目指せ! マンション管理士・管理業務主任者

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マンション管理士管理業務主任者 出題分野 分 析 編

管理業務主任者についての分析は、マンション管理士の下の方にあります。

なお、平成13年から令和元年までの、マンション管理士・管理業務主任者試験問題とその解説は、
「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」のサイトの、「過去問題」にありますから、ご利用ください。

 合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 また、このサイトを利用している人には、私の 「超解説 区分所有法」 のサイトや 「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 は知っていると思いますが念のため、教えます。

 ご利用ください。


更新記録

2020年 3月 9日:あまりにも、受験生の合格に対する熱意が感じられないので、更新を止めた!

まあ、出題分野と傾向は、もう、下のとおりで、これらの過去からの膨大なデータの分析は、特に新しいデータがなくても大いに参考になりますよ。


1.マンション管理士試験 出題分野分析編

◎平成13年から平成30年までの、マンション管理士試験で出題されている法律・分野を纏めると以下のようになる。

  この出題分野をダラーと眺めるだけでなく、どこを勉強すればいいのか、合格への参考にしてください。
  出題の範囲は実に広いですよ。
  基本テキストだけでは、カバーできていない項目の知識を図書館なり、他の参考書から取り入れないと、上位の合格圏には入れません!
  自分が不得意とする分野があれば、早めの対応が必要です。

区分 分野 年度(平成) 合計 出題率 順位
13年から22年まで 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年
民法・区分法 民法 34 2 4 3 3 4 4 6 4 64 7.1% 5
区分所有法 88 9 2 8 5 5 8 7 8 140 15.6% 1
民法+区分法 53 5 9 4 5 6 1 2 2 87 9.7% 3
民法+不登法 3                 3 0.3%  
民法+区分所有法+品質 1 1               2 0.2%  
区分所有法+不登法 3       1 1     1 6 0.7%  
マンションの建替の円滑化法 8 1 1 1 1 1 1 1 1 16 1.8%  
民法+失火法 1           1     2 0.2%  
民法+区分法+不登法+借地借家法 1       1 1 1 1   5 0.6%  
民法+区分法+民事執行法 1   2             3 0.3%  
民法+利息制限法+消費者契約法 1                 1 0.1%  
民法+民事再生法、破産法 1   1             2 0.2%  
民法+品質法 1     1   1       2 0.2%  
民法+借地借家法 0     2 1   1   1 5 0.6%  
被災区分建物再建措置法 0 1     1     1 1 43 0.4%  
小計 195 19 19 19 18 19 17 18 18 342 38.0%  
住宅関係法 災害に関連した法律 2                 2 0.2%  
不動産登記法 6 1 1 1     1   1 11 1.2%  
宅地建物取引業法 2                 2 0.2%  
瑕疵担保責任とアフターサービス 3   1 1           5 0.6%  
住宅の品質確保の促進法 2               1 3 0.3%  
品確法+特定+長期優良+建築基準法 1                 1 0.1%  
耐震改修法 0       1         1 0.1%  
小計 16 1 2 1 2 0 1 0 2 25 2.8%  
都市・建築 都市計画法 10 1 1 1 1 1 1 1 1 18 2.0%  
建築基準法 19 1 1 1 1 1 1 1 1 27 3.0%  
小計 29 2 2 2 2 2 2 2 2 45 5.0%  
設備関係法 浄化槽法 1                 1 0.1%  
電気・工事 2                 2 0.2%  
水道法 8 1 1 1 1 1 1 1 1 16 1.8%  
下水道法 1 1               1 0.1%  
消防法 11 1 1 1 1 1 1 1 1 19 2.1%  
警備業法 2     1 1 1 1     6 0.7%  
郵便法 1                 1 0.1%  
自動車の保管場所の確保法 1                 1 0.1%  
小計 27 2 2 3 3 3 3 2 2 47 5.2%  
管理規約・委託契約など マンション標準管理規約(単棟型) 46 6 3 5 5 6 10 8 6 95 10.6% 2
区分所有法+標準管理規約 7 1 2 2 2 1   1   16 1.8%  
マンション標準管理規約(単棟+団地) 0     1           1 0.1%  
マンション標準管理規約(団地型) 2   1   1 1     1 6 0.7%  
マンション標準管理規約(複合用途型) 1 1 1   1 1     1 6 0.7%  
マンション標準管理規約(団地+複合型) 1                 1 0.1%  
訴訟(民亊訴訟法も) 5                 5 0.6%  
マンション標準管理委託契約書・出納 3     1       1 1 6 0.7%  
区分所有法+標準管理委託契約書 1                 1 0.1%  
小計 66 8 7 9 9 9 10 10 9 137 15.2%  
会計 会計 18 2 1 1 2 1 2 2 1 30 3.3%  
滞納 1 0 0 0 0 0       1 0.1%  
税法 0   1 0   1     1 3 0.3%  
小計 2 2 2 1 2 2 2 2 2 34 3.8%  

修繕・維持など
設備関係

長期修繕計画 7 1   1 1   1 1 2 14 1.6%  
建物構造 4 1       1   1 1 8 0.9%  
排水・トラップ・清掃 5 2 1 1 1 1 1   1 13 1.4%  
リフォーム 1                 1 0.1%  
設備・給水・給湯 12 1 1 2 2 1 1 2 1 23 2.7%  
維持保全・予防 5 1 1 1       2   10 1.1%  
劣化診断・外壁診断 13 1 1 1 2 2 1 2 1 24 2.7%  
改修工事・防水工事 3                 3 0.3%  
修繕工事・大規模修繕工事 7     1     1   1 10 1.1%  
遮音・断熱 5 2   1 1 1 1 1   12 1.3%  
建築材料・コンクリート 4 1 1   1 1 1   1 10 1.1%  
耐震・構造 7   1 2   1 1     12 1.3%  
バリアーフリー・高齢者・長寿対応 3   1       1     5 0.6%  
換気・結露 4                 4 0.4%  
設備計画・設備機器 3   1           1 5 0.6%  
配管 2                 2 0.2%  
防犯 4 1 1         1 1 8 0.9%  
省エネルギー 2             1   3 0.3%  
石綿 1                 1 0.1%  
消防用設備 2                 2 0.2%  
環境 1                 1 0.1%  
駐車場 1                 1 0.1%  
電気設備 1         1       2 0.2%  
マンション供給方式 1                 1 0.1%  
修繕積立金 0   1   1 1       3 0.3%  
避難計画 0   1             1 0.1%  
小計 98 11 11 10 9 10 10 11 10 170 20.0%  
適正化 マンションの管理の適正化指針 6 0 0 1 1 0 2 1 1 12 1.3%  
マンション管理適正化法 44 5 5 4 4 5 3 4 4 78 8.7% 4
小計 50 5 5 5 5 5 5 5 5 90 10.0%  
                           
合計 500 50 50 50 50 50 50 50 50 900 100%  
 合格最低基準(50問中)   36 34 38 36 38 35 36 38 36    
合格率   9.3% 9.1% 8.2% 8.4% 8.2% 8.0% 9.0% 7.9% 7.9%    

*平成13年から平成30年までのマンション管理士試験の出題分野をまとめてグラフにすると以下のようになる。

 


*平成30年(2018年)度 マンション管理士試験 出題分野の分析

 平成30年(2018年)11月25日(日)に日本各地で実施された国家資格:マンション管理士試験は、12,389人 が受験し、そのうち 975人 が受かった。
 なんと、合格率は、 7.9% という、本当に狭き門だった。

 年々、受験生は減少していても、合格率 8% 前後という方針には変わりはないようで、ついに、合格者は、千人を切ったのが特徴だ。

 例年のように、50問の出題があり、そのうち 38問 以上の正解で合格となった。 

  参考:平成30年 司法試験 受験者数 5,238人 総合合格者数 1,525人 総合合格率 29.1%
     平成30年 宅地建物取引主任士試験 受験者数 213,993人 合格者数 33,360人 合格点 37問/50問 合格率 15.5%
    平成30年 管理業務主任者試験 受験者数 16,249人 合格者数 3,531人 合格点 33問/50問 合格率 21.7%

 参考: マンション管理センター http://www.mankan.org/goukakusyagaiyo.html

   合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 また、このサイトを利用している人には、私の 「超解説 区分所有法」 のサイトや 「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 は知っていると思いますが念のため、教えます。

 ご利用ください。

*全体の感想

 平成30年のマンション管理士試験の全体の感想としては、例年よりかなり「易しい」だった。

 この国家資格:マンション管理士も平成13年に開始されてから、平成30年で18年を迎えて、時々、出題ミスはあるが、条文や過去問題をしっかりと勉強していれば、かなり合格ラインに近づける。
 ただし、合格するには、他の人より上の点数をとり、上位 8% 以内に入る必要があるのは、いうまでもないが。

 その為には、図書館などに通って、雑学的に知識を身に着けるよりほかに道はないが。

*個数・組合せ問題
 どうして、例年、個数問題と組合せ問題を取り上げているかというと、これらは、出題 1問 といいながら、1問での 4肢 選択での 正解率 25% よりも正解率が悪くなるため、出題方法としては、実に不適切な方法だからです。

 平成30年のマンション管理士試験では、個数問題は、問9、問26、問27、問30、問47、問48 の 6問、で 組合せ問題は、 問4、問24、問37、問46 の 4問 で 合計 10問だ。
 管理業務主任者試験の合格者には免除となる、問46〜問50においては、なんと 5問中 個数・組合せ問題は 3問 が該当している。
 このような偏在を示す出題方法は、早急に変更して、4肢選択にすべきだ。

 なお、昨年(平成29年)では、個数・組合せ問題としては、合計9問出ている。

 *民法・区分所有法など
 
 この分野からは、計18問出題と例年の流れであった。

  区分所有法に関しては、基本となる条文をしっかり理解すること。どうして、この条文が制定されているのか、私の 「超解説 区分所有法」 を読み、同じく 私の 「過去問題の解説」 をしっかりとやっていれば、管理所有なども、特に難しくはない。

 問3の「専用使用権」ように、過去の判例もしっかりと押さえておくこと。
 先取特権や法人は基本。
 問10の「団地」も、例外は抑えておくこと。
 最近は、問11の「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」からもでるので、ここも、眼を通しておくこと。

 民法からの問12 選択肢2 の後見開始の出題は、文章上、無理がある。
 問14「相殺」など、民法は判例が絡むので、注意の事。問16「委任」は、基本。
 問17「遺言」は、新しい出題。
 マンションの建替の円滑化法からの問19「マンション敷地売却」は、最近、出題傾向が高いので、注意。

 *住宅関係法
  
不動産登記法が問6 と 問18で出ている。

 昨年も問18は難問だったが、今年も登記上の表題部の更正とか、変更で、新しい条文からの出題で、超難問だった。

 住宅の品質確保の促進法からは、問41「住宅の性能表示制度」 があるが、これも、難問だった。

 *都市計画・建築基準法
   
都市計画法は「問20」で、地域地区が出ている。これは、例年の通り。
   建築基準法は「問21」で選択肢3の直通階段の設置は、細かく、これは、解説に時間がかかった。

  *設備関係法
   
水道法の「問22」の簡易専用水道は、新しい文もあるので、難しい。
   消防法の「問23」の防火管理者は、過去問からも、できる。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約からは、単棟型が問25〜問30 まで、団地型が問31で、複合用途型が問32 と 計8問が出た。
  個数問題ともなると、いくらかは正解が出にくくなる。

  標準管理委託契約書からは、平成29年に続いて、問33で1問出たが、難しくはない。

 *会計
   
「問34」で、具体的な仕訳がなくなったが、説明が面倒だった。
   「問35」は、税法の出題だった。

 *修繕・維持など設備関係
   いつものように、雑学的な分野で、10問出ているが、殆どは、過去問題からで、難しくはない。

  しかし、「問37」の 分光測色計や「問42」の「施ゆうタイル」と「無ゆうタイル」の別など、新しい単語を入れてくるので、注意。

  給水や排水などは、過去問題から正解はできる。

 *適正化法
   ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問である。
  例年のように、指針から1問、マンション管理適正化法から4問となっている。

 個数と組合せ問題を、5問中3問も作るとは、出題者の異常さを感じる。

 内容は、基本で、難しくはない。



*平成29年 マンション管理士試験 分析

 平成29年11月29日(日)に実施された国家資格:マンション管理士試験の合格点は、50問中 36問以上 の正解であった。
 年々、受験生が減少する傾向で、それでも、13,037人が受け、そのうち 1,168人が合格した。
 合格率 9.0% という大体、例年の 8% と同じ程度の合格率だった。

   合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 また、このサイトを利用している人には、私の 「超解説 区分所有法」 のサイトや 「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 は知っていると思いますが念のため、教えます。

 ご利用ください。


*全体の感想の前に

 ◎出題ミスがまたあった。

 *事前に分かった「問21」 選択肢1 について
  合格者発表(平成30年1月12日)がある前の平成29年12月26日に出題元の 公益財団法人 マンション管理センター から以下の文章が公表 された。

  平成29年12月26日
平成29年度マンション管理士試験における試験問題の誤りについて平成29年11月26日(日)に実施した平成29年度マンション管理士試験において、試験問題の問21に誤りがありました。
問21の試験問題は、誤っているものを一つ選ぶところ、誤っている選択肢が二つあることが判明したため、二つある正答の選択肢をいずれも正解の扱いとすることといたしました。
なお、詳細は、別紙をご参照願います。
受験者の皆様をはじめ関係する方々に多大なご迷惑をおかけいたしましたことについて深くお詫び申し上げますとともに、今後は再発防止に努めてまいります。

 別紙 
問21 の出題 の誤り内容について
平成 29 年度マンショ管理士試験 の問 21 は、 誤りの 肢を選ぶ問題であるが、 選択 肢 1において、 「建築設備等検査員資格者証のうち昇降機交付を受けている者」 とするころ を誤って 「建築設備等検査員資格者証の交付を受けて いる者 」と記述しため 誤り の肢となり、 誤りの 肢が 1及び 4の複数にな った 。


 という内容です。
 この出題元の公益財団法人 マンション管理センターでは、平成24年にも、出題ミスを指摘され、訂正をしています。

 *平成29年では追加の出題ミスもある
   しかし、平成29年では、「問1」 の選択肢4 と  「問30」 の選択肢3  でも出題ミスがある。

  ・マンション管理士試験での「問1」 選択肢4
  「4 一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(この問いにおいて「一部共用部分」という。)があっても、区分所有者全員の利害に関係する一部共用部分の管理のすべてを区分所有者全員で行う場合には、一部の区分所有者のみで構成される3条の団体は存在しない。」
 という、一体、何を言っているのか分からない文章の拙さ。

 ・マンション管理士試験 「問30」 選択肢3
 「3 理事長は、組合員から、理由を付した書面による会計帳簿の閲覧請求があった場合には、これを閲覧させなければならないが、利害関係人からの会計帳簿の閲覧請求については、閲覧させることを要しない。」
 での、利害関係人からも「理由を付した書面」の閲覧請求 が必要という要件を欠いた出題。

 本当に、出題元の公益財団法人 マンション管理センターに対して、出題ミスを認めて公表した、 「問21」 選択肢1を含めて、受験生だけでなく、多くの人にこの試験制度をもっと知ってもらい、正解とする根拠の説明を求めます。

 ◎全体の感想
  平成29年のマンション管理士試験の全体の感想としては、”やや難しい”で合格点は、上位8% なら 35点 と踏んだが、実際は、合格点は 50問中 36問以上 の正解とは、受験生のレベルがかなり上がっているようだ。
 私の所に寄せられるメールなどをみても、このマンション管理士試験に挑戦して、合格まで3年、4年とかかている人も多く、殆どの人が、再、再、再と受験している実態がある。
 そのような、受験生が多いので、本当に、上位 8% 以内に入るのは、常に言っているように、基本テキストだけでなく、雑学的な勉強も必要である。

 資格試験に合格するには、「近道」はない。
 法令にしろ設備にしろ、どうしてそれが規定され、どうしてそのようになっているかから理解すれば、似たような設問でも、正解にたどり着くことを肝に銘じることです。

 ●個数・組合せ問題について

  例年、取り上げる、個数・組合せ問題については、平成29年は、組合せ問題が 「問5」 で1問、 個数問題が、「問6」、「問19」、「問26」、「問28」、「問31」、「問46」、「問48」そして、「問49」と8問出て、個数・組合せ問題としては、合計9問出ている。
 これは昨年は、5問であったから、何と4問も増えている。
 どうして、個数・組合せ問題の数に拘るかというと、それは、4択といいながら、個数・組合せ問題では、正解の確率が悪くなり、また考える時間もかかる為です。
 それが、平成28年でも取り上げた、管理業務主任者試験に合格した人には免除される「問46」から「問50」の5問において3問も出ているとは、完全に出題方法として、適切ではない。それは、免除者が大いに有利となるからです。

 マンション管理士試験の出題者は、今後、個数・組合せ問題を少なくするようにしないといけない。

 ●法などの改正点が重視されている

  法などの改正があると、出題者は、過去問題に捉われずに問題を作れますから、能力のない出題者は、安易な発想ですぐに飛びつきます。
 その典型的な例が、昨年(平成28年)の標準管理規約の改正点からの出題の増加でした。

 平成29年においても、標準管理規約では昨年の改正箇所からの出題が多く、「問26」 「問27」、「問28」、「問31」と4問もありました。
 受験生は、法律や標準管理規約等の改正情報には、注意が必要ですよ。

 *民法・区分所有法など
 
 この分野からは、計18問と例年の流れであった。
  この中では、「問1」の選択肢4の文章では、出題ミスだ。(これについては、上を参照)
  全体としては、私の 「超解説 区分所有法」 を読み、同じく 私の 「過去問題の解説」 をしっかりとやっていれば、特に難しくはない。
  「問10」の団地関係は、軽くみている人も多いようなので、ここで他の人に差をつけること。
  「問11」の「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」も目を通しておくこと。
       この「問11」は、「規約」の引っ掛け問題で、難しかった。
  瑕疵担保責任は、必ず出題があるので、「問15」、完全に理解しておくこと。
  「問19」のマンションの建替の円滑化法からの個数問題は、難しい。
  
 
 *住宅関係法
  
不動産登記法での単独出題はないが、民法区分所有法との組み合わせででた。「問18」。
   「問18」は、超難問だ。
  住宅の品質確保の促進法からは、複合問題で、「問37」選択肢4 がある。

  *都市計画・建築基準法
   
都市計画法は「問20」で、地域地区が出ている。これは、基本。
   建築基準法は「問21」で、選択肢1は、出題ミスだった。これは、難しい。

  *設備関係法
   
水道法の「問22」の貯水槽水道は、もう易しい。
   消防法の「問23」の非常警報器具の設置は難しい。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約からは、9問が出た。
  昨年(平成28年)には、平成28年3月に改正があり、殆どが改正箇所に絡むという出題だったが、平成29年においても、4問がまだ、平成28年の改正箇所からという傾向だ。

  標準管理委託契約書からは、平成25年に続いて、1問(問32)出たが、これも、改正があったから出たようだ。

 *会計
   
「問34」と「問35」で例年のように、2問出ている。
   「問35」の3年間の管理費会計比較収支報告書は、計算に時間がかかるが、正解はできる。

 *修繕・維持など設備関係
   いつものように、雑学的な分野で、11問出ているが、殆どは、過去問題からで、難しくはない。
   しかし、「問37」のマンションの建物の維持保全に関する法令からは、面倒。

 *適正化法
   ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問である。
  例年のように、指針から1問、マンション管理適正化法から4問となっている。
 しかし、「問49」のように、マンション管理適正化推進センターの業務まで出題するとは、もうクレージーな出題方法だ。



*平成28年 マンション管理士試験 分析

 平成28年度の国家資格:マンション管理士試験の合格点は、全50問中 35問以上 であった。受験者数は、13,737人で、合格者は、1,101人、合格率は、8.0% である。
  受験者数などの詳細分析は、別途 申込者・受験者・合格者 を参考にしてください。

*全体の感想
 ・改正点からの出題が多い!
  平成28年の全体の感想としては、平成28年3月に改正があった「標準管理規約」を試験の範囲としたために、その改正箇所からの出題ばかり(全10問中9問)で実に安易な設問であり、この問題作りは、大いに糾弾される内容だ。
 また、マンション管理適正化法に絡んで、指針も改正があり、ここも例年なら1問しか出題が無いのにも関わらず、2問となっている。
この設問も問題作成者の安易な発想で、高額な(多分?)報酬を貰っている問題作成委員としては実に能のない発想で、出題レベルを大いに下げた

 全体としての難易度は、あまり難しくはない。例年程度で、合格点は50問中 36点か 37点になるかと思ったが、実際は、 35点 だった。
 例年、マンション管理士試験の人気が落ち続け、出題者のレベルが落ちているように受験者のレベルも落ちているようだ。

 ・定義付がおかしい
  平成28年の問題用紙では、過去の出題ではなかった裏面を使い、区分所有法とは、マション管理適正化法とは、標準管理規約とは等の定義付を先にしているが、ここで、「管理組合」を、「区分所有法第 3条に規定する区分所有者の団体」をいうとありながら、また、「問2」において、また「区分所有法第3条の団体」が「管理組合」として扱われていないという、矛盾をきたしている。
 まったく、統一がとれていない出題方法で、この出題方法は今後、検討が必要だ。
 
 ・個数・組み合わせ問題

  私がいつも糾弾している出題方法として邪道の、正しいのはいくつあるかという個数問題や組み合わせ問題を出題する方法は、昨年(平成27年)は、3問と減ったが、平成28年では、合計5問も出題されている。
 それも、管理業務主任者試験に合格した人には免除される「問46」から「問50」の5問において3問とはもう出題方法として、追及が必要だ。
 これでは、免除者が大いに有利となり不適切である。

 *民法・区分所有法など
  全部で17問出た。
  「問3」の先取特権のように、区分所有法と民法との混合で考えさせる出題はいい。
  「問9」の法人での保存行為については、論争が必要だ。
  一般的に民法の規定をどこまで勉強しているかで、合否が分かれる。
  「問16」の民法と失火法の出題は、平成19年でもあった。
  建替え円滑化法からも出題があるので、注意が必要。

 *住宅関係法
  不動産登記法は「問18」で単独で出題されているが、瑕疵担保責任や、宅地建物取引業法等からは、平成27年に続いて出題がない。

  *都市計画・建築基準法
   
都市計画法は「問20」で、これは、例年と異なり難しい。
   建築基準法は「問21」で、これは、基本だった。
 
 *設備関係法
   
このところの傾向として、水道法、消防法、警備業法から、各1問づつ、計3問出ている。
   水道法の「問22」の残留塩素の検査は難しい。
   消防法の「問23」の消火器の設置 20m以下は知らなかった。
   警備業法の「問24」は、易しい。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約は、平成28年3月に改正があり、丁度試験の範囲に入り、全部で10問が出たが、そのうち9問が改正箇所に絡むという、余りにも安易な出題方法だった。
 しかも、10問全部が単棟型からで、団地型や複合用途型からは出題が無いというバランスに欠ける異常さについては出題者は反省すべき点だ。

  標準管理委託契約書からは、平成28年も出題がない。というよりは、平成25年に気まぐれ的に出題があったきりだ。

 *会計
   
2問出た。
   会計基準の明確でない出題が改まってきている。
   「問34」の仕訳と「問35」での会計は難しくはない。
   このあたりは、難しくは無かった。

 *修繕・維持など設備関係
   
相変わらず幅広く、調査、診断、大規模修繕、地震、遮音など10問が出ているが、過去問題をやっていれば、目新しい言葉があっても、消去法で解ける。

   しかし、この分野(設備関係)で、他人に差をつける知識を身につけることが、合格の鍵でもある。

 *適正化法
   ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問である。

  例年なら、指針からは1問しか出題が無いが、平成28年では、指針にも改正があり、その影響で、2問出た
 しかも、5問中2問が組み合わせ「問46」と個数問題「問49」とは、正解が難しい。
 これでは、免除者にとって、大きく有利な出題方法で、これは適正さを欠いている。



*平成27年 マンション管理士試験 分析

 平成27年から、今までは、平成13年から各年の出題を表にしていたが、余りにも大きくなるので、平成13年から平成22年までの10年分は、1欄に纏めた。

*全体の感想
  平成27年度のマンション管理士試験の合格点は、全50問中 38問以上 であった。受験者数は、14,092人で、合格者は、1,158人、合格率は、8.2% である。
  受験者数などの詳細分析は、別途 申込者・受験者・合格者 を参考にしてください。

  昨年(平成26年)の合格点が 36問以上であったことと、どうも、毎年、毎年受験者のレベルが落ちている傾向から考えると平成27年のマンション管理士試験問題は、かなり易しかった。
 特に長文もなかったが、私が不適切な出題方法であると指摘している個数問題は3題もでている。今後、個数問題はゼロにすべきである。

  難しいと感じたのは、「問15」の使用貸借、「問21」の都市計画法ぐらい。
  少し難しいと感じたのは、「問2」の法人、「問12」の贈与、「問13」の代理、「問42」の住棟形式程度か。
  「問18」の区分所有法と不動産登記法の出題は、おもしろい。


 *民法・区分所有法など
   民法や区分所有法を中心にした分野からは、19問と例年並みの出題数であった。
   民法や区分所有法単独での出題から、民法+区分所有法、とか民法+xx法のように出題されるので、基本である民法は、過去に出題があった条文だけでなく全体的に勉強をすることが肝心だ。
   当然、区分所有法は全条文を理解することも言うまでもない。

   マンションの建替え等の円滑化に関する法律の「問19」は、法改正があったマンション敷地売却組合からの出題だったが、区分所有法を知っていれば、できた。

 *住宅関係法
   
不動産登記法などは、単独で出題されていない。

 *都市計画・建築基準法
   
都市計画法と建築基準法からは、以前は、3問出ていたが、最近は1問づつとなっている。
   「問20」の建築基準法に関しては、過去問題から解ける。「問21」の都市計画法での地方自治法を絡めるのは、出題として実に不適切だった。
   解説に時間がかかった。

 *設備関係法
   
水道法、消防法、警備業法から、1問づつ、計3問出ている。
   「問22」の水道法の専用水道も絡むと、解説が難しいが、正解は易しい。

 *管理規約・委託契約
   
標準管理規約関係からは、単棟型から6問、後は団地型、複合用途型からも出ているので、団地型、複合用途型にも目を通しておくこと。

 *会計
   
私が例年出張しているのが、徐々に採用されていて、会計基準の明確でない出題が改まってきている。
   「問34」の発生主義と「問35」の税法の2問になっている。
   このあたりは、難しくは無かった。

 *修繕・維持など設備関係
   
調査、診断、防水、遮音など10問出ているが、目新しいのは「問42」の住棟形式だ。でも、過去問題をやっていれば、難しくはない。

   しかし、この分野(設備関係)での余分な知識をつけることが、合格の鍵でもある。

 *適正化法
   ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問であるので、取りこぼしはできない。
   よく、引っ掛け的な出題があるので、条文を適格に読んでおくこと。
   しかし、「問50」のように、マンション管理業者の団体が行う業務は、マンション管理士試験の出題としては、実に不適切な出題だ。
   今後、やめるべき出題だ。
   出題範囲は限定されているので、ここも過去問題を充分にやっておけば、全問正解は近い。


*平成26年 マンション管理士試験 分析

*全体の感想
  平成26年度のマンション管理士試験問題の解説として、全体の感想としては、昨年よりは、少し難しいということだ。
 マンション管理士を目指す人も年々減少しているが、合格圏は、上位7%から8%以内に設定しているため、昨年の50問中38問以上正解が、平成26年では50問中36問以上正解と、2問も下がっている。

 法令においては、過去に出題された内容を、少しばかり捻った方向から出題があったり、法改正があった、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災区分建物再建措置法)(問11)」や「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修法)(問42)」は、出題されると警告したが、ここまで細かな箇所から出題されるとは、思っていなかった。

 時間のかかる面倒な出題もあった。
 「問2」の敷地利用権、「問16」の滞納された管理費の相続、「問31」の決議の人数などは、解説にも時間がかかり面倒な出題だった。

 管理業務主任者試験では、かなり出題のウエイトを占めている「マンション標準管理委託契約書」からは、平成26年でも出題がなかった。

  *民法・区分所有法など
   
民法や区分所有法を組合わせた分野からは、、例年並みの18問が出題されている。
    「問5」の定数や、「問6」の規約事項は少し難しいか。
    「問19」のようにマンションの建替えの円滑化等に関する法律からも、必ず1問は出題されるので、この法律も眼をとおしておくこと。
      
  *住宅関係法
   
瑕疵担保責任が平成25年では出題されなかったが、平成26年では、また戻ってきた。

  *都市計画・建築基準法
   
都市計画法と建築基準法からは、例年のように、1問づつ出ている。
   都市計画法の方(問21)は、条文どおりだったが、建築基準法(問20)は、かなりの難問だった。

  *設備関係法
    
例年のように、水道法(問22)と消防法(問23)、そして、昨年に続いて警備業法(問24)から1問づつ出た。
    水道法の水質検査で「大腸菌の検査」が入っているとか、いないとかまでは知らない。

  *管理規約・委託契約
    
標準管理規約からだけ、9問出ている。 
    
昨年は、気まぐれ的に、標準管理委託契約からも1問出たが、例年のパターンに戻った?
    出題内容としては、「問28」のように、すこしばかり難問もあった。

  *会計
   
比較貸借対照表(問34)と積立保険金(問35)の仕訳を訊いているが、マンションの会計基準が整備されない以上、会計を出題することは、実に不適切だ。
    もう会計の出題は、止めるべきだ。

  *修繕・維持など
   
9問出たが、「問41」の防湿層のように、また過去問題にはなかった新しい用語を出題している。
   多くの出題は過去問題から推察できるが、ここで他の受験者に差をつけるには、もう図書館に通って雑学を身につける必要がある。

  *適正化法
    ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問である。

    多くのマンション管理士試験を受ける人は、管理業務主任者の資格をもっているので、初めてマンション管理士を受ける人は、この5問は全問正解を目指さないと、合格が難しい。
   マンションの管理の適正化に関する指針からの出題は、気まぐれ的に時々出題があるので、これは読んでおくこと。
   マンション管理適正化法からの4問は、もう、私の平成13年からの過去問題解説の「問46」から「問50」までをやっていれば、怖くはない。


*平成25年 マンション管理士試験 分析

*全体の感想
 まず、平成25年のマンション管理士試験問題の解説をして感じたのは、例年より、出題内容が易しいである。

 殆どの設問が条文のままの出題で、これでは解釈上でも判断が分かれるなどの疑問点がない。

 マンション管理の現場での応用問題や、法律の解釈で自己の判断が求められていないために、これでは、私が解説している「超解説 区分所有法」の正論の部分だけで、正解になる。

 ●どうして、マンション管理士試験問題が易しくなったのか!
   この平成25年の出題が、こんなに易しくなったのは、昨年(平成24年)では、不動産登記や刑法での執行猶予の解釈など曖昧な記述も多く、それが出題ミスにも繋がったことを大きく反省した結果のようだ。(参考:下の平成24年の感想)

  また、高度な解釈が求められる出題もなく、昨年のような変な長文もない。

 これでは、例年のように、マンション管理士の合格率を上位 7%〜8% とするなら、50問中40問前後の正解が合格範囲かと思っていたら、発表では 38問以上(合格率 8.2%) で合格している。
 確かに、この人気のないマンション管理士の受験生のレベルが年々下がっていることは否めない。

 *民法・区分所有法など

  民法・区分所有法関係では、例年のように19問でた。
  多くの出題は、そんなに難しい内容ではなかった。
 「問6」の駐車場利用権の分譲も判例が中心で「公序良俗」や「委任」を絡めているが、正解は導きだせると思う。
 「問11」の罰則はやや目新しい切り口で、少し難しかったか。
 「問12」の二重売買契約や「問13」の物上代位も単にマンション管理士・管理業務主任者の勉強をしている人には難しかったか。
これらは、宅地建物取引主任者から流れてきた人には、有利だったかも。
 「問14」の手付けの倍返しや「問30」のシェア・ハウスの出題は、時期を捉えていていい出題だった。

 *住宅関係法
  平成25年では、不動産登記法の1問しか出ておらず、例年の瑕疵担保責任の出題がないのが、気になる。

 *都市計画・建築基準法
  例年のように、都市計画法から1問、建築基準法から1問でたが、条文のままだった。
 
 *設備関係法
 水道法、消防法、そして、警備業法から1問づつ出た。
 消防法、警備業法からは新しい条文からでているので、受験生は戸惑ったようだ。

 *管理規約・委託契約
  管理規約関係で8問、委託契約書からは、1問出た。
  委託契約書からの出題は、平成21年以来だった。

  ここも条文のままで、それほど難しくはない。

 *会計
  平成24年までは、例年2問、訳の分らない出題で、私も度々糾弾してきたが、出題元の 公益財団法人 マンション管理センター も出題の不適切がわかり、とうとう、1問だけの出題に落ち着いたのか? 

  前年の平成24年は、会計での不適切な出題に対して態度を改めたようで、税がでたが、これも悪問であったことを反省して、平成25年では税関係は出題がない。
 
 *修繕・維持など
  例年のように10問でた。多くは、過去問題の焼き直しでている。
 しかし、「問41」のバットレスのように、ところ、どころに新しい言葉を入れてくるので、相変わらず雑学が必要とされるのは、変わりない。

 *適正化法
  ここは、管理業務主任者試験の合格者には免除される5問である。

  指針からは平成20年を最後に出ていなかったが、平成25年では1問久しぶりに出た。
 後の4問も条文の通りで、昨年のような、もめる内容はない。


*平成24年マンション管理士 試験問題分析

*全体の感想
  私も平成13年からの、マンション管理士・管理業務主任者試験の解説をやってきているが、今年(平成24年)のマンション管理士試験では、平成23年でも指摘した以上に、出題文の曖昧さが目立つ。
  出題委員のレベルが下がったようで、「問16」の管理組合を区分所有者全員と捉える強引さ、「問28」での専有部分への立ち入りなどの判断の明確でないものなどの出題では、もう解説が嫌になるような文章が多い。

 ◎出題ミスがあった!
  その試験委員の程度が下がったことのいい例が、「問24」の出題ミスである。
 通常、正解肢は、1つしかないところを、「又は」と「及び」と法律を学ぶ人間なら、入門編として学ぶ言葉を間違えて出題してしまい、2つの正解肢にしてしまった。
 これは、国家資格であるマンション管理士試験を請け負っている、財団法人 マンション管理センター としては、単純なお詫び文:

 ※問24については、3又は4のいずれも正解として取り扱うこととしました。複数解となる問題がありましたことをお詫び申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります。

 だけで済ませているが、ここは、もっと顛末を説明する責任がある。
 実に、財団法人 マンション管理センターの対応は、傲慢であり、許されない。

 ◎出題文が長すぎる!
 「問3」では、1ページを使い、また登場人物も多い出題があった。
  大体、マンション管理士なり管理業務主任者試験では、試験時間は、2時間と限られていることを考えると、例年より受験生に負担をかける長文の出題は、不適切だ。

 ◎会計での出題傾向が変わった!?
 例年、会計からは、2問が出題され、うち1問は、仕訳で、もう1問は比較貸借対照表などが出ていたが、今年(平成24年)は、1問は、例年の仕訳だったが、もう1問は税法になった。
 これも例年指摘してきたが、マンションでの会計・経理の処理については、明確な基準がなく、多くは管理業務を受託している、管理業者のパソコンの会計ソフトで処理をしているため、比較貸借対照表だけでなく、勘定科目の採用も業者によって異なっているのが現状である。
 そこで、出題方法を変更したのはいいが、どこまで、マンション管理の実態を知っているかは、今後の出題が楽しみだ。

 ◎合格率が上がっている!
  例年マンション管理士の合格率は、傾向として受験生の上位 7〜8% に設定していると見ていたが、昨年(平成23年)では、9.3% で、今年(平成24年)は、9.1% と、過去より、合格率が上がってきている。
 この傾向は続くのか?
 しかし、マンション管理士の資格をとっても、食えない資格であり、マンション管理士の数だけを増やしても意味がないが。

  *民法・区分所有法など
   
全体で、19問 と例年の通り、一番多い出題数であった。
   「問1」 の法律上当然は、区分所有法での専有部分や共用部分の区分けが、法律上当然ではないので、もう出題を止めたかと思っていたら、久しぶりに出た。
   「問3」の長文の出題は不適切だ。
   「問6」の管理所有はもう出題を止めるべきだ。
   「問16」の民法第717条の工作物責任において、区分所有法でも民法でも定義のない、管理組合を直ちに区分所有者の全員と結びつける出題は、間違いだ。

  *住宅関係法
   
不動産登記法と瑕疵担保責任が出たが、不動産登記法の所有権保存登記は新しい。  

  *都市計画・建築基準法
   
例年のように2問出たが、都市計画法は引掛け問題だった。

  *設備関係法
   
ここは、水道法と消防法が1問ずつでたが、消防法は正解理由が分からない。酷い出題だ。

  *管理規約・委託契約
   
合計7問出たが、管理業務主任者試験と違って、標準管理委託契約書からはでていないのは、特筆ものだ。

  *会計
   
例年のように2問でたが、平成24年からは、全体の感想でも述べたが、1問は税になったのは、今後対応が変わるかも。

  *修繕・維持など
   
例年のように、11問でた。「問45」のバイオメトリクス錠とは、新しい。
   本当に、この分野の知識は、参考書がないので、雑学が必要。図書館で、様々な本を読むより、対応策はない。

  *適正化法
   例年の通り、5問でたが、「問47」の選択肢「3 マンション管理士は、マンション管理士の職責に反し、又は職責の遂行に著しく悪影響を及ぼすような行為で、マンション管理士としての職業倫理に反するような行為等、マンション管理士の資格やその業務に対する社会的信用や評価を損なうような行為をしてはならない。」を適正と判断するのは、もう、酷過ぎる出題だ。
    また、「問49」の「マンション管理適正化推進センターが行う業務」は、マンション管理士にとって、関係がない出題で、これも適切でない。


*平成23年マンション管理士 試験分析

*全体の感想
 マンション管理士試験も、平成13年から始まり、平成23年で11年目を迎えたわけだ。
 そこで、過去の出題傾向からみると、平成23年は、出題方法をかなり以前より変更してきたが、全体として出題の文章が下手である。 
 出題にあたっての条件の付け方がまずい。特に「問25」での「区分所有法によれば」では、正解が導かれない。

 また、「委任状」の出題が例年みられるようになったが、マンションの管理組合の総会(集会)においては、標準管理規約では代理人の扱いを限定していること。また、議決権行使書があまり用いられていない現実や、委任状の扱い方についての明確なルールも無いのに、正誤を求めている出題を出すのは適切でない。
今年も「問29」での出題が、資格受験校でも正誤が分かれて、議論を呼んでいる。

 難易度での全体の印象としては、例年よりやや易しいと感じたが、合格点は、例年のように36点(50問中)であったのは、かなりマンション管理士の受験生のレベルが落ちてきているようだ。

 平成23年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の影響は、マンション管理士試験でも、「問7」「問10」、そして、「問25」などに反映された。
 節電の「問40」も、この震災関係からだ。

  *民法・区分所有法など
    全体で19問とほぼ例年のとおりであった。民法、区分所有法での単独の出題でなく、「民法+区分所有法によれば」の複合で出題されるので、注意のこと。

    「問3」の「相隣関係」の出題は、区分所有法での管理者の権限と民法での扱いがまだ明確でない現在では、出題として実に不適切であった。

    また、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」からの出題の「問19」は、定義文である「区分所有権等」が、同法第45条にあるという、通常の法令の例外箇所からの、正誤を求めていて、これまた、出題としては、不適切極まりない!

  *住宅関係法
    不動産登記法から1問出ているが、ここは、管理業務主任者試験では、瑕疵担保とアフターサービスや宅地建物取引業法などかなりの出題があるのと比較して、1問とは少なくて特異である。

  *都市計画・建築基準法
    ここは、例年のように、都市計画法「問21」と建築基準法{問20」共に1問づつで、内容としても、過去問題と変わりはなかった。

  *設備関係法
    水道法「問22」、と消防法「問23」が出ている。水道法の方は、比較的推定が可能であったが、消防法の方はしっかりと覚えていないと出来なかったようだ。

  *管理規約・委託契約
    管理規約からは、単棟型を中心に、複合型も含めて8問出ているが、標準管理委託契約の方からは出題がないのが、管理業務主任者試験と異なっている点だ。

    出題の内容としては、それほど難しくはなかった。

  *会計
    2問の出題は例年のとおりで、内容としても、それほど難しくはない。

  *修繕・維持など
    構造やコンクリートなどは過去問題の流れにあるが、「問44」の雨水の排水設備にみられるように、ここからは、必ず新しいものが出題されるので、受験生は、図書館などで、雑学的に知識を増やしておかないと、上位の7から8%に入れない。

  *適正化法
    例年のとおり、5問の出題だけど、かなり捻った出題で、条文をしっかりと理解していないと、全問の正解は難しい。


*平成22年 分析

*全体の感想
  平成22年のマンション管理士試験の全体的な感想としては、過去と比較して、易しかった。
  平成21年では合格点が34点以上で合格率が、7.6%であったのが、平成22年では、合格点が37点と3点も上がっていても、合格率は8.6%となっていることからも分かる。

  専門的な分野からの訳の分からない部分からの出題がない。ただ、出題の範囲が広く、過去問題を中心に構成されている基本書だけでは、他の人に差がつかない。雑学的に、関係の箇所を多く読んでおくことが必要だ。

 管理業務主任者試験と比較すると、何個あるかときく、個数問題が1問と少ない。

 ◎民法・区分所有法関係
 基本的に民法と区分所有法からの出題方法には変わりはない。
 この分野だけで、全体の出題数の40%近く(39.0%)を占めている。まず、受験生は基本として、民法と区分所有法は押さえておくこと。
 マンションの建替えの円滑化法からも、毎年1問はでるので、この法律にも注意のこと。

 不動産登記法からも1問は出題があるので、この法令にも目をとおしておくこと。

 都市計画法と建築基準法からは、過去、都市計画法は1問、建築基準法からは2問ずつ出ていたが、平成22年では、都市計画法からの1問は、変わりないが、建築基準法からは、1問ととなり、各種の選択肢で1つと、建築基準法の扱いレベルが落ちている。

◎設備法令関係
  ここの、水道法と消防法は、共に過去問題をやっていれば、なんとか正解ができる。

◎管理規約・業務委託契約書関係
 マンション管理士試験では、管理規約からだけの出題で、業務委託契約書からは、出題がない。
 ここらが、管理業務主任者試験では、かなり業務委託契約書からの出題がある点で明確な、棲み分けとなっている。

◎会計
 平成22年の会計の2つの出題は、例年と比較して面倒ではなかった。

◎修繕・維持など
 コンクリートや外壁の調査などは、過去問題をやっていれば、答えは簡単だった。
 しかし、マンションの供給方式「問40」は、目新しかったが、まあまあ回答が出来る範囲だ。
 「問41」の長寿社会対応は、細かすぎて、適切な出題でない。
 給水や消防設備もどうにか解答できるか。

◎適正化法
 指針からは、出題がない。
 平成22年のマンション管理士・管理業務主任者試験での特筆すべきは、例年なら、その年の4月1日施行の法令から出題されるのが、5月1日に変更されたことだ。
 これにより、管理業者の財産と管理組合の財産を分別する方式を規定した、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条関係が出題の範囲になり、「問50」で出題されたが、これは、私が、何度も注意していたので、問題なく正解ができたと思う。

 他の出題範囲は、もう、過去9年でもあちらこちらで出題された分野で、私の「平成13年〜平成21年までの過去問題解説」で勉強した人は、簡単に解答出来たでしょう。


* 平成21年のマンション管理士試験の内容分析

 ●全体の感想
     資格校での合格予想点は、36、37点などがあり、全体としては易しいと思われていたのが、正式の発表では、合格点は34点と低くなっていた。
     私の感覚でも、まあ昨年並みの、36、37点のレベルととらえていた。
     しかし、合格点は34点と低く、今までの受験者よりも、平成21年は受験生のレベルが下がったのか、資格校の予想が狂ったのか、このあたりは定かではないが、受験生も毎年減少している状況を、国土交通省とその天下り先機関のマンション管理センターはどう捉えているのか。
     私の判断では、とっても食えない資格「マンション管理士」の人気がなくなり、受験生のレベレが下がったとみます。
     このままでは、マンション管理士の将来像が見えてこない。

   ○法令系
    基本の区分所有法と民法からの出題傾向は変わらないが、民事再生法を絡めた出題(問16)は、難しかった。
    管理業務主任者試験ではよく出ている、宅地建物取引業法と瑕疵担保とアフターサービース絡みの出題は、昨年(平成20年)に続いてない。
    都市計画法の1問と建築基準法からの2問の出題は変わっていない。
    下水道法や消防法からも各1問も変わっていない。

   ○管理規約・委託契約
     出題数はあまり変わりはないが、使用細則などで「禁煙」を問う(問27)のは、どうかと思う。

   ○会計
    珍問・奇問としか言いようがない出題傾向になってきている。
    マンションの管理組合での会計基準には明確なものがないのに、「正味財産」の増減や資金の範囲まで絡めた出題は、会計や税理など他の専門家からも弾劾されてしかるべきだ。

   ○修繕・維持
    どうやら、出題傾向としては、落ち着いてきているようだ。
    新しい技術の勉強も入っていて、出題としては前向きで評価は出来あるが、この分野に対応した参考書がないので、受験生としては困るけど。
    設備の部分は、管理業務主任者試験でもでているので、ここは、マンション管理士試験の過去問題だけでなく管理業務主任者試験の過去問題もやっておくこと。

   ○適正化
    ここは、過去問題の繰り返しになっているので、受験生は5問全問ともとりたいところ。


*平成20年のマンション管理士試験の内容について

 ●法令について
  過去の出題とかなり出題傾向が変わった。出題の担当者が変わったのか。
  法科大学院的な出題から、実務的な条文を知っていれば答えができそうである。

 ●過去問からの出題が多い。
  マンション管理士試験も平成13年から始まり、今まではいつも目新しい出題で戸惑ったが、今回は戸惑うのは、利息制限法ぐらいである。
  私のホームページで過去問をしっかりやった人達には、法令は易しく感じたと思う。

 ●区分所有法からの出題
   大分、出題のネタがなくなったようで、今まで出題されていない、あまり重要でない条項からの出題が多い。
   私の、区分所有法解説をみるとよく分かる。過去未記入の部分が、H20年と新しく入っている。

 ●宅地建物取引業からの出題が、このところない。

 ●瑕疵担保責任も出題がない。
   これらは、管理業務主任者試験では、必須といっていいほど出題があるが、マンション管理士試験では、出題がない。
  傾向としては、際立っている。

 ●会計
  相変わらず、奇問・珍問だ。「正しく決算を行えば」なんて設問でいうか。
  正しくない会計なんて管理組合であるのか!

 ●設備関係
  ここは、多くが過去問からも出ているが、基本的に参考書がなくて勉強ができない部分からの出題が多い。
  参考書がないということは、他の受験生も出来ないってことと割り切ること。
  でも、ここの1問、2問で正解が出せるか、どうかが合格の分かれ目になるけど。

 ●修繕・維持関係
  ここが、例年20%近くの出題があることも注意のこと。
  建築関係の参考書を、図書館で読みあさるより、対策はない。


*平成19年度 分析   
  ・区分所有法での、定義は例年より、易しい。   
  ・不法行為は、例年のとおり。   
  ・失火に関する法律は、初めて   
  ・不動産登記法からは、単独で出題あり。   
  ・「問27」の白紙委任状は、出題として、不適当だ。   
  ・標準管理規約は、団地型から、初めて「複合型」の出題となった。   
  ・標準管理委託契約からは、出題がない。管理業務主任者試験と住み分けをしたのか。   
  ・今まで出ていた、「水道法」からの出題がない。   
  ・事例が増えている。勉強と実例で判断を求められている。   
  ・「建替え円滑化法」からは、権利変換がでた。細かい。   
  ・会計は、仕訳のできることが前提だけど、収支報告書の体裁も実物を知っていないとできない。難しい。   
  ・設備の出題数は、過去と同じ。しかし、過去問題からできるのもあるが、知らないものは多い。   
  ・設備の法令は、過去問題から。   
  ・警備業法は、再度。   
  ・修理・維持関係は、石綿など、毎年新しい分野から追加出題されている。まだ、この分野をカバーする、参考書はない?   
  ・「マンションの管理の適正化指針」は、途絶えていたが、また、出題された。


*平成13年から平成18年をまとめて分析

*平成13年から平成18年までは、私もあまり、「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」というホームページの作成に精をだしていないので、まとめて分析をする。

過去6年間の傾向としては、当然のことながら、単独での区分所有法が約19%を占めていて、1位であるが、民法と区分所有法とを組み合わせた、複合問題もかなり増えている。   
単独での民法も、2、3問はでている。   
傾向としては、他の不動産登記法などとの複合問題が増加していくようだ。
  
 ・不動産登記法は単独での出題がなくなって、複合問題になっている。   
 ・宅地建物取引業法
は平成14年から、出題されていない。   
 ・都市計画法
は1問、建築基準法は2問とこれは毎年出題されているので、必ず押さえておくこと。   
 ・水道法
消防法も出題傾向は高い。一度は眼をとおしておく法律だ。   
 ・管理規約
は、内容としても比較分かりやすいので、勉強は楽だろう。   コメントまで読んでおくこと。   
 ・会計(仕訳)も、2問でているので、発生主義での未収金など、今後も実務でも重要視される項目だ。   しかし、勘定科目の設定などで解説書も説明が充分でないの勉強がしづらい。   
 ・修繕や維持、設備
は劣化を中心に幅広く勉強が必要だけど、適当な参考書がない。   
  コンクリート関係、建材関係を建築の参考書を基本に勉強するといい。   それでも、カバーできない出題もあるが、じっくりと問題を読めば、おかしな記述はわかることも多い。   
 ・マンションの管理の適正化指針
からは、毎年1問、マンション管理適正化法からは、毎年4問、出題されていたが、最近は「指針」の方は出題の種が切れたようで、「適正化法」から5問になっている。    この5問は、管理業務主任者試験との関係で決まりである。   ここは、難しくないので、5問満点は取りたい分野である。   
  


2.管理業務主任者試験 出題分析編

◎平成13年から平成30年までの、管理業務主任者試験で、出題されている法律・分野を纏めると以下のようになる。

  平成27年から、今までは、平成13年から各年の出題を表にしていたが、余りにも大きくなるので、平成13年から平成22年までの10年分は、1欄に纏めた。
 表を見ると、マンション管理士・管理業務主任者試験での、出題分野の広さがわかる。

 また、設備関係では常に新しい分野からの出題があり、過去問題からでは、合格点がカバーできないこともよく分かる。
 他の受験生に差をつけ、合格するためには、自分の不得意な分野を無くし、1点でも多くの正解を出すことです。

区分 分野 年度(平成) 合計 出題率 順位
13年から22年まで 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年
民法・区分法 民法 52 9 9 2 6 5 4 6 9 102 11.39% 2位
区分所有法 54 5 2 2 5 4 5 5   82 9.1% 3位
民法+区分法(判例) 16 1 3 5 4 5 2 3 3 42 4.7%  
民法+不登法 1                 1 0.1%  
区分所有法+不登法 1                 1 0.1%  
マンションの建替の円滑化法 4   1     1   1   7 0.8%  
民法+借地借家法 1   1     2 1   1 6 0.7%  
民法+被災区分所有再建 1                 1 0.1%  
民法+区分法+借地借家法 1 1   1           3 0.3%  
民法+区分所有法+一般財団 1     1           2 0.1%  
民法+区分所有法+破産法 1                 1 0.1%  
民法+民事訴訟法 1   1     1 2     5 0.6%  
小計 134 16 17 11 15 18 14 15 13 253 28.1%  
住宅関係法 不動産登記法 2 1   1     1   1 6 0.7%  
宅地建物取引業法 11 1 1 1 1 1 2 1 1 20 2.2%  
瑕疵担保責任とアフターサービス 16   2 1 1 1   1 23 2.6%  
住宅の品質確保の促進法 9       1   1   12 1.3%  
建築物の耐震改修の促進に関する法律 2 1     1         4 0.4%  
消費者契約法 2 1     1   1   1 6 0.7%  
個人情報の保護に関する法律 3     1   1     1 6 0.7%  
エネルギーの使用の合理化に関する法律 1         1       2 0.2%  
借地借家法 5 1     1     1   8 0.9%  
高齢者、障害者の移動円滑化法 1               1 2 0.1%  
他:消費生活             1     1 0.1%  
長期優良住宅の普及促進法               1   1 0.1%  
地震保険法               1   0.1%  
小計 52 5 3 4 6 4 6 6 6 92 10.2%
都市・建築 都市計画法 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.0%  
建築基準法 37 4 3 3 3 5 4 3 2 64 7.1% 4位
小計 37 4 3 3 3 5 4 3 2 64 7.4%  
設備関係法 浄化槽法・浄化槽 2                 2 0.2%  
水道法・貯水槽 3           1   1 5 0.6%  
消防法 7   1 2     2   1 13 1.4%  
消防法+建築基準法 0     1 1 1       3 0.3%
消防法+警備業法+自動車の保管場所の確保法+動物愛護法 1   1       1     3 0.3.%  
新バリアフリー+動物愛護+自動車+消防 1                 1 0.1%  
警備+新バリア+住生活+自動車 0     1         1 2  0.2%  
小計 14 0 2 4 1 1 4 0 3 29 3.2%  
管理規約・委託契約など マンション標準管理規約(単棟型) 60 5 5 7 4 4 7 4 8 104 11.6% 1位
区分所有法+標準管理規約 10   1 4 3 1 1 1   21 2.3%  
マンション標準管理規約(団地型) 1         1   1   3 0.3%  
訴訟(民亊訴訟法も) 6 1           1   8 0.9%  
マンション標準管理委託契約書 34 4 3 5 3 3 3 4 3 60 6.9%  
滞納 2                 2 0.2%  
委任状 1                 1 0.1%  
小計 114 10 9 16 10 9 11 11 11 201 22.4%  
会計 会計 7                 7 0.8%  
滞納 1               1 2 0.2%  
税務(税法・消費税法) 9 1 1   1 1 1 1 1 16 1.8%  
仕訳 15 2 2 2 2 2 2 2 2 31 3.4%  
小計 32 3 3 2 3 3 3 3 4 56 6.2%  
修繕・維持など設備関係 長期修繕計画 2 1     1         4 0.4%  
建物構造 2 1               3 0.3%  
排水・トラップ・浄化槽 4 1   1 1   1 2   10 1.1%  
昇降機(エレベーター) 5 1       1       7 0.8%  
設備・給水・給湯 7   2 1 1 3     1 15 1.7%  
維持保全・予防 1             1   2 0.2%  
劣化診断・外壁診断・調査 6 1               7 0.8%  
改修工事・防水工事           1   1 5 0.6%  
修繕工事・大規模修繕工事 2                 2 0.2%  
遮音・断熱・熱環境 1     1 1     1   4 0.4%  
コンクリート 8   2 1 1     1 2 15 1.7%  
給湯設備 2                 2 0.2%  
シックハウス対策 2                 2 0.2%  
仕上げ材 1   1             2 0.2%  
建築材料 1                 1 0.1%  
耐震・構造 5   1         1 1 8 0.9%  
避雷設備 2                 2 0.2%  
換気・結露 2   1             3 0.3%  
ガス設備 1                 1 0.1%  
配管 1                 1 0.1%  
スプリンクラー 1                 1 0.1%  
駐車場設備 1                 1 0.1%  
防犯・ルクス・LED 0       1     1   2 0.2%  
省エネルギー 0 1 1             2 0.2%  
石綿(アスベスト) 1                 1 0.1%  
ディスポーザー 1                 1 0.1%  
テレビ受信 1                 1 0.1%  
窓サッシ 1           1     2 0.2%  
分電盤・電力・電気 2     1   1     1 5 0.6%  
外壁塗材料 1               1 0.1%  
ガラス 0       1         1 0.1%
小計 66 7 8 5 7 5 3 7 6 114 12.7%  
適正化 マンションの管理の適正化指針 10 1 1 1 1 1 1 1 0 17 1.9%  
マンション管理適正化法 40 4 4 4 4 4 4 4 5 73 8.1% 5位
違反行為に対する監督処分の基準 1   0     0       1 0.1%  
小計 51 5 5 5 5 5 5 5 5 91 10.1%  
                           
合計 500 50 50 50 50 50 50 50 50 900 100%  
合格最低   35 37 32 35 34 35  36 33 35    
合格率 20.7% 21.9% 22.5% 21.0% 23.8% 22.5% 21.7% 21.7% 27.2%    

*平成13年から平成30年までの管理業務主任者試験の出題分野をまとめてグラフにすると以下のようになる。



*平成30年(2018年)度 管理業務主任者試験 出題分野の分析

 
 平成30年(2018年)12月 2日(日)に、前週のマンション管理士試験に続き、日本各地で実施された国家資格:管理業務主任者試験は、16,249人 が受験し、そのうち 3,531 が受かった。
 合格率は、 21.7% という、例年の合格率 20% 前後の範囲内だった。

 例年のように、50問の出題があり、そのうち 33問 以上の正解で合格となった。 

  参考:平成30年 司法試験 受験者数 5,238人 総合合格者数 1,525人 総合合格率 29.1%
     平成30年 宅地建物取引主任士試験 受験者数 213,993人 合格者数 33,360人 合格点 37問/50問 合格率 15.5%
    平成30年 マンション管理士試験 受験者数 12、389人 合格者数 975人 合格点 38問/50問 合格率 7.9%

 参考: マンション管理業協会の発表  http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/shiken_h30/pdf/pr0118.pdf

   合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 また、このサイトを利用している人には、私の 「超解説 区分所有法」 のサイトや 「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 は知っていると思いますが念のため、教えます。

 ご利用ください。

◎またまた、出題ミスがあった!
 「問50」の選択肢ウ について、出題ミスがあり、平成31年1月18日:出題元の マンション管理業協会 からの陳謝文です。
 *問 50 のウについては、正しいとも誤りともとれる余地があるため、1及び2のいずれも正解として取り扱うことといたしました。
受験者の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります。

 ※ 合否、試験問題及び正解の根拠等に関するお問い合わせには答えできまん。

 ですって。まったく、この文では、過去も度々出題ミスを犯している、マンション管理業協会が、本当に反省しているとは、思えないけど。

 また、良くある、官僚的な表だけの謝罪文で、憤慨します。

 ●出題を請け負っている、マンション管理業協会は、平成17年 、平成24年平成25年 さらに平成26年にも出題ミスがあり、平成30年も出題ミスを犯した。
こんな信頼のできない団体に、国家資格の出題を任せていいのだろうか。

*全体の感想
  試験全体としては、「超 難しい!」だった。
  単に過去問題を解いていては、正解に結びつかない、「問16」消費税の特定期間の給与支払額の扱い、「問17」日影規制、
「問18」の塀の高さ2.2m以下、「問24」の住生活基本法、「問25」バリヤーフリーの回り階段など、新しい分野からの出題が実に多い。
 標準管理規約にしても、「問37」の外部専門家の活用などもしっかりと、コメントも全文を読んでいないと、正解にはたどり着けない。

 最近の管理業務主任者の問題は、試験のレベルとしては、マンション管理士よりも難しい。合格率が約20%と大きい為、50問中 33問の正解で合格できているが、マンション管理士試験に合格(合格率 約8%)しても、こちらの管理業務主任者の試験は不合格となる人もでているようだ。

 それにしても、ここまで難しい問題が、管理業務主任者の試験において求められているとは、到底思えない。
 試験出題委員の中には、いつも強硬な意見を持つ人がいて、細部からの出題をしているようだが、ここは、出題元の管理業協会として、もっと柔軟な態度で望むべきだ。
 難問を出しても、殆どの受験生が正解できない出題では、プリントしている試験用紙の無駄だ。
 今後の出題方針での猛省を促したい。

 ◎個数・組合せ問題について
  どうして、例年、個数問題と組合せ問題を取り上げているかというと、これらは、出題 1問 といいながら、1問での 4肢 選択での 正解率 25% よりも正解率が悪くなるため、出題方法としては、実に不適切な方法だからです。

 そこで、平成30年の管理業務主任者試験では、個数問題は、「問7」、「問38」、「問48」、「問50」の4問、組合せ問題は、「問10」、「問33」、「問34」、「問39」、「問43」の5問、合計で9問もある。
 平成29年では、個数問題と組合せ問題の合計は、5問であったのに比べて、4問も増加している。

 このような、出題形式が正解率を低くしていることを、出題元の管理業協会は、反省すべきだ。もっと、素直な出題にして受験生に十分に考える時間を与えるべきだ。 

*民法・区分所有法
  民法・区分所有法からの出題は、平成30年は13問と、例年よりも減少している。
 民法の委任、代理、転貸、時効などは、判例もからむので、きっちりと勉強しておくこと。

*住宅関係法
  
不動産登記法などの住宅関係からは、平成28年、平成29年と同じく、6問出た。

  「問41」の消費者契約法での個人と法人や、「問43」の個人情報保護法の定義などは、基本として読んでおくこと。
  「問40」の瑕疵担保責任は、民法が2020年4月施行で改正もあるので、注意の事。
  宅地建物取引業法からは、例年のように、「問45」で、重要事項の説明が出た。

 *都市計画法・建築基準法
  
過去の出題傾向からみると、マンション管理士試験では出ている都市計画法からの出題は、管理業務主任者試験では、出題の対象外にしたと言える。

 建築基準法から、2問が出ているが、「問17」の日影規制といい、「問18」の塀の高さと言い、難しい。

 *設備関係法
  水道法の「問21」のパスカルまでは、分からない。難しい。
  消防法からの「問23」も省令からでは、難しい。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約関係から、単棟型からだけ8問、標準管理委託契約からは、3問出ている。

  基本的な出題で、コメントまで読んでいれば、難しくはない。

 *会計
  
例年のように、仕訳が2問、税務が1問そして、滞納関係の4問が出ている。
  仕訳は、発生主義がわかれば、難しくはないが、問題文を読みこむのに時間がかかる。

  消費税の「問16」はの特定期間での給与等支払額の扱いは、難しい。

 *修繕・維持など設備関係
  この分野からは、6問が出た。
  過去問題をやっていれば、とれたか。

 *適正化法
  ここは、もう、5問出題と決まっている。
  それは、「問46」から「問50」の5問は、マンション管理士試験に受かっている人には免除されことになっているからだ。

  5問の内の1問は、例年指針からの出題となっていたが、平成30年は、出なかった。指針は、ほぼ常識だから省かれたのか。
  「問48」と「問50」で個数問題とするやり方は、実に不適切な出題方法だ。
  この適正化法では、私の 「過去問題の解説を」 をしっかり勉強して、最低4問の正解は、欲しい。



◎平成29年の管理業務主任者試験問題分析


*全体の感想
  平成29年12月3日(日)に実施された国家資格:管理業務主任者試験の合格点は、50問中 36問 以上 の正解だった。
  同年の受験者数は、 16,950人 で 合格者数は、 3,679人 。合格率は、21.7% と目標となっているらしい合格率 20% に近い。

 合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 昨年(平成28年)よりも、やや易しい印象だ。 昨年の合格点が 50問中 35問 以上 の正解 だったので、今年(平成29年)の 合格点は、50問中 36問 以上 の正解は、妥当なところか。

 しかし、相変わらずマニアックな出題がある。
 「問22」の「2 敷地雨水管の流速は、毎秒2m以上になるように設計する。」 とか、「問23」の(3) 「建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準(JISA3302)」によれば、「共同住宅」と「住宅」の算定基準は異なる。」
 などは、もう完全に管理業務主任者として求められている知識を大きく離れた出題で、実に不適切である。
 出題委員に猛省を促したい。
 
  ◎個数・組合せ問題について

   これも、例年取り上げている、個数問題は、平成29年では、「問13」、「問28」、と「問46」の3問。
   組合せ問題は、「問39」、「問43」の計2問。
   平成28年が、計8問と異常な出題方法であったので、糾弾したが、その結果か、平成29年では、5問に減ったのは、一応評価するが、「問43」のまったく新しい分野「地震保険に関する法律」からの出題で、これを、正解率の低くなる、組合せ問題として出題する姿勢は、まだまだ不適切と指摘したい。

  *民法・区分所有法
  民法・区分所有法からの出題は、平成29年は15問と、例年の傾向値である。
 基本的な出題であるが、「問2」の「不法行為」、「問3」の「虚偽表示」などは抑えておくこと。

  このサイトを利用している人には、私の 「超解説 区分所有法」 のサイトや 「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」 は知っていると思いますが念のため、教えます。

 ご利用ください。

 *住宅関係法
  
住宅関係からは、平成28年と同じく、6問出た。
 このうち、「問25」の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」からの出題は、注目しておく必要がありそうだ。
 「問43」の「地震保険に関する法律」からの出題は、本当に、管理業務主任者試験が雑学を必要とすることを教えている。
  不動産登記法からは、出題がない。
  借地借家法からは「問44」で、定期建物賃貸借契約が出ている。
  宅地建物取引業法からは、「問45」で、改正点の「宅地建物業者であれば、重要事項の説明」の対象外が出ている。 ここは、改正を知らないと、正解ができない。
  瑕疵担保責任は、例年のように「問41」で出たが、アフターサービスはこのところ出題がない。

 *都市計画法・建築基準法
  
建築基準法から、単独で3問出ている。他に「問23」で複合問題の「浄化槽」で出ている。
 建築物の階数、居室等は基本だけど、「問19」の「構造部分」で、鉄骨造の規定が準用されるは、余りにも詳細部からの出題で適切ではない。
 
 なお、過去の出題傾向からみると、マンション管理士試験では出ている都市計画法からの出題は、管理業務主任者試験では、出題の対象外にしたと言える。

 *設備関係法
  水道法や消防法からの出題はないが、一応、過去問題から、出題傾向は、捉えておくこと。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約関係から、6問、標準管理委託契約からが、4問出ている。
  基本的な出題で、難しくはない。

 *会計
  
例年のように、仕訳が2問、税務が1問出た。
  仕訳は、発生主義がわかれば、難しくはない。

  税務「問16」も過去問題をやっていれば、易しい。

 *修繕・維持など設備関係
  この分野からは、7問が出ている。
  「地震」「音」、「LED]など本当に雑学の分野で、勉強が難しい。

 しかし、「問22」の「2 敷地雨水管の流速は、毎秒2m以上になるように設計する」とか、「問23」の「3 「建築物の用途別による屎尿浄化槽の処理対象人員算定基準(JISA3302)」によれば、「共同住宅」と「住宅」の算定基準は異なる」なんて、管理業務主任者試験で必要とされていない。
 実に不適切な、出題委員です。

 *適正化法
  ここは、もう、5問出題と決まっている。
  それは、問46」から「問50」の5問は、マンション管理士試験に受かっている人には免除されことになっているからだ。

  5問の内の1問は、指針からも例年のとうり。
  「問46」での、個数問題としての、出題は、不適切。
  この適正化法では、私の 「過去問題の解説を」 をしっかり勉強して、最低4問の正解は、欲しい。


◎平成28年の管理業務主任者試験問題分析

*全体の感想
  平成28年度の国家資格:管理業務主任者試験の合格点は、50問中 35問 以上 の正解だった。
  同年の受験者数は、 16,952人 で 合格者数は、 3,816人 で 合格率は、22.5% だった。
  合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

 ちなみに、ごの合格点 35点 以上は、 平成28年の マンション管理士、管理業務主任者そして、宅地建物取引士と同じような不動産関係3資格において、奇しくも同じ点数となっている。

 *難しい!
  実際にやってみると、民法や区分所有法、規約等は例年の出題レベルだったが、「問20」の防水技能士、「問21」から「問25」にいたる水質基準に関する省令、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針、住宅性能表示制度、長期使用製品安全点検制度など、過去問題にはない分野からの出題があり、一体どこのテキストに載っているのか不明で、解説においても実に時間がかかった。

 そこで、平成28年の管理業務主任者試験の合格点は、34問以上 の正解かと推定していたが、それが、 35問以上 であったことは、管理業務主任者試験の受験者は、難問以外では、確実に得点ができたようだ。

  ◎個数問題について
  正しいものはいくつあるかときく個数問題や組み合せ問題は、出題数が50問と言いながら、その出題において、通常の4択なら 正答の確率は、25% であるが、大きく正確度が落ちるため、出題方法として、適切でないと糾弾している。
 平成28年の管理業務主任者試験においては、個数問題が2問、そして組み合わせ(穴埋め)問題が6問と合計8問も出ている。
 平成27年においては、合計で3問であったのが、ここにきてまた8問も出題するとは、出題元の「一般財団法人 マンション管理業協会」は、反省が足りない。
この出題態度は、厳しく糾弾する。
 
  *民法・区分所有法
  民法・区分所有法からの出題は、平成27年は18問あったが、平成28年は、少し減って14問だった。
 多くは基本的な出題ではあるが、「問6」のように判例も絡むと難しい。

 *住宅関係法
  
住宅関係からは、6問出たが、「問24」の消費生活用製品安全法の絡んだ、長期使用製品安全点検制度とは、まったく新しい分野からの出題だった。
 瑕疵担保責任は、例年のように「問41」ででたが、アフターサービスは出題がなかった。

 *都市計画法・建築基準法
  
建築基準法から、4問出ている。建ぺい率や容積率は基本だが、エレベーターでの安全装置は目新しい。
  過去の出題傾向からみると、マンション管理士試験では出ている都市計画法からの出題は、管理業務主任者試験では、出題の対象外にしたと言える。
 
 *設備関係法
  水道法から1問、消防法から2問、あと各種法令として1問、計4問が出た。  
  水道法の「問21」:水質基準に関する省令、消防法からの「問22」:特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令」には解説者としては大いに困った。
 
  確かに、出題者としては、マンション管理士試験での低レベルでの出題方法と異なり、新しい分野からの出題ということで、その創意・工夫は一応評価はするが、ここまで細かな省令からの出題は適切さを欠く。
  もっと、出題として妥当な箇所から出して欲しい。

 *管理規約・委託契約
  
標準管理規約関係が、8問、 標準管理委託契約からが、3問出た。
  標準管理規約は丁度、平成28年3月に改正があり、改正点からもかなり出題があったが、マンション管理士試験のように、ほとんどの出題が改正点からという安易な態度は無かった。
  なお、標準管理規約からは、単棟型だけで団地型や複合用途型からの出題は無かった。
   難しくはない。

  標準管理委託契約からの出題も難しくはない。
   
 *会計
  
例年のように、仕訳が2問、税務が1問出た。
  仕訳は、発生主義がわかれば、難しくはない。

   税務の消費税での「特定期間」は、新しい。

 *修繕・維持など設備関係
  この分野からは、3問が出ている。
  窓サッシの改修など、ここらは過去問題をやっていれば、新しい選択肢があっても、どうにか正解はできそう。

 *適正化法
  ここは、もう、5問出題と決まっている。
  それは、問46」から「問50」の5問は、マンション管理士試験に受かっている人には免除されことになっているからだ。

  5問の内の1問は、指針からも例年のとうり。
  この適正化法では、最低4問の正解は、欲しい。


◎平成27年の管理業務主任者試験問題分析

*全体の感想
  平成27年度の管理業務主任者試験の合格点は、50問中 34問 以上 の正解だった。
  同年の受験者数は、 17,021人 で 合格者数は、 4,053人 で 合格率は、23,8% だった。
  合格者数などについては、別途 「*マンション管理士・管理業務主任者 試験 申込・受験・合格者数及び合格点数の記録」 を参考にしてください。

  平成27年度の管理業務主任者試験の全体の感想としては、マンション管理士試験と比較して、合格率はともかく、非常に 難しい! だった。
 特に建築基準法での「問17」のコンクリートや、設備の「問24」のエレベーターなど、もうマニア的な発想でないと正解に到着できない。

 過去問題から出ていても、引っ掛け的な問題「問37」もありで、平成27年の問題の解説 では、実に膨大な時間を取られている。

 新しい分野からの出題も多くて、「問22」の電気法、「問24」のエレベーター、「問25」のエネルギー法、「問27」の建築士法など、根拠を調べて解説をしているが、本当に面倒だった。

 ◎個数問題は減った!?
  私が例年、正解にたどり着くのに、時間がかかるので、4択という出題範囲から、大きく逸脱していると指摘している個数問題は、「問12」、「問34」、「問39」(組み合わせ)と減少したのは、出題元の 一般社団法人 マンション管理業協会 も反省した結果と受け止めるが、まだ、個数問題が出題されているのは、不適切な、出題方法ではあるので、これからも、糾弾する。

 ◎判例が不明だ!
  例年「問39」は判例から出題されているが、選択肢4の不動産登記法での判例が、NETや図書館で調べても、まったく分からない。
 このような、検索できないような判例から出題とは、これも不適切な出題方法だ。

 *民法・区分所有法
  民法・区分所有法からの出題は、18問だった。
  「問3」「問4」の代位は、少し難しかった。

 *住宅関係法
  
住宅関係からは、4問出たが、瑕疵担保責任とアフターサービス「問40」「問41」は、もう必須で、これは、落としてはいけない。
  個人情報保護法も確認が必要。

 *都市計画法・建築基準法
  
管理業務主任者試験では、建築基準法から、4問。建築士法から1問の5問が出ている。
   過去の出題からみると、都市計画法からの出題は外したと考えていいでしょう。
  その代わりに、平成26年でもでた建築士法「問27」から、またまた管理業務主任者試験として実に不適切な出題がある。
  この建築士からの出題は、止めるべきだ。

 *設備関係法
  
この範疇からは、消防法と建築基準法が合わさった1問「問23」だけだ。
  マンション管理士試験では、時々出題されている、警備業法からの出題もない。 

 *管理規約・委託契約
   
標準管理規約関係が、6問、 標準管理委託契約からが、3問出た。
   標準管理規約は全体として、易しかったが、「問32」の団地型は、勉強していない人が多かったようだ。
   標準管理委託契約の「問8」や「問9」は、面倒な設問でした。
   
 *会計
  
例年のように、仕訳が2問、消費税が1問出た。
  仕訳は、発生主義がわかれば、難しくはないが、大体、マンションの会計には明確な基準がないのに、もう仕訳からの出題は止めるべきだ。

 *修繕・維持など設備関係
  この分野からは、例年に近い、5問出ている。
  一度、上の出題分野の項目を見てほしい。
  ここからは、実に様々な分野から細部に渡って出題があるので、注意して欲しい。
  本当に、この設備からは、平成27年も、「問22」の電気、「問24」のエレベーターとまったく、新しい用語が多くて、解説に時間がかかる。

  しかし、マンション管理士試験の分析でも述べたが、この設備の分野での余分な知識をつけることが、合格の鍵でもある。
  
 *適正化法
   ここは、もう、5問出題と決まっている。
   それは、マンション管理士試験に受かっている人には免除されことになっているからだ。

  5問の内の1問は、指針からも例年のとうり。
  この適正化法は、過去問題をしっかりやっていれば、5問正解も難しくはない。


 

◎平成26年の管理業務主任者試験問題分析

*全体の感想

 ◎個数問題と組み合わせ問題は少しは減った?!
   平成25年の管理業務主任者試験では、個数問題と組み合わせ問題の合計が何と、15問もあり、余りにも不適切な出題方法だと、糾弾したが、平成26年では、少しだけ出題方法を改めた。
   しかし、未だに、個数問題と組み合わせ問題の合計は、13問とまだまだ多い。
  出題元の、一般社団法人 マンション管理業協会 はさらに反省して、この解答に精度が落ちる個数問題と組み合わせ問題を少なくすべきだ。

 合格最低基準は、50問中35問以上で、これは、合格範囲を上位の20%としている結果だ。

 全体の感想としては、それほど難しくはなかった。
 「問17」の不燃性能や、「問19」の加熱効率、また、「問21」のコールド・ドラフトなど新しい箇所からの出題もあるが、他の選択肢から消去していけば、答えられる。
 珍問・奇問もなく、また、昨年のように所定の2時間以内に解答が難しいということもなく、2時間以内に解答を終え、確認もできた。

 ◎また、また、また出題ミスがあった。
  出題元の、一般社団法人 マンション管理業協会 は、まったく公認の試験出題機関として機能していない!
  平成24年には2問の出題ミスを侵し、昨平成25年も出題ミスがあり、(参考;下の平成25年の管理業務主任者試験問題分析)、また、また、また「問38」で、本来正解肢は1つしかないところを、2つの正解を認める出題をしてしまった。

 私が糾弾するのは、出題ミスを侵しても、その謝りの文章です。

 参考: *問38については、選択肢3および選択肢4がともに、過料に処せられない可能性がありうることから、いずれも正解とすることといたしました。正解が2つ生じたことを深くお詫び申し上げますとともに、今後、このようなことがないように努めて参ります。
     *合否、試験問題および正解の根拠等に関するお問い合わせにはお答えできません。


 皆さん、この本当に、責任をとっているのか、とりあえず頭をさげれば、後はもう知らないというような、文章に納得できますか。
 この、思い上がった出題元の、一般社団法人 マンション管理業協会 はもう出題機関としては、適切ではありません。
 皆さん、この管理業務主任者試験の監督官庁である国土交通省に抗議のメールを出してください。

 この傲慢な態度をとり続ける、一般社団法人 マンション管理業協会 には自浄作用がありませんから、早急に出題機関の認定を取り下げさせるべき存在です。

 さて、その一般社団法人 マンション管理業協会に対する怒りは、怒りとして、出題傾向の分析を続けましょう。

 *民法・区分所有法
  民法・区分所有法絡みの出題は、昨年は11問と例年よりかなり少ない出題数でしたが、また平成26年は、15問とほぼ例年の出題数でした。
  「問1」から、登場人物が多くて解答に時間がかかります。
  このような、面倒な出題は、解答せず、すぐに読み飛ばして、次の問題に移ってください。解答時間は2時間と限られていますから、とにかく解答できる問題から取り掛かることは受験のテクニックとして常識です。
 
  組み合わせ問題もありますが、基本的な出題でした。
  「問39」の判例では、景観権などという新しい出題もあります。
  マンション関係の新しい判例にも眼を通しておいてください。

 *住宅関係法
  
瑕疵担保責任(問40)はもう常識です。
  宅地建物取引業法(問45)は、少し難しい。
  このあたりは、宅地建物取引主任者の試験から流れてきた人には、優位だったようです。

 *都市計画法・建築基準法
  
もう、管理業務主任者試験では、マンション管理士試験では、必須の都市計画法からの出題は外したと考えていいでしょう。
  その代わりに、建築士法(問23)なんてものから出ていますが。

 *設備関係法
   
この範疇からは、防災の1問だけ(問20)とさみしい。

 *管理規約・委託契約
   
管理規約関係が、7問、 管理委託契約からが、3問出ました。
   それほど、難しくはありませんでした。

 *会計
  
仕訳が2問、消費税が1問出ました。
  仕訳の「積立保険金(問15)」は、マンション管理士試験でも出たが、大体、マンションの会計には明確な基準がないのに、もう仕訳からの出題は止めるべきだ。

 *修繕・維持
  これも、例年に近い、6問が出た。
  この分野は、熱の加熱効率(問19)や、コールド・ドラフト(問21)、また、排水管の自走(問26)など新しい用語もでますが、他の選択肢は、過去問題から出ていますから、消去法で正解にたどり着くことはできたと思える。
  
 *適正化法
   例年のように、5問出ました。
   その内の1問は、指針からも例年のとうりです。
   マンション管理士試験に受かっている人は免除されますが、管理業務主任者試験を受験される方は、ここは、5問とも正解にしてください。   


◎平成25年の管理業務主任者試験問題分析

*全体の感想
 
 ◎個数問題と組合せ問題が多すぎる!
 平成25年の管理業務主任者試験問題の作成官が実に悪乗りしている。
 個数問題が昨年(平成24年)は、8問だったが、平成25年では、個数問題が12問、これに近い組合せ問題が3問と合計でなんと15問もでている。
 これでは、正解にたどり着くには、4肢からの選択といいながら、精度が落ちる。

 また、問題文が長くて、設問の前半と後半での正誤をきく問題も多くて、読んでいくだけでも時間がかかる。

 私も受験生と同じ条件で、試験問題をやっているが、なんと制限時間の2時間がかかってしまった。
 例年の問題なら、大体、1時間30分から、40分程度で終わるのにである。

 そこで、平成25年の管理業務主任者試験の合格点は、31点前後 ではと感じた。

 実際、合格発表をみると、 50問中 32問以上 (合格率22.5%) という、平成13年にこの管理業務主任者試験が始まって以来の難しい結果になった。

 この出題方法は、早急に改めるべきだ。

 ◎また、また出題ミスがあった。
 平成24年でも出題ミスが2問あったが、平成25年でも「問30」で出題ミスがあった。(下の平成24年の分析参照)

 本当に、この出題元の 一般社団法人 マンション管理業協会 の体制のゆるさは厳しく糾弾されるべきものだ。

 参考:一般社団法人 マンション管理業協会 の文章
 *問30のエについては、適切とも不適切ともとれる余地があるため、1および2のいずれも正解とすることといたしました。受験生の方々にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げますとともに、再発防止に努めてまいります。
 *合否、試験問題および正解の根拠等に関するお問い合わせには一切応じられません。


 こんな、毎度、毎度、どこかの役所みたいなお詫びの文章に納得している人がいるのでしょうか。
 また、”*合否、試験問題および正解の根拠等に関するお問い合わせには一切応じられません。” という態度も上から目線の発想で傲慢さを感じます。
 受験料をとって、国家資格の管理業務主任者試験を請け負っている以上、試験は国民に開かれた物であるべきで、全問題の正誤の根拠は、広く公開して、曖昧な点や不適切な箇所を、多くの識者の議論の対象にすべきです。

 一般社団法人 マンション管理業協会は早急にその傲慢な態度を改め、情報公開をしなければいけない存在です。

 
 *民法・区分所有法
   平成23年の16問、平成24年の17問の出題数と比べると、平成25年は11問と少なかった。
   「問3」の「期限前の弁済」は目新しい。
   「問5」の「瑕疵担保責任」、「問10」の「時効」などは、過去からお馴染み。
   「団地」の「問31」は、全部条件が異なっていて、理解するのに時間がかかる。

 *住宅関係法
   宅地建物取引業法と瑕疵担保責任も、過去からの延長である。
   時々、個人情報保護法もでるが、内容としては、易しい。

 *都市計画法・建築基準法
  
相変わらず、マンション管理士試験で出ている都市計画法からは、管理業務主任者試験では出題が、過去からでていない。
  「問20」の選択肢4の「酸素の含有率 おおむね 15.0%以上」まで(正解は 20.5%)を出題するとは、適切ではない。
  でも「問26」のように、定期調査の項目で新しいものも取り入れる出題はいい。

 *設備関係法
   平成24年と同様に、消防法からは、単独で出ているが、警備業法や住生活、自動車の保管など、まとめて1問を出す出題はもう止めるべきだ。
   ただ、単に決められた法律からもチャンと出題していますという、責任逃れの態度が見え見えの出題だ。
   他の重要な問題に関する設問を作って欲しい。

 *管理規約・委託契約
 
  管理規約からは区分所有法も絡めて、11問、委託契約からは、5問と合計で16問もでている。
   例年、管理業務主任者試験では、重要な箇所だ。
   設問の内容としては、難しくはないが、多くが個数問題になっていて、正解を出すには、時間がかかる。
  「問13」の選択肢イの”駐車場使用料を、修繕積立金としても積み立てることも可能である”は、微妙な設問ではあるが。

 *会計
 
 例年のように、仕訳が2問出た。
  ここも、条件が入り組んでいて時間がかかる。
  税法からは、出題がなかった。

 *修繕・維持
  例年に近い、5問が出た。
  排水、換気、遮音など多くは、過去問題の延長線上にあったが、「問25」のコンクリートの”品質基準強度”まで出題とは、もう不適切を超えている出題だった。
  一体、どこから根拠を持ってくるのか疑問だ。

*適正化法
  
例年のように、指針から1問、適正化法から4問出た。
  内容としては、難しくないが、ここでも、個数問題、組み合わせ問題で時間がかかる。
  本当に、平成25年の問題作成者の異常さを認識した。

◎平成24年の管理業務主任者試験問題分析

*全体の感想
 
全体の感想としては、過去問題をやっていれば、合格点の37点は取れた気がする。
 例年と比べると、設問に不適切な点は相変わらずあるが、少しばかり易しかったようだ。

 ◎組み合わせ問題が多い!
  
昨年と同様に、個数を聞く問題が8問もある。この個数問題は、正解率が低くなるので、出題方法としては、適切ではない!

 ◎相変わらず、設備・建築では新しいものが出た。
  
「問23」のタイルの幅まで出るとは、管理業務主任者は、左官屋さんではない。

 ◎出題ミスがあるのに、訂正しない!
 
 「問6」の「請負も委任も、いずれも諾成の双務契約である」は、出題ミスだ。
  委任は有償と無償で双務契約と片務契約に分けないといけない。
  出題元の 社団法人 高層住宅管理業協会 は無視しているが、この態度は、許されない!

  ★2013年 3月追記:合格者 追加
   私が指摘したことを受け、出題元の社団法人高層住宅管理業協会が、2013年 2月15日付けで、「問6」 と 「問29」 という、なんと2問の出題ミスを認めた。
  そして、以下のような、お詫びの文を載せた。

  「平成24年度管理業務主任者試験問題の正解については、平成25年1月18日、当協会ホームページに掲載したところでありますが、その後、設問を精査した結果、【問6】の正解肢「肢3」に加え「肢1」及び【問29】の正解肢「肢2」に加え「肢3」を正解肢として取扱うことといたしました。」

  このような文章だけで謝ったと思っている、出題元の社団法人高層住宅管理業協会の態度は、本当に天下り先の意識が抜けない機関だ。

  この2問の出題ミスにより、合格者数は、元は、3,811人 が プラス 443人 となり、 合格率も 19.6% から 21.9% と変更になった。

 *民法・区分所有法
  
例年のように、17問出た。時効・相続などで過去問題をやっていれば、そんなに、受験生は苦労はしなかったと思われる。
  区分所有法では過去問題の分析で、平成13年から出ていなかった条文から出ている。
  また、「問39」のように、平成24年1月17日の最高裁判所の判例などもでるから、受験生は、新しい情報にも気を配ること。

 *住宅関係法
  
マンション管理士試験と異なり、管理業務主任者試験では瑕疵担保責任とアフターサービスからの出題は、もう定番。

 *都市計画法・建築基準法
  
マンション管理士試験では出ている都市計画法からは、管理業務主任者試験では出題がない。
  
建築基準法からの「問21」の要求耐火時間の出題は新しい。

 *設備関係法
  
消防法は単独で出題されたが、警備業法や自動車の保管などは、その他の法令としてまとめて1問の中の選択肢として出ている。
  まとめて出題する程度なら、もう試験のための問題造りをやめて、違う分野に振り替えて出題すればいい。

 *管理規約・委託契約
  
合計で9問出た。標準管理規約は議決権などが平成23年7月に改正があったので、その個所から出ると、予想したが、その通りだった。
  でも、「問29」の議決権の行使は、明確な基準がないのに、よく出題する。この、不適切な出題者は、他の出題委員たちとよく話し合っていないのではないか。

 *会計
  
税法が1問、仕訳が2問とそれほど、難問ではなかった。

 *修繕・維持
  
合計8問が出たが、相変わらず、過去問題では出題がないものが出る。
  「問23」のタイルの幅だ。
  今年(平成24年)の解説においては、このあたりの出題ソースは、「マンションの維持・修繕技術 ハンドブック」と分かったので、これを見て解説が早くできた。
 
 *適正化法
  
例年のように、指針から1問、適正化法から4問と、ここは、もう過去問題をやっていれば、5問正解は欲しい。


◎平成23年の管理業務主任者試験

*全体の感想

 ◎平成22年でも述べたが、管理業務主任者試験とマンション管理士試験での出題の分野が異なって来ている。
  民法にしても「問2」の盗難や、「問6」での相隣関係、「問43」の消費者契約法からの出題、建物の耐震改修の促進に関する法律からの「問21」、また外壁塗材からの出題など、管理業務主任者試験としての独自の分野からの出題が目立ち、マンション管理士と管理業務主任者試験をダブル受験して、マンション管理士の方は受かっても、管理業務主任者の方は落ちる人がかなりでているようだ。

  新しい分野からの出題が多かったため、平成23年の管理業務主任者試験としては、全体的に難しく、例年より、合格点は2点ほど下がり、33点や34点もあるかと予想していたが、合格点35であったのは、受験生の全体としてのレベルが上がっているということか。

  個数問題が相変わらず出る。
  あちらこちらで、合計8問出ている。この個数問題は、判断に時間がかかるため、本当に適切な出題方法でないことは、平成22年でも指摘したとおりです。

  平成23年3月11日に発生した、「東北地方太平洋沖地震」の影響は、マンション管理士試験程出題されていない。

  「問39」では、恒例の判例を主題にした出題があるが、これは、長文の上、平成9年の判決で、現在の区分所有法の意図からかなり外れた出題で、まったく不適切だった。
  そして「委任状」の「問36」。マンションの総会(集会)での、明確なルールがないのに、マンション管理士試験でも、管理業務主任者試験でも、適切でないと批難されても出題があるが、これも、出題元としては、この箇所の問題化は反省すべきである。

 *民法・区分所有法
   民法・区分所有法からは、全体で16問出た。
   民法は全体の感想でも述べたが、「盗難」や「相隣関係」、「問11」の保証委託契約など、新しい分野からの出題がかなりあり、過去問題だけで編集されているテキストでは、まったく対応ができなかったと思われる。

   私が常に注意しているように、出題は過去問題からでるのではなく、条文から出題されることを基本に、常に「六法全書」を持ち歩き、条文に接していれば、少しは、得点ができるが、過去問題しかやっていない人には難しかったようだ。
   区分所有法からは、特に難しさは、感じられない。

 *住宅関係法
   建築物の耐震改修の促進に関する法律や消費者契約法など、ここらも、マンション管理士試験では、出題がない法律からの出題があるので、注意が必要だ。

   瑕疵担保責任とアフターサービス、また宅地建物取引業法との出題は、いままでの傾向と同じで難しくはなかった。

   不動産登記法の「問45」選択肢4は、難しい。

 *都市計画法・建築基準法
   都市計画法はマンション管理士試験と違って、過去出題がないが、建築基準法からの、「問22」や「問25」は、新しい条文からの出題で、難しい。

 *設備関係法
   平成23年は、消防法や水道法からの出題がなかった。

 *管理規約・委託契約
   この分野からは、10問と例年のような出題数だった。
   管理委託契約書の分別管理「問13」は、少し難しかったが、他は、通常の勉強で切り抜けられる。

 *会計
   仕訳の2問は、発生主義を抑えていれば、例年程度の出題。
   消費税も過去問題から答えられる。

 *修繕・維持
   長期修繕やコンクリートの劣化などは、過去問題をやっていればできるが、毎年この分野から新しいものがでる。
   今年は、「問24」の「外壁の塗材」だ。これには参った。
   出題の根拠が、出題元の「社団法人 高層住宅管理業協会 編」 の「マンション 維持修繕技術 ハンドブック」からとは、随分と探すのに時間がかかり、骨が折れた。

   一般的な情報を超えた、特定の書籍からの出題とは、管理業務主任者の試験だけでなく、実に適切でないことを、指摘したい。

 *適正化法
   ここからは、もう5問出るのは決まり。
   そして、指針からの1問も決まり。
   試験問題の終わりの方で、個数問題を出されると、最初から順番で、試験問題を解いてくると時間がかかるので、受験生は、時間の配分に注意のこと。
   ぜひとも、5問全問正解で終わりたいところだが、「問47」の選択肢2のような引っかけや、「問49」の3年などを正確に覚えていないと、2問は間違える。


◎平成22年の管理業務主任者試験
 *全体の感想
   
●問題全体の感想としては、新しい分野からの出題はあるものの、そこは多くの受験生もできないと割り切ると、昨年よりは、少し易しい内容だ。
    初めて受験する人よりも、再、再々受験生が多い現状から、合格率は、20%としているようで、平成21年の合格点34点より、平成22年は36点と、2点も上がった。
    何度も指摘しているが、35点,36点など、合格のボーダー・ラインには多くの人がいるようで、完全に合格を目指すなら、40点以上得点できる勉強方法が必要ですよ。

   ●平成21年に続いて、また、また、何個あるかときく、個数問題が13問もある。平成21年の個数問題は、8問だったから、5問も増加したわけで、これでは、正解率がドンドン低下していく。
    個数問題で正解を出すには、4つの選択肢から選ぶ確率 1/4=25% よりも全選択肢を検討し、また組み合わせが必要となるので、回答までの時間もかかるし、正解率も下がる訳です。これは、資格試験として過去との継続性から逸脱する試験方法であり、適切な試験方法ではありません。
   
   
●マンション管理士試験と管理業務主任者試験での違いが、かなり出てきています。
     マンションでの設備関係で、過去問では出題されていない新しい傾向が、「問19」の建築士から始まり、地震、太陽電池、排水管の洗浄など、5問あります。
     ここらは、普通のテキストでは、解答ができない箇所で、以前から私が言っています、雑学的な知識が必要とされる部分ですので、図書館なり、建築や設備の専門書を読んでおく必要性があります。
     ただし、ここまで、管理業務主任者が知っておく必要があるかという、出題の適正については、多いに不適正だと指摘しますが。

 *法令
   
民法と区分所有法を勉強することが受験に当って、最低必要なことは、マンション管理士試験と同様です。
   ただし、マンションの建替えの円滑化法からの出題が最近ないのですが、これから、老朽化に伴い、建替えが中心になることを考えると、今後は出題される箇所でしょう。
   瑕疵担保とアフターサービスは、もう古典的な出題でした。
   個人情報の保護と管理業者の関係は、これからも裁判で争われる箇所ですから、注意が必要です。
   消防法も確認はしておいてください。

   マンション管理士試験と違って、都市計画法からは出題がありませんが、建築基準法は基本的な箇所がでています。

 *管理規約・業務委託契約
  
管理業務主任者にとって、管理規約と業務委託契約は中心ですから、ここは、全文を記憶しておくことは、必要なことです。

 *会計・税務
   
例年のとおりでの出題で、過去問題をやっていれば、易しい。

 *修繕・維持など
   
ここが、過去問からの部分と常に新しい分野からの出題がある部分です。
   例えば、「問20」の耐震クラスのS、A、Bなどは、知るわけないって出題でした。
   また、「問21」の「中性線欠相保護機能」など、出題者が、他の受験生との差をつけるために、強引にひねっている部分で、ここまで、管理業務主任者として知っていなくてもいいと思われ、まったく不適正な出題でした。
  でも、合格のためには、雑学として、どこかで読んでいないといけないわけです。
 
 *適正化法
  
ここが、マンション管理士試験でも説明しましたように、平成22年のマンション管理士・管理業務主任者試験での特徴です。
  例年の試験では、試験の出題範囲として、その年の4月1日施行までの法令から出題されるのが、平成22年では、その範囲が5月1日施行に変更されたのです。
  これにより、管理業者の財産と管理組合の財産を分別する方式を規定した、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条関係が出題の範囲になり、「問13」と、「問47」「問48」で出題されましたが、これは、私が、ブログで何度も注意していたので、私のブログを読んでいた受験生は問題なく正解ができたと思います。
  しかし、適正化法は、マンション管理士か管理業務主任者試験で合格している受験生には免除される法律で、通常「問46」から「問50」で出題され、回答のマーク・シートでもマンション管理士か管理業務主任者試験で合格の場合には、採点の対象から除外されるのですが、「問13」で出題されると、免除に該当しないため、出題箇所としては、不適切な出題でした。


◎平成21年の管理業務主任者試験
 *全体の感想
   
いくつと聞く、個数問題が何と8問もある。これは、各選択肢に対して正確にマル・バツが分からないと、正しく答えられない。問題全体の難易度を上げたようだ。しかし、合格点は、34点で合格率20.5%と前年とほぼ同じ水準だった。
   受験生のレベルが向上しているのか。
   平成20年でも指摘したが、この管理業務主任者試験も9年を過ぎ、今まではマンション管理士試験との、相互に出題がある「いったり・きたり」の関係であったが、マンション管理士試験とは、一線を画す、「住み分け」がかなり意識されてきている。

  ●法令
  
 民法や区分所有法だけでなく、改正のあった法人関係も出ているが、組み合わさって出題が多い。
   マンションの建替の円滑化法からは、平成20年に続いて、出題がない。
   宅地建物取引業法、借地借家法は連続して出題がある。

  ●アフターサービスと瑕疵担保
    
この出題は、もう恒例だ。
  ●浄化槽もよく出る。
  ●管理規約と委託契約書も過去レベル。
  ●会計はマンション管理士試験の珍問・愚問と違って、素直な出題。
  ●税法は昨年は出ていなかったが、復活した。
  ●設備は、過去問題をやっていると、多くは答えられる。
    
設備の部分は、マンション管理士試験でもでているので、ここは、管理業務主任者試験の過去問題だけでなく、マンション管理士試験の過去問題もやっておくこと。
  ●マンション管理適正化法は、5問だけど1問はいつも難しい。


*平成20年の管理業務主任者試験の概要

 ●全体の感想
 ・出題作成者が以前と代わったようで、出題のレベルが低くなった。
  これは、出題が易しいとの意味ではなく、法律的や専門的にみると、出し方が良くないってことです。
 ・マンション管理士試験と住み分けをしてきた。
  この管理業務主任者試験が始まった当初は、出題の範囲はマンション管理士と管理業務主任者試験でも同じような範疇から、似たような問題で出ていたが、最近は、別の捉え方で出題がある。
  これは、マンション管理士試験に受かっても、管理業務主任者試験には受からない可能性があるってことです。
 ・過去問題からの出題が目立つ。
  マンション管理士試験・管理業務主任者試験も平成13年から開始され、そろそろ出題の種が無くなったことと、上で述べたように出題者が代わったために今までと同一のレベルを維持するためのやり方のようです。
 ・問38の「一般的に規約共用部分にできる」は笑ってしまった。
  専門知識を問われている筈の国家資格の試験で「一般的」とは、出題者のレベルの低さに驚きだった。

 *細かくみると
 ・過去の出題にはあった、区分所有法での団地関係、建替え円滑化法、被災マンション法、品確法、不動産登記法そして、税金などが出ていない。
 ・民法の不可分債務や同時死亡は目新しい。
 ・標準管理規約などは、何度もでたものが多い。
 ・建築基準法の避難での歩行距離、積載荷重は、難しい。
  建築基準法で落とした人は多いかも。でもできない問題は、他の多くの人にとっても難問です。
 ・給湯は難しい。
 ・耐震の Is 値も新しい出題。
 ・劣化関係は超易しい。
 ・適正化関係の5問はとりたいところだけど、1問はミスする可能性がある。


*平成19年度 分析   
  ・全体として、組合せの出題が多くなった。これは、正解率が下がる。   
  ・民法は、先取特権などは、難しいか。   
  ・契約の類型は、すこし捻って出された。   
  ・平成18年には、出なかった「建替え円滑化法」からまた出題された。  
  ・「被災区分所有法」からは、初めて。   
  ・滞納関係は、毎年出ている。   
  ・会計は、丁寧に読まないと、3月の仕訳に対して、5月分が入っていて、間違えた人も多いかも。   
  ・建築基準法の、延べ面積は難問。   
  ・設備のスプリンクラーは、細かすぎる。   
  ・駐車場設備で、屋根の有無は難問。   
  ・管理規約はすこし難問か。   
  ・マンションの建替えと被災区分所有建物の再建は、すこし難しい。   
  ・アフターサービスと瑕疵担保責任は、基本。   
  ・借地借家法は、新しく定期建物賃貸借がでた。   
  ・適正化法では、新しく「処分基準」がでたが、これは知らない人が多かった。


*平成13年から平成18年を分析

*平成13年から平成18年までは、私もあまり、「目指せ! マンション管理士・管理業務主任者」というホームページの作成に精をだしていないので、まとめて分析をする。

過去6年間の傾向としては、当然のことながら、単独での区分所有法が全体の約19%を占めていて、1位であるが、民法と区分所有法とを組み合わせた、複合問題もかなり増えている。   
単独での民法も、2、3問はでている。   
傾向としては、他の不動産登記法などとの複合問題が増加していくようだ。
  
 ・不動産登記法は単独での出題がなくなって、複合問題になっている。   
 ・宅地建物取引業法
は平成14年から、出題されていない。   
 ・都市計画法
は1問、建築基準法は2問とこれは毎年出題されているので、必ず押さえておくこと。   
 ・水道法
消防法も出題傾向は高い。一度は眼をとおしておく法律だ。   
 ・管理規約
は、内容としても比較分かりやすいので、勉強は楽だろう。   コメントまで読んでおくこと。   
 ・会計(仕訳)も、2問でているので、発生主義での未収金など、今後も実務でも重要視される項目だ。   しかし、勘定科目の設定などで解説書も説明が充分でないの勉強がしづらい。   
 ・修繕や維持、設備
は劣化を中心に幅広く勉強が必要だけど、適当な参考書がない。   
  コンクリート関係、建材関係を建築の参考書を基本に勉強するといい。   それでも、カバーできない出題もあるが、じっくりと問題を読めば、おかしな記述はわかることも多い。   
 ・マンションの管理の適正化指針
からは、毎年1問、マンション管理適正化法からは、毎年4問、出題されていたが、最近は「指針」の方は出題の種が切れたようで、「適正化法」から5問になっている。    この5問は、管理業務主任者試験との関係で決まりである。   ここは、難しくないので、5問満点は取りたい分野である。   

  ・民法は、基本の類型が良く出ている。   
  ・委任、請負契約が、管理委託契約の基本であること。   
  ・マンションの建替の円滑化法も出題範囲として、定例化したようだ。    
  ・マンション管理士の方では、なくなった宅地建物取引業法が、管理業務主任者では必ず出題されている。   
  ・瑕疵担保責任は、マンション管理士ともに、民法・宅地建物取引業法・品質確認法さらにアフターサービスも絡めてでている。   
  ・消費者契約法エネルギーの使用の合理化に関する法律など、新しい分野からの出題が好きな委員がいるようだ。   
  ・都市計画法からは、全然出題がない。   
  ・標準管理規約管理委託契約は、必須項目。全項目暗記ぐらいが必要。   
  ・適正化法は、5問はできて当然の内容。



最終更新日:
2020年 3月 9日:効果が感じられないので、更新を止める。
でも、マンション管理士・管理業務主任者を目指す人のために、何と10年間も無料で更新してきたのか!
凄いことだ。(自画自賛だけど)

2019年 3月26日:マンション管理士試験・管理業務主任者試験の分析をした。
2018年 3月 7日:平成29年の管理業務主任者試験の分析をした。
2018年 3月 5日:平成29年のマンション管理士試験の分析をした。
2017年 2月27日:平成28年のデータを入れた。
2016年 3月19日:WINDOWS10を入れた。
2016年 2月19日:平成27年のデータを入れた。
2015年 2月18日:平成26年の分析を入れた。
2014年10月13日:文章を見直した。
2014年 2月11日: 平成25年のデータを入れた。
2013年 3月 28日:管理業務主任者試験での、2問出題ミスでの、合格者変更等を入れた。
2013年 2月 1日:平成24年の分析入れた。
2012年 1月28日:平成23年の分析入。
2011年 1月22日
2011年 1月19日
2011年 1月17日
2010年 1月24日

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