平成22年 マンション管理士 試験問題
謝辞:問題文の作成にあたっては、松本様の協力を頂いています。
(注意) 1.答えは、各問題とも1つだけです。
2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
2.問題中法令に関する部分は、平成22年5月1日現在施行中の規定に基づいて出題されています。
〔問 1〕マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号イに規定するマンションをいう。以下同じ。)の専有部分等に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)によれば、正しいものはどれか。
1 区分所有者が全員で共有する専有部分については、規約で定めなくても共用部分とすることができる。
2 規約で定めれば、区分所有者の共用部分の共有持分とその有する専有部分は、分離して処分することができる。
3 専有部分以外のマンションの建物の部分は、すべて共用部分であり、それ以外の部分はない。
4 区分所有者は、区分所有権の目的である専有部分を自由に使用、収益及び処分することができ、規約によっても、制限されない。
〔問 2〕一部共用部分についての規約の定めに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについては、区分所有者全員の規約に定めることはできない。
2 一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属し、規約で特別に定めても管理者が所有するものとすることはできない。
3 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものであっても、これを共用すべき区分所有者のみで行う旨を規約で定めることは妨げない。
4 一部共用部分であるか否かは、その構造上決定されるものであって、規約で別段の定めをすることはできない。
〔問 3〕マンションの設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときに関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンションの設置又は保存の瑕疵が、専有部分にあるときにその専有部分の所有者が負う責任も、共用部分にあるときに区分所有者全員が負う責任も、ともに当該部分の所有者に過失がなくても成立する。
2 他人に生じた損害が専有部分の瑕疵によるものか、共用部分の瑕疵によるものか、不明であっても、マンションの設置又は保存の瑕疵によるものであることは、他人である被害者が立証しなくてはならない。
3 マンションの設置又は保存の瑕疵が特定の専有部分にあることが証明されない限り、区分所有者全員が共同して他人に対して責任を負う。
4 マンションの共用部分の設置又は保存の瑕疵により当該マンションの区分所有者が損害を被った場合、その区分所有者は、他人には該当せず、損害賠償請求をすることができない。
〔問 4〕規約で、その割合を定めることができないものは、区分所有法及び民法の規定によれば、次のうちどれか。
1 共用部分の持分割合
2 敷地の持分割合
3 共用部分の負担割合
4 各区分所有者の議決権割合
〔問 5〕専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することに該当しないものは、区分所有法及び民法の規定によれば、次のうちどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとし、敷地利用権は所有権の共有持分であるものとする。
1 区分所有者が専有部分又は敷地利用権のどちらか一方にのみ質権を設定すること。
2 敷地の共有者全員で、地下鉄敷設のため敷地の地下に区分地上権を設定すること。
3 区分所有者が専有部分を妻に、敷地利用権を子に贈与すること。
4 第三者が専有部分又は敷地利用権のどちらか一方のみを差し押さえること。
〔問 6〕次のア~エについて、管理組合(区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体をいう。以下同じ。)の管理者にのみ該当し、管理組合法人の理事には該当しないものの組合せとして正しいものは、区分所有法の規定によれば、次のうちどれか。
ア その職務に関し、区分所有者を代理する。
イ 任期に関し、規約の定め又は集会の決議により自由に定めることができる。
ウ 数人の者を選任することができる。
エ 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、議長となる。
1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア
〔問 7〕滞納管理費の消滅時効に係る次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
1 長期にわたり管理費を滞納している区分所有者に対して、管理組合が月々累積する滞納額全額について、毎月、内容証明郵便をもって支払の請求をしている場合には、滞納管理費に係る債権が時効により消滅することはない。
2 管理規約の規定に基づいて区分所有者に対して発生し、その具体的な額は総会の決議によって確定し、月ごとに支払われるものである管理費に係る債権は、定期金債権として、最後の弁済期から10年間行使しないときは、時効により消滅する。
3 管理組合が管理費を滞納している区分所有者に対して滞納管理費を請求する訴訟を提起して勝訴した場合には、滞納管理費に係る債権は、確定判決の時より新たに従前と同様5年の消滅時効期間が進行する。
4 管理費を滞納している区分所有者が「滞納管理費支払合意書」により、滞納管理費全額を分割して毎月定額で支払うことを管理組合と合意した場合、そのことによる時効の中断の効力は、区分所有権を譲り受けた特定承継人に及ぶ。
〔問 8〕管理組合の集会に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 集会の議事録には、集会における発言者全員の発言の要旨を記録又は記載する必要はない。
2 管理者がないときは、区分所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有するものは、連名で、集会の招集をすることができる。
3 区分所有者全員が打合せのために集まり、その全員の同意があっても、招集の手続を経ていないのでその場で集会を開くことはできない。
4 専有部分を3人が共同で相続した場合において、議決権を行使する者が定められていないときは、3人のうちの1人に対して集会の招集通知をすれば足りる。
〔問 9〕建物の一部が滅失した場合の復旧及び建替えに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 建物の価格の1/2以下に相当する部分が滅失したときの、滅失した共用部分の復旧については、各区分所有者が行うことができないこととするとともに、滅失した共用部分を復旧する旨の集会の決議によらなければならない旨を規約に定めることはできない。
2 建物の価格の1/2以下に相当する部分が滅失したときの、滅失した共用部分の復旧決議の内容が形状の著しい変更を伴う場合には、当該共用部分の復旧は、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の集会の決議によらなければならない。
3 建物の価格の1/2を超える部分に相当する滅失があり、滅失した共用部分を復旧する旨の集会の決議があった場合において、決議賛成者は、同決議後に買取指定者を指定することができるが、その指定については、決議賛成者の全員の合意を要する。
4 建替え決議成立後の売渡請求権の行使に関し、建替え決議に賛成した各区分所有者又は建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)は、買受指定者を指定することができるが、その指定については、これらの者の全員の合意を要する。
〔問 10〕組合員Aの甥Bが酒を飲み過ぎて錯乱し、金属バットで共用部分である玄関ドアを破損させた場合における次の記述のうち、区分所有法、民法及びマンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 管理組合は、BがAと同居しているか否かを問わず、Bに対し、損害賠償を請求することができる。
2 BがAと同居している場合、以前から、管理組合が酒癖の悪いBの生活の秩序を乱す行為を是正するようAに警告していたときは、Aに対し、損害賠償を請求することができる。
3 BがAからマンションを借りて居住している場合には、Bは、管理組合に対してドアの原状回復義務を負う。
4 Bが専有部分の共有者である場合には、Aは、共有者として、管理組合に対してBと連帯して損害賠償責任を負う。
〔問 11〕一団地内にA、B及びCの三棟のマンションがある場合の区分所有法第65条の団地建物所有者の団体(この問いにおいて「団地管理組合」という。)における区分所有法第69条の建替え承認決議に関する次の記述のうち区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 Aマンションの建替え承認決議が成立するためには、団地管理組合の集会において、議決権の3/4以上の多数の賛成を得なければならない。
2 建替え承認決議に係るAマンションの建替えが、Bマンションの建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、Aマンションの建替えは、団地管理組合の建替え承認決議に係る集会において、Bマンションの区分所有者全員の議決権の3/4以上の議決権を有する区分所有者の賛成を得なければ行うことができない。
3 Aマンションの集会において建替え決議に反対した区分所有者は、団地管理組合の集会における建替え承認決議においても、反対の議決権を行使することができる。
4 Aマンション及びCマンションの団地建物所有者は、それぞれのマンションの建替えを目的とする集会において、区分所有者及び議決権の各4/5以上の多数で、両マンションの建替えについて一括して建替え承認決議に付する旨の決議をすることができる。
〔問 12〕甲管理組合は、規約共用部分である101号室をAに事務所として賃貸していたが、賃貸借期間が満了したので、Aは原状回復のうえ明け渡し、甲は敷金を返還することとなった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。ただし、原状回復の範囲及び費用負担については、契約に当たって十分な説明が行われていたものとする。
1 敷金については、明渡しの時点ではじめて返還請求権の有無や返還額が確定するので、甲の敷金の返還とAの101号室の明渡しは、同時履行の関係には立たない。
2 明渡し時点で、Aの原状回復に不完全な部分があることが判明した場合、原状回復に要する費用は、損害として、Aに返還すべき敷金から控除される。
3 賃貸借契約終了時にAに賃料不払の債務がある場合において、当該賃料不払債務を敷金から控除するときは、賃料請求債権を自働債権とし、敷金返還請求権を受働債権として、対当額にて相殺する旨の意思表示をしなければならない。
4 賃貸借契約終了後、Aが101号室を明け渡さず引き続き使用している場合、その間の賃料相当額は、明渡し義務不履行に基づく損害賠償又は不当利得として、敷金から控除される。
〔問 13〕マンション業者Aが建設業者Bに請け負わせて、完成させたマンションの10階の1室(1001号室)をCに売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 AがCに売却する際、ベランダから山が見え、眺望がよいと説明していたにもかかわらず、3年後に別のマンション業者Dが近くに高層マンションを建設し、1001号室からは、山が見えなくなった。AのCへの売却時にはDの建築計画が存在しなかった場合でも、説明と異なり眺望が守れなかったことを理由に、Aは、Cに対して債務不履行責任を負う。
2 Aは、売却前に、台所の自動式防火扉が設置され安全性が優れていると説明していたにもかかわらず、その扉のスイッチを切ったままにそのことを告げずに1001号室をCに引き渡した。また、スイッチもわかりにくい場所にあったので、Cはスイッチが切られていることを知らなかった。その後、Cの過失により台所から失火し、自動式防火扉が作動しなかったため、逃げ遅れたCは、大やけどを負った。この場合、Aは、Cに対して、スイッチの入れ方等を説明しなかったことを理由に、債務不履行責任を負う。
3 Aは、Bに対し、天井及び床に防音性の高い施工を指示したが、Bは、その指示に反し、防音性の低い工事を行った。Aから、購入前に防音性が優れていると説明を受けていたCは、防音性が説明通りに確保されていないことを理由に、Bに対して補修工事を求めることはできるが、Aに対して損害賠償の請求はできない。
4 Aは、売却に当たって、Cに耐震強度は十分確保されていると説明していたが、後日、Bが設計を依頼した一級建築士Eの法令義務に違反する設計により、耐震強度が著しく不足することが分かった。この場合、Cは、売主たるAに対しては損害賠償を請求することができるが、Eに対しては不法行為に基づく損害賠償の請求はできない。
〔問 14〕甲管理組合は、工務店Aに対して、マンションの敷地にある別棟の集会所の建替え工事を発注し、工事完了後、Aから当該集会所の引渡しを受けた。この場合における工事の瑕疵に関わる修補の請求又は損害賠償の請求に係る次の記述について、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 甲がAに対して瑕疵の修補に代えて、損害賠償の請求を行ったが、Aが損害賠償義務を履行しない場合、甲は、相当の期間を定めなくても瑕疵の修補を請求することができる。
2 甲がAに対して相当の期間を定めて瑕疵の修補の請求を行うとともに、損害の賠償を請求したが、Aが瑕疵の修補義務も損害の賠償義務も履行しない場合、契約の目的を達することができないとして、甲は、契約を解除することができる。
3 瑕疵の修補に過分の費用を要する場合には、瑕疵の重要性にかかわらず、甲は、Aに対して損害賠償を請求することができるが、瑕疵の修補を請求することはできない。
4 甲がAに対して相当の期間を定めて修補を請求した場合において、Aが期間内に修補をしないときは、甲は、瑕疵の修補に代わる損害賠償の請求をすることができる。
〔問 15〕甲マンション管理組合(管理者A)が、敷地内の樹木の伐採及び剪定について、造園業者Bと請負契約をした場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び、判例によれば、正しいものはどれか。
1 AB間において、報酬支払を「業務着手の日の7日前までに3割の前払金、業務完了後7日以内に残りの金額」と約した場合、業務着手の7日前までにAがBに3割の前払金を支払わなかったときは、Bは直ちにAとの契約を解除することができる。
2 Bが当該業務に着手し、剪定作業等が終了した時点で、甲の内部で伐採木の選定をめぐり紛糾したため、やむを得ず伐採を中止することとした場合、AはBの損害を賠償して、契約を解除することができる。
3 業務のおおよそ半分を終えた時点で、Bの責めに帰すべき事由により請負契約が終了した場合において、Bが債務不履行責任を負うときは、Aは、Bに対して残った業務を実施するために要する費用の全額について、損害賠償を請求することができる。
4 業務完了後、業務内容に瑕疵があり、AがBに対して損害賠償の請求をする場合において、Aの損害賠償請求権とBの報酬残金請求権とは、相殺することができない。
〔問 16〕甲管理組合が看板製作業者Aに対して、マンションの屋上に設置されている甲所有の看板を撤去し新しい看板に取り替える請負工事を発注したところ、工事中にAの従業員の過失により落下事故が発生した。この件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、甲において、注文又は指図について過失はなかったものとする。
1 落下した看板によって、通行人を負傷させ、Aが使用者責任に基づき被害者への損害を賠償した場合、Aは、注文者である甲に対して求償することはできない。
2 落下した看板によって、隣家に損傷を与えた場合、甲は看板の所有者として隣家の所有者に対して責任を負う。
3 マンションの居住者が、カラーコーン等で仕切られた工事区域に無断で立ち入り、落下した看板により負傷した場合、当該マンションの居住者は、Aに対して不法行為に基づく損害賠償を請求することはできない。
4 落下した看板によってマンションの屋上に損傷を与えた場合、甲は、屋上に損傷を受けた時から起算して、1年以内でなければ、損害賠償の請求はできない。
〔問 17〕マンション(管理組合甲)のA所有の301号室をBが賃借し居住している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bが、ベランダから誤って物干し竿を落下させ、荷物を配送中の宅配業者の従業員に怪我をさせた場合、B及び甲は、怪我をした宅配業者の従業員に対して損害賠償責任を負う。
2 301号室のベランダの外壁タイルが経年劣化によりはがれ落ちて、通行人が怪我をした場合、マンションの区分所有者全員が怪我をした通行人に対して損害賠償責任を負い、Bが責任を負うことはない。
3 Bが、Bの洗濯機の排水ホースの締付けが不十分で外れたことに気がつかず洗濯し、床に水をあふれさせ、階下の201号室の区分所有者に損害を与えた場合、Aのみが、201号室の区分所有者に対して損害賠償責任を負う。
4 401号室の居住者が洗面所の水をあふれさせ、階下の301号室の天井の仕上げ部分及びBの家財に損害を与えた場合、401号室の居住者は、甲及びBに対して損害賠償責任を負うが、Aに対しては負わない。
〔問 18〕マンションの登記に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。
1 マンション分譲業者を表題部所有者とする表題登記がされた後、敷地権付き区分建物の一つを購入した者が、直接自己名義で所有権の保存の登記を申請した場合、登記記録には登記原因及びその日付も登記される。
2 敷地権付き区分建物について売買を原因とする所有権の移転の登記をする場合、同時に、敷地権の移転の登記をしなければならない。
3 共用部分である旨の登記を申請する場合において、当該共用部分である建物に所有権以外の権利に関する登記があるときは、当該権利の登記名義人の承諾を得なければならない。
4 マンションの近傍にある駐車場を規約により敷地とした場合、規約により敷地となった日から1月以内に建物の表題部の変更登記を申請しなければならない。
〔問 19〕マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
1 建替組合は、区分所有法第63条第4項に規定する建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求しようとするときは、あらかじめ都道府県知事の承諾を得なければならない。
2 建替組合が権利変換計画の認可を申請するため、施行マンションについて権利を有する者の同意を得るに当たり、借家権を有する者については、当該住宅の区分所有者から同意を得ていれば借家権を有する者の同意まで得る必要はない。
3 建替組合は、権利変換計画の認可を受けたときは、遅滞なく、登記所に、施行マンションの区分所有権及び敷地利用権について、権利変換手続開始の登記を申請しなければならない。
4 施行マンションの区分所有権又は敷地利用権を有する者は、建替組合に対し、権利の変換を希望せず、自己の有する区分所有権又は敷地利用権に代えて金銭の給付を希望する旨を申し出ることができる。
〔問 20〕建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 高さ20mを超える建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、有効な避雷設備を設けなければならない。
2 高さ70cmを超える階段の部分には手すりを設けなければならず、手すりが設けられていない側には、側壁又はこれに代わるものを設けなければならない。
3 共同住宅の地上階における居室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して1/7以上としなければならない。
4 各階の床面積がそれぞれ150 ㎡の5階建ての共同住宅の1階部分の用途をカフェーに変更しようとするときは、建築主事又は指定確認検査機関による確認を受けなければならない。
〔問 21〕市街化区域及び市街化調整区域に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 都市計画区域については、必ず市街化区域と市街化調整区域との区分を定めるものとされている。
2 市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされている。
3 市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とされている。
4 市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとされ、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
〔問 22〕貯水槽水道に関する次の記述のうち、水道法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 水道事業用の水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業者から供給される水のみを水源とするもので、水槽の有効容量の合計が10立方m以下の水槽が設置されている水道は貯水槽水道ではない。
2 水槽の有効容量の合計が10立方mを超える貯水槽水道の設置者は、水槽の掃除を1年以内ごとに1回、定期に、行わなければならない。
3 水槽の有効容量の合計が10立方mを超える貯水槽水道の設置者は、1年以内ごとに1回、定期に、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。
4 水道事業者は、必要に応じて、貯水槽水道の管理責任及び管理の基準並びに貯水槽水道の管理の状況に関する検査について、供給規程に定めなければならない。
〔問 23〕マンション(居住者50人)の管理について権原を有する者(この問いにおいて「管理権原者」という。)及び防火管理者に関する次の記述のうち、消防法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 管理権原者は、防火管理者を解任したときは、遅滞なく、その旨を消防長(消防本部を置かない市町村にあっては市町村長。)又は消防署長に届け出なければならない。
2 管理権原者は、甲種防火管理講習の課程を修了した者等の政令で定める資格を有する者の中から防火管理者を選任しなければならない。
3 管理権原者は、防火管理者を選任する場合、管理組合の役員又は組合員から選任するものとされ、管理業務を委託している管理会社等からは選任することができない。
4 管理権原者は、マンションの位置、構造及び設備の状況並びにその使用状況に応じ、防火管理者に消防計画を作成させ、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練を行わせなければならない。
〔問 24〕マンションの照明設備に係る防犯上確保すべき床面における平均水平面照度に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 共用廊下・共用階段の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね20ルクス以上を確保する。
2 共用玄関の存する階のエレベーターホールの照明設備は、床面において概ね50ルクス以上を確保する。
3 共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、床面に布いて概ね10 ルクス以上を確保する。
4 駐車場の照明設備は、極端な明暗が生じないよう配慮しつつ、床面において概ね3ルクス以上を確保する。
〔問 25〕標準管理規約を採用している管理組合の業務について、当該規約を改正しなければ行うことのできないものは、次のうちどれか。
1 空きがでてきた駐車場を専有部分の賃借人に賃貸することができるようにすること。
2 第三者が屋上に広告塔を設置することを認めること。
3 管理組合が共用部分である給水管の本管と専有部分である枝管とを一体として取替える工事を行うこと。
4 共用部分である開口部につき、防犯等の住宅の性能の向上に資するための工事を、管理組合が計画修繕として速やかに実施できないときに区分所有者がその責任と負担において実施できるようにすること。
〔問 26〕大規模修繕工事を行う予定の管理組合から相談を受けたマンション管理士が、3年後の大規模修繕工事の実施に向けて説明した次の内容のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 大規模修繕工事の実施に当たっては、修繕委員会を設置し、専門家の参加を求めて特定の課題を調査検討させ、その結果を総会に具申させるという方法をとることができます。
2 大規模修繕工事に要する費用については、修繕積立金では不足することから、必要な範囲の借入金で賄うことになりますが、その場合は、組合員総数及び議権総数のそれぞれ3/4以上の総会の決議が必要となります。
3 大規模修繕工事において、共用部分の配管と構造上一体となった専有部分の配管の取替えが必要となった場合の専有部分に係る費用については、各区分所有者が実費に応じて負担することとなります。
4 大規模修繕工事に際し、専有部分への必要な範囲内での立入りが避けられない場合がありますが立入りをした箇所の原状復旧については、各区分所有者に行っていただきます。
〔問 27〕管理組合の運営等に係る各種書類の作成、保管等に関する次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 組合員から組合員総数及び議決権総数の1/5以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して招集された臨時総会の議事録は、その総会で、役員以外の組合員から選任された議長が、議事録を作成し、保管することになる。
2 理事会議事録には、議事の経過の要領及び結果を記載し、議長である理事長と、理事会に出席した理事で議長が指名した者1人及び監事1人がそれぞれ署名押印しなければならない。
3 会計帳簿や什器備品台帳は、会計担当理事がいる場合であっても、理事長が作成し、保管しなければならない。
4 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されたときは、当該規約の変更に係る総会の議事録を変更前の規約原本に添付することにより、新たな規約原本とすることができる。
〔問 28〕組合員ではないA~Dが、事前の連絡もなく総会会場へ来て、総会への出席を求めてきた場合において、出席を認めなければならないものは、標準管理規約の規定によれば、次のうちどれか。ただし、A~Dは、理事会において総会に出席する必要があると認められた者ではないものとし、総会の招集手続きに瑕疵はないものとする。
1 組合員甲の代理人として、隣室の組合員の同居人Dが、甲からの委任状を理事長に提出して出席を求めてきた場合
2 管理費の増額を議案とする総会において、当該増額により賃借料の値上げを余儀なくされるとする専有部分の賃借人Bが、意見を述べたいとして出席を求めてきた場合
3 組合員から、総会での発言と議決権の行使を依頼された近隣に居住する弁護士Cが、委任状を理事長に示して、代理人として出席を求めてきた場合
4 区分所有者ではなくなったにもかかわらずその旨の届け出を出していないAが届出を出していない以上出席資格があるとして出席を求めてきた場合
〔問 29〕管理組合の役員の選任に関する次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 30階建てマンションの役員の選任について、役員選任細則で「1階から10階、11階から20階、21階から30階の三層ごとの組合員から、それぞれ推薦により選出された役員候補を総会で選任する。」と定めることができる。
2 役員が任期中に欠けた場合には、理事会が決定した補欠役員候補者について賛否を問う回覧板を回し、反対者がいても組合員数の過半数の賛成があれば補欠の役員とすることができる。
3 総会では、その合計人数に相当する役員を、役員の職務を決めずに選任し、その役員の互選により理事長、会計担当理事、理事及び監事を決定することができる。
4 総会で、定員より多い役員候補者を被選挙人として、各組合員一票の選挙を行い、得票数の多い者から順に定員に達するまで、比較多数を得た者を役員として選任することができる。
〔問 30〕分譲後20年以上経過した甲マンションでは、高齢化等により利用者が少なくなったこともあり、老朽化した機械式立体駐車場を撤去しそこに平面駐車場を設ける計画がある。この場合の問題点に関するマンション管理士の理事会における次の発言のうち標準管理規約の規定によれば、適切でないものはどれか。ただし、機械式立体駐車場は敷地上にあり、組合員の共有に属するものとする。
1 駐車場としては同じですが、機械式立体駐車場から平面駐車場への変更については、大規模で著しい加工を伴いますので、総会で組合員総数及び議決権総数の各3/4以上の決議が必要です。
2 機械式立体駐車場使用料は駐車場会計として独立した会計処理が行われていましたが、平面駐車場使用料については、その管理に要する費用に充てて残額は、修繕積立金として積み立てることにします。
3 機械式立体駐車場利用細則を廃止するとともに、平面駐車場の管理方法、使用料等に関する平面駐車場利用細則を制定する場合には、それぞれ総会の決議によることとなります。
4 機械式立体駐車場から平面駐車場への変更については、専門家を加えた専門委員会を設置し検討することとし、同委員会の運営細則を理事会で制定すべきです。
〔問 31〕理事長がその職務を行うに当たって、理事会の決議を経て行わなければならないものは、標準管理規約の規定によれば、次のうちどれか。
1 組合員が理事長に対し、組合員総数及び議決権総数の1/5以上に当たる組合員の同意を得て、監事の解任を目的とする総会の招集を請求した場合において、総会招集通知を発すること。
2 第三者である運転者の過失による自動車事故により、マンションの外壁に損害が生じた場合において、原状回復のための必要な措置の請求に関し、当該運転者に対して訴訟その他法的措置をとること。
3 落雷により共用部分である電気設備について生じた損害について、管理組合が締結していた損害保険契約に基づき保険金額を請求し、受領すること。
4 専有部分の賃借人から、理由を付した書面により組合員名簿の閲覧請求があった場合において、請求された書面を閲覧に供すること。
〔問 32〕施設担当の理事が、大規模修繕工事を行うため建物の事前調査を実施していたところある専有部分に面するバルコニーにおいて、避難ハッチを塞ぐようなかたちで大型物置が設置されているのを見つけた。それに対する管理組合の対応を協議するための理事会におけるマンション管理士の次の発言のうち、標準管理規約の規定によれば、適切でないものはどれか。
1 使用細則には「バルコ二一に大型の物件等を設置してはならない。」という明文の規定がありませんが、大型物置の撤去を請求することができます。
2 賃貸人である区分所有者に無断で、専有部分の賃借人が大型物置を設置した場合は、賃貸人である区分所有者に対しては責任を問うことはできません。
3 大型物置の撤去に関するマンション管理士への相談料については、管理費から支出することができます。
4 大型物置の設置の撤去を求める法的措置を行う場合、それに要する弁護士費用については、違約金として相手方に請求することができます。
〔問 33〕住居・店舗併用の単棟型マンショシ(この問いにおいて「複合用途型」という。)及び住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンション(この問いにおいて「団地型」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法、マンション標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(団地型)の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、一部共用部分は、ないものとする。
1 団地型において、区分所有法第57条に基づき共同利益背反行為の停止請求の訴訟を提起するとともに訴えを提起すべき区分所有者を選任する場合、停止請求の対象となる者の居住する棟の総会の決議による。
2 複合用途型において、店舗部分の区分所有者で組織される店舗部会も、住宅部分の区分所有者で組織される住宅部会も、いずれも区分所有法に定める集会である。
3 団地型において、棟の建物の価格の1/2を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分を復旧する決議は、当該棟の総会において、組合員総数及び議決権総数の各3/4以上で決する。
4 複合用途型において、店舗部分の利用に関する規約を制定する場合、総会において、組合員総数及び議決権総数の各3/4以上の決議を得なければならない。
〔問 34〕甲マンション管理組合の平成21年度(平成21年4月1日~平成22年3月31日)の決算を迎えるに当たって、会計担当理事が未払金の内訳を検証したところ、既に工事が終了し、代金も支払済みであるはずのA工事業者に対する修繕工事費、10,000円が未払金残高として残っていることが判明した。会計担当理事が調査したところ、工事完了時に未払金が計上され、平成22年3月にA工事業者に対して現金で支払が行われていたが、支払時の仕訳において相手科目を修繕費としてしまったことが判明した。その場合の平成21年度決算に当たっての修正仕訳として適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。
〔問 35〕甲マンション管理組合の理事会において、会計担当理事が平成21年度(平成21年4月1日~平成22年3月31日)決算の管理費会計の比較貸借対照表について行った次の説明のうち、収支報告書又は貸借対照表に関する説明として適切でないものは、次のうちどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、未払金、前受金及び前払金とする。
1 平成21年度収支報告書の次期繰越収支差額は700,000円であり、当期収支差額は100,000円のプラスでした。
2 平成21年度収支報告書の管理費収入は予算を下回っていますが、管理費の未収金の増加が前受金の増加より大きかったことが原因です。
3 未収金がいくら増加したかどうかは、収支報告書ではわかりません。
4 平成20年度に比較して平成21年度では現金預金が減少していますが、未払金が減少したことは、減少要因の一つです。
〔問 36〕マンションの建物に関わる法令に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」においては、既存住宅の性能評価項目の一つとして、建物の劣化の状況を評価した現況検査が含まれる。
2 「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」においては、住宅瑕疵担保責任保険法人の行う業務の一つとして、既存マンションの大規模修繕工事に係る瑕疵に関する保険契約の引受けを定めている。
3 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」においては、長期優良住宅建築等計画の認定基準として、建築後の住宅の維持保全の期間を25年以上と定めている。
4 「建築基準法」においては、昇降機で特定行政庁が指定するものの所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。)は、当該昇降機について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一定の資格を有する者に検査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならないと定めている。
〔問 37〕マンションの建物(鉄筋コンクリート造)に生じた劣化や不具合の現象とその原因について、適切でないものはどれか。
1 さび汚れは、コンクリートの中性化が原因の一つと考えられる。
2 ひび割れは、建物の不同沈下が原因の一つと考えられる。
3 床のたわみは、コンクリート強度の不足が原因の一つと考えられる。
4 ホップアウトは、コンクリートの乾燥収縮が原因の一つと考えられる。
〔問 38〕マンションの建物の調査・診断に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 タイルの浮きの調査を行うに当たって、打診調査と赤外線調査を併用し、同一箇所において両者の調査結果を照合した。
2 シーリング材の劣化状況の調査に当たって、目視による劣化度の調査のほか必要に応じてシーリング材の一部を切断して試験体を作り、引張り試験を行った。
3 コンクリートの中性化深さの調査に当たって、コア抜きしたコンクリートにフェノールフタレイン溶液を噴霧し、赤色に変化した部分を中性化部分として測定した。
4 外壁塗装の白亜化(チョーキング)の調査に当たって、指先や手のひらで塗装部分に触って付着する塗料の粉の状態で、劣化の程度を判断した。
〔問 39〕マンションの維持管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を利用できる条件として、修繕積立金が1年以上定期的に積み立てられており、管理費や組合費と区分して経理されていること、修繕積立金の滞納割合が10%以下であること等が挙げられている。
2 マンション管理適正化法第103条に規定する宅地建物取引業者が交付しなければならないマンションの設計に係る図書には、工事が完了した時点の構造計算書及び構造詳細図が含まれる。
3 「長期修繕計画作成ガイドライン」(平成20年6月 国土交通省公表)では長期修繕計画の作成(見直しを含む。)の前提条件として、推定修繕工事は、建物及び設備の機能を新築時と同等水準に維持回復させる修繕工事を対象とし、性能を向上させる改修工事は対象としないこととしている。
4 「長期修繕計画作成ガイドライン」(平成20年6月 国土交通省公表)では、長期修繕計画の計画期間について、新築マンションの場合は30年以上、既存マンションの場合には25年以上とされており、これは大規模修繕工事が2回行われることが想定されている。
〔問 40〕マンションの供給方式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 センチュリー・ハウジング・システムは、長期間にわたり快適に住み続けられる住宅を提供するための設計・生産・維持管理にわたるトータルシステムの考え方である。
2 スケルトン・インフィル住宅は、建物を躯体と内装・設備に分離して計画する方式で、維持・補修、交換・更新等の容易性が確保されるように配慮されている。
3 環境共生住宅は、地域の特性に応じ、エネルギー、資源、廃棄物等の面で適切な配慮がなされるとともに、暖冷房設備を設置しなくても快適に生活できるように工夫された住宅をいう。
4 建物のコンバージョンは、既存のオフィスビルを改修してマンションとする等既存建物の利用目的を、別の用途に変えることをいう。
〔問 41〕平成7年6月に建設省(現国土交通省)が公表した「長寿社会対応住宅設計指針」及び「長寿社会対応住宅設計指針の補足基準」における傾斜路の基準に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 傾斜路は、できる限り1/8以下の勾配とする。
2 傾斜路は、高低差75cmごとに1.5m以上の踊り場を設ける。
3 傾斜路の手すりの設置高さは、床面から75cmを標準とする。
4 傾斜路の手すりの端部は、できる限り20cm以上水平に延ばす。
〔問 42〕マンションの建物の耐震診断及び耐震改修に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 昭和56年6月より前の耐震基準(この問いにおいて「旧耐震基準」という。)により建設された鉄筋コンクリート造マンションのうち、昭和46年5月より前に建設されたものは、耐震診断及び耐震改修を行う必要性が一層高い。
2 1階部分に広い駐車場やピロティがある旧耐震基準により建設された鉄筋コンクリート造マンションは、構造耐力の向上を図るための耐震壁の増設・補強、柱のじん性(ねばり強さ)の向上を図るための柱の鋼板巻立て等の耐震改修を行う必要性が高い。
3 旧耐震基準により建設されたマンションについて、一定の方法による耐震診断がある場合は宅地建物取引業者は、宅地建物取引主任者にその内容を重要事項として購入者等に対して説明させることが必要である。
4 耐震改修を行う場合は、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき耐震改修計画の認定手続きを経た後、建築基準法に基づき建築確認の申請の手続きが必要である。
〔問 43〕マンションの給水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 受水槽から給水管への逆流を防ぐには、流入口の端部からオーバーフロー管の下端(あふれ縁)までの吐水口空間を設ける必要がある。
2 水道用硬質塩化ビニル管は、耐衝撃性が高く、住戸内に使用されるさや管ヘッダー方式の給水配管として用いられる。
3 ポンプ直送方式の運転制御方法には、ポンプの運転台数を制御する方法と回転数を制御する方法がある。
4 給水器具の最低必要圧力は、一般の給水栓に比べ、ガス給湯器(22~30号)の方が高い。
〔問 44〕マンションの設備計画に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 自然冷媒ヒートポンプ式給湯機は、エネルギー消費効率が高く貯湯タンクも必要としないので、省スペースが図れる。
2 浴室等で使用する第三種換気方式は、必要換気量を確保するため、換気扇の運転時に十分に給気を確保できるように給気口を設置する必要がある。
3 特殊継手排水システムは、複数の排水横枝管からの排水を一つの継手に合流させて排水させる機能があり、排水立て管の数を減らすことができる。
4 高置水槽方式の給水方式では、一般的に、高置水槽の有効容量は、1日の使用水量の1/10程度を目安に計画する。
〔問 45〕マンションの消防用設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 連結送水管は、火災時に消防隊が到着するまでの間、居住者(自衛消防隊等)が消火活動を行うために使用される。
2 自動火災報知設備には、熱感知方式(定温式、差動式等)、煙感知方式(イオン化式、光電式等)等がある。
3 屋内消火栓設備において、易操作性1号消火栓及び2号消火栓は、火災時に1名でも操作ができる。
4 泡消火設備は、泡による窒息作用と冷却作用により消火する設備で、屋内駐車場等に設置される。
〔問 46〕マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 国土交通大臣は、マンション管理士が、その信用を傷つけるような行為をしたときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。
2 国土交通大臣は、マンション管理士が、5年ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が国土交通省令で定めるところにより行う講習を受けなかったときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ずることができる。
3 マンション管理士の試験に合格した者であっても、偽りその他不正の手段により管理業務主任者の登録を受け、その登録を取り消された者は、当該取消しの日から2年を経過しなければ、マンション管理士の登録を受けることができない。
4 国土交通大臣から期間を定めてマンション管理士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、マンション管理士の名称を使用した者は、10万円以下の過料に処せられる。
〔問 47〕マンション管理業に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンションの区分所有者である管理者が、自ら当該マンションの管理事務を業として行う場合は、マンション管理業に該当しない。
2 2以上の区分所有者が存する居住の用に供する建物であるが、そのすべてが賃貸されている建物の管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うものは、マンション管理業に該当しない。
3 2以上の区分所有者が存する建物であるが、人の居住の用に供されていない建物の管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うものはマンション管理業に該当しない。
4 マンションの管理に関する事務であって、マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整が含まれないものは、管理組合から委託を受けて管理に関する事務を業として行うものであっても、マンション管理業に該当しない。
〔問 48〕管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンション管理業者は、既存の事務所がマンション管理適正化法第56条第1項の管理業務主任者の設置に関する規定に抵触するに至ったときは、1月以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。
2 管理業務主任者は、マンション管理適正化法第72条第1項に定める重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、必ず管理業務主任者証を提示しなければならない。
3 管理業務主任者は、その登録が消除されたとき、又は管理業務主任者証がその効力を失ったときは、速やかに、管理業務主任者証を国土交通大臣に返納しなければならない。
4 40の管理組合(いずれも人の居住の用に供する独立部分が6以上のマンションとする。)から管理事務の委託を受けている事務所について、マンション管理業者が、当該事務所に置かなければならない成年者である専任の管理業務主任者の数は2名以上である。
〔問 49〕マンション管理業者の業務に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものは、いくつあるか。
ア マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
イ マンション管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類を、管理業務主任者をして作成させ、その事務所ごとに備え置かなければならない。
ウ マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、国土交通省令で定めるところにより、管理業務主任者をして帳簿を作成させ、これを保存しなければならない。
エ マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ区分所有者等全員に対し、説明会を開催して、管理業務主任者をして、重要事項について説明させなければならない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
〔問 50〕マンション管理業者Aが管理組合Bから委託を受けて、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則第87条第2項第1号イに規定する「マンションの区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入し、毎月、その月分として徴収された修繕積立金等金銭から当該月中の管理事務に要した費用を控除した残額を、翌月末日までに収納口座から保管口座に移し換え、当該保管口座において預貯金として管理する方法」をとっている場合に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、BにはA以外の者が管理者として置かれているものとする。
1 Aは、いかなる場合であっても収納口座の名義人となることはできない。
2 Aは、マンションの区分所有者等から徴収される1月分の修繕積立金等金銭の額の合計額以上の額につき有効な保証契約(この問いにおいて「保証契約」という。)を締結していれば、保管口座の名義人となることができる。
3 Aは、保証契約を締結していれば、保管口座に係る印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理することができる。
4 Aは、Bを名義人とする収納口座に係る印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理する場合、保証契約を締結していなければならない。
最終更新日:
2010年12月18日