ヨーロッパ旅行 (その2)
スペイン・ポルトガル編 | |
2008年(平成20年)5月の旅
ピカソ作(Pablo Picasso)の 『ゲルニカ(Guernica)』です。
1937年の作品。縦x横、 3.493m x 7.766m
*ピカソとゲルニカの関係
スペイン内戦中の1937年、バスク地方の小都市ゲルニカがスペインのフランコ将軍から依頼されたドイツ軍により空爆され、多くの死傷者を出した。この事件をきっかけに、ピカソは有名な『ゲルニカ』を制作した。死んだ子を抱いて泣き叫ぶ母親、天に救いを求める人(作品左側)、狂ったようにいななく馬(作品中央)などが強い印象を与える縦3.5mx横7.8mのモノトーンの大作であり、同年のパリ万国博覧会のスペイン館で公開された。ピカソはのちにドイツ軍の将校から「『ゲルニカ』を描いたのはあなたですか」と問われたとき、「いや、あなたたちだ」と答えた。
スペイン内戦がフランコのファシスト側の勝利で終わると、ピカソは自ら追放者となって死ぬまでフランコ政権と対立した。『ゲルニカ』は長くアメリカのニューヨーク近代美術館に預けられていたが、ピカソとフランコがともに没し、スペインの民主化が進んだ1981年、遺族とアメリカ政府の決定により〈スペイン国民〉に返された。現在はマドリードのソフィア王妃芸術センターに展示されている。