線又は当該建築物と同一敷地内の他の建築物(同一敷地内の建築物の延べ面積の合計が五百平方メートル以内である場合における当該他の建築物を除く。)との外壁間の中心線(以下この条において「隣地境界線等」という。)に面する外壁の開口部(防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面するものを除く。以下この条において同じ。)で当該隣地境界線等からの水平距離が一メートル以下のものについて、当該外壁の開口部に法第二条第九号の二
ロに規定する防火設備でその構造が第百十二条第十四項第一号 イ、ロ及びニに掲げる要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの若しくは国土交通大臣の認定を受けたもの又は法第二条第九号の二
ロに規定する防火設備であるはめごろし戸が設けられていること。ただし、換気孔又は居室以外の室(かまど、こんろその他火を使用する設備又は器具を設けた室を除く。)に設ける換気のための窓で、開口面積が各々〇・二平方メートル以内のものについては、この限りでない。
二 隣地境界線等又は道路中心線に面する外壁の開口部で当該隣地境界線等又は道路中心線からの水平距離が五メートル以下のものについて、当該外壁の開口部の面積が当該隣地境界線等又は道路中心線からの水平距離に応じて国土交通大臣が延焼防止上必要があると認めて定める基準に適合していること。
三 外壁が、防火構造であり、かつ、その構造が屋内側からの通常の火災時における炎及び火熱を有効に遮ることができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
四 軒裏が防火構造であること。
五 主要構造部である柱及びはりその他国土交通大臣が指定する建築物の部分の構造が、通常の火災により建築物全体が容易に倒壊するおそれのないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
六 床(最下階の床を除く。)又はその直下の天井の構造が、それらの下方からの通常の火災時の加熱に対してそれらの上方への延焼を有効に防止することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
七 屋根又はその直下の天井の構造が、それらの屋内側からの通常の火災時における炎及び火熱を有効に遮ることができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。
八 三階の室の部分とそれ以外の部分とが間仕切壁又は戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除く。)で区画されていること。
この基準によれば、地上3階建て建築物の外壁と軒裏は必ず防火構造とし、屋根は不燃材料でふき、外壁の開口部に防火戸をつける必要があります。
また木造の柱・梁は一定以上の太さとするか又は石膏ボードなどで覆うことが必要となっています。
従ってこの基準に適合した地上3階建て建築物は、準耐火建築物そのものではありませんが、準耐火建築物に近い準耐火性能を有していると言うことができます。
★準防火地域内にある木造建築物...防火地域では、準耐火構造や階数、uの関係から(61条参照)ほとんど木造建築物は建てられませんが、準防火地域内では、2階以下で500u以下なら木造建築物も可能です。
しかし、条件として、外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければなりません。
また、木造建築物に附属する高さ2mを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければなりません。(2項)
★防火構造とは...外壁・軒裏が、防火性能を備えている(鉄鋼モルタル塗、しつくい塗など)。詳細は、2条 8号 を参照のこと。
★不燃材料とは...建築材料で、不燃性能を備えたもの。詳細は、2条 9号 参照のこと。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★62条:屋根
62条 63条 は、火災で中心となる、火の粉による屋根の構造を定めています。
★屋根の構造は、@防火地域、A準防火地域 内 での共通規制です。
防火地域内だけの規定、準防火地域を含む規定の区別は、良く出題されますので、注意してください。
★防火地域、準防火地域内 共通の規定
@屋根の構造(62条 63条 )
A外壁の開口部へ防火戸の設置(61条 64条)
B外壁が耐火構造なら、外壁は隣地境界線に接して設けられる(63条 65条)
★防火地域だけの規制(準防火地域では規制がない)(64条 66条)
看板、広告塔、装飾塔などで
@屋上に設ける場合 または
A高さ3mをこえるものは
その主要な部分を、
イ.不燃材料で造るか
ロ.不燃材料でおおう こと。
★屋根不燃の規定
62条は、防火地域、準防火地域内での屋根の構造を定めています。
通常、防火地域、準防火地域内の建築物は、耐火か準耐火の屋根の構造をしていますから、実質的には、木造建築物の屋根の構造を不燃化しろということです。
市街地における火災を想定した内容となります。
防火地域、準防火地域内での屋根の構造(建築基準法施行令136条の2の2、平成12年5月25日建設省告示第1365号)
1.不燃材料で造るか、またはふく こと。
2. 屋根を準耐火構造(屋外に面する部分の準不燃物で造ったものに限る、)とする。
3. 屋根を耐火構造(屋外面を準不燃物で造ったもの。その勾配は30度以内のものに限る)の屋外面に
イ. 断熱材 及び
ロ. 防水材 を張ったもの。
<参照> 建築基準法施行令第136条の2の2
(防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の性能に関する技術的基準)
第百三十六条の二の二 法 第六十二条 第六十三条 の政令で定める技術的基準は、次 に掲げるもの の各号(不燃性の物品を保管する倉庫その他これに類するものとして国土交通大臣が定める用途に供する建築物又は建築物の部分で、市街地における通常の火災による火の粉が屋内に到達した場合に建築物の火災が発生するおそれのないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものの屋根にあつては、第一号に掲げるもの)とする。
その屋根以外の主要構造部が準不燃材料で造られたものの屋根にあつては、第一号)に掲げるものとする。
一 屋根が、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであること。
二 屋根が、市街地における通常の火災による火の粉により、屋内に達する防火上有害な溶融、 亀 き 裂その他の損傷を生じないものであること。
平成12年5月25日建設省告示第1365号 防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造方法を定める件
建築基準法(昭和25年法律第201号)第63条の規定に基づき、防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造方法を次のように定める。
第1 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「令」という。)第136条の2の2各号に掲げる技術的基準に適合する屋根の構造方法は、次に定めるものとする。
一 不燃材料で造るか、又はふくこと。
二 屋根を準耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で造ったものに限る。)とすること。
三 屋根を耐火構造(屋外に面する部分を準不燃材料で造ったもので、かつ、その勾(こう)配が水平面から30度以内のものに限る。)の屋外面に断熱材(ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、硬質ポリウレタンフォームその他これらに類する材料を用いたもので、その厚さの合計が50mm以下のものに限る。)及び防水材(アスファルト防水工法、改質アスファルトシート防水工法、塩化ビニル樹脂系シート防水工法、ゴム系シート防水工法又は塗膜防水工法を用いたものに限る。)を張ったものとすること。
第2 令第136条の2の2第一号に掲げる技術的基準に適合する屋根の構造方法は、第1に定めるもののほか、難燃材料で造るか、又はふくこととする。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★旧64条:外壁の開口部の防火戸
旧64条は、平成30年6月27日公布により、旧第61条(防火地域内の建築物)と旧第62条(準防火地域内の建築物)そして、旧第64条(外壁の開口部の防火戸)は、新第61条に纏められました。
以下は、旧の解説ですが、61条の解説でもありますので、利用してください。
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★外壁の開口部の防火戸の64条も、防火地域と準防火地域内で適用される規定です。
せっかく外壁の延焼のおそれの部分を防火構造にしても、防火ので弱点となる開口部に防火設備を設けないと、開口部から延焼となります。
そこで、
★外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、防火戸などを設けること
★延焼のおそれのある部分とは...隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物(延べ面積の合計が500m以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、一階にあつては3m以下、二階以上にあつては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く、です。(建築基準法2条6号)
★防火設備とは...防火戸、ドレンチャー(水で炎をさえぎる設備。似たようなスプリンクラーは消火設備で、ドレンチャーとは違う)など火炎をさえぎる設備です。(建築基準法2条9号の2、ロ 参照)
★準遮炎性能とは...遮炎性能は、防火戸の両面に20分間の遮炎を求めていますが(建築基準法施行令109条の2)、準遮炎性能では、片面(外部から屋内への)だけの20分間の遮炎性能を求めています。(建築基準法施行令136条の2の3 改正で削除)
<参照> 建築基準法施行令第109条の2
(遮炎性能に関する技術的基準)
第百九条の二 法第二条第九号の二 ロの政令で定める技術的基準は、防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものであることとする。
<参照> 建築基準法施行令第136条の2の3 (削除)
(準遮炎性能に関する技術的基準)
第百三十六条の二の三 法第六十四条 の政令で定める技術的基準は、防火設備に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。)に火炎を出さないものであることとする。
(隣地境界線に接する外壁) (平成30年6月27日公布で、第63条へ) |
第六十三条 |
防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。 |
過去出題 | マンション管理士 | R03年、H29年、H25年、H15年、 |
管理業務主任者 |
★63条:隣地境界線に接する外壁
旧65条、新63条の隣地境界線に接する外壁の規定も、防火地域と準防火地域内の両方に適用される規定です。
★外壁が耐火構造なら、外壁は隣地境界線に接して建てていい。
民法(第234条)では隣地境界線から、50cm以上は離せと規定する特例。
なお、この建築基準法の規定は、憲法違反ではないとの、判例:最高裁 平成元年9月10日判決 があります。
参考 民法234条
(境界線付近の建築の制限)
第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。
★耐火構造とは...壁、柱、床などが、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能)有しているもの。鉄筋コンクリート造、れんが造など。(建築基準法2条7号参照)
★外壁と塀(へい)は違いますよ。
*外壁とは...建物を覆う一番外側の部分を言う。外気に面し、気候、火事、地震などから屋内を守る大事な部分。
壁は内側から複数の板(素材)が重なって構成されており、一般的には室内側から、内壁、断熱材、外壁で構成されています。
外壁材の種類では、木材、レンガ、タイル、サイジング、合板、などいろいろな種類があります。外壁そのものには断熱の効果は期待できないので、デザインやコストメンテナンス性で選ぶ場合が多い。
耐力壁として、外壁は建物全体を支えなければいけない(すべての外壁がそうではないが)。続いて耐震壁として、地震に対して被害が最小限に食い止められるような強度を持っていなければならない。
*塀(へい)とは...塀とは本来防犯、目隠しのために設けるものです。
[設問-1」 平成25年 マンション管理士試験 「問20」
〔問20〕 建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 準防火地域内にある共同住宅に高さ4mの看板を設ける場合には、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
X 誤っている。 準防火地域内は入っていない。 平成24年 マンション管理士試験 「問20」 、 平成15年 マンション管理士試験 「問20」 。
設問に近いのは、建築基準法第66条
「(看板等の防火措置)
第六十六条 防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルをこえるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。」とあり、
防火地域内であれば、該当しますが、準防火地域内であれば該当しないため、誤りです。
2 準防火地域内にある地階を除く階数が4で延べ面積が1,200uの共同住宅は、耐火建築物としなければならない。
○ 正しい。 平成19年 マンション管理士試験 「問21」 。
準防火地域内にある建築なら、建築基準法第62条
「(準防火地域内の建築物)
第六十二条 準防火地域内においては、地階を除く階数が四以上である建築物又は延べ面積が千五百平方メートルを超える建築物は耐火建築物とし、延べ面積が五百平方メートルを超え千五百平方メートル以下の建築物は耐火建築物又は準耐火建築物とし、地階を除く階数が三である建築物は耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければならない。ただし、前条第二号に該当するものは、この限りでない。
2 準防火地域内にある木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、これに附属する高さ二メートルを超える門又は塀で当該門又は塀が建築物の一階であるとした場合に延焼のおそれのある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
」とあり、
第62条1項により、準防火地域内にある地階を除く階数が4以上となると、耐火建築物にしなければなりませんから、正しい。
3 防火地域内にある共同住宅で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
○ 正しい。 平成15年 マンション管理士試験 「問20」 。
隣地境界線に接する外壁なら、建築基準法第65条
「(隣地境界線に接する外壁)
第六十五条 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。」とあり、
正しい。
4 防火地域及び準防火地域にわたる共同住宅が、防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。
○ 正しい。
建築物が、防火地域及び準防火地域の内外にわたる場合の措置は、それぞれ、防火地域または準防火地域内の建築物に関する規定が適用されますが、建築基準法第67条
「(建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置)
第六十七条 建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
2 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。」とあり、
第67条2項により、正しい。
答え:1
(看板等の防火措置) (平成30年6月27日公布で、第64条へ) |
第六十四条 |
防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、建築物の屋上に設けるもの又は高さ三メートルを 超える |
過去出題 | マンション管理士 | R04年、H25年、 |
管理業務主任者 |
★64条:看板等の防火措置
旧66条で新64条の看板等の防火措置は、防火地域だけの規制です。準防火地域では規制がありません。
看板、広告塔、装飾塔などで
@屋上に設ける場合 または
A高さ3mをこえるものは
その主要な部分を、
イ.不燃材料で造るか
ロ.不燃材料でおおう こと。
過去出題 | マンション管理士 | H28年、H25年、H17年、 |
管理業務主任者 |
★65条:建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置
旧67条で新65条は、建築物が、防火地域又は準防火地域と、これらの地域として指定されていない区域にわたる場合には、原則として、全部に対して、防火地域又は準防火地域の規定が適用されることを定めています。(1項)
★また、建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合には、全部に対して、重い規定の防火地域内の建築物に関する規定を適用することを定めています。(2項)
★例外に注意
防火壁があれば、適用から外れる。
★防火壁とは...火災時の延焼や拡大を防ぐために、大規模木造建築物や特殊建築物において、延床面積1,000u以内ごとに設けられる耐火構造の壁のことです。
防火壁は自立する(他にもたれかからない)耐火構造でなければならないため、無筋コンクリート造や組積造(無筋ブロック積みやレンガ積み造など)は防火壁とは認められていません。(建築基準法第26条 参照)
ア.防火地域と準防火地域にまたがる場合 → 防火地域の規制を受ける
イ.防火地域と未指定区域にまたがる場合 → 防火地域の規制を受ける
ウ.準防火地域と未指定区域にまたがる場合 → 準防火地域の規制を受ける
★ここで地域・地区がまたがるときの復習
★2つ以上の地域や地区にまたがる場合
1.厳しい方が適用される場合
防火地域、準防火地域そして、法22条区域のように防火上の規制は、厳しい方が適用されます。(65条参照)
<参照> 建築基準法第65条
(建築物が防火地域又は準防火地域の内外にわたる場合の措置)
第六十五条 建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合においては、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、この限りでない。
2 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合においては、その全部について防火地域内の建築物に関する規定を適用する。ただし、建築物が防火地域外において防火壁で区画されている場合においては、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。
2.按分される場合
容積率の制限や建ぺい率の制限では、各々異なる制限をうける部分の計算で按分されます。(52条7項、53条2項 参照)
<参照> 建築基準法第52条7項
7 建築物の敷地が第一項及び第二項の規定による建築物の容積率に関する制限を受ける地域、地区又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の容積率は、第一項及び第二項の規定による当該各地域、地区又は区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該地域、地区又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
<参照> 建築基準法第53条2項
2 建築物の敷地が前項の規定による建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。
3.基本原則は、過半主義である
出題傾向が高いので、厳しい方だとか、按分の方に注意がいくが、本来は、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域、地域又は地区の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用することになっている。(91条 参照)
<参照>建築基準法第91条
(建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置)
第九十一条 建築物の敷地がこの法律の規定(第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十七条の二、第五十七条の三、第六十七条第一項及び第二項並びに別表第三の規定を除く。以下この条において同じ。)による建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する禁止又は制限を受ける区域(第二十二条第一項の市街地の区域を除く。以下この条において同じ。)、地域(防火地域及び準防火地域を除く。以下この条において同じ。)又は地区(高度地区を除く。以下この条において同じ。)の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について
敷地の過半の属する区域、地域又は地区内の建築物に関するこの法律の規定又はこの法律に基づく命令の規定を適用する。
4.それぞれの部分ごとに指定されている地域・地区の規制に従う(属地主義)もある
それは、
ア.54条(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、又は田園住居地域内における外壁の後退距離。1m又は 1.5m)
イ.55条(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内における建築物の高さの限度。10m又は12m)
ウ.56条 (建築物の各部分の高さ) 傾斜制限
です。
(第三十八条の準用) (平成30年6月27日公布で、第66条へ) |
第六十六条 |
第三十八条の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物に対するこの節の規定及びこれに基づく命令の規定の適用について準用する。 |
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★66条:第38条の準用
旧67条の2、新66条は、 は、平成27年6月1日施行で、新しく設けられた規定です。
引用されています、38条とは、
<参照>建築基準法第38条
(特殊の構造方法又は建築材料)
第三十八条
この章の規定及びこれに基づく命令の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物については、国土交通大臣がその構造方法又は建築材料がこれらの規定に適合するものと同等以上の効力があると認める場合においては、適用しない。
(旧:削除されていた条文)
で、これも、以前は、削除されていました、38条を新しく規定した条文です。
現行の建築基準法では想定していないような構造方法に対応した、国土交通大臣の認定制度を創設して、円滑な導入を促進する目的だそうです。
今までの法令では基準化するまでに時間がかかり、新たな建築技術の開発が阻害されているとの反省から、機動的に大臣認定をしていく方向で、そこで、「特殊構造方法等認定制度」が創設されています。
参考:68条の26、 97条の4 など
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★第五節の二 特定防災街区整備地区
67条:特定防災街区整備地区
◎ 旧67条の3 は、平成27年6月1日施行から、前条に67条の2 が新しく設けられたことにより、旧の67条の2 が、新しくずれて、67条の3 となったものですが、また、削除があり、新しく67条になりました。
67条は、特定防災街区整備地区内にある建築物は、原則として耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない規定です。
★特定防災街区整備地区とは...都市計画法に基づき都市計画に定められる地域・地区・街区のひとつ。(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第31条参照。)
老朽化した木造建築物が密集した防災上きわめて危険な市街地では、一度火災が発生すると広い範囲に拡大する恐れがあります。
そこで、危険な密集市街地内で一定の区域を定めて、防火上の制限(耐火建築物又は準耐火建築物にする)をするのです。
密集市街地における特定防災機能の確保や、防災を目的とした建規制を加えられるよう、地方自治体が指定する地区です。平成15年の改正都市計画法により創設されました。(都市計画法8条1項5の2号)
★対象区域
防火地域・準防火地域が定められている区域で定められる。(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法)第31条第2項)
<参照>都市計画法 第8条1項5の2号
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区で必要なものを定めるものとする。
五の二 密集市街地整備法第三十一条第一項 の規定による特定防災街区整備地区
<参照>密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法) 第31条
第三十一条 密集市街地内の土地の区域については、当該区域及びその周辺の密集市街地における特定防災機能の確保並びに当該区域における土地の合理的かつ健全な利用を図るため、都市計画に、特定防災街区整備地区を定めることができる。
2 特定防災街区整備地区は、防火地域又は準防火地域が定められている土地の区域のうち、防災都市計画施設(防災都市施設に係る都市計画施設をいう。以下同じ。)と一体となって特定防災機能を確保するための防災街区として整備すべき区域その他当該密集市街地における特定防災機能の効果的な確保に貢献する防災街区として整備すべき区域に定めるものとする。
3 特定防災街区整備地区に関する都市計画には、都市計画法第八条第三項第一号及び第三号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 建築物の敷地面積の最低限度
二 特定防災機能の確保又は土地の合理的かつ健全な利用を図るため必要な場合にあっては、壁面の位置の制限
三 防災街区整備方針に即して防災都市計画施設と一体となって特定防災機能を確保する建築物を整備するため必要な場合にあっては、建築物の防災都市計画施設に係る間口率(建築物の防災都市計画施設に面する部分の長さの敷地の防災都市計画施設に接する部分の長さに対する割合をいう。)の最低限度及び建築物の高さの最低限度
★指定地区内での、具体的な規制などは、つぎのようになっています。
密集市街地において、延焼防止効果をより高めるため、建築物に対し、
1. 防火性能や敷地の広さについて制限を設ける、
2. 建築物の個別の建て替えを適切に誘導する。
また、道路、公園などの防災公共施設の周辺については、
1. 火炎が大きく周辺に広がらない町の形成を図る、
2. 避難路・避難地としての機能を高めるため、セットバックされた一定の高さや一定の建築物を誘導する。
(第三十八条の準用) (注:改正あり:」平成30年6月27日公布で、第67条の2 へ) |
第六十七条の二 |
第三十八条の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物に対する前条第一項及び第二項の規定の適用について準用する。 |
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★67条の2:第38条の準用
新67条の2(旧67条の4) は、平成27年6月1日施行で、新しく設けられた規定です。
引用されています、38条とは、
<参照>建築基準法第38条
(特殊の構造方法又は建築材料)
第三十八条
この章の規定及びこれに基づく命令の規定は、その予想しない特殊の構造方法又は建築材料を用いる建築物については、国土交通大臣がその構造方法又は建築材料がこれらの規定に適合するものと同等以上の効力があると認める場合においては、適用しない。
(旧:削除されていた条)
で、これも、以前は、削除されていました、38条を新しく規定した条文です。
現行の建築基準法では想定していないような構造方法に対応した、国土交通大臣の認定制度を創設して、円滑な導入を促進する目的だそうです。
今までの法令では基準化するまでに時間がかかり、新たな建築技術の開発が阻害されているとの反省から、機動的に大臣認定をしていく方向で、そこで、「特殊構造方法等認定制度」が創設されています。
参考:68条の26、 97条の4 など
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★第六節 景観地区
68条:景観地区
68条は、以前は、「美観地区」と呼ばれていましたが、平成16年の改正で美観地区は廃止され「景観地区」となりました。
★景観地区とは...都市計画法に基づき都市計画に定られる地域・地区・街区のひとつ。(都市計画法第8条1項6号)
市町村は、市街地の良好な景観の形成を図るため、都市計画に、景観地区を定めることができます。(景観法第61条1項)
★規制内容
◎都市計画の手法を活用して、より積極的に良好な景観の形成を図る地区について指定します
必須事項:建築物のデザイン・色彩の制限
選択事項:建築物の高さ、壁面の位置、敷地面積の制限
※景観地区は都市計画区域及び準都市計画区域に定めることができます
※準景観地区は、都市計画区域外及び準都市計画区域外で条例により定めることができます 。
◎ 建築物や工作物のデザイン・色彩、高さ、敷地面積などについて規制します
建築物・工作物のデザイン・色彩の制限は、「周囲との調和」に関する判断が必要なことから、市町村長が一定の裁量の幅を持って判断することができる「認定制度」を創設します
ただし、建築物の高さや敷地面積などは、従来通り建築確認で担保します。
また、各種制限を緩和でき、建築物の上部が、斜めになることがなくなったり、高さが不揃いになることを防げます。(85条の2)
<参照>都市計画法第8条
(地域地区)
第八条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区で必要なものを定めるものとする。
六 景観法 (平成十六年法律第百十号)第六十一条第一項 の規定による景観地区
<参照> 景観法第61条
第三章 景観地区等
第一節 景観地区
第一款 景観地区に関する都市計画
第六十一条 市町村は、都市計画区域又は準都市計画区域内の土地の区域については、市街地の良好な景観の形成を図るため、都市計画に、景観地区を定めることができる。
2 景観地区に関する都市計画には、都市計画法第八条第三項第一号及び第三号に掲げる事項のほか、第一号に掲げる事項を定めるとともに、第二号から第四号までに掲げる事項のうち必要なものを定めるものとする。この場合において、これらに相当する事項が定められた景観計画に係る景観計画区域内においては、当該都市計画は、当該景観計画による良好な景観の形成に支障がないように定めるものとする。
一 建築物の形態意匠の制限
二 建築物の高さの最高限度又は最低限度
三 壁面の位置の制限
四 建築物の敷地面積の最低限度
<参照> 建築基準法第85条の2
(景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和)
第八十五条の二 景観法第十九条第一項の規定により景観重要建造物として指定された建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において保存すべきものについては、市町村は、同法第二十二条及び第二十五条の規定の施行のため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第二十一条から第二十五条まで、第二十八条、第四十三条、第四十四条、第四十七条、第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十八条、第六十一条、第六十二条、第六十七条第一項及び第五項から第七項まで並びに第六十八条第一項及び第二項の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。
★第七節 地区計画等の区域
68条の2:市町村の条例に基づく制限
68条の2 では、市町村の条例で、地区計画等の区域で制限を厳しくすることを定めています。
地区計画等の区域で、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができます。
★地区計画等とは(都市計画法第12条の4)により、都市計画区域内に定められる、
@地区計画...統一的な街づくりを行うべき地区について、建築物の用途・形態を制限し、公共施設の配置など、市町村が都市計画として決定します。
用途地域による一般的制限だけでなく、より細かい規制を加えて、良好な街づくりを行います。
A防災街区整備地区計画...家事や地震の時に備えて、延焼防止と避難機能確保のための計画です。
例)安全に避難するための避難道路や避難地の確保を図ること、公共施設などの防災機能の整備。
B歴史的風致維持向上地区計画...歴史的なおもむきを維持向上させるための計画です。
例)用途、壁面の位置、形態や色彩の意匠、緑化率などさまざまな条件が細かく規定。
C沿道地区計画...車やトラックの騒音を低減させるための計画です。
例)緑地帯などの緩衝帯の整備・沿道の建築物の建築の規制。
D集落地区計画...集落地域の土地の区域内で、営農と居住環境が調和した土地利用を図るための計画です。
例)建物の高さ・敷地面積の最低限度、壁面の位置などさまざまな条件が細かく規定。
を指します。
<参照> 都市計画法第12条の4
(地区計画等)
第十二条の四 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる。
一 地区計画
二 密集市街地整備法第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画
三 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十一条第一項の規定による歴史的風致維持向上地区計画
四 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画
五 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第一項の規定による集落地区計画
2 地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。
★そして、地区計画は、原則、用途地域内において比較的狭い地区を単位とした計画として策定され、住民の意識の高まりの中で住民の手による街づくりが可能とするように、昭和55年の都市計画法及び建築基準法の改正により地区計画制度が創設されました。状況に応じて、用途地域が定められていなくても策定が可能です。(都市計画法第12条の5)
建築基準法では、個別の敷地・建築物単位でしか制限ができないため、市町村が地区計画において、一定のまとまりをもった地区を対象として建築や開発行為などを規制・誘導することで、目標とするまちづくりをつくることができます。
★地区計画制度が創設された背景
それまでの都市計画は、都市全域の観点から土地利用の計画や主要な公共施設の配置計画等を定めるものであり、一方、建築基準法は、個々の建物が満たすべき最低基準を定めたものであることから、ミニ開発の防止、小公園や細い街路の整備といった小さな地区レベルの課題への対応や、地区を単位とした道路、公園等の施設と建築物との一体的、総合的な整備を図る上では十分とは言い難いものでした。
そこで、住民に身近な地区レベルで、住民の意向を反映させつつ、建築物の用途、形態等に関する制限をきめ細かく定めるとともに、道路・公園等の公共施設の配置及び規模などについても、一体的、総合的に計画することができる都市計画・建築規制制度として「地区計画制度」が創設され、以来、地区の特性に応じた計画的なまちづくりに重要な役割を果たしてきました。
その後の社会経済状況や都市の状況の変化から数回にわたる制度の拡充が行われ、地区計画にはさまざまなバリエーションが創設されています。
★「地区計画制度」は,、市町村を対象とした小さな地区レベルの計画であり、地域地区制度に比べるとその決定手続き、内容等はかなり異なっています。
●決定続きについては、市町村の決定する都市計画に含まれますが、その案の策定にあたっては、土地の所有者等の利害関係を有する者の意見を求めることが義務づけられています。
●決定内容については、種類、名称等のほか、地区計画の目標、地区の整備、開発及び保全の方針と地区整備計画を定めることとなっており、具体的な制限内容を示す地区整備計画では、そのほとんどの事項について決めることができるようになっています。
●決定内容の担保については、一般的な開発許可の制限に結びつくほか、開発行為、建築行為についてはこれらに着手する30日以前に市町村長に届け出ることが義務づけられており、地区計画に不適合なものは、市町村長が設計の変更などを行うよう勧告できます。
また、地区計画で定められた内容を建築基準法の体系で担保する場合には、条例による建築規制として定めることができます。
このように、地区計画は地区レベルの計画として、土地所有者等の意見を十分に反映させたうえで、きめ細かな内容までコントロールすることができる制度です。
<参照> 都市計画法第12条の5
(地区計画)
第十二条の五 地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次の各号のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとする。
一 用途地域が定められている土地の区域
二 用途地域が定められていない土地の区域のうち次のいずれかに該当するもの
イ 住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域
ロ 建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの
ハ 健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域
2 地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。
一 当該地区計画の目標
二 当該区域の整備、開発及び保全に関する方針
三 主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)
3 次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域(以下「再開発等促進区」という。)を都市計画に定めることができる。
一 現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。
二 土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。
三 当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。
四 用途地域が定められている土地の区域であること。
4 次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物(以下「特定大規模建築物」という。)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域(以下「開発整備促進区」という。)を都市計画に定めることができる。
一 現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。
二 特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。
三 当該区域内において特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。
四 第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)であること。
5 再開発等促進区又は開発整備促進区を定める地区計画においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該再開発等促進区又は開発整備促進区に関し必要な次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。
一 土地利用に関する基本方針
二 道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画施設及び地区施設を除く。)の配置及び規模
6 再開発等促進区又は開発整備促進区を都市計画に定める際、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について、当面建築物又はその敷地の整備と併せて整備されるべき公共施設の整備に関する事業が行われる見込みがないときその他前項第二号に規定する施設の配置及び規模を定めることができない特別の事情があるときは、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について同号に規定する施設の配置及び規模を定めることを要しない。
7 地区整備計画においては、次に掲げる事項(市街化調整区域内において定められる地区整備計画については、建築物の容積率の最低限度、建築物の建築面積の最低限度及び建築物等の高さの最低限度を除く。)のうち、地区計画の目的を達成するため必要な事項を定めるものとする。
一 地区施設の配置及び規模
二 建築物等の用途の制限、建築物の容積率の最高限度又は最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の敷地面積又は建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。以下同じ。)における工作物の設置の制限、建築物等の高さの最高限度又は最低限度、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限、建築物の緑化率(都市緑地法第三十四条第二項
に規定する緑化率をいう。)の最低限度その他建築物等に関する事項で政令で定めるもの
三 現に存する樹林地、草地等で良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、土地の利用に関する事項で政令で定めるもの
8 地区計画を都市計画に定める際、当該地区計画の区域の全部又は一部について地区整備計画を定めることができない特別の事情があるときは、当該区域の全部又は一部について地区整備計画を定めることを要しない。この場合において、地区計画の区域の一部について地区整備計画を定めるときは、当該地区計画については、地区整備計画の区域をも都市計画に定めなければならない。
★これらの地区においては、集落地区計画を除いて、用途地域(第48条)に関しては、制限の緩和もできます。(5項)
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★68条の3:再開発等促進区等内の制限の緩和等
★地区計画の区域で、再開発等促進区又は沿道再開発等促進区で地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域内で一定の優良な建築物については、特定行政庁の許可・認可で、
@容積率の制限(1項)
A建蔽率の制限(2項)
B高さの制限(3項)
C用途地域内の制限(10m、12m)(4項)
D建築物の各部分の高さ制限(5項)
が適用されない、つまり、緩和されます。
これは、再開発等促進区等が、もともと工場などの跡地であり、これら一定のまとまりがある未利用地の利用を促し、良好な市街地を形成させるためです。
条文を読んでおいてください。
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★64条の4:建築物の容積率の最高限度を区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例
★平成4年の改正でできた制度です。誘導容積型地区計画です。
★区域の特性に応じた建築物の容積率...@目標容積率です。
★公共施設の整備の状況に応じた建築物の容積率...A暫定容積率です。
これら、@目標容積率とA暫定容積率の2つの容積率を活用して、土地の有効利用を促します。
条文を読んでおいてください。
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★68条の5:区域を区分して建築物の容積を適正に配分する地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例
★容積適正配分型地区計画です。
★地区計画又は沿道地区計画の区域内でその区域を区分して容積率の最高限度が定められている場合には、地区計画又は沿道地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第一号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。 (1項)
条文を読んでおいてください。
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★68条の5の2:区域を区分して建築物の容積を適正に配分する特定建築物地区整備計画等の区域内における建築物の容積率の特例
★高度利用地区型地区計画です。
★防災街区整備地区計画の区域内にある建築物(第二号に規定する区域内の建築物にあつては、防災街区整備地区計画の内容に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに限る。)については、当該防災街区整備地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第一号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。(1項)
条文を読んでおいてください。
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★68条の5の3:高度利用と都市機能の更新とを図る地区計画等の区域内における制限の特例
★用途別容積型地区計画です。
★地区計画又は沿道地区計画の区域内にある建築物については、当該地区計画又は沿道地区計画において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第二号から第四号までに定める数値とみなして、同条の規定を適用する。 (1項)
条文を読んでおいてください。
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★68条の5の4:住居と住居以外の用途とを区分して定める地区計画等の区域内における建築物の容積率の特例
★街並み誘導型地区計画です。
★地区計画等(集落地区計画を除く。以下この条において同じ。)の区域内にあるその全部又は一部を住宅の用途に供する建築物については、当該地区計画等において定められた建築物の容積率の最高限度を第五十二条第一項第二号又は第三号に定める数値とみなして、同条(第八項を除く。)の規定を適用する。(1項)
条文を読んでおいてください。
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★68条の5の5:区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する地区計画等の区域内における制限の特例
★地区計画等の区域内の建築物で、当該地区計画等の内容に適合し、かつ、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、第五十二条第二項の規定は、適用しない。(1項)
条文を読んでおいてください。
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★68条の5の6:地区計画等の区域内における建築物の建ぺい率の特例
★地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域内の建築物については、第一号イに掲げる地区施設等の下にある部分で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものの建築面積は、第五十三条第一項及び第二項、第五十七条の五第一項及び第二項、第五十九条第一項、第五十九条の二第一項、第六十条の二第一項、第六十八条の八、第八十六条第三項及び第四項、第八十六条の二第二項及び第三項、第八十六条の五第三項並びに第八十六条の六第一項に規定する建築物の建蔽率の算定の基礎となる建築面積に算入しない。(1項)
人工地盤には、建築面積に算入しないの建蔽率の制限があります。
条文を読んでおいてください。
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★68条の6:道路の位置の指定に関する特例
★地区計画等に道の配置及び規模又はその区域が定められている場合には、当該地区計画等の区域(次の各号に掲げる地区計画等の区分に応じて、当該各号に定める事項が定められている区域に限る。次条第一項において同じ。)における第四十二条第一項第五号の規定による位置の指定は、地区計画等に定められた道の配置又はその区域に即して行わなければならない。 (1項)
条文を読んでおいてください。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★68条の7:予定道路の指定
★地区計画等の区域において、地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して、政令で定める基準に従い、予定道路の指定を行うことができる。
条文を読んでおいてください。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★68条の8:建築物の敷地が地区計画等の区域の内外にわたる場合の措置
★第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で建築物の容積率の最高限度又は建築物の建蔽率の最高限度が定められた場合において、建築物の敷地が当該条例による制限を受ける区域の内外にわたるときは、当該条例で定められた建築物の容積率の最高限度又は建築物の建蔽率の最高限度を、それぞれ当該建築物の当該条例による制限を受ける区域内にある部分に係る第五十二条第一項及び第二項の規定による建築物の容積率の限度又は第五十三条第一項の規定による建築物の建蔽率の限度とみなして、第五十二条第七項、第十四項及び第十五項又は第五十三条第二項及び第四項から第六項までの規定を適用する。(1項)
条文を読んでおいてください。
過去出題 | マンション管理士 | |
管理業務主任者 |
★第8節は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造を規定します。
★そして、68条の9は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限 です。
都市計画区域外でも、建築基準法の「集団規定」を地方公共団体(都道府県又は市町村)は、条例で必要な制限ができます。
条文を読んでおいてください。
ページ終わり |
最終更新日:
2023年 3月23日:第68条の2「地区計画」に図を入れた。
2023年 2月27日:令和4年(2022年)の出題年を入れた。
2022年 4月24日:大幅に見直した。施行令も最新に更新した。
2021年 2月 6日:第61条に解説の追加、図など入れた。
2019年 8月 8日:施行:令和元年6月25日に対応した。
第61条〜第67条の2 まで改正。
2018年 3月22日:「田園住居地域」で確認した。
2018年 3月19日:「田園住居地域」を入れた。
2018年 3月17日:平成29年と平成28年の出題を入れた。
2016年 3月 5日:平成27年の出題年を入れた。
2015年 4月22日:平成27年6月1日改正施行に合わせた。
また、平成26年度の出題年を入れた。
2014年 2月23日:平成25年の出題年と第65条に設問を入れた。
2013年 3月24日:平成24年の出題年を入。
2012年 4月 1日:平成23年12月14日の法改正に合わせた。第68条の5の6 イ、第68条の6 入れた。
2011年 5月 8日:64条の3 9号追加。
2008年10月27日